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长相思 lost you forever第3話玟⼩六(ビンショウリク)の血のおかげで奇跡的に回復した神族の男。ようやく顔中を覆っていた包帯を外し、沐浴を済ませて身なりを整えた。すると男は端正な顔立ちで、粗末な装いでありながらどこか高貴さを漂わせている。多少、脚を引きずるものの、歩くのに不自由はないようだった。そこで小六は明日にでも出て行くよう言ったが、男は名前も行き場もなく、命の恩人である小六に仕えたいという。果たして男は記憶を失ったのか、ただ言いたくないだけなのか。小六はそんな訳ありの男にどこか共感し、医館に置くことにした。すると喜んだ麻子(マシ)と串子(カンシ)は自分たちのように男にも名前を付けてやってはどうかと提案する。「…その葉っぱを数えろ、何枚ついてる?」「17枚」「じゃあ今日からお前は葉十七(ヨウジュウシチ)だ」清水(セイスイ)鎮の郊外には九頭蛇の相柳(ソウリュウ)率いる辰栄(シンエイ)残党軍の陣営があった。西炎(セイエン)の五王は賞金首の筆頭である相柳を仕留めようと躍起になっていたが、相手は手強い。軒(ケン)は暗衛・鈞亦(キンエキ)の報告を聞きながら、確かに九命相柳は侮れないと警戒した。「大将軍・洪江(コウコウ)だけなら制圧できていたはずなのに…必ず始末して見せます!」「いや、殺すには惜しい」軒は相柳の手腕に目をつけ、自分に帰順させるよう命じた。そんなある日、老木(ロウボク)は麻子と恋仲の春桃(シュントウ)の家に結納を届けに行った。しかし父親は猛反対、一人娘の嫁ぎ先は自分の老後にも関わるという。「こんな結納で娘をやれるか!」すると老木は追い返されてしまう。十七は仕事覚えが早く、小六はこれで悠々自適の日々だと喜んだ。しかし麻子が縁談を断られたと知り、結納金を工面するため霊草を採りに行くと決める。霊草がある山奥は辰栄残党軍の縄張り、老木は危険だと止めたが、小六はただの薬草採りだと笑って出かけた。するといつの間にか十七が付けて来たことに気づく。小六は帰るよう命じたが十七は頑に一緒に行くと譲らず、結局、道連れになった。痒い所に手が届く十七のおかげで快適な山登りになった小六。やがて辰栄残党軍の領地を示す大きな岩が見えて来た。「ここから先には絶対に入るなよ?西炎に滅ぼされ、洪江の領地はここだけだ 軍律が厳しいらしいから残党軍を怖がることはない ただ九頭蛇の相柳は面倒だ、悪辣な手段も辞さないからな」小六は老木の受け売りで十七を散々、怖がらせて待たせることにした。すると運良く石ころにくっついた朏朏(フェイフェイ)の糞を見つける。実は希少な朏朏は人族に解憂獣(ゲウジュウ)と呼ばれ、貴人に高く売れた。「気をつけて!ここで待ってる!」「…待ちくたびれたら帰れよ!」小六が振り返ると心配そうに見送る十七の姿がある。しかし小六は自身の苦い経験から、永遠に待ち続けることなどできないと知っていた。朏朏の足跡は池のほとりで途切れていた。朏朏は若い娘の歌声が好きで、人の悲しみに寄り添うという。そこで小六は自分の前に罠の陣を敷き、哀愁ただよう情愛の曲を歌った。まさか自分の歌声が高台にいる九頭蛇にまで届いてしまうとは夢にも思わず…。(* ̄0 ̄)θ~♪相見相思ぅ~小六の歌を聞いた朏朏が巣穴からひょっこり顔を出した。すると小六の歌に導かれ、まんまと罠に掛かって出られなくなってしまう。しかし小六は自分を慰めに来てくれた朏朏の優しさに心を打たれ、陣を解いて逃すことにした。その時、巨大な鷲が朏朏目がけて降りて来る。小六は鷲に毒を投げつけ朏朏と逃げ出したが、鷲の主が現れた。「毛球(ケダマ)、だから言っただろう?人は信用ならぬと」↓フェイフェイと鷲の兄貴w木の上に仮面で顔を隠した銀髪の男がいた。驚いた小六は男にも毒を投げつけたが、毛球を倒せることはできても主には効果がない。小六は仕方なく朏朏だけを逃し、男に解毒薬を渡して許しを請うた。「こいつは西炎の太医の毒にも倒れなかった、驚いたな」「まぐれでできた薬だ、俺はただの町医者、子作りの手助けをしている」すると解毒した鷲が無事に目を覚まし、朏朏はあっけなく捕まってしまう。小六は捕縛され辰栄軍の臨時陣営に連行された。すると幕舎に放り込まれ、さっきの銀髪の男が現れる。小六は恐る恐る男の顔を見たが、その時、男の仮面が消えて素顔が現れた。…九命相柳だったのか…一方、十七は背負っていた荷物を降ろし、ひたすら小六の帰りを待っていた。相柳の配下が調べたところ、この男は確かに玟⼩六という回春堂の医者だった。しかしただの医者とは到底、思えない。「お前は何者だ?」すると相柳の目が怪しげに赤く光り、小六の首に氷刃を突きつけた。小六は怯えていたが、かと言って何とも答えようがない。実のところ小六にも自分が何者なのか分からないからだ。「俺はただ…」あの時、小夭(ショウヨウ)は川に映った自分の顔が次々と変わる様子を見て驚愕した『私の顔がない!顔を忘れたら元に戻れなくなってしまう!』「…俺はただの捨てられた者だ、身を守る力もなく、頼れる者もいない 帰れる場所もなく、天下をさすらっていたが、20年余り前、清水(セイスイ)鎮に住み着いた もし許されるなら生涯、ただの小六でいたい」小六の話を聞いた相柳はふいに殺気が消えて目の色が戻り、命が欲しいなら自分の配下になれと言った。「明日、答えを聞こう」その夜、阿念(アネン)は庭で酔い潰れた老桑(ロウソウ)に上掛けをかけている従兄を見かけた。「これじゃ哥哥が老桑に仕えているみたい」すると老桑が何かうわごとを言っている。「″王姫″…私の千年桑葚(ソウシン)はあなたに取ってあります、誰にも渡しません…」「ふふ、主思いなのは感心ね」一方、小六は縛られたまま相柳の幕舎の床に転がっていた。…十七は帰っただろうな、老木たちは心配しているだろうか…翌朝、十七はついに霊力を使って小六の行方を探し始めた。その頃、小六は相柳から答えは出たのか迫られ、まだ考え中だと時間を稼いでいた。「のどが渇いたな…」「…誰か」小六はようやく水が飲めると思ったが、噂通り相柳は容赦なかった。「鞭を打て、20回だ」小六は拷問の末、配下になると約束した。しかし条件があると言ったせいで、さらに20回も打たれてしまう。すでに背中は血で真っ赤になり、肉が裂けていた。「まだ条件があるのか?」「…これだけは譲れない、清水鎮からは離れない、承諾できないならここで殺してくれ」「いいだろう」その頃、十七は小六が反乱軍の陣営にいると突き止め、独り乗り込んでいた。相柳は小六が清水鎮で医者をすること認め、自分に必要な毒を調合するよう命じた。「必要な時には必ず命に従え…毒を作れなければ身体で償ってもらう まずは耳を切り落とそう、次は鼻を削ぐ」その時、配下が駆けつけ、侵入者だと報告した。つづく※字幕では毛球(モウキュウ)ですが、ずっと″けだま″と呼んでいたのでこのままでw
2024.07.30
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长相思 lost you forever第2話清水(セイスイ)鎮に到着した軒(ケン)一行。ここには知らぬものはないと豪語する霊石の妖怪がいた。霊石の広場では講談中に兎妖(ウヨウ)の急なお産で一騒動あったばかり。軒たちはちょうど医者の玟⼩六(ビンショウリク)と入れ違いで講談の続きを聞くことにした。しかし思いがけず小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)の物語だと気づき、軒は目を潤ませてしまう。…小王姫は玉(ギョク)山で哥哥との再会を待ち続けていただが待てど暮らせど哥哥は迎えに来ない小王姫はあきらめて父の皓翎(コウレイ)王を探すため密かに下山するも、その後、行方知れずとなり、今では生死すら分からないという…「今日はここまで、続きを聞きたい方はまた明日、来てくれ」すると石妖(セキヨウ)は霊石に戻った。軒は身分を隠し、街の東側にある空き家を借りた。早速、従者の老桑(ロウソウ)と2人、手際よく住まいを整え、中庭には従妹・阿念(アネン)の好きな梅の木を植える。阿念はまだ真冬のため花が見られないと残念がったが、軒は霊力で梅の木を満開にした。しかし花びらの舞う中ではしゃぐ阿念を見ると、軒は鳳凰木の鞦韆(ブランコ)で遊んでいた小夭の姿が重なってしまう。その夜、軒は寝つけず中庭で酒を飲んでいた。すると老桑が現れ、王姫のことを考えているのだと気づく。あれから300年、遊歴しながら西炎と皓翎をくまなく探したが小夭の手がかりは何もなかった。「私を役立たずの哥哥だと思っているだろうな」「殿下は長年、王姫の行方を探す一方で五王や七王から命を狙われてきた 王姫が知ったら胸を痛めるはずです」「小夭が見つかるのなら大したことではない 化外(ケガイ)の地である清水鎮にいれば何か分かるやも」しかし清水鎮に来た目的は本来、辰栄(シンエイ)の残党軍を探るため、小夭の件は秘密にするよう釘を刺した。一方、小六も石妖の講談を思い出しながら独り、月見酒で寂しさを紛らせていた。石妖の話では瑲玹が叔父たちの排斥を受けて人質として皓翎国に送られたが、今や第二王姫と楽しく過ごして世俗を忘れてしまったという。軒の店の前は小六が子供を取り上げた兎妖の点心の店だった。挨拶がてら朝食を食べに行った軒、すると兎妖がお近づきの印に漬物をおまけしてくれる。「それで何の店を開くの?」「酒造りを学んだので酒を売ろうかと…酒ができたら店を開きます」小六が往診から戻ると、弟分の麻子(マシ)と串子(カンシ)が西河(セイガ)沿いで物乞いを見かけたと報告した。実は洗い物当番だった小六も草むらで倒れている物乞いに気づいたが、余計な事に首を突っ込まず、悠々自適に過ごすことが信条、見て見ぬふりをして帰っていた。「六哥、すごく哀れだったし…」「哀れな奴はいくらでもいる!面倒を起こすな!」そうは言ったものの、小六はやはり気になって散歩がてら様子を見に行った。物乞いはまだ川辺で倒れていた。するとその男は麻子が恵んだ焼餅(シャオビン)ではなく、すぐ横に咲いている小さな花に手を伸ばしている。小六はかつて監禁されていた時、自分も同じように必死に花へ手を伸ばしたことを思い出し、結局、男を助けることにした。男は余程むごい仕打ちを受けたのか全身傷だらけだった。鞭打ち傷、やけど、刀傷に刺し傷、どれも古傷から生傷まであり、足には釘で地面に打ち付けられていたような跡があった。右脚は手当てしなかったせいか、折れた骨が曲がったままくっついている。小六は脚をもう一度、折って骨を真っ直ぐ治すと決めたが、老木(ロウボク)は怪我人が神族だと気づいて心配した。恐らくただならぬ事情を抱えているはず、助けてもろくなことにならないという。しかし小六は耳を貸さず、手当を始めることにした。その時、怪我人の目がうっすら開く。「心配するな、ここは医館だ。これから脚を治療する」すると脚を折られた男は気絶してしまう。小六の献身的な治療で神族の男は落ち着いたように見えた。しかし長年、虐げられてきたせいで五臓六腑が傷つき、どちらにしても長くはもちそうにない。一方、軒の屋敷に密かに暗衛・鈞亦(キンエキ)が現れ、辰栄の残党軍に潜入している間者と接触できたと報告した。「慎重に動いてくれ」五王や七王も残党軍にはお手上げの様子、祖父の心の棘である残党を滅ぼすことができれば西炎山へ戻れる日も近いはずだ。その夜、軒は老桑と一緒に石妖を訪ねた。「清水鎮にいる旧友の居場所を知りたい」軒がお礼に妖族の修行に役立つ玉山の万年玉髄(ギョクズイ)を差し出すと、石妖は喜んで引き受けた。しかし長年、会っていないため風貌が特定できず、かろうじて分かっているのは眉間にある桃の花のあざだという。石妖は早速、清水鎮の住人を全て映し出したが、その中に小夭はいなかった。「そうだ、旧友は姿形を変えているのかも…術を見破って真の姿を見られるか?」石妖はそこまでの霊力がないと断ったが、軒は自分の霊力を使わせた。神族の強い霊力のおかげで霊石は人の姿をした妖族たちの真身を映し出した。小夭はやはり見つからなかったが、霊石はなぜか最後に小六の寝顔を映して止まる。「彼は知り合いの医者だ、名前は玟⼩六、数十年ここに住んでいる 戦を好まぬ西炎の逃亡兵1人と、親のいない2人と共に暮らしているが、怪しい点はない だが…隣にいる怪我人は見たことがないな?」「旧友は女子で男ではない、この2人も神族だが姿は変えていないようだ」軒は結局、小夭の手がかりを得られず、落胆した。翌朝、小六は神族の男に付き添ったまま目を覚ました。男は眠っていたが、どうやら枕元の燭台から溶けた蝋燭が小六にかかないよう腕を伸ばしていたらしい。…これほどの仕打ちを受ければ性格も変わるはずだが、それでも善良な心が残っているとは…しかし男は再び高熱を出してしまう。老木は見切りをつけて棺の準備に出かけたが、小六は男の包帯の上ですっかり固まった蝋を見て心が動いた。「安心しろ、俺は神医だ、すぐ良くなる」小六は手首を切って男に自分の血を飲ませた。小六の献身的な看護が実を結び、神族の男は起き上がれるまでに回復した。そこで湯浴みをさせることにしたが、男は小六に触れられるのを頑なに拒む。「身体を拭いて薬を塗り、頭を洗ったのも俺だ、今さら気にするな」小六は遠慮なく男の肌着を脱がせ始めたが、なぜか急に鼓動が激しくなってしまう。「ちょっと用事を思い出した、後は自分で…」すると感の鋭い男は小六の様子から実は医者が女子だと見抜いた。つづく( ̄▽ ̄;)小夭のおでこの印ってあざだったのか…
2024.07.29
