青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2024.01.12
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テーマ: 在宅介護(1573)
カテゴリ:
先ほど、お茶を飲もうかな、
緑茶を淹れよう、と思いました。

緑茶だけではないのですが、新しく飲み物を淹れる時は
母にもお供えしているので、
朝上げていたお抹茶のような飲みやすい青汁のカップを
「今から緑茶入れるからちょっと待っててね」と
言いながら下げました。

下げるとき、私の斜めうしろのほうで母がにこにこしながら
失語症で聞き取ることが出来なくなったもつれた言葉で


母の小さくて高い優しくて可愛らしい声を
思い出しました。

母を介護していたとき、
母は居間の椅子に座ってもらっており、
私が隣のキッチンに食事の用意に行ったり
食事や飲み物を持ってきていたりしていたのですが、
居間からキッチンは見えなかったので
不安になったのか、一度私が食事の支度中に
立ち上がってキッチンの方向に1~2歩踏み出して
そのまま倒れてしまったことがありました。

リハビリ病院から退院して一ヶ月位の時だったと


リハビリ病院では、肘掛けなどを支えにして
立ち上がるコツを練習していたので、
非常にまれですが、とても調子が良い時には
自分で立ち上がれたのだと思います。

幸いコートやデーサービスに持っていく衣類等を

そこの上に倒れたので、怪我はなかったのですが、
階段が近くにあったので、
そちらの方向に倒れたら大変なことになるところでした。

それを防ぐために
ちょっとでも母から見えないところで用事をする時は
一つは、自作のピンクのシートベルトをつけてもらい
もう一つは、何々してくるからすぐ戻るね、
ちょっとまっててね~と
母に安心してもらうように説明していました。

「お茶煎れてくるからちょ~っとまっててね~」
というのは一日に何回も言っていた言葉です。

そんな時、母が調子が良いときは
にこにこしながら何か言っていました。

母が何か言葉を発するとき、
寒いとか、喉が渇いているとか、どこか痛いとか、
何か不調を訴えているのでは、と
理解しようといろいろ聞いていましたが、
にこにこしながら、用事をする私に何か言うときは
「ずいぶん頑張ってるね。感心してる。」
みたいな事を笑って言っていたのだと思います。

それを私の斜め後ろから
言っているのを思い出したのは、
母がそんな言葉をかけるときには
私がキッチン等に移動しかけている時だったからで、
今回思い出したのも、その時の事なのだと思います。

一瞬、母がいたときに気持ちを思い出したのと、
母の明るくて優しい嬉しそうな声を思い出せました。

そういえば、倒れる前にはよく、
お茶だのお菓子だのあれこれ出す私に、
「ここはサービスが良いねえ」と
冗談で笑って言っていました。

だから失語症になっても
そう言っていたのかもしれないですね。

脳梗塞でも失語症でも
今までの母がいなくなったわけでも
何もわからなくなったわけでもなくて
いつもの通りの母が
ずっといてくれたのだと
後になって気がつくことが沢山ありました。

介護中は母が少しでも良くなるために
目の前の事をするのに無我夢中で
あまりそういったことに気がつく余裕が
ありませんでした。

今日ももしかしたら、いつものように
お茶をお供えし直す私に
「ここはサービスが良いねえ」と
嬉しそうに言ってくれたのかもしれません。

下:おままごとサイズの
小さなカップと受け皿。
お供えに使っています。











画像をクリックすると詳細が見られます。






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Last updated  2024.01.16 23:49:46
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