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2022.03.24
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第57話「貴妃への転機」

王儇(オウケン)の暗殺に失敗した王倩(オウセン)。
賀蘭拓(ガランタク)は仕事の邪魔をするなと折檻したが、王倩は自分で王儇を殺して大成での恨みを晴らしたいという。
しかし賀蘭拓は婚礼の儀まで手を出すなと命じた。
「俺の仕事が終わったら煮るなり焼くなり好きにしろ!」

一方、小皇子・馬静(バセイ)は危うく連れ去られそうになったところを王藺(オウリン)に救われた。
翌朝、王夙(オウシュク)は父から隠し事をしたと責められたが、実は阿嫵(アーウォ)から身分を隠して守るよう伝言があったと釈明する。
王藺は顧采微(コサイビ)を襲ったのが皇太后の手下だったと教え、小皇子は自分のそばに置くのが最も安全だと言った。


王夙は采微が怪我をしたと知り、急いで顧家を訪ねた。
「迷惑をかけてしまったな、すまない」
しかし采微はむしろ預かったのが王夙の子供ではなかったことに安堵している。
王夙は嘘をついたと認めて事情を明かそうと思ったが、采微が遮った。
「あの子が誰であろうと気にしません、このまま知らぬふりを通します、理由があるのでしょう?」
「ああ、助かるよ」
すると王夙は明日、皇都に戻ると伝え、一緒に行かないかと誘った。
采微は何の約束もなく心許ないと感じ、皇都に行っても今の顧氏では役に立てないと言葉を濁す。
そこで王夙は約束の品として自分の玉佩を贈り、采微も自ら刺繍した手巾を渡した。

王儇は賀蘭拓の天幕から出て来た王倩を呼び止めた。
すると王倩はさそりのことなら自分ではなく術士のせいだと言い逃れ、ここで贅沢な暮らしができるのも王儇のおかげだと心にもないことを言う。

しかし王倩は王儇が夫も両親も失い、侍女にまで裏切られたのは報いだと言い放って行ってしまう。

皇帝・馬子澹(バシタン)は阿嫵の自死を知って倒れ、それから飲まず食わずとなった。
心配した蘇錦児(ソキンジ)は式乾殿を訪ねたが、冷たく追い返されてしまう。
しかし錦児は門前でひたすら待ち続けた。
侍女・凌春(リョウシュン)は困惑したが、確かに憔悴して行く皇帝にただ手をこまねいているわけにもいかない。


錦児は皇帝に目通りが叶い、たとえ死を命じられても言わねばならないと切り出した。
「一国の主として国のために生きてください
 王妃は豫章(ヨショウ)王の妻です、もう認めてください
 お2人は長い時間をかけて愛を育まれました、王妃は陛下を忘れたのです
 王妃を命懸けで守り天下を取っても、どれだけ尽くしても、王妃の心に陛下はいません…」
「誰か!追い出してくれ!」
凌春は皇帝の怒号を聞いて駆けつけた。
しかし錦児は話をやめない。
「陛下?!…私はしがない侍女ですが、陛下が王妃に尽くすように私も陛下に尽くして来ました
 私は尽くしたいのです、陛下に哀れんで欲しいのではありません
 亡き王妃もこのような陛下のお姿を見たくはないでしょう
 お願いです、どうか早く立ち直り、ご自身を大切に…」
「…話が済んだら出ていけ」
すると凌春は錦児を連れて行った。

豫章王妃の死で皇帝はふさぎこみ、朝議にも顔を出さなかった。
大臣たちは王妃の死を皇帝の耳に入れたのが蘇錦児だと知り、この機に罪人の侍女も始末しようと決める。
すると式乾殿に鳳池(ホウチ)宮の宮女が駆けつけた。
蘇錦児が投獄され、皇帝に助けて欲しいという。

蘇錦児は拘束され、地下牢に連行された。
牢で待っていた温宗慎(オンシュウシン)と衛(エイ)侯は豫章王妃の自死が事実かと確認、錦児が認めると処刑を命じる。
しかし地下牢から出ようとしたところで皇帝がやって来た。
子澹は自分の従者を勝手に殺すつもりかと激怒したが、2人は皇帝のためであり後悔はないという。
「陛下、豫章王の残党を生かすわけにはいきません!」
すると子澹は朝廷が錦児をどうしても殺したいなら逆に可愛がると言い放ち、その場で錦児を貴妃に封じてしまう。