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第28話両親に背いても愛する伴侶と生きることを選択した初空(チュコン)。しかし長兄の昊軒(コウケン)に説得され、麒麟(キリン)族の面目を保つために摩羅(マラ)族の女帝と謁見することになった。あわよくば自分が婚姻しようと企む昊軒だったが、思わぬ事実を突きつけられてしまう。…小棠(シャオタン)は摩羅族の女帝だったのか…小棠の正体は摩羅族の滄海(ソウカイ)帝君だった。一杯食わされた初空は帝君と許嫁がそっくりだとチクリ、しかし滄海は悪びれる様子もない。「ものすごいご縁だこと、それならゆっくり滞在なさって」「い~や、ご好意には感謝しますが、度量が狭い許嫁が嫉妬しますので」「そう、なら無理にお引き止めしません」「ピキッ!フン!」初空は意地を張って帰ることにしたが、昊軒が止めた。「弟はまだ若く、礼を失したことはお許しを…」滄海は護法・錦城(キンセイ)に昊軒のもてなしを任せて人払いした。小棠が身分を隠していたと知り、すっかりへそを曲げてしまった初空。しかし滄海は自分が誰であっても好きだと言ったはずだと迫る。「もう心変わり?」「心変わりはそっちだろう?!摩羅族は各部族の子息を招いて婿選びしているくせに あの修茗(シゥミン)だって帝休(テイキュウ)族の皇子じゃないか!」すると滄海は失笑した。「確かに護法が婿候補を集めたけれど、私が会ったのは麒麟族だけよ? それに修茗のことは本当に弟だと思ってる だからこうして自分でちゃんと小麒麟を捕まえたわ!」こうして初空と滄海はようやく本来の身分で顔を合わせ、互いに愛する気持ちに変わりないことを確かめ合った。昊軒はこのまま初空が摩羅族と婚姻すれば族長の座は確実だと憤った。…そうはさせるものか…昊軒は護法と庭園を歩きながら、まさか小棠が女帝とは知らず、初空との縁談を軽々しくまとめてしまったと恐縮した。「破談にしたいのなら麒麟族は従います」「まさか!二殿下は文武に秀で、帝君に釣り合う高貴さ、何より2人は気が合います まさに天が授けた良縁です」笑顔を見せながらその裏で悔しさを滲ませる昊軒、その時、一瞬だが海の方から鋭い風切り音がした。…しまった!公主が成人して最初の満月だ、力を抑えきれないのか?…錦城が動揺していると、昊軒は何かの霊力だと気づいて付近を見渡した。「護法大人(ダーレン)、今のは一体?」「近頃は星の動きが激しく、そのせいでしょう」錦城は適当にはぐらかし、昊軒を客殿へと促した。その頃、初空は修茗と再会していた。修茗は滄海を好きだと認め、滄海だけが自分を蔑まず、真心で接してくれたという。「永遠に彼女を守ると誓ったのだ」初空は小棠を譲れないと釘を刺したが、修茗も簡単には負けないと宣戦布告した。錦城は昊軒を送り届けてから慌てて庭園に戻り、ある岩から結界の中へ入った。実は海底には滄海とうり二つの公主が封印されている。錦城は激しい霊力を放出している公主の姿に呆然、慌てて自らの力を使って鎮めたが、元神を傷つけて喀血してしまう。すると公主が我に返った。「(はっ!)なぜかしら?自分が抑えられない…」「公主、成人すると力が強くなります、抑えるすべを学ばなければいけません」「やってみる」公主のやるせない表情を見ながら、錦城は亡き帝君との約束を思い出していた。『帝君…公主は手はずどおりに…』『公主ではない、摩羅族の公主はただ一人、皇后のそばにいる』『…はい、摩羅族の公主は滄海公主のみ』修茗は政務で忙しい滄海に霊芝(レイシ)の汁物を差し入れることにした。しかし道すがら偶然、侍女たちの噂話を耳にする。「修茗殿下が帝君の夫になると思っていたら麒麟族の二殿下が現れたわ」「修茗殿下は優しいけれどひ弱よ、二殿下のような強い方の方がお似合いよね」実は昊軒はすでに摩羅族を探らせていた。摩羅族の元侍従に接触した密偵の報告では、摩羅族の王家は代々双子が生まれるという。異性の双子の場合は問題ないが、同性の場合は1人だけ残すとか。しかし滄海帝君だけは例外的に独りで生まれていた。政務に追われ、なかなか初空と過ごす暇がない滄海。ようやく時間を見つけて初空の顔を見に行ったが、実は初空もある問題を抱えていた。「…つまり金の麒麟であるあなたに族長を継がせたいのね」「族長の座を兄長と争う気はないんだ、長子が後を継ぐべきだから」しかしこのまま滄海と婚姻すれば誰もが初空を次の族長だと目するのは必至、兄の顔を潰してしまうという。「天下に婚姻を告げたら面倒なことになる、相手が麒麟族の皇子ではだめだ」「じゃあ私が一目惚れした名もなき英雄ならいいのね?ふふふ」すると初空は滄海の手を握りしめた。「生涯、離れない、共に星空を見上げ、どこまでも旅をし、白髪になってもそばにいるよ」「いつまでも私の心は変わらないわ」初空は早速、兄に報告した。昊軒は身分を捨てるという初空の決断に驚きを隠せず、何より父が初空と女帝との婚姻を切望しているという。しかし初空の決意は固く、両親の説得を兄に頼んだ。「私が政を嫌いなのはご存知でしょう?族長なんてなりたくない、どうか力を貸してください」「仕方がない、私が話してみよう」その夜、滄海は夕餉の席で婚姻に協力してくれる昊軒に心から感謝した。初空はふと修茗の姿を見ていないと気づいたが、錦城の話では独りでどこかへ出かけたという。「誰もついてくるなとおっしゃって…」その時、修茗皇子が大変だと報告がきた。修茗は密かに鍛錬して倒れていた。「百草の力を取り込もうとして反噬を受けたのね…」滄海は霊力で助けようとしたが失敗、すると初空が自分の元神を使って癒してくれた。おかげで修茗は無事に意識が戻ったが、助けてくれたのが初空だと気づいて複雑な心境になる。「…お前は金の麒麟、元神で傷を癒せる、だがそのために元神を消耗するのだろう?」その時、それまで修茗を心配していた滄海が慌てて初空に駆け寄った。「大丈夫なの?!」「それほど弱くない、休めば元に戻るよ」夕餉が途中でお開きとなり、錦城は昊軒を見送ることにした。昊軒は道すがら錦城の双子の子供の話を聞いたと切り出し、たまたま入手した霊薬があるので使ってはどうかと勧める。錦城は感謝したが、実はこれまで色々な霊薬を試しても無駄だったと明かした。「どうかお持ち帰りください」「試すだけでも…もしかすると効くかも知れません」錦城の子供たちは生まれつき元神が弱かった。遊ぶことも術を学ぶこともできず、ただ屋敷にこもって静かに暮らすしかない錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)。しかしその夜、昊軒からもらった霊薬を試しに飲ませてみると、驚いたことに2人は身体に力がみなぎり、飛んだり跳ねたりできるようになった。翌日、錦城は朝議に出てもどこか上の空だった。滄海は散会後に錦城だけ呼び止め、子供たちのことが心配なのかと尋ねる。しかし錦城は昊軒からもらった薬のことは明かさなかった。「それより修茗殿下の具合は?」「百草の力を取り込もうとして元神を損なったの、でも事なきを得たわ」「殿下がそのようになったのは恐らく帝君のためかと…」つづく( ゚ェ゚)なるほどね、パパは掟を破って2人とも助けたのね残り10話、展開が気になる!
2024.07.28
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第27話小花妖を救うため蠍妖の毒消しを探しに出かけた初空(チュコン)。滄海(ソウカイ)は山荘で独り仙友の帰りを待っていたが、思いのほか早く初空は戻って来た。しかしどこか仙友の様子がおかしい。「とにかく部屋に入ろう」初空は小花妖に解毒薬を飲ませ、事情を説明した。実は妖魔退治のせいで恨みを買い、妖族が総出で自分の排除に乗り出してきたという。「私と一緒にいたお前も仲間だと見なされる、だから…当分ここから出ないほうが良い」「来るなら来なさい、誰が死にたいか見てやるわ!」「じゃここにいてくれるんだな!╭( ・ㅂ・)و ̑̑ yes! 」初空は小花妖を引き止めることに成功した。しかし仙友の嘘に気づいた滄海は、自分に助太刀させる魂胆かと追及する。「いや…そうではなくて…」なかなか素直になれない初空、すると滄海は煮え切らない仙友にいきなり口づけした。どうやら全て見透かされていたらしい。「…策を講じたのに失敗したか」「失敗したけれど、おかげで大事なものを手に入れたでしょう?ふふ」実は2人は互いに相手の素性など関係なく、初めから不思議な縁を感じていたと分かる。「お前が古の女神だろうと小花妖だろうと関係ない、お前が好きだ!」↓何気にペアルックが可愛( ˶´꒳`˵ )こうして互いの気持ちを確かめ合い、仲睦まじく暮らし始めた初空と滄海。初空のおかげで剣術が上達した滄海はお返しに得意の土笛(ツチブエ)を教えることにした。しかし初空はまともに音を出すこともできない。「どうやらあなたにもできないことがあるのね~ふふ …この土笛は父が教えてくれたの、この音を聞くと懐かしい気分になると言ってた 両親が亡くなってから寂しくなるといつもこれを吹くの」「私がそばにいる、私が…」初空は何か言おうとしたが、その時、麒麟(キリン)の伝令符が届いた。初空は長兄からの文を読むと険しい表情になった。摩羅(マラ)族の女帝に謁見するため帰って来いという。…招待状を受け取ったのは部族の子息だけ、まさか彼が麒麟族の二殿下なの?…滄海は思いがけず初空の素性を知った。しかし初空は小花妖を心配させまいと女帝には会わないと断言、幼い頃から政と向き合ってきた女帝など頭が固く独善的で横暴に違いないと口を滑らせてしまう。「私は縛られるのが嫌いなんだ、そんな惨めな夫になってたまるか!」すると急に小花妖の機嫌が悪くなった。「なぜ怒ってるんだ?」「怒ってません」「怒ってる」「怒ってない!」「お、おう」一方、錦城(キンセイ)と修茗(シゥミン)は帝君が人間界にいると突き止め、霊力を頼りに滄海の居場所を探していた。夜になっても滄海は悶々としていた。露台に上がって独り、仙友から言われた自分の悪口を思い出しては無性に腹が立つ。そこへ恐る恐る初空がやって来た。「兄長には好きな女(ヒト)が出来たから女帝には会わないと伝えたよ」初空はこうして遊歴しながら妖魔を討つのが幼い頃からの夢だったと明かした。しかし実はもう1つ、願いがあったという。「ずっと探していた、そしてやっと見つけた」「あなたも同じ?私も初めて会った時、なぜかとても懐かしく感じたわ」「私も…(あ!)流星だ!」「流星に願い事をすると望みが叶うらしい!今回ばかりは信じてみるか」初空は小花妖と手をつないで願を掛けた。「この先もずっとお前と2人で寝ても覚めても一緒にいられますように…」すると滄海は思わず初空に口づけする。「私は一生あなたと離れない」「よし!これからは千年万年いつまでも何が起きようとずっと一緒だ」「うん!…見て!あの雲、海棠の花に似ているわ!」「そう言われればそうだな!」「人間界では″人は皆、死ぬと星になる″という言い伝えがあるそうよ 私は嫌だな~昼は隠れて夜に出ても面白くないもん それより私は死んだら雲になりたい、自由にどこへでも行けるから」「またそんな事を~お前と来たら!お前には私がいる、誰もお前に触れさせない」「分かってるって〜ねえ、私が誰であったとしても変わらず私が好き?」「少爺、嘘つかない!」「その言葉、忘れないで、後悔しないでよ?後悔なんてさせないけど」「この少爺、後悔などしたことはない!(はっ!そうだ!) さっきの願い事の時、目を閉じていなかっただろう?もう一度やり直そう」滄海は素直に目を閉じて改めて願掛けした。その間に初空は運命の相手を守るため、護神(ゴシン)呪をかけることにする。…私、麒麟族初空が麒麟族の名において戦星の元神の力を招喚する、私の愛する者を守れ…♪我的愛你明白~小さな金の麒麟が現れ、夜空を駆け上がり元神の力を呼んで戻って来た。すると滄海の額中に金色の封印が現れる。その時、ちょうど願い事を済ませた小花妖が目を開けた。「生涯あなたに決して背かない」初空は滄海の額中にそっと口づけし、元神の力で封じて愛する人を守った。(* ̄0 ̄)θ~♪為愛~為愛~唯愛~そんなある日、弟を説得するため麒麟族の大皇子・昊軒(コウケン)が山荘にやって来た。…本来なら長子の私が摩羅族と婚姻すべきなのに…そんな弟への嫉妬などおくびにも出さず、昊軒は初空と笑顔で再会した。「兄長、彼女が小棠(シャオタン)です」「こんにちは」すると滄海は兄弟で積もる話もあるだろうと席を外すことにした。昊軒は将来の麒麟族の族長として摩羅族との婚姻は務めだと弟に言い聞かせた。父は金の麒麟である初空が一族を栄光に導くと信じているという。しかし初空は束縛されるのを嫌い、両親が納得しないのならこのまま小棠と山荘で暮らすと言い放った。中庭にいた滄海は初空の決意を聞いて嬉しかったが、その時、ふと摩羅族の霊力を感知してこっそり出かけてしまう。錦城と修茗はようやく滄海を見つけた。滄海は全てが済んだら戻ると言って追い返そうとしたが、2人は帰ろうとしない。「帝君の恩人なら摩羅族の恩人も同然、お礼を言わなければ…」その時、急に修茗が咳き込んでしまう。「あなたは身体が弱いんだから早く戻りなさい」「病弱ですが、そこまで悪くありません!」しかし思いがけず滄海を探しに来た初空に見つかってしまう。「小棠!どうした?!…何者だ?私の土地で勝手をするな!」シャンタン?(*´・ω)(ω・`*)いやそれスープ滄海は仕方なく家職の錦城と幼なじみの修茗だと紹介した。小棠の家族だと知った初空は安心して自ら許嫁だと名乗ったが、錦城と修茗はともかく帰ってから話し合おうと滄海を説得する。すると運悪く昊軒までやって来た。「まあまあ~立ち話はやめてどうぞ中へ…」その夜は昊軒だけでなく、錦城と修茗まで山荘に留まることになった。修茗は本当に初空が生涯の伴侶なのかと戸惑いを隠せなかったが、滄海は初空と出会って初めて人を愛する気持ちが分かったという。「彼のそばにいる時が人生で一番の幸せよ、あなたは一番大事な家族、だけど彼とは違う」一方、昊軒も婚姻を独りで勝手に決めた弟を戒めていた。初空は長兄も反対なのかと落胆したが、昊軒は手助けしてもいいという。「その代わり摩羅族の女帝との謁見に私と一緒に行ってくれ 婚姻のためではない、摩羅族からの招待を何の説明もなく断れば両族の仲に亀裂が入る」昊軒は自分が全て取り仕切ると安心させた。初空は小棠に何と説明しようか考えながら部屋に向かった。するとちょうど滄海が部屋から出てくる。「話が…実は摩羅帝宮に行くことになった、あ、形だけで兄長も一緒だ 惚れられないよう頑張る!(๑•̀ㅂ•́)و✧」「信じてるわ、実は私も一度、家に帰ることにしたの」「そうか!じゃあ、戻ったら正式に挨拶に行くよ…ん?…お前の家ってどこだ?」「ぁ…家に戻って婚姻の話をしたら知らせるわ、縁談の申し込みに来てね」しばらく会えなくなるというのに、やけにあっさりしている小棠。初空は思わず名残惜しくないのかと嘆いた。「ふふ、すぐに会えるかもね…」初空は昊軒と摩羅帝宮を訪問、滄海帝君と謁見した。視線を落とし、なるべく顔が見えないよう気をつけながら拝礼する初空、しかし先に顔を上げた長兄の顔色が一変する。つづく( ๑≧ꇴ≦)そうか!だから祥雲には護身呪がかからなかったのねやだ胸熱w
