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2006年10月01日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay
平等院6

平等院4


 肌を刺す暑さとは裏腹に、風はとても優しく秋の匂いを含んでいた。
 さらさらとなびく髪が、ノースリーブの二の腕に心地よい。

 ここ、平等院は二度目であった。
 あれからどのくらいの時が、わたしの頭上を通り過ぎたのだろうか。

 平等院は少しもロマンチックじゃなかった。
 乙女チックでアンノン族だったわたしには、少しも面白くなかった。
 もう少し情緒のある街を歩きたかった。
 例えば、若い女性ならきっと選ぶだろう嵯峨野路や、南禅寺から哲学の道経由の銀閣寺。
 でも、彼はなぜか宇治の平等院だった。
 だから、わたしは少し拗ねた。
 拗ねて軽い喧嘩をしたのだ。
 わがままで若かったあの頃、彼のプロポーズを断ったあの日……。


 そんなことを懐かしくふと思い出してみた。
 あまりの歳月に、わたしは軽く苦笑をした。

 見上げた秋の空は、高かった。
 ガキだったんだなぁ。
 駅からこんなに歩いたことも、どこかでお茶を飲んだことも、全部記憶から落ちていた。
 それでも阿弥陀堂を中心に広がった鳳凰の風情は、少しも変わらなく記憶の中にしっかりとあった。


 秋の匂いがした。

sora

平等院2






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最終更新日  2006年10月01日 14時16分47秒 コメント(8) | コメントを書く
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