その頃、カルから戻って来た忽蘭(クラン)王は未だ王儇が生きていると知って憤慨した。
賀蘭拓は賀蘭箴(ガランシン)が王儇に大勢の護衛をつけたため近寄れないと釈明し、婚儀の日までに方法を考えるとなだめる。
一方、賀蘭箴は王儇に草原の婚礼服を届けた。

心配せずとも婚礼は王儇に地位を与えるため、何も強要するつもりはないという。
しかし王儇は未だ蕭綦(ショウキ)の死を信じられず、″豫章王妃″以外の称号はいらないと断った。
賀蘭箴は現実を受け入れるよう説得したが、王儇はたとえ蕭綦の死が事実だとしても、婚礼服は着ないと突き返す。
「帰って…」
「俺には気がないようだ…少しも心が揺れないと?」
「…あなたとの時間は苦痛であるだけ、永遠に消え去って欲しい」
( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ガーン…な賀蘭箴w

賀蘭箴は自分の天幕に戻り、阿嫵の婚礼服を大切に飾っておいた。
自分との時間が苦痛以外の何物でもないと突き放され、さすがに深く傷ついた賀蘭箴、しかしそれでも一生、阿嫵を待つと決意する。
その頃、蕭綦は愛する妻を取り返すため、孤独な旅を続けていた。
🦁<ナーツィゴンニャー〜♪  ←あくまでイメージw

蘇錦児が目を覚ますといつの間にか寝殿にいた。
すると控えて侍女が錦繍(キンシュウ)宮は保護され、誰も蘇貴妃を傷つけないと安心させる。
実は牢獄で首を吊られて気を失ったあと、子澹が病を押して助けに来ていた。
子澹はその場で蘇錦児を貴妃に冊封、錦繍宮を下賜したという。
…子澹の心には私がいたのね!…
感激した錦児は身支度もせず、少女のように裸足のまま駆け出した。

子澹は今日もひとり阿嫵の絵を眺めていた。
すると意識を取り戻した錦児が現れ、拝礼して助命に感謝する。
「…余が落ちぶれ隠れて帰京した時、助けてもらった恩を忘れぬと言ったではないか
 この数年、そなたの余への想いは分かっておる」
「このご恩、死ぬまで忘れません、私はこの人生を陛下のために生きています」
しかし子澹は錦児が望む答えをくれなかった。
「…余は誰のために生きればいいのか分からぬ」
子澹が錦児を助けたのは想いが通じたからではなく、阿嫵が大切にしていた侍女だからだった。

( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ガーン…再び


王夙と宋懐恩(ソウカイオン)の一行が江南から帰京した。
夫の無事な姿を見て涙する蕭玉岫(ショウギョクシュウ)、一方、王夙は徐(ジョ)女官と阿越(アエツ)を連れて久しぶりに王氏の屋敷に戻る。
「阿嫵が戻るまで以前の部屋を使いなさい…王安、一緒に出かけるぞ」
王夙は王安を連れて母が眠る慈安(ジアン)寺を訪ねた。
そこで静慈師太に母が頻繁に夢に現れるようになり、母のそばで過ごせるよう寺の近くに静かな家を探していると告げる。
「手を貸してくださいませんか?」
「さすがは孝行息子ですね、当然、協力しましょう」

その夜、なかなか寝付けない阿嫵は幕営を散策していた。
すると偶然、夫と密会しているアリマを目撃する。
「アリマ?」
驚いたアリマはウリモクとひざまずき、王妃に拝礼した。
ウリモクはアリマの夫で、奴隷として一緒に連行されたという。
王儇はウリモクが祭りでアリマの酒を飲んだ男だと思い出したが、その時、どこからともなく王儇を呼ぶ声が聞こえた。
「王妃!」
王儇が付近を見回すと、捕虜の牢屋に見覚えのある顔がある。
「龐癸(ホウキ)?!」

王儇は急いで牢屋に駆けつけた。
「生きていたのね、死んだと思っていたわ…」
「王妃、私は無事です!」

つづく


( ;∀;)ぱんだあぁぁぁぁ!





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最終更新日  2022.03.24 14:34:44
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