2024.07.26
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第26話摩羅(マラ)族の女帝・滄海(ソウカイ)の1日も早い婚姻を願う護法・錦城(キンセイ)。人質とは言え帝休(テイキュウ)族の修茗(シュウメイ)とは幼なじみで仲が良く、錦城は2人に縁があればと期待した。しかし滄海にとって修茗は弟のような存在だという。錦城はならば各部族の子息を招いて見合いさせようと決めたが、滄海は話題を変えた。「それより錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)の具合はいいの?」錦城の双子の兄妹は生まれつき元神が弱く、色々と薬を試すも効果がなかった。「摩羅の王族は必ず双子が生まれるのに私だけなぜか1人… 私にも兄弟がいたら護法の小言を独りで聞かなくて済んだのに、ふふ」見合いを嫌がる滄海は各部族の使節が来るのに乗じ、こっそり人間界へ逃げ出した。…霊力を使わなければ護法にも見つからないわ…そこで夢で見た姻縁廟(インエンビョウ)を訪ね、参拝客の真似をして牽引糸(ケンインシ)を買うことにする。「牽引糸って何かしら?」「これは自分と縁のある相手を結び付けて、一生、離れなくする糸ですよ」滄海はちょうど境内で願掛けしている娘を見かけた。「牽引糸で物語のように美女を救う英雄に会えますように…」「姑娘(グーニャン)、その手に持っているのは何?」「流行の姻縁物語よ」滄海は銀子と書を交換、″英雄が美女を救う縁″の物語では英雄が主人公の女子の危機を颯爽と救い、それが縁で2人は結ばれるという。その時、夢の中で何度も巡り会った″後ろ姿の人″を見つける。「人間界の姻縁祠(シ)は霊感あらたかだわ、ふふ」彼は人間界を遊歴している麒麟(キリン)族の第2皇子・初空(チュコン)だった。初空を一目見て気に入った滄海は姻縁物語を手引きにして縁を結ぼうと画策した。そこで蠍妖に協力を頼み、襲われていると見せかけて英雄に助けてもらうことにする。「助けて~!誰か助けて~!」すると物語通り颯爽と英雄が現れ、危うく転びそうになった滄海を抱き止めた。初空は美しい娘に目を奪われたが、ふと冷静になる。「どうも芝居がかっているな…」焦った滄海は密かに蠍妖に合図、毒針を投げるよう指示した。滄海は英雄をかばって腕に毒針が刺さったが、怒った初空は逃げようとした蠍妖を乾坤袋に封じ込めてしまう。初空は毒に当たった娘を自分の山荘へ運んで手当てした。滄海の目論見は大成功、まだ人像を手に入れたばかりの小花妖を装って救いを求める。仙友は必ず解毒すると約束してくれたが、情に疎いのか美人計には全く引っかからなかった。すると初空は蠍妖から毒消しをもらえばいいと思いつき、乾坤袋から蠍妖を解放する。チラッ!(;꒪ꈊ꒪;)oO(帝君、助けてくれますよね( ̄꒳ ̄).oO(おうよ初空が毒消しを出すよう蠍妖を脅し始めると、滄海はわざと喀血した。故意とは知らず初空は急いで自分の霊力で小花妖の毒を抑えたが、その隙に蠍妖に逃げられてしまう。帝君に逃がしてもらった蠍妖だったが、なぜか戻って来た。実は恋人の蜘蛛妖からもらった契りの証しを袋の中で落としたという。「手作りの証しを失くしたとばれたら8本の脚を全て折られてしまいます!」「シーッ!声が大きい!…手を考えるから、ひとまず帰って」そこで滄海は仙友にお手製の海棠の酒を飲ませ、酔い潰れたところで乾坤袋を盗もうとしたが失敗してしまう。翌朝、初空が剣術の稽古をしていると小花妖がやって来た。「幼い頃から修練したのでしょうね」「子供の頃、兄が教えてくれた」初空は兄とは幼い頃から仲が良かったが、いつまでも子供の頃のようにはいかないという。しかし昔から独りぼっちだった滄海は一緒に剣の稽古や遊べる相手がいるのは羨ましいと言った。「いじめられても私にはかばってくれる兄弟はいなかったわ…」初空は悲しそう小花妖を見て、これから自分が武芸を教えると言った。「いいか、よく見ろ」滄海はどさくさに紛れて仙友の腰にぶら下がっている乾坤袋を盗もうとしたが、また機を逃してしまう。滄海は仙友の沐浴中に乾坤袋を手に入れ、蠍妖に契りの証しを返してやった。しかし乾坤袋がないと気づいて小花妖を探していた初空に見つかってしまう。「ばれちゃったわね…」「お前は誰だ?何が目的だ!」「あなたを見初めたの、大人しく私に従えばいい思いをさせてあげる」すると蔑まれた初空は憤慨、霊力で攻撃し、滄海も応戦した。その隙に蠍妖は巻き込まれないようさっさと逃げてしまう。初空は小花妖の霊力の強さに驚いた。「バカにしやがって!」「ふん!どうやら私に従う気はないようね…ならもう結構!」滄海はそこで手を引き、初空を置いて行ってしまう。すると独りになった初空めがけて陣が現れ拘束、謎の刺客集団が現れた。その時、運良く引き返して来た滄海が刺客たちを一蹴し、陣を解いてくれる。「何で引き返した?」「争いを見過ごすなんて性に合わないの」しかし霊力を使ったせいで帝君を探し回っていた錦城に人間界へ行ったことがばれてしまう。初空に刺客を放ったのは兄の昊軒(コウケン)だった。唯一、命からがら逃げ出した刺客は第2皇子のそばに霊力の強い女子がいたため暗殺に失敗したという。一方、滄海は再びわざと吐血、まんまと初空の山荘に戻った。「芝居のはずが本当に蠍の毒に当たったみたい…(ノ≧ڡ≦)ナンテナ」「望んで手を組んだのだ、自業自得だ」「そうね、私なんて死ねばいいのよ」「何を言うんだ、解毒すると約束した、放ってはおかない」初空は小花妖の口元の血を拭き取ってやったが、滄海は思わずその手を握りしめた。「感謝します」「ここで待っていろ、蠍妖を探して来る!(๑•̀ㅂ•́)و✧」初空が出かけると、滄海はようやく怪我人の演技をやめて茶を飲んだ。ヤレヤレ…(  ̄꒳ ̄)_🍵つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~やっぱり!歴劫中の初空を狙ってた死ね死ね団は兄の刺客だったか~始めはてっきり錦蓮だと思ってたけれど、摩羅族はモクモクさんじゃないな〜と思ってw
2024.07.25
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第25話李(リ)天王が消滅したと聞いて悲しみに暮れる祥雲(シャンユン)。すると初空(チュコン)が姻縁(インエン)閣に駆けつけ、優しく肩を抱いて慰めた。「仙君、お願いです、皆に無事でいて欲しい、どうか私のそばから離れないで」「約束する、絶対に離れない」紅線翁(コウセンカク)はそんな2人の様子を眺めながら、祥雲のそばに戦神がいてくれることに感謝した。祥雲は李天王が物語や暗号遊びを教えてくれたと懐かしんだ。すると″暗号″と聞いた初空はふと思いつき、例の″童謡″の歌詞を記した書き付けを招喚する。「李天王が使っていた暗号はどんなものだった?」「最後の行の一番下の文字から斜め読みに…これでいうと神→託→改→倉→亥→冤″です」「…神託は改、倉亥は冤?」※″倉亥″と″滄海″は同音初空は昊軒(コウケン)に呼ばれて長寧(チョウネイ)殿に参上した。「転生から戻っても元神に変わりがないな?」「筋書きがひどくて失敗しました、で、李天王亡き後、誰が筋書きを書くのです? 李天王が突然、消滅したのも筋書きと関係が?」昊軒は筋書きなら孫(ソン)天王が引き継ぐと教え、李天王は不慮による死だったと嘘をついた。「何度も下界へ遊びに行っていたが、今回は運悪く大妖と出くわしてな」すると帝君の目配せに気づいた孫天王が咄嗟に証言した。「知らせを受けて私が駆けつけましたが間に合いませんでした 私が大妖と共に消え去るところを見たのです 奴は大技を…逐浪九峰(チクロウキュウホウ)を使いました」一方、修茗(シゥミン)は祥雲が歴劫から戻ったと聞いて姻縁閣に駆けつけた。「李天王のことは聞いた、望むならいつでもそばにいる」「感謝します、用があるのでこれで失礼します」祥雲の態度はどこかよそよそしかった。突然の渡劫で今回は一緒に行けなかった修茗、しかし天穹玉(テンキュウギョク)に変化がないところを見ると祥雲の元神は無事なのだろう。昊軒が何か隠しているのは明らかだった。確かに李天王は逐浪九峰を習得したと触れ回っていたが、初空はただのはったりだと知っている。あの暗号がにわかに真実味を帯びて来た。…神託は改められ滄海(ソウカイ)は冤罪…初空は修茗が仇敵であるはずの滄海をかばったことを思い出し、蓬莱(ホウライ)居を訪ねた。初空は修茗に滄海が潔白だと示す証しがあるのか聞いた。しかし修茗は失笑、この世は常に勝者が王で敗者が賊であり、麒麟(キリン)族が記す歴史に証しがあるはずないという。「もし祥雲が残忍で血に飢えた妖魔だと言ったら信じるか?」「それはあり得ぬ」「滄海も同じだ、3万年前の滄海を知れば分かる」すると初空は当時、何があったのか自分が明らかにすると断言して帰って行った。全ての謎が3万年前につながっていた。初空は祥雲が無茶しないよう李天王の死には兄の昊軒が関わっていると明かす。驚いた祥雲だったが初空の立場を考え、無茶しないと約束した。2人は何か手がかりはないか転命司を調べ始めたが、不思議なことに3万年前に関する資料が全く見つからない。まるで誰かが隠しているようだ。すると初空が″玄天鏡(ゲンテンケイ)″という古の神器の記述を見つける。「これで過去をのぞける」「どこにあるの?」「長寧宮だ」2人は早速、初空の術で長寧宮に潜入したが、玄天鏡は壊れていた。祥雲は紅塵(コウジン)井で3万年前に戻れないかと考えた。しかし過去に戻れたとしても、正確な時代を選ぶことはできない。すると初空が摩羅(マラ)族の神器・天機盤(テンキバン)なら定めた時代へ行けると気づいた。「でも力づくで奪うことはできても、神君に気づかれてしまいます」「お前と来たら…」天界の戦神・初空が突然、単身で摩羅宮に現れた。錦蓮(キンレン)はその大胆な行動に呆れたが、思いがけず初空が3万年前の真相を自分が明らかにすると持ちかける。「今日はそのために天機盤を借りに来た」「ここをどこだと思っている?!」侮られた錦蓮はいきなり攻撃を仕掛けたが、やはり戦神の霊力には及ばなかった。「摩羅族の無実を示したいなら私を信じろ、それしかないぞ?」邪風(ジャフウ)は騙されないよう警告したが、錦蓮には信じるに足る理由があった。そこで天機盤を招喚、誓いを立てるよう迫る。すると初空は一条の元神を引き出し、誓いに背けば魂が飛散すると約束して天機盤を借りた。「…滄海を甦らせるため紫輝(シキ)を探すつもりか?他の者を犠牲にしても良いと?」錦蓮はふいに背を向けた。「あの時の従順な千忍(センジン)はもういない」「…聖凌(セイリョウ)教では世話になった」驚いた錦蓮は振り返ったが、すでに初空の姿は消えていた。…初めから私が錦蓮だと知っていたのか?…初空は祥雲の元神が傷つくことを恐れ、念のため補元丹(ホゲンタン)を飲ませて渡劫することにした。しかし今日は1000年に1度の七星連珠(シツセイレンシュ)の日、転命星君は時空が定まらなくなるため危険だと止める。実はそれが初空の狙いだった。七星連珠の混乱に紛れて転生すれば痕跡を残さず、昊軒に3万年前に戻ったとばれずに済む。「仙君、お考え直しを…」すると祥雲が転命星君と紅線翁の気を引き、その間に初空が忘川蜜を仕込もうとした。その時、突然、孫天王が駆けつける。「筋書きを書く者として見送りに来ました!」初空と祥雲は忘川の水を飲む他なく、戻ってから経験したことを思い出すしかなかった。昊軒は初空の転生先が分からず苛立ちを隠せなかった。孫天王の話ではあらすじを書いたものの、2人は時空の乱れに巻き込まれ、転生先が不明だという。戻ったら聞きましょう~!>ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘逃げ!一方、修茗は砕魂箭(サイコンセン)を完成させようと根を詰めていた。…太古の元神が少しでもあれば出来上がる…そこへ側仕えが駆けつけ、初空が摩羅族から天機盤を借りたと報告する。修茗は初空が本当に真実を知るため3万年前に戻ったのだと分かった。3万年前、摩羅王に公主が誕生した。…祖先の戒めに背いて天に逆らった、全て私1人で決めたこと、娘は関わりない、いかなる罰であっても私が引き受ける…それから3000年、大木でうたた寝していた滄海はまた同じ夢を見た。小さい頃からいつも同じ光景で、必ず同じ後ろ姿の人が現れる。…夢には天意が現れると言うけれど…すると護法・錦城(キンセイ)がやって来た。「帝君、3000歳をお祝い致します、各部族からの贈り物です」「何がめでたいの?たかが1歳、老いただけ」「もう大人ですね、早く婚姻して子孫を増や…」「護法、いつもそればかりね、耳にタコよ」しかし摩羅の王族は世継ぎが滄海だけ、錦城の願いは帝君の1日も早い婚姻だった「修茗殿下は私よりもっと焦っているようですが?」人質となって1000年あまり、修茗は常に滄海のことを気にかけていた。つづく(* ゚ェ゚)ん?急に転生じゃなくてタイムスリップになったってこと?
