2004年05月03日
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 それまで住んでいたマンションを出て、一人暮らしを始める。
 新居は綺麗で広くて高そうなマンション。

 引越し後、一人で荷物の整理を始める。
 管理人(チャキチャキした明るいおばあさん)が何度か顔を出し、入居した人が最初に済まさなくてはならない用事をさっさと済ませるよう私に催促する。
 この時点で、彼女の印象は悪くない。

 向かいの部屋の男が挨拶にくる。
 男は30代後半ぐらいで体がとても大きい。
 彼も今日引っ越してきたらしい。
 引越しの挨拶と共に彼は、丁寧に包装された箱を持ってくる。

 なぜお土産なのだろうと不思議に思いつつ、箱の中身についてしつこく説明する彼の話を何となく聞いている。
 どうやらものすごくおいしい食べ物が入っているらしい。
 渡された箱を見ると、包装紙の口が中途半端に開いている。
 男は同じ包みの箱をいくつか紙袋に入れて抱えているが、それらの箱は手付かずで綺麗だ。
 何となく私は嫌な感じを覚える。
 男から静かな邪悪さを感じる。

 その男は去る。
 すると、ドアが閉まりきらないうちに、今度は隣りに住むという男がやってくる。
 こちらの男は若く、見るからに野蛮な感じがする。
 私に無遠慮な質問を投げかけ、部屋の中や玄関先に置いてある物をジロジロ見る。
 私は早く追い払おうとする。

 それも、100円ショップで買った小さな文房具を2つ掴んで離そうとしない。
 最初は私も抵抗するが、だんだん面倒になり、とにかく男に早く帰ってほしくてその2つの文房具は諦めることにする。
 それでもぐずぐずと居座ろうとする男を無理矢理部屋から押し出し、鍵を閉める。

 玄関のドアは変な作りで、四角いドアの四隅にそれぞれ一つずつ鍵が付いている。
 細い棒状のネジを四隅に空いた穴にねじ込むという仕組みになっており、いかにもちゃんと閉まらない感じ。

 色々試しているうちに、ドアが右からでも左からでも開く両開き式であることを発見。
 そして、必ず四隅をロックしないと鍵は閉まらないのだと悟る。

 ドアの四隅をロックして、部屋の片付けに戻る。
 玄関から続く廊下の両側に大きな部屋が二つある。
 それらの部屋は外に向かってガラス張り。
 まずはそこにカーテンをつけるが、ガラスすべてを覆うことができず、上方と下方に少しずつ隙間ができる。
 カーテンをつけながらふと外を眺めると、向かいの部屋の様子が見える。
 先ほどお土産を持ってきた男が片づけをしている。
 外は暗くなって、男の部屋が闇の中に浮かび上がる。

 男の様子を窺い続ける。
 男が私の視線に気付き、こちらを向きそうになる。
 私は慌ててつけたばかりのカーテンの陰に隠れる。
 しかしきっと男は気付いているだろうと思う。

 カーテンで覆いきれない隙間を気にしつつ私は片付けに戻る。
 ふと見るとカーテンが少し開いている。
 そして隣りの男が外から入ってこようとしているところだった。
 不快さを感じ、帰ってくれるよう説得する。
 何とか男を追い出すと今度は向かいの男が入ってこようとする。
 そんなことが何度か続き、管理人のおばあさんの度重なる訪問も加わり、私の心は休まることがない。

 さらに時間が経つと、煩わしさが怒りになり、じきに恐怖に変わってくる。
 男二人とおばあさんによってもたらされるいくつかの出来事が重なり、私は命の危険を感じるようになる。
 いよいよ危ないと思うようになった時、彼らに見つからないようにマンションを出る。

 私は走る。
 直線の大きな道を走り続ける。
 夢の中ではいつもそうであるように、思うように走れない。
 泳ぐように走る。
 後ろから大勢の人が追ってくる気配がする。
 私がたちうちできないような頑強な男たち。

 途中、走っている道沿いに友人の住むマンションがあることを思い出す。
 彼女は大学の同級生のK。
 彼女の部屋に逃げ込む。
 状況の説明などは一切しないのだが、彼女はすべてを理解していて、心から協力してくれる。

 彼女の部屋の中でも私は、暗い隅の方に身を潜める。
 しかし、追っ手が私の居場所を知っていることが私にはわかっている。
 危機感を感じ、他の場所に移ることにする。
 窓から外に出ようとしたその瞬間にKの部屋の電話が鳴る。
 私が受話器を取ると、誰かが私に危機を伝える。
 大勢の男がきみを追っていて、Kの部屋に近づいている、追っ手の中にはカンフーの達人もいて、彼は特に最強だ、早く逃げろと。

 そうこうするうちに、追っ手がKの部屋に入ってくる。
 私は窓から飛び降りる。
 思ったよりも高く、地上三階の高さから飛び降りることになる。
 怪我もなく、私はまた走り始める。

 向かっているのは前に住んでいたマンション。
 走りながら、前のマンションに戻ってもう一度あそこで暮らそうと決める。
 しかし、追っ手はきっとすぐに私の居場所を突き止めるだろうと思い、不安や迷いが拭いきれない。
 苦悩して走りつつ、目が覚めた。





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最終更新日  2004年05月04日 02時49分16秒
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