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第4話

蘇小荷(ソショウカ)に翻弄され怒り心頭の莫修染(バクシュウセン)こと咕咕狸(ココリ)。
姉・布偶(フグウ)の店で気分転換していると、偶然、小荷が莫羽寂(バクウジャク)を連れてやって来た。
どうやら羽寂が紅魂珠(コウコンジュ)を見つけ、小荷に渡したらしい。
小荷は魂珠を見ながら笑顔を見せ、お礼にごちそうすると言った。
「ここの焼き魚やつみれ、最高なの、老板も良い人なのよ?この前の代金も払わなくちゃ」
しかしそこへ修染が現れる。
「なぜ俺の侍女と一緒に?」

すると修染はいきなり小荷の紅魂珠を取り上げて握りつぶしてしまう。
「これは偽物だ、見分けもつかないとは…」
小荷は落胆し、仕方なく修染と帰ることにした。
…大哥とこんなに話したのは数年ぶりだ…
羽寂は2人の背中を見送りながら、どこか嬉しそうだった。

猫屋敷に戻った修染と小荷。
小荷の話では他にも密かに魂珠を集めている者がいるらしい。
(ΦωΦ)<まさか孰湖(ジュクコ)ではあるまいな…いや、ありえん、死んだはずだ
ともかく修染は小荷と違って約束は守ると断言、兄の手がかりである魂珠を探すことにした。
早速、咕咕狸の聴覚を使って聞き耳を立てる修染、すると紅魂珠は駿宝斎(シュンポウサイ)という店で売られていると分かる。
しかし能力を使いすぎたせいで人間の姿を保つ力がなくなり、修染はそのままばったり倒れた。

驚いた小荷が呼びかけていると、運悪く洛風(ラクフウ)が差し入れを持ってやって来た。
洛風はちょうど修染が猫に変身する様子を目撃、差し入れを落として逃げて行ってしまう。
「化け猫だぁぁぁ!」

いつもはいけすかない修染だが、猫はやはり可愛い。
小荷は体力を回復させている咕咕狸に寄り添い、やがて眠くなってしまう。

咕咕狸は夜空を見上げながら、早く契約を取り消して自分の星に帰らねばならないと焦った。

翌朝、小荷が目を覚ますと、隣にはすでに修染に戻った咕咕狸がいた。
「うわーっ!人の姿に戻っていたなんて…」
「人の姿でいられるのは6刻だけだ、まあ吾輩と共寝できて光栄と思…」
ボカッ!(o゚Д゚)=O三☆)゚◇゚)))アゥ!
「イタタタ…優しくした方がいいぞ?紅魂珠を見つけた」
「本当?!」
すると小荷は念のため洛風に猫になるところを見られたと伝えておいた。



洛風は莫修染が猫妖に殺されたと誤解、敵を討つべく寝殿から出て来た修染に襲いかかった。
しかし腕が立つ咕咕狸に叶うはずがない。
「殺せ、私は少将軍のしもべ、主を殺された以上、生きる意味はない」
すると咕咕狸は修染の記憶をたぐり寄せ、話して聞かせた。
あの時、敵軍の奇襲に遭った修染は自分が標的だと気づき、おとりになって配下を逃したという。
「お前を助けようとした少将軍の思いを無駄にする気か?よく考えろ」

修染と小荷は駿宝斎を訪ねた。
しかし一足遅く玉(ギョク)夫人が今朝方、魂珠を買って行ったという。
そこで修染は他にも魂珠を探している者がいなかったか聞いた。
店主は確かに半月前、蘇(ソ)という書生が来たが、銀子が足りなかったという。
「きっと哥哥だわ…」

玉夫人は最近の修染の様子がおかしいと訝しく思っていた。
輿入れ以来まるで別人のよう、あの日も侍女の箪笥に修染の衣がありながら、中にいたのは猫だけだ。
「何か裏があるわ…」
すると側仕えの翠巧(スイコウ)がちょうど屋敷に道士が来ていると思い出した。

道士は夫人の手の甲に引っかき傷があることに気づき、猫妖かもしれないと言った。
見事に言い当てた道士に驚きを隠せない玉夫人、そこで道士は杏黄酸(キョウオウサン)を渡し、これを酒に入れて飲ませれば正体を表すとそそのかす。
そんなある日、修染と羽寂は父に呼び出された。
実は陛下が落日(ラクジツ)との和議を望んでいるため、公主と王子を都へ招いたという。
莫家は和議の話し合いを託されたが、うまく運ばなければ大問題になるだろう。
すると羽寂は落日側に弱みを見せないよう進言した。
しかし修染は譲歩ばかりでは侮られると指摘、相手の出方を見て要求をのませるべきだという。
「うむ、修染がいれば私も心強い、明日、宴を開いて公主と王子を招く」
莫氏は息子のどちらかが公主に気に入られ婚姻を結ぶことになれば鼻が高いと言った。

宴に現れた落日の南屏晩(ナンヘイバン)公主は早々に修染との手合わせに興じた。
「さすがは名高い天璃の少将軍、私の負けだわ」
2人は意気投合し酒を酌み交わして席に戻ったが、修染は見知らぬ男の姿に気づく。
しかし咕咕狸は修染の記憶を思い出し、その男が叔父だと分かった。
(ΦωΦ)<ぁ…数年前に医術の修行に出た修染の叔父か…

玉夫人は早速、公主に紅魂珠を送った。
しかし公主は偽物だと呆れる。
確か10年前に現れたという紅魂珠は中に錦鯉の姿が浮かぶはずだ。
そこで修染が魂珠を確認すると、色合いを見るに本物だが錦鯉がいない。
恐らく咕咕狸と同じように錦鯉も逃げ出したのだろう。
修染は中身がなくても貴重な宝物だと魂珠を贈り、その場を丸く治めた。

歓迎の宴が始まり、莫氏の音頭で一同は乾杯した。
しかし修染は急に具合が悪くなり、小荷は咄嗟に風邪気味のため酔いが回ったと取り繕う。
心配した莫氏は退席を許し、修染は小荷に支えられながら帰って行った。
すると後を追って来た翠巧に修染の猫耳姿を見られてしまう。
翠巧の報告を聞いた玉夫人はほくそ笑み、客人に面白い出し物を用意したと伝えた。

修染は毒酒のせいで猫に戻った。
小荷は咕咕狸を抱いておろおろするばかり、そこへ洛風が現れる。
「早く逃げろ!安全な場所へ案内する」
その時、外から玉夫人の声が聞こえて来た。
仕方なく洛風は莫氏たちを出迎え、少将軍なら休んでいると報告する。
しかしここで引き下がれない夫人、道士を呼んでお祓いを始めると、寝殿から猫が現れた。

道士は猫を捕まえた。
そこへ猫を追って小荷が飛び出してくる。
「老爺、夫人、実は少将軍が昨夜、拾って来た猫です、ご迷惑をおかけいたしました」
すると夫人は侍女を捕らえろと命じた。
羽寂は慌てて間に入り母と対峙、莫氏は客人の前で面目が立たない。
「これが出し物か?恥をかかせないでくれ」
「老爺、皆に証人になって頂きます、この猫こそ莫修染なのです!」
莫氏は突拍子もない話に呆れたが、玉夫人は道士に術をかけろと迫った。

つづく





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最終更新日  2022.01.19 21:37:19
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