2024.07.24
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第24話錦蘿(キンラ)の山荘で思いがけず女媧石の化身・紫輝(シキ)と再会した初空(チュコン)と祥雲(シャンユン)。2人は紫輝を連れて逃げることにしたが、結界に手こずっているうち錦蘿に見つかってしまう。「旧知の者だから命は助けたいけれど、物分かりが悪いわね」錦蘿は霊力で攻撃、すると紫輝が身を挺して2人を守り、霊力を跳ね返された錦蘿ともども激しく血を吐いてしまう。すると錦蘿が張り巡らせていた結界が敗れ、封じ込められていた紫輝の記憶が蘇った。錦蘿は脅されてやむなく紫輝の心を奪ったと釈明した。確かに女媧石には女帝・滄海(ソウカイ)を蘇らせる力があり、滄海が復活しなければ安寧は得られない。「でも他にも蘇らせる方法があると聞いたの、そうすればあなたの心は不要になる 騙したかも知れないけれど、嘘をついたことはない」「お前の心は顔と同じで偽物だ!私を本当に愛したことなどない!もう私を騙すな!」錦蘿は紫輝を想う気持ちに偽りはないと訴えた。しかし怒りと悲しみに震える紫輝に今は何を言っても無駄だと気づく。「あなたを守るために心はまだ返せない。身体に気をつけて、またいつか会いましょう」錦蘿は姿を消した。…女媧石を狙うのは一体、誰なんだ?…紫輝は必ず全て解き明かして心を取り戻そうと決意、初空たちとはここで別れることにした。祥雲はまた捕まってしまうと反対したが、初空は紫輝の選択を重んじようという。そこで初空は雀頭参(シャクトウサン)を渡し、祥雲と2人で紫輝を見送った。一方、天界では昊軒(コウケン)が孫(ソン)天王に李(リ)天王が消散したと伝えていた。何でも李天王は遊歴中に魔物と遭遇、応戦したが魔物と共に消滅したという。( ̄◇ ̄;)<文官なのに、なんちゃらとかいう生半可な術で無茶したんだな~「李天王の体面を保つため、お前は見たことにしろ」「はい…」孫天王は李天王の死に衝撃を受けながらも、素直に拝命した。明日の出征を前に初空と祥雲は3度目の月見酒を酌み交わした。「ふふ、すでに陸長空(ルーチャンコン)の時から私を想っていました? 面目を保つために認めたくなかっただけ?」痛いところを突かれた初空は祥雲を引き寄せ、唇を重ねた。翌朝、祥雲は初空に自分の手巾を渡し、必ず身につけるよう頼んで送り出した。…例え戦死したとしても天界に戻るだけ、それなのに別れがこんなに辛いなんて…皇太后と過ごしていた祥雲のもとに戦況が届いた。初空は初戦に勝利、しかし衛国はさらに10万の援軍を送ったという。前線が緊迫していると聞いた皇太后は明日にでも祈祷に行くことにしたが、祥雲は反対した。「母后、馨然(ケイゼン)を覚えていますか?」祥雲は皇太后に馨然が実は衛国の間者だったと明かした。馨然を泳がせていたが見張りに気づいて姿を隠してしまい、今、宮中を出るのは危険だという。「…それならなおさら姿を見せなくてはね」皇太后は間者を誘き出すため、祥雲と一緒に参拝に出かけた。「もう少し生かすつもりが自ら死にに来たなんてね」案の定、馨然が刺客と共に現れたが、すでに待機していた衛兵たちに包囲されてしまう。しかし馨然は初空を助けたいなら皇太后を殺せと祥雲に迫った。「罠にはまって痛手は受けたが衛国には無数の精鋭がいる いくら初空が強くても10万の大軍に勝てはしない」「例え捕えられても初空は自らのために民を犠牲にすることは望まない、あきらめて!」すると皇帝が射手隊を連れて駆けつけた。刺客たちは全滅、馨然は肩を射抜かれ生け捕りになってしまう。「皇兄!…母后、私が知らせたのよ!」しかし馨然がふいをついて隠し持っていた暗器を皇太后めがけて投げた。真っ先に気づいた皇帝が皇太后をかばって腕を負傷、馨然はその場で斬られてしまう。…初空の奇策で不利と思われた斉国は大勝を収めた実は初空が3000の兵を率いて自らおとりとなり、衛国の大軍を林におびき寄せ、その隙に空いた本陣を突いて衛国の皇帝を捕えたというこうして衛国は降参、今後100年は斉国を攻めないと約束した…母子のわだかまりが解け、皇太后は政務を全て皇帝に任せることにした。皇帝の手元についに揃った逐浪(チクロウ)と九峰(キュウホウ)の玉佩、そこで祥雲は皇兄に玉佩を見せて欲しいと頼む。すると2つを合わせて1つになった玉佩に″童謡″と浮かび上がった。一方、初空は祥雲を生かすため、深手を負ったが命は無事だと知らせた。しかし戦乱がなくなったわけではなく、国のために残るという。祥雲は人間界での将軍さえこれほどの重積を担うのなら、天界の戦神はいかばかりかとおもんばかった。…初空、この数万年、この世を守るために人知れず苦労をして来たのね…祥雲は滄海が復活するならなおさら初空の元神を傷つけるわけにいかないと考え、覚悟を決めた。祥雲は母と兄に別れの言葉を書き残し、毒酒を飲んだ。…初空、先に逝くわ、しっかり生きてね…しかし初空はその頃、戦場で祥雲の無事を願いながら倒れていた。祥雲が目を覚ますと紅塵(コウジン)井に戻っていた。すると偶然にも同時に戻って来た初空が目の前に現れる。2人は駆け寄って抱き合い、互いに元神が無事だと確認して安堵した。今回の初空と祥雲の転生におかしな点はなかった。しかし祥雲は玉佩のことを思い出し、李天王失踪の手がかりは″童謡″だと訴える。確かにあの夜、子供たちが意味不明な童謡を歌っていたが、何を言いたいのか分からなかった。すると初空は思い詰める祥雲を心配し、李天王はすぐ見つかると安心させた。一方、紫輝は摩羅(マラ)族が自分を探している知って単身、乗り込んだ。すると錦蓮(キンレン)は人払いし、歴劫で無二の親友だった紫輝と対峙する。「錦蘿から何も聞いていないのか、どうやら兄を恨んでいるようだ」「兄妹だったのか…どうして私の石の心を奪おうとする?千忍(センジン)!」錦蓮は千謀(センボウ)との別れを思い出すと居たたまれなかったが、歴劫での20年は避けられない不測の事態に過ぎないと強がった。「人間界での儚い夢だと知るべきだろう、お前は千謀ではなく、私も千忍ではない 私には使命がある、私の一生は雪辱を果たし、一族を再興するためにある 私たち兄妹にとってお前は大業を成す助けになる女媧石だ」「そうか…全ては私の独りよがりだったのか…私の心を返せ!」「返して欲しくば錦蘿を連れて来い!」初空は銭(セン)天王から李天王が消散したと聞いた。「姻縁閣にもちょうど知らせが届いているかと…」驚いた初空が姻縁閣に駆けつけると、祥雲が悲しみに暮れていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)急にスピードアップする歴劫w
2024.07.23
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第23話長公主となった初空(チュコン)は将軍府を調べ上げ、まず長公主に毒を盛った馨然(ケイゼン)の罪を暴いた。将軍となった祥雲(シャンユン)は馨然を捕らえさせたが、初空の指示通りその夜、荷物を持たせて密かに馨然を逃してやる。「初空哥哥…」「私を思ってのことだと分かっている…早く行け」初空と祥雲は露店の影に隠れ、念のため馨然が屋敷を出て行く姿を確認していた。実は屋敷を偵察していた初空は馨然がこっそりどこかへ密書を送っている様子を目撃したという。「読みが正しければ彼女は衛(エイ)国の間者だ」実は将軍の部屋にあったのは偽の軍報だった。将軍は彼女が間者だと知りながらそばに置き、わざと衛国に偽の情報を流させていたのだろう。「尾行をつけた、動きは分かる」その時、夜だというのに奇妙な童謡を歌っている子供たちが現れた。♪牛飼いに冤家(エンカ)がなった、毎日、牛を追うのは亥の刻だよ~♪一方、愛する紫輝(シキ)をかくまっていた錦蘿(キンラ)は兄に居場所を知られたと気づいた。そこで隠れ家を離れ、兄を誘き出す。「摩羅(マラ)族の力を使わず気配を消せば見つからないと思ったか?」やはり兄の錦蓮(キンレン)が現れた。錦蘿はいきなり兄を攻撃しかけたが、跳ね返されて負傷、慌てて逃げ出す。しかし先回りした錦蓮に捕まった。「いい加減にしろ、私が歴劫で元神を回復しなければお前の魂も消えていたんだぞ?」「歴劫は自分のためでしょう?兄上の仕打ちは忘れない、今さら兄妹愛など笑止!」激怒した錦蓮は霊縄で妹を捕まえ引き寄せたが、錦蘿は急に金色の葉に姿を変えた。「(はっ!)心の臓の力で作った操り人形か?!」「もう言いなりにはならない…私を支配できると思わないで!」錦蘿は捨て台詞を残し、再び姿を暗ました。紫輝は錦蘿の留守を狙い、また山荘から逃げようとしていた。しかし庭に結界が張られていると気づく。ちょうどそこへ錦蘿が帰ってきた。「あなたが会いたい人たちはもういないのよ?」錦蘿は諦めの悪い紫輝に呆れて部屋に戻ることにしたが、その時、内傷のせいで喀血してしまう。そんな中、衛国で不穏な動きがあると分かり、皇帝は初空将軍に出兵を命じた。初空は少数で斬り込む先鋒を任され、皇太后の実家である段(ダン)家は後方で知らせを待つという。将軍府に戻った祥雲はいそいで初空に報告しようとしたが、初空はすでに察しがついていた。「出兵の相談か?″衛国との戦いは負けられない″とでも言われたか? もし負ければ皇位が危うくなるからな」「陛下の話と全く同じです!」皇帝と皇太后、そして衛国、それぞれに利害があり、初空と祥雲は身動きが取れなくなった。しかし皇帝と皇太后の不和を取り除き、斉国の民を救うのが自分たちの使命だと考え、奮起する。祥雲は早速、武芸の稽古を始め、兵法を学んだが、初空は付け焼き刃で勝てるほど戦が甘くないと分かっていた。紫輝は恩人が喀血するのを見て怪我をしたと分かった。そこで自分の霊力を固めて差し入れしたが、錦蘿は紫輝の口に放り込んで飲ませてしまう。「自分に役立てなさい」錦蘿はぶっきらぼうだったが、内心では紫輝が自分を気遣ってくれたことが嬉しかった。摩羅山に戻った錦蓮は妹の辛辣な言葉に胸が痛んだ。…歴劫は自分のためでしょう?!…幼い頃に父を亡くし、父に代わって摩羅族と滄海(ソウカイ)を守って来た錦蓮。どんなに錦蘿から責められても、女媧石(ジョカセキ)を取り戻すという使命を果たし、滄海を復活させると父に誓った。ある日、初空は家職の息子が郊外に住み着いた神医のおかげで難病の足が治ったと聞いた。その神医は変わっていて、高額の代金を取り、患者を選り好みするという。「そう言えば土中で動く人参を探しているとか…」初空は祥雲を連れて神医を訪ねた。…どうして2人がここに?…錦蘿は驚いたが、初空と祥雲は自分の鶯時(オウシ)の姿しか知らない。ひとまず祥雲を脈診したところ、2人の魂が入れ替わっていると分かった。しかし紫輝の存在を知られるのを恐れ、自分には治せないと追い返す。すると初空は銀票を差し出し、治ったら同額を上乗せすると約束した。「それからこれも…」箱の中身は錦蘿がずっと探していた薬材・雀頭参(シャクトウサン)だった。…これがあればあの人の回復が早まるわ…そこで錦蘿は部屋を勝手に出ないこと、滞在中は静かにすることを条件に治療を引き受けた。初空と祥雲は錦蘿の指示に従い、自分たちで2日間も薬を煎じることになった。しかしようやく薬湯が完成するという時、土瓶から激しい煙が出て部屋中に充満してしまう。初空は咄嗟に窓を開けて祥雲が団扇を仰ぎながら換気をしたが、その声が紫輝の部屋にも届いた。「これは教主の声か?!何か手立てを考えないと…」ついに初空と祥雲の薬が完成。錦蘿は2人の指に針を刺し、自分の血を相手の薬に入れ、それを飲めば元に戻ると教えた。祥雲はどこか半信半疑だったが、初空が迷わず飲み干すのを見て真似して飲んでみる。すると2人は急に苦しくなって気を失った。翌朝、初空が目を覚ますと将軍の姿だった。「祥雲!祥雲!」「(はっ!)…戻ってる!」初空は祥雲も無事だと分かって安心すると、真っ先に窓を開けて下の部屋を見た。実は昨夜、煙で窓を開けた時、下の部屋の窓に映る影が聖凌教の手印で合図を送っていたという。「弟子が捕まっているのか」あれから数百年、もし生きているとすれば不老不死の千謀(センボウ)だけだ。初空と祥雲は錦蘿に無事に戻れたと感謝し、約束の雀頭参を馬車から取って来た。錦蘿は早速、確認しようと蓋を開けたが、中から出て来た煙を吸い込んで眠ってしまう。初空と祥雲は紫輝の部屋に駆けつけた。「教主…小師妹…ゥッ…もう会えないかと…」「いや違う、だが話は後だ!」初空と祥雲は紫輝を連れて逃げることにしたが、山荘の周りには結界が張り巡らされていた。( ー̀ωー́ )<今は我々には霊力がない…@初空(✪ω✪)b<その布を外してみたら?@雲( ๑≧ꇴ≦)<だめだ!蔓に毒が塗ってある!@🪨すると手間取っているうち、目を覚ました錦蘿が現れた。「そんなことで逃げられると思うの?」つづく( ๑≧ꇴ≦)上手いわ〜@初空演技と声で中身が祥雲に見える
2024.07.22
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第22話3回目の歴劫を終え、ようやく互いの気持ちが通じ合った初空(チュコン)戦神と縁結び仙女・祥雲(シャンユン)。生まれて3100年目を迎えた記念の日、祥雲はおめかしして初空が迎えに来るのを待っていた。しかし約束の夕刻になっても初空が現れず、待ちきれない祥雲は瀟雲(ショウウン)殿まで迎えに行ってしまう。その頃、昊軒(コウケン)帝君は何度、呼びに行かせても現れない初空に痺れを切らし、自ら瀟雲殿に出向いていた。「今回の転生で祥雲仙女のために死んだな? …そのせいでお前の元神が傷つき、先の2回の修行で得た成果も無となった」すると初空は兄も祥雲の元神が傷ついていることを知っていたはずだと迫った。「歴劫で私のために死ねば元神は損なわれ、何度も繰り返せば彼女は消散してしまう」しかし昊軒は滄海(ソウカイ)を倒せるのなら無駄死にではないと冷たかった。実は弟の一時の情けが大事を妨げると懸念し、教えなかったという。「初空よ、たった1人の命で世の民を救えるのだ」「でもそれを世の民が知ったらどう思うでしょう?兄上のやり方は滄海と同じだ」初空は昊軒の考え方に反発し、出て行ってしまう。初空はちょうど回廊で側仕えと出くわした。「今、姻縁仙女が慌てて立ち去っていきましたよ?」初空は祥雲が元神の話を聞いてしまったと気づき、姻縁閣へ急いだ。すると紅線翁(コウセンカク)が対応し、祥雲なら出かけてしまったという。「仙君、祥雲へのお気持ちは本物なのですか? 本気だとしても果たしてその気持ちは長く続くでしょうか?」初空は親代わりの紅線翁を安心させるため、祥雲に″護神呪″をかけると明かした。護神呪とは古の術で、守られた元神は何度、転生しようと壊れず、もし傷を受けても術をかけた者に振り替わるという。初空は晨星(シンセイ)台で落ち込んでいる祥雲を見つけた。「すまない、祥雲、私たちの元神は同源で、私が回復した分、君が犠牲になっていたんだ」初空は気の済むまでなじってくれと言ったが、祥雲はむしろ戦神の歴劫を自分が台無しにしたと責任を感じていた。「仙君の元神が回復する前に滄海が復活したら…」「愛する女子を守れずして世の民を守れるか?何か方法を考える、私を信じろ」一方、厄誅(アクチュウ)痕にむしばまれる昊軒は青雪草(セイセツソウ)が浄化の力を強める効果があると知った。そこで孫(ソン)天王に先の摩羅(マラ)族との戦いで負った傷が癒えないと嘘をつき、青雪草を捕ってくるよう頼む。「天界の東の果てに生息する脚が多く、動きの素早い虫だ、見た目が雪のようでその名が付いた」( ๑≧ꇴ≦)虫なのかーい!@孫 初空は祥雲に目を閉じて願い事をするよう勧め、その間に呪文をかけることにした。…麒麟(キリン)族の名において命じる、戦神の元神の力で私の愛する者を守れ…すると金の麒麟が現れ、祥雲の元へ近づこうとするが、急に消えてしまう。(屮゚Д゚)屮 <あれっ?!護神呪がかからねえ!( ゚д゚人 <どうしました?仙君?実は護神呪は麒麟族に代々伝わる伝統の呪文で、生涯の伴侶と定めた相手の元神にかけて守るのだという。「これが贈り物だったんだが…」「仙君の元神がまだ傷ついているからでは?お気持ちだけで嬉しいです」祥雲はこうして初空と一緒にいられることが自分の願いだと笑った。一方、歴劫から戻った錦蓮(キンレン)は以前のような殺気が薄れ、無用な殺生もしなくなった。それにしてもまさか転生での相棒・千謀(センボウ)が紫輝だったとは…。すると邪風(ジャフウ)がまだ聖女が見つからないと報告した。…錦蘿(キンラ)、お前が連れ去ったのか?…そんなある日、祥雲は転命星君から次の転生の筋書きをもらった。「″将軍と長公主の物語″?あの怠け者の李天王が前もって書いていたなんて…」祥雲と初空は李天王の失踪を不審に思い、調べ始めた。すると前回の転生の物語は初空が心の臓を捧げるところまでで、結末がないと分かる。実は李天王がいなくなって最後の頁が破られたのは2人の転生が終わる前だった。ますます混乱する祥雲、その時、ふと李天王が謎かけが好きだったことを思い出す。「何か手がかりを残しているんじゃ…(はっ!)新しい筋書きに怪しい点がありました 転生すれば分かるかも!」しかし初空は護神呪で元神を守ってからでなければ転生させないと反対した。「絶対に駄目だ!」祥雲は姻縁閣に戻ったが、どうしても納得できなかった。…李天王が理由もなくいなくなるはずがない、手がかりはやはり次の転生に…思い詰めた祥雲はその夜、紅塵(コウジン)井に初空を呼んだ。「祥雲、こっちに来い、まずは相談しよう」「今回は私のわがままに付き合ってください、仙君」すると祥雲は紅塵井に飛び込んでしまう。突然、始まった祥雲と初空の4度目の歴劫。確かに李天王の筋書き通り2人は斉国の将軍と将軍の妻である長公主に転生した。しかし驚いたことに身体が入れ替わり、初空将軍の中身が祥雲に、祥雲長公主の中身が初空になっている。さらに目が覚めた時、将軍は妻の長公主に腹を刺され、血まみれになっていた。工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工将軍となった祥雲はすぐ手当して無事だった。初空は今の身体になってからめまいや腹痛があり、毒でも盛られているのではと疑う。果たして夫婦の間に何があったのか。すると将軍に皇帝から参内するよう知らせが届いた。皇帝は妹の祥雲をみごもらせた将軍を叱責した。何が何だか分からない祥雲はひとまず膝をついて謝罪、酒に酔っての愚行だと言い訳する。その時、皇帝の玉佩に″逐浪(チクロウ)″と彫られていることに気づいた。「問い詰めはせぬ、だが朕に忠誠を誓ったのならば二度とこのような過ちを犯すでないぞ」「しっかり胸に刻みます」すると皇帝は将軍を碁に誘った。一方、将軍府に残った初空は屋敷を調査していた。手がかりらしい物は何も見つからなかったが、鏡台の下から絶筆を見つける。実は長公主の身体の不調は流産が原因だった。将軍が馨然(ケイゼン)という女子を連れ帰って間もなく長公主は流産してしまったらしい。どうやら長公主は寵愛を笠に来た馨然に毒を盛られたと恨み、心中しようと将軍を刺していた。…馨然が怪しいな、だた慎重に行こう、それから母后と皇兄か…祥雲は皇帝の碁に付き合いながら、それとなく玉佩について探りを入れた。皇帝の話ではかつて太祖が夢で出会った仙人が″逐浪九峰(キュウホウ)″という術を使ったという。すると次の日、太祖は大事な戦に勝利、そして建国したのが斉国だった。喜んだ太祖は2つの玉佩を作らせ、王家の証しとして伝えたという。″逐浪″は皇帝の軍を動かす兵符、しかし″九峰″は皇帝も見たことがなかった。実は九峰の玉佩は母后の一族である段(ダン)家10万人の軍勢を動かせる兵符だという。斉国は皇帝と皇太后の勢力が二分していた。初空の調べたところ皇太后には娘しかおらず、今の皇帝は養子だという。皇太后は幼帝の代わりに簾政を行い、親政が始まってもなお権力を手放さなかった。娘の祥雲がみごもった暁には男児ということにして今の皇帝とすげ替えるつもりだったらしい。そのため皇帝に忠誠を誓う将軍は長公主に冷たくして懐妊を阻止していた。初空は逐浪と九峰、2つの玉佩を合わせれば何か答えが見つかると考えた。しかし祥雲は相いれない皇太后と皇帝の玉佩をどうすれば一緒にできるのか分からない。「1つだけ手がある」「どんな?」「…私の言う通りに」一方、天界では孫天王が青雪草を手に入れ、昊軒に献上していた。ある日、馨然は将軍と長公主に呼ばれた。長公主は自分の紅に水銀が仕込まれていたと明かし、馨然の仕業だと告発する。しかし馨然は何も知らないと訴え、将軍も証拠が必要だとかばった。「水銀は銀の罐(カマ)で辰砂(シンシャ)を精製し作る、道具は当然、ぶち壊すでしょうね」確かに証拠はなかったが、長公主は証人を呼んでいた。証人は銀製品を扱う店の老板だった。老板は馨然の顔を確認すると、確かに一月前、店で銀の罐を買ったと証言する。「あれは蒸留にしか使わない、若い娘が練丹術で使う物を買うなんて珍しいので覚えていました」すると怒った将軍は腹心の小放(ショウホウ)に馨然を捕えるよう命じた。つづく( ゚ェ゚)男と女が逆転したわりに普通に生活してる2人w
2024.07.21
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第21話邪法を操る許文瑞(キョブンスイ)相手に劣勢を強いられた初空(チュコン)。しかし小祥(シャオシャン)が玲瓏(レイロウ)心の霊力を解放して形勢は逆転した。すると許文瑞は傀儡から全ての霊力を回収して対抗、弱っている初空めがけて突進する。小祥は咄嗟に師匠の前に立ちはだかったが、驚いた初空は小祥の前に飛び出して許文瑞の剣をつかんで止めた。その隙に小祥が背後から許文瑞を突き刺し、ついに許文瑞は消滅する。「師父、手に怪我を?!」「なぜ私をかばった?!まったく…ただの仙女のくせに何度も命を懸けるな!」初空は今生でまた祥雲(シャンユン)の元神を傷つけるところだったと思うと、つい声を荒げてしまう。「師父、何の話ですか?」「私の話を覚えているな?」…約束してくれ、何が起きたとしても必ず生き抜くと…初空は困惑している小祥に口づけした。すると2人の心の臓が光り、初空は小祥に自分の心の臓を捧げて力尽きてしまう。「師父…私を置いていかないでください」「泣くな…これでこの前の借りを返すことが…できた…」一瞬で白髪となり、この世を去った初空。小祥は師匠のいない世界に何の未練もなく、初空の亡骸を抱いて崖から身を投げてしまう。摩羅(マラ)族の錦蓮(キンレン)も修行が成功、邪風(ジャフウ)は護法が戻ってくると喜んだ。兄と運命を共にする錦蘿(キンラ)もまた生き延びて人間界に隠れ、ある石をかくまうことにする。一方、初空は天界へ戻っても帝君に挨拶にも行かず、修茗(シゥミン)の身の上を調べていた。銭(セン)天王の報告によれば修茗は人質として摩羅族に差し出された帝休(テイキュウ)族の皇子で、3万年前の″滄日(ソウジツ)の戦″で帝休族が滅び、天界に戻ったという。そこで滄日の戦について調べてみると、滄海神器についての記述が見つかった。「あ、そう言えば祥雲仙女も戻りました」「ん?心の臓を与えたから病は治ったはずだが…」「その後、初空戦君を抱いたまま崖から飛び降りたんです」姻縁閣に祥雲が戻った。紅線翁(コウセンカク)は転命司で初空と小祥の物語を確認したが、感動的な最後に思わず涙が出たという。「あと3日でお前が生まれて3100年だ、初空仙君と会う約束でもしたらどうだ?」「私たちはただの修行の伴侶でしかないの」すると祥雲が転生を終えたと聞いて初空が慌ててやって来た。紅線翁は席を外した。すると初空はいきなり祥雲の手首をつかみ、脈を確認する。祥雲は転生後、身体が軽くなって気分も良いと報告、自分を気にかけてくれると思うと嬉しかった。しかし初空から自分たちの転生は他の者と違うと言われてしまう。初空は一得一失の関係を伝えるつもりだったが、祥雲は物語の話だと早合点した。「ええ、大げさ過ぎます!邪法まで出てくるなんて! そもそも2人が20歳までに出会えなかったら…(はっ!)待って! 私の絵を持って探してたって…仙君!記憶があったのですね?!」「それは…」その時、歴劫から戻った修茗が現れた。初空は祥雲の追及を逃れるため、修茗に話があると言って帰ってしまう。初空は修茗が肌身離さず持っている玉石が3万年前に滅んだ妖魔・滄海の2つの神器の1つ″天穹玉(テンキュウギョク)″だと突き止めていた。つまり修茗が探し続けている想い人が滄海ということになる。初空は帝休族を滅ぼした敵だと呆れたが、修茗は否定した。「あの方はそのようなことはしない!」幼い頃からひ弱で疎まれて来た修茗は摩羅族の人質に出され、そこで滄海と出会った。何の憂いもなく滄海と一緒に暮らせると思っていたが、ある日、突然、全てを失ったという。「初空、お前が殺した…あの方が蘇るなら全てを投げ出す 私を阻む者はお前でも容赦しない!」初空は思い詰める友を心配し、戦神としては見逃せないと訴えた。「そうだ、お前は戦神だ、民を救うためなら愛する者にも刃を振るう 祥雲のことも生死に関われば捨て石にするのだろう?戦神の威光を振りかざして… 冷酷で傲慢な戦神様には私の気持ちなど永遠に分からぬ」3万年前の記憶がない初空は転命星君から滄海に関わる文献を取り寄せた。「そう言えば今までに転生して片方の元神が増えて他方が損なわれることがあったか?」「元神が同源だとそうなります」すると初空は何も聞かなかったことにして欲しいと頼み、転命星君を下げた。…元神が同源だと?祥雲は同族ではなく関わりもなかった、なぜ同源に?…もしや鍵となるのは祥雲の正体なのか。一方、修茗は今日もまた痛みに耐えながら滄海のため、砕魂箭(サイコンセン)を作っていた。…滄海の敵を討ち、当時の真相を知るためならどんな代償も払う…紫輝(シキ)こと千謀(センボウ)は薬湯に浸かったまま目を覚ました。すると隣の部屋で薬を作っている娘が見える。「姑娘(グーニャン)、君が助けてくれのか?きっと聖凌山で見つけてくれたんだね 他に誰かいなかったか?背が高くて目の下にほくろがあるんだが…」錦蘿は兄のことだと分かったが、黙って首を横に振った。「君の名前は?」「…知る必要はない、あなたを聖凌山から連れ帰り数百年、経った、当時の人間はもういないわ」「まさか…」驚いた千謀は探しに行きたいと言ったが、霊力は半減し、思うように身体が動かなかった。…女媧石の代わりに自分の心を差し出した錦蘿は反噬で霊力が四散、真身である花妖に戻った聖凌山では花妖・千羅(センラ)としてずっと千謀を見守り続け、殺されて消散した紫輝が摩羅族に見つからないよう咄嗟に石に変えてかくまうそして石に耐えず霊力を注ぎ込み、ようやく紫輝を人像に戻したところだったしかし霊力を隠さねば再び錦蓮に見つかり、2人とも生き残れないだろう…祥雲は姻縁閣に顔を見せない李(リ)天王を心配して探しに出かけた。すると転命星君と出くわし、気晴らしに遊歴にでも出かけたのだろうという。「ほら逐浪九峰(チクロウキュウホウ)だっけ、霊力を使う場がないから腕前を試しに行ったのね」(´-ω-`)逐浪九峰って…出まかせを間に受けるとは…ボソッ祥雲はその足で瀟雲(ショウウン)殿を訪ねた。「仙君、まだ答えを聞いていません!記憶を持ったまま転生しましたね?」初空は逃げられなくなり、祥雲の真似をしただけだと言い訳する。「つまりわざと食事を作らせたり、肩をもませたのですか?」すると初空は売り言葉に買い言葉で祥雲の耳をつかんで引っ張った。「宋(ソン)祥雲の時、私の顔をつねったな?!その罰だ!」しかし祥雲も負けじと初空の耳をつかみ返す。「毒きのこで殺そうとしたわ!」「放せ!」「嫌です!…心の臓を狙ったくせに!」祥雲はうっかり口を滑らせ、2人は急に気まずくなって手を離した。言い過ぎた祥雲は初空の機嫌を取ろうと、お詫びに手作りの海棠餅を招喚した。「海棠の花びらがあればな~残念」すると初空がこっそり術を放って花びらを振りかけてくれる。「やっぱり師父だわ!」「私はもうお前の師父ではない」「ぁ…分かっています、失礼しました」初空の話にはまだ続きがあったが、祥雲はまた突き放されたと誤解して帰ってしまう。祥雲は初空の気持ちが分からず、姻縁閣に戻っても悶々としていた。すると初空が現れ、海棠餅の皿を返しに来たという。紅線翁は皿を受け取ると、祥雲にわだかまりを解くよう耳打ちして退散した。「私は師匠になりたいわけではない、聞かせてくれないか 祥雲仙女として初空戦君をどう思っている?」「それは…」「あーっ!よく考えて答えてくれ、明日はお前が生まれた日だろう? 明日、もう一度、答えを聞きに来る、実は贈り物もあるん…(はっ!)」初空は驚かせるつもりがうっかり口を滑らせた。「とにかく明日の夕刻に迎えに来る」「ちょっと待って!小仙も贈り物があります」嬉しくなった祥雲は思わず初空に駆け寄り、頬に口付けした。つづく( ๑≧ꇴ≦)正しい銀髪きたわー!
2024.07.20
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第20話従順だった小祥(シャオシャン)に避けられ落ち込む初空(チュコン)。その夜、回廊で悶々としていると曲者が現れ、小祥の居所・栖雲軒(セイウンケン)へ向かうのが見えた。初空は咄嗟に曲者を阻止し、玲瓏心の力を使って掌で吹き飛ばす。「やはりお前か」外套からのぞいたその顔は確かに金烏(キンオ)派・許文瑞(キョブンスイ)だった。すると許文瑞は応援が来たと気づいて退散する。小祥は物音に気づいて外に出ると、ちょうど弟子たちに運ばれていく師匠の後ろ姿が見えた。小祥は師匠が心配になり楽逸(ラクイツ)別棟に駆けつけた。しかし奥の寝所に入ろうとした時、治療にあたる千忍(センジン)たちのやり取りを全て聞いてしまう。実は小祥の病も玲瓏心だった。師匠も小祥も20歳まで生きられず、当初、小祥を聖凌(セイリョウ)教にとどめ置いたのは師匠を救うためだったという。小放(ショウホウ)は激しく喀血する教主の様子に激しく動揺し、小祥の心の臓をもらおうと口走った。このまま何もせず2人の死を待つくらいなら、どちらか一方を助けるべきだという。その時、教主の意識が回復した。初空は心の臓をもらう話を二度とするなと釘を刺したが、小祥はその言葉を聞く前に帰ってしまう。翌日、小祥は地下牢で裴修茗(ペイシゥミン)を発見、ちょうど見張りが食事に戻った隙に接触した。「小祥、どうして?」すると小祥は袂から枯れた花輪を出し、少し記憶が戻ったと明かす。「私の両親はどこにいるの?」修茗は宗主夫妻が満香(マンキョウ)館で殺されたと教え、誰の仕業かは自分にも分からないと言った。小祥をさらったのが聖凌教だと知って追って来たが、実は聖凌教はずっと前から小祥を探していたという。「師父が私に優しかったのは心の臓が欲しかったからなのね」小祥は薬師閣で読んだ″玲瓏心の病の記録″が事実だと確信、深く傷ついてしまう。…思い出して欲しいと願っていたのに、こんな姿を見たら少しも喜べない…小祥の涙を見た修茗は真実を告げたものの、胸が痛んだ。初空は何とか持ち直した。どうやら許文瑞の狙いは楊(ヤン)宗主ではなく、始めから小祥だったのだろう。「このことは小祥には言うな」千忍と千謀(センボウ)は拝命したが、何とか教主と小祥のわだかまりが解けるよう願った。そんな中、許文瑞が多くの傀儡を養うため、また聖凌山のふもとで暴れ始めた。初空はある決意を固め、修茗の牢を訪ねる。その夜、小祥はちょうど中庭で海棠の花を眺めていた。すると車椅子の師匠が現れる。「師父が倒れたのだぞ?心配ではないのか? 修茗を閉じ込めたのは私だ…彼から何を言われた?」すると小祥は無表情のままゆっくり初空に近づいたかと思うと、ふいに唇を重ねた。その時、書で読んだ通り2人の心の臓が光る。「本当だった…全て本当だったのですね?師父、小祥が心の臓を捧げます」「それは…」「それとも私に心の臓をくれますか?」「小祥…」初空は小祥の腕をつかんで何か言おうとしたが、小祥は振りほどいて逃げ出してしまう。小祥は急に胸が苦しくなって回廊でしゃがみ込んだ。激しい動悸と共に蘇る満香館での悲劇、そこへ重い身体をひきずりながら初空がやって来る。「小祥?」初空は心配そうに小祥の顔をのぞき込んだ。その瞬間、小祥は父が殺害された直後に現れたのが師匠だったと思い出し、激情に駆られてかんざしで初空を刺してしまう。「どうして…どうして父と母を殺したの?!」すると小祥はそのまま卒倒した。翌朝、千忍と千謀は裴修茗と小祥が聖凌教を出て行ったと知った。「いいんですか?教主?!」「行かせてやれ…」実は修茗に小祥を託したのは初空本人だった。『許文瑞が小祥の心の臓を狙っている、私が絶対安全な場所を用意した、小祥を頼む』修茗は意識を失った小祥を連れてその夜のうちに出発した。しかし初空は最後に修茗から思わぬ事実を知らされる。『祥雲(シャンユン)はお前と歴劫を終えるたび元神が消耗して行く、2人は一得一失なんだ 小祥を雪山に行かせたのは悪くとも今生が終わって天界へ戻れるからだった このまま心の臓を捧げれば祥雲は消えてしまう』小祥は修茗と2人でふもとの隠れ家に移った。しかし天真爛漫な姿はすっかり消え失せ、修茗は黙って見守ることしかできない。一方、初空はあえて自分が玲瓏心だと噂を流させた。…この転生の玲瓏心のことは私自ら解決しなくては許文瑞を片づけたら私の玲瓏心を渡すからしっかり生きろ、ならばお前の元神も無事だ祥雲、まさかお前を傷つけていたとは…初空のもとには毎日、小祥の無事を知らせる書き付けが届いた。小放は会いに行くよう勧めたが、その時、千忍と千謀が駆けつけ、許文瑞が噂に食いついたと報告する。一方、小祥は聖凌教から連れ出してくれた修茗に感謝しながらも、どこか上の空だった。修茗は小祥の心には初空しかいないと気づき、ふと連れ出したのは間違いだったのかと後悔してしまう。聖凌教のふもとの守りが破られた。矢倉の太鼓が響くのを聞いた初空は千忍と千謀に弟子たちを連れて下山するよう命じる。千忍と千謀は教主と残ると拒んだが、初空はかえって足手まといになると諭した。「策が上手くいけば私自ら戦う、しくじれば奇門陣で許文瑞たちをこの山に封じ込める ひとまず聖凌教はお前たちに任せる」すると初空は教主の証となる指輪を千忍に託した。独り残った初空は自分の手に戻って来たかんざしを握りしめ、あの夜の修茗の言葉を思い出していた。『雲の上の戦神にとって取るに足らない仙女など世の民と比べたらどうということもないのだな』しかし初空は二度と同じ過ちを繰り返さないと心に誓った。一方、ふもとでは金烏派が聖凌教山を包囲していると騒ぎになっていた。何でも教主が弟子たちを逃し、独りで立ち向かうという。修茗は小祥に会いに行くべきだと訴え、実は両親を殺したのは初空ではないと教えた。千忍と千謀は後ろ髪を引かれる思いで弟子たちと密道から避難していた。小放はこれで全員だと報告、安堵した千忍は最後に千謀と外へ出るはずだったが、千謀は皆を逃して門を閉めてしまう。「千謀?何をしている?開けろ!」「お前に拾ってもらった命だ、代わりに恩を返す、聖凌教を任せたぞ!」「千謀!」千謀は千忍の制止する声を無視して引き返した。しかし肩にはいつも一緒に過ごしていた花妖の千羅(センラ)がいる。「お前がいれば孤独ではない」その頃、小祥と修茗は聖凌教へ向けて馬を駆けていた。ついに許文瑞が傀儡を率いて聖凌教を襲撃した。初空は別棟に現れた許文瑞たちに立ち向かったが、その時、避難したはずの千謀が現れ、加勢する。一方、聖凌教に到着した小祥と修茗は傀儡たちに応戦していた。しかし傀儡は斬っても斬っても甦り、切りがない。そこで修茗は小祥にここを自分に任せて初空の元へ行くよう促した。邪法を操る許文瑞は胸を刺されても死ななかった。心の臓が弱まっている初空は劣勢を強いられ、ついに千謀が許文瑞に刺し殺されてしまう。初空は悲しむ時間さえなく、許文瑞たちを奇門陣で封じ込めるため山頂へ誘き出した。そこへ小祥が現れる。すると助太刀した小祥は許文瑞の手に見覚えのあるあざを見つけた。「お前ね?お前が両親を殺した!」「見逃してやったのに自ら来るとは…ならば心の臓を2つとも頂こう 2人の心の臓を食べれば大きな力を得られる!」↓小祥?!なぜ来た?!初空と小祥は2人で許文瑞に挑んだ。しかし小祥は許文瑞の掌を受けて地面に叩きつけられ、喀血してしまう。…ここで倒れるわけにはいかない…小祥は書で見た型を思い出し、一か八か玲瓏心の霊力を解放することにした。「小祥?!何をしている?!」つづく( ゚ェ゚)そうそう、師父の車椅子は自動でも動きますw ←え?どうでもいい?w
2024.07.19
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第19話雪山で倒れたところを師匠に助けられた小祥(シャオシャン)。それにしても心の臓の病を治す薬草があると知りながら、なぜこれまで採りに行かなかったのだろうか。「雪は嫌いだ…ある者が雪の中で目を閉じたまま目覚めなかった」前世で自分の腕の中で亡くなった祥雲(シャンユン)。初空(チュコン)は今もその光景を思い出すと涙があふれそうになった。「師父、心に悲しいことをたくさん隠しているのですね でも私は師父がこれから健やかで楽しく暮らせるよう祈りました」初空は笑顔を見せたが、玲瓏心(レイロウシン)の力を使ったせいで心の臓は確実に弱っていた。一方、天界では李(リ)天王が戦神の歴劫を邪魔する修茗(シゥミン)皇子に憤慨、帝君に訴え出ることにした。長寧(チョウネイ)宮にはなぜか誰もいなかったが、李天王はふと玉座の後ろに結界があることに気づき、こっそりのぞいてみる。「ん?帝君か?何を鍛錬しているんだ?しかもコソコソと…」その時、李天王は帝君の腕に″厄誅(アクチュウ)痕″があると気づき、慌てて逃げ出してしまう。昊軒(コウケン)は鍛錬を終えた。…忌々しい、厄誅痕の影響が強くなっている、抑えるすべを探さねば…昊軒は結界を解くと、まず李天王を探しに転命司へ向かった。「長寧宮に来たな?なぜ私に会わず、急に立ち去ったのだ?」「神君…何をするおつもりですか?」「私が何をするか分かっているはず…」すると昊軒は自分の秘密を知ってしまった李天王の元神を滅してしまう。初空は牢に閉じ込めた裴修茗(ペイシゥミン)に面会、小祥をなぜ雪山へ行かせたのか詰め寄った。「小祥を救えなければお前を殺していた!彼女は死ぬところだったんだぞ?!」「承知の上だ!…いつか小祥にも分かる」「それで愛していると言えるのか?小祥を害しただけだ!」初空は自分のせいで祥雲の元神が傷ついているとも知らず、二度と小祥に近づくなと釘を刺した。初空は転生を映す鏡を封じて歴劫に出かけていた。仕方なく孫(ソン)天王は李天王の筋書きを確認し、帝君に報告する。「今回は縁結びの仙女が一家皆殺しの悲劇に遭い、絶望の淵にいるところを初空仙君に救われます これで初空仙君の元神は順調に回復しますね」「…分かった」初空が小放(ショウホウ)に書き付けを渡して頼んでおいたかんざしが完成した。かんざしは前世で陸長空(ルーチャンコン)が祥雲に贈った思い出の品を見事に再現できている。しかし今回は記憶がない祥雲がなぜ自分のために命を懸けたのだろうか。初空はちょうど中庭の涼亭で千謀(センボウ)と一緒にいる小祥を見つけた。すると小祥は″教主が望めば何でもできるか″と問われ、″師匠が望む限り何であろうと一緒にいたい″と答えている。初空は嬉しかったが、あくまで今生での小祥の言葉だと分かっていた。「小祥っ!」「師父!」小祥は師匠の姿を見つけて急いで駆けてきた。そこで初空は小祥の髪に自らかんざしを挿してやる。…天界に戻って全てを思い出しても、私を気に留めてくれるだろうか…「約束してくれ、例え何が起きたとしても必ず生き抜くと」初空は小祥に顔を近づけた。小祥は自然と目をつぶったが、初空は唇を重ねれば心の臓が光ると気づき、額に口づけする。すると小祥は2人の心の臓が同時に鼓動が速くなったと気づいた。…2人の心の臓が同じものみたい…その頃、人間界に現れた謎の刺客はなかなか初空戦神の歴劫を邪魔できず、主に叱責されていた。「主上、今度こそ邪魔して見せます!」一方、金烏(キンオ)派・許文瑞(キョブンスイ)は生け捕りにした陸朋(リクホウ)から小祥の居場所を聞き出そうとしていた。陸朋はなかなか口を割らなかったが、うっかり教主が守っていると口を滑らせてしまう。すると許文瑞は邪法で陸朋の元神を吸い取り、傀儡にしてしまう。そんなある日、聖凌教にふもとの村が襲われたと知らせが入った。小祥は万全な体調ではない師匠を止めたが、初空はすぐ戻ると言って千謀たちと出かけてしまう。するとこれまで我慢してきた小放の不満が爆発した。「お前が1人で雪山なんかに行くから…教主は助けに行って玲瓏心の力を使った あんなに弱ったのはお前のせいなんだぞ?!分かっているのか?!」「玲瓏心?」「(はっ!)玲瓏心?何のことだ?聞き間違いだろう」小放はうっかり口を滑らせ、慌てて出て行ってしまう。小祥は薬師閣で千忍(センジン)が″玲瓏(レイロウ)心の病の記録″を落としたことを思い出した。そこで早速、薬師閣に向かい、書棚の間から記録を見つけ出す。…玲瓏心の者は心の臓が半分の大きさで、生まれつき霊力があるが20歳まで生きられない、玲瓏心の者の心臓を得れば治るが、相手が心から愛し、自ら捧げなければ治らない、2人が唇を重ねる時、心の臓が光れば真の愛の証し、心の臓を相手に移すことができる…( ๑≧ꇴ≦)<んなわけあるかwwwww小祥は馬鹿げた物語だと呆れたが、ちょうど戻って来た千忍が慌てて記録を取り上げた。「また教主に変な書を読ませるなって怒られるだろう?!」「そこに書いてあることは本当なの?まさかね~」「作り話だよ」小祥は念のため物知りな修茗に聞いてみることにした。部屋はもぬけの空だったが、机の上にすでに枯れてしまった花輪が残っている。すると小祥の脳裏にふと修茗から頭に花輪を乗せてもらった時の光景が浮かんだ。それは楊(ヤン)府の中庭で、両親の姿もある。驚いた小祥は修茗を探し回ったが、師兄たちは誰も行き先を知らないと言った。一方、ふもとでは村人が惨殺され、ある姉弟だけ生き残っていた。姉弟の話では昨夜、何者かが村を襲い、両親が枯れ井戸に2人を隠して助かったという。外では悲鳴が続いたが、すぐに絶えたとか。すると現場で金烏派の腰牌が見つかった。その夜、聖凌教に戻った初空は留守の間の様子を聞いていた。千忍は特に変わりはなかったと報告したが、実は小祥が裴修茗を探し回っていたという。「閉じ込められていると気づいたのでしょうか?」小祥は臭臭(チョウチョウ)を抱いて独り涼亭で泣いていた。そこへ初空がやって来る。「どうした?…裴修茗のせいか?」「彼はどこ?一体、どこへ行ったの?!」「そんなに奴が大事か?!」「当たり前です!」初空は小祥の初めての反抗に衝撃を受け、怒って帰ってしまう。楽逸(ラクイツ)別棟では初空が眠れない夜を過ごしていた。…陸長空の過去を盗んだから小祥は修茗が気になるのか?″祥雲と小祥″、″陸長空と初空″、どちらが本物でどちらが偽物なんだ…翌日から小祥は師匠を避けるようになった。千謀と千忍はこれでは師匠が小祥から玲瓏心をもらえなくなってしまうと心配する。その夜、2人は海棠の木に登って酒を飲む教主の姿を見かけた。「あの顔を見たか?小放の履き物の裏より暗い」「長年、落ち込むことなどなかったのに…あの教主も小祥にはかなわないようだな?」やはり小祥はただ者ではない>(*´・ω)(ω・`*)ウムするとちょうど小祥が海棠の木の下を歩いて来た。初空はわざと空瓶を落としたが、小祥は師匠が木の上にいると気づいても無視して帰ってしまう。小祥は居所に戻った。修茗の言葉が正しかったとすれば師匠はなぜ自分を聖凌教にとどめ置いたのか。玲瓏心の力とは何なのか。自分と玲瓏心にどんな関わりがあるのか。小祥は考えれば考えるほど訳が分からなくなり、頭を抱えた。つづく( ๑≧ꇴ≦)神君!相変わらずカッコいい!
2024.07.18
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第18話大恥を晒して部屋に閉じこもってしまった小祥(シャオシャン)。しかし外から師匠が激しく咳き込む声を聞いて慌てて戸を開けた。「師父!…なぜ車椅子なのですか?」「小祥、一緒に湖まで行こう」小祥は初空(チュコン)と水切りで競いながら、次第に笑顔を取り戻した。そこで初空は千忍(センジン)が集めた恋愛の書なら不適切なものを処分し、小祥をからかった弟子たちにも罰を与えたと安心させる。「師父、ありがとうございます」初空は照れくさそうに石を投げたが…。「あっ!見たか!7回だ、7回も跳ねたぞ!完璧だったな~ふふ」「…師父?私を騙しましたね?」「師が何を騙したというのだ?」「師父は心の臓の具合が悪いのでは?」「少しくらいなら大丈夫なのだ」「じゃ…じゃあなぜ車椅子に乗る必要が?!」「なぜって…」「?」「なぜってそれは…師が怠け者だからだ」「ふん!」仮病と知られ、せっかく機嫌を直した小祥をまた怒らせてしまった初空。そこで何でも願いを聞くとなだめた。すると小祥は師匠の心の臓の病が治ることを願うという。「師父の健康が私の願いです!」初空は小祥の言葉に胸が熱くなり、今度は本当に動悸が激しくなってしまう。初空は薬師閣で千忍の薬を飲み、落ち着いた。本人は20歳になる日が近づくにつれ心の臓が弱っていると思ったが、千忍と千謀(センボウ)は発作ではなく、小祥を愛したからだという。天界の記憶がある初空は決して認めようとしなかったが、小祥に武芸を教えながら2人の距離は確実に近づいていた。小祥は武芸に天賦の才があった。もし玲瓏心の霊力があれば一気に上達するのは目に見えたが、初空は小祥を今生で長生きさせるため使わせるつもりはない。もはや誰もが知るところとなった教主の小祥への情愛。裴修茗(ペイシゥミン)はそれでも頑なに自分の心を欺く初空に苛立ち、煽ることにした。ある日、修茗は小祥を湖に呼び出し、手作りの料理でもてなした。「なぜ私に良くしてくれるのです?」「ずっと君が好きだった、やっとそばにいられる、片時だが… だから婚姻を申し込む、これからの生涯を共に過ごしたい」小祥は突然の求婚に目を丸くしたが、その時、知らせを聞いた初空が駆けつけた。「また弟子をたぶらかしているのか?…小祥は嫁に行かぬ!」「小祥はもう大人だ、無理にとどめ置いてはいけない」「口出し無用だ」(* ゚ェ゚)<師父は…「なら小祥に伴侶を選ばせよう、皆の前で意中の者を選ばせるのだ」(* ゚ェ゚)<師父、わ…「いいだろう」(* ゚ェ゚)…ボッチその夜、小祥は中庭で臭臭(チョウチョウ)と遊んでいた。初空は回廊からその様子を眺めていたが、小放(ショウホウ)が外套を届けに来る。「なぜ小祥に婿選なんて…裴公子を選ぶかもしれないと心配にならないのですか?」「お前と言う奴は…」すると初空は小放に書き付けを託し、私の代わりに届けてくれと頼んで戻ってしまう。一方、わずかな望みと分かっていながら賭けに出た修茗。…もし私を選んでくれたら今までの策は捨てて祥雲(シャンユン)と共に生きよう、今生はただの裴修茗として楊小祥と一緒に残りの日々を平穏に過ごすのだ…こうして小祥の伴侶選びが始まった。初空は小祥に赤い鞠を渡し、伴侶に選んだ男に投げるよう告げる。「いなければ投げなくてもいいぞ」すると小祥は鞠を持って振りかぶったが、急にあきらめて直接、師匠に手渡した。「私が好きなのは師父です、でも不器用なので外すと困るから…」「男に鞠を渡す意味を分かっているのか?」「一生を共にすると言うことでしょう?私は生涯、師父に仕えると約束しました」小祥の想いに感無量の初空、しかしそんな2人の幸せそうな姿に修茗は激しく嫉妬していた。初空の発作の頻度は確かに増えていた。世話をする小祥も心配でたまらないが、治療法はないという。そんな中、金烏(キンオ)派の許文瑞(キョブンスイ)が見つかったと知らせが来た。「従者が例の刺客に似ていると…」初空は千謀たちと急いで追いかけた。すると竹林で深手を負った弟子たちを見つける。実は千謀に報告して許文瑞のあとをつけていたところ気づかれ、襲われていた。「でも変でした…刺客というより生きる屍のようで… 応戦して相手の手を斬り落としましたが、痛がる様子もなかった」初空は許文瑞が邪法で傀儡を動かしていると分かった。一方、小祥は修茗に心の臓を治すすべがないか相談していた。そこで修茗は心の臓の病に欠かせないのが雪蓮花(セツレンカ)だと教える。「完治は無理でもましにはなる、だが普通の雪蓮花ではあまり効かない 特に効き目があるのは霊力が集まる聖凌(セイリョウ)山の頂きにあるが… 雪山は危険なんだ、命を落とす可能性がある」「気をつけて行ってきます!」すると罠だとも知らず、小祥は嬉しそうに出かけてしまう。…雪の中に倒れるあなたを見て初空は完全に恋に落ちるだろう、賭けに負ければあなたは歴劫を終えて天界に戻る、賭けに勝てば初空は自ら心の臓を差し出し、この歴劫であなたの元神は回復する…「私は間違っていない」初空たちは結局、許文瑞を見つけられず聖凌教に戻った。すると小放が息急き切って正門の外まで飛び出して来る。「教主、大変です!小祥がいません!」初空は弟子たちに捜索を命じたが、小祥は一向に見つからなかった。しかし修茗がふらりと現れ、小祥なら山頂へ向かったと教える。「小祥にもしものことがあればお前は悲惨な死を迎えることになるぞ」初空は外套をつかみ、急いで小祥を探しに出かけた。初空は凍えて動けなくなった小祥を見つけた。「小祥!しっかり!目を覚ませ!」「…師父、雪蓮花を見つけました」「寝ては駄目だ!しっかりしろ!」初空は小祥を救うため玲瓏心の力を発揮、小祥を連れて何とか聖凌教までたどりついた。その頃、天界では李(リ)天王が勝手に自分の筋書きを変えた修茗皇子に怒り心頭だった。「小祥子(シャオシャンズー)が死んだら今回の歴劫が台無しになる…訴えてやる!」初空が無事に小祥を連れ帰ったのを見た修茗はその夜、小祥のために花輪を編んでいた。…もう少しだ、玲瓏心の病が治ったら一緒に帰ろう…一方、初空は楽逸(ラクイツ)別棟で小祥を介抱していた。やがて熱が引いた小祥は目を覚ましたが、いきなり師匠の身体をまさぐり始める。「何をする?!」「師父?!雪蓮花は?!どこです?!」「薬師閣にある、気持ちはありがたいが、二度と命を軽んじてはならぬ」初空はそのまま小祥を寝台に寝かせた。「師父…どうして今まで雪蓮花を採りに行かなかったのですか?」「雪は嫌いだ」つづくΣ(⊙∀⊙)ハッ!そうか!天界で″小祥子″と呼ばれているから″小祥″なのか!って、今さら感wwwわざわざ第1話で李天王が「小祥子!」と呼んで祥雲が「年頃の娘を宦官みたいに呼ぶな!」って怒る場面があったのはこのためだったのか ←ちゃんと見とけw
2024.07.17
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第17話吊り橋効果で小祥(シャオシャン)の恋心を愛に変える作戦を考えついた千忍(センジン)。聖凌(セイリョウ)教を上げて教主のため一芝居打つことになり、山賊に扮した弟子たちが町に出かけた教主と小祥を襲うことになった。すでに予行練習も済ませ準備万端の初空(チュコン)、しかし思いがけず本当の刺客が現れる。驚いた千謀(センボウ)たちは慌てて教主に加勢し、町中で斬り合いが始まった。武芸ができない小祥は心配そうに見守っていたが、突然、見知らぬ公子が現れる。「小祥、私と行こう!」「あなたは誰?」「修茗(シゥミン)だ」…初空が記憶を消したのか?…修茗は説明を後にしてともかく小祥を連れ去ろうとしたが、その時、初空の剣が飛んで来た。修茗は見事な扇子さばきで初空の剣を避けた。再び初空の転生に現れた修茗、一体、どんな思惑で邪魔をするのか。修茗は初空と数手ほど手合わせすると、屋根の上におびき寄せた。その時、刺客が初空めがけて暗器を投げ、修茗が咄嗟に身を挺してかばい負傷してしまう。するとそこで刺客たちが撤退、初空は修茗の企みを探ろうと聖凌教で手当することにした。初空は修茗が白鶴(ハクカク)派の総帥の一人息子だと知った。実は町に現れた刺客も白鶴派の弟子だったという。修茗は扇子を武器とし、その扇子さばきはまさに神業で、幼馴染の小祥だけを一途に思っていた。初空は至って冷静に報告を聞いていたが、いつの間にか小祥と修茗が旧情を温めていると聞いて飛び出して行ってしまう。修茗は小祥に自分たちが幼馴染で親しい間柄だったと説明した。そこへ初空が現れ、修茗の脈を診るふりをして関節技を決めて来る。「(ボキッ!ボキボキッ!)身体を緩めると治りが早いぞ」初空は前世で修茗にやられた嫌がらせをそのまま返した。「どうだ?やった覚えがあるだろう?」「師父(シフォ)?裴(ペイ)公子(ゴンズー)と知り合いなんですか?」「まあな」「実は裴公子はかつて私と買い物やお祭りに行ったことがあるそうです」「私にも覚えがある@前世…裴公子、別人の話なのでは?」「別人の話?ふっ、教主は書で読んで覚えがあるだけでしょう?」( ・_・)バチッ!---*---バチッ!(・_・ )初空は弟子を騙すなと釘を刺しておいたが、このまま修茗をそばに置いて見張るのが得策だと考えた。…奴も天界の記憶を持っているはず、祥雲(シャンユン)が好きだから陸長空(ルーチャンコン)の話をしたのか?…千謀と千忍は教主から修茗の見張りを命じられた。すると修茗は薬師閣の閣主である千忍を神医と呼んで崇め、暗影(アンエイ)堂の堂主・千謀も優しい人柄で、武芸は教主に次ぐ腕前と世に知られていると絶賛、人たらし振りを発揮する。千謀と千忍はすっかり乗せられたと気づき、こうやって女心をつかむのだと分かった。隙あらば小祥との距離を縮めようとする修茗、千謀と千忍はむしろ悠長に構えている教主に呆れてしまう。そうとは知らず、初空は小祥からもらった果物を食べずに大事そうに磨いていた。「少し萎びて来た気がするな~何とか千年、保たせる方法を考えてくれ」エー!(*´・ω)(ω・`*)千年って…千忍は情に疎い小祥に恋愛の書を読ませることにした。薬師閣に呼ばれた小祥は偶然、千忍が落とした″玲瓏(レイロウ)心の病の記録″を拾ったが、千忍は慌てて隠してしまう。一方、千謀は楊(ヤン)宗主襲撃事件の手がかりを見つけ、教主に報告した。「金烏(キンオ)派の許文瑞(キョブンスイ)が小祥の行方を追っています」似顔絵を見た初空は前世で修茗の配下だった馮(フウ)都尉だと気づき、また邪魔者が現れたと困惑する。「幾月か前に2人は会っています 楊宗主は相手が邪悪で非道と知り、言葉の行き違いがあって逃げました」しかし金烏派は決まった拠点がないため、居場所はまだ分からないという。修茗は小祥の記憶が戻るまで行動を起こさず、静かに見守ることにした。そんな中、恋愛の書を読んだ小祥が師匠にとんでもない頼み事をして初空の度肝を抜く。「師父、″房中術″を習いたいのです」「なっなっ何だって?!」聞けば千忍から恋愛の書を借りたところ、その中の一冊に男女の侠客が房中術で力を得るという話があったという。「一昨日も師兄たちが噂しているのを聞きました ″師父と小師妹は房間にこもって房中術に夢中だ″と… だから師父から習っていないので何もしていないと言ったんです そうしたら良い修業法だし、簡単で効果抜群だと聞きました!教えてください!」これに初空は激怒、小祥がいないうちに弟子たちを集め、見せしめに本を貸した千謀を杖打ちにした。「今回は軽い罰にしておく!だが今度、噂話や人を貶めたりしたと分かった時はこうなるぞ!」(๑✪ω✪๑)しふぉ!初空は小祥から修業をねだられるのを恐れ、避けるようになった。側仕えの小放(ショウホウ)は小祥が来ないせいで近頃、教主から笑顔が消えてしまったと心配したが、初空はおかげで静かだと強がる。その時、千忍が血相を変えて駆けつけた。「小師妹が裴公子と部屋にこもって…心配して声をかけたんですが、小師妹が…その…」「どうした?」「それが…″師兄、邪魔しないで、房中術の…″」o(`ω´ )o<なんだってぇぇぇぇぇ!初空は剣を抜いて修茗の居所に乗り込んだ。しかし小祥はただ型の練習をしていただけだと分かる。小祥から武芸を習いたいと聞いた修茗は房中術の前に基礎を学ぶようなだめ、教え始めたところだった。「師父、どうして裴公子に討ちかかったのです?」「教える資格があるか試してみないとな…だがもうその必要はない」「師父!師父が教えてくれるんですね?!じゃあ師父から房中術を習います!」すると慌てて千忍が小祥に房中術の意味を耳打ちした。お前は勘違いしている…モニョモニョ…>(ノ°д°(・・;)え?(∩≧ꇴ≦∩イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ〜ッ!!!!!!!小祥は恥ずかしくて部屋に閉じこもった。責任を感じた千忍は点心を差し入れて機嫌を取るが、一向に出て来る気配がない。さすがに初空も心配になって様子を見に来たが、その時、千忍は小祥をおびき出す方法を思いついた。「教主、裴修茗がここへ来た経緯を?」実は山賊事件の時、初空は修茗が策を巡らせ怪我を負ったと見抜いていた。すると千忍は教主も心の臓が悪くなったふりをするよう提案する。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~!こういう小ネタを挟む演技、上手いよね~@初空
2024.07.16
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第16話思いがけず小祥(シャオシャン)の口から初空(チュコン)が待ち望んだ言葉が飛び出した。「師父が好きです!」しかしそれは男女の情ではなく、言わば家族や友人への親しみに過ぎなかった。そんなある日、正殿で第148回目の聖凌(セイリョウ)教大会が行われた。千謀(センボウ)は教主に″教務記録帳″を提出して業績を報告し、実は嶼(ショ)州の干ばつで家族を失った子供たちを連れて帰ったという。初空は子供たちを弟子に加えて千謀に文字や武芸を教えるよう命じたが、小祥はふと気になって千忍(センジン)に声をかけた。「ねえ、私も拾われたの?」初空は小祥の質問に気づいてそこで散会し、千忍に答える隙を与えなかった。初空は小祥の両親である楊(ヤン)宗主夫妻の事件を調べさせていた。しかし疑わしい者は見つからず、強いて宗主と不仲と言えば徽山(キザン)派の2番手・呉群(ゴグン)と金烏(キンウ)派の総帥・許文瑞(キョブンスイ)だという。「その2人を調べろ、刺客を養っているかどうか」千謀と千忍は拝命、するとまた厨房で爆発音が聞こえた。「教主、小師妹はまた火薬の研究ですか?」「あれは私に美味いものを作るため、料理の研究だ」小祥が海棠餅を持って飛んできた。今回の海堂餅はかろうじて色がついていたが、千謀と千忍は何とも言えない渋い表情。しかし初空は恐る恐る口に入れ、何とか飲み込んだ。「どうです?」「腕が上がったな」「やった!ご褒美はありますか?!」小祥は喜んだが、その時、師匠の口元に食べかすが付いていると気づいた。そこで自分の口元を指差しながらそれとなく教えたが、その様子を見た初空は褒美に口づけして欲しいという意味だと誤解してしまう。千謀と千忍は慌てて目線を逸らすと、初空は小祥に優しく口づけした。しかし小祥は困惑して逃げる様に出て行ってしまう。ひょんなことから唇を重ねた初空と小祥、しかし小祥の心の臓は光らなかった。師匠と口づけを交わした小祥はようやく初空を意識するようになった。そうとは知らず、小祥に愛されていないと分かった初空はすっかり意気消沈してしまう。千忍はこの世で最も説き難いのが女心だと慰め、戦に兵法が必要なように作戦を立てるべきだと助言した。「良い手はあるか?」「最初の作戦は″孔雀の求愛を真似よ!″です」初空は剣術の修練中、ちょうど海棠の花を摘んで戻って来た小祥を呼び止めた。もしや師匠の告白かと期待する小祥。しかし師匠はかごから花びらをつかみ取り、自慢の剣術で花吹雪をまき散らしてしまう。初空はさぞやこの美しさに魅了されただろうと期待したが、小祥は急にがっかりして花吹雪の掃除を始めた。次は″相手の好みに合わせる″作戦、そこで初空は小祥に内緒で子豚を贈った。千謀と千忍はなぜ犬や猫ではなく子豚なのか不思議だったが、確かに子豚を見つけた小祥は嬉しそうに抱き上げて撫でている。「本当だ、豚が好きな様ですね」「私には分かる、小祥にとって豚は特別な者を表すのだ」その時、小祥の声が聞こえて来た。「ん?臭いわ!名前は…臭臭(チョウチョウ)ね! ( ‘•Ꙫ• ‘ )」しかし思わぬ事件が起こる。小祥が珍しく上手くできたと喜んで豚の角煮を師匠に差し入れた。臭臭の哀れな姿を見た初空は呆然、怒って出ていってしまう。「もったいないな~それなら私が…」その時、回廊から師匠の怒号が聞こえた。「食べるなっ!」小祥は師匠がなぜ怒っているのか分からなかった。先日も剣の修練を口実に海堂の花を細断され、今日も角煮を一口も食べてくれない。千謀と千忍は仕方なく、あの豚が師匠からの贈り物だと教えた。教主は臭臭のために洋服や食器まで準備してくれたという。小祥は服を着せた臭臭を連れて師匠を訪ねた。「臭臭?!」初空は臭臭を抱きしめ、元気な姿に安堵する。「部屋が狭かったので預けていたんです」すると小祥は差し入れの点心を置いて帰って行った。千忍は角煮なら買って来てもらった肉だったと明かし、作戦を変えようという。「小祥の気持ちになって考えれば心をつかめるはずです」初空は小祥のため手料理を振る舞うことにした。剣術の達人にとって包丁など朝飯前、しかしかまどに火を入れて調理を始めると爆発が起こる。千謀と千忍は小祥の火薬の知識がどうやら教主譲りらしいと、いやに納得した。初空は小祥たちに料理を振る舞った。しかし鶏肉は生焼け、特製の包子も失敗、残ったのはきのこの汁物しかない。「これは美味しい!」3人に絶賛された初空は安心して味見してみたが、確かに汁物は大成功だった。その夜、毒きのこを食べた4人は薬を飲んで仲良く並んで横になった。「何か話を…もし寝たら二度と目を覚まさないかも…」「千忍師兄は陸(ルー)という姓だったんですね」「小放(ショウホウ)も陸だ、陸姓の弟子は多い 私たちの祖先は一兵卒だった、陸という将軍に仕えていて随分、助けられたとか だから陸という姓を受け継いだのだ 子供の頃、何年も飯を食えず、教主に拾われたのを覚えている」教主も当時は当然まだ子供だったが、まるで何万年も生きていたかのように大いなる知恵に満ちていたという。「じゃあ千謀師兄も陸なの?」「私はただの千謀だ、私はふもとで千忍に拾われた」「そうだ…拾ってきた」その話を庭に咲いている一輪の花が聞いていた。🌷<間抜けばかりね、ふふふ~翌朝、花妖はちょうど通りかかった千謀に声をかけた。「こっちよこっち!ここへ来て!…石妖なら聞こえるでしょう?」「シーッ!私が石妖ってことは内緒なんだ」紫輝(シキ)こと千謀は花妖を肩に乗せ、教主に紹介した。「教主、花妖に出会いました、千羅(センラ)と名づけました 千羅も女子です、小祥のことで参謀になれるかも…」すると千忍が参謀の立場を奪われまいと、実は毒きのこで寝込んでいる間に恋愛の書を読破、必勝法を発見したという。「恋が芽生えても、それを愛に変えるには生死の危機に直面することが必要です これが俗にいう″吊り橋効果″、手はずは全て整えました」一方、修茗(シゥミン)は小祥を取り戻すため、聖凌教の動きを見張らせていた。するとふもとの町で聖凌教の弟子たちが教主を迎える準備をしていたと知る。「明日、教主が愛弟子を連れて来るそうです ご安心を、白鶴(ハクカク)派の精鋭で小祥小姐を取り戻します」翌日、小祥は師匠とふもとの町へ出かけた。嬉しそうに露店を見て回る小祥、すると虎と豚のお面が欲しいという。「一緒につけましょう?」「また豚か(ボソッ」その様子を茶屋の2階から修茗が見ていた。…初空、また会ったな…つづく(  ̄꒳ ̄)私も陸家の話、懐かしいわ〜 ←って誰?!w
2024.07.15
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少年歌行 The Blood of Youth(全40話)第1話…天武(テンム)帝・蕭毅(ショウキ)が乱世を平定し、北離(ホクリ)王朝を築き上げた北離の繁栄は200年以上も続き、明徳(メイトク)帝の時代には強大な国を誇るに至る第6皇子・蕭楚河(ショウソカ)は優れた才能を持ち、皇太子に最も近い皇子と目されていたしかし4年前、謀反の罪に問われた明徳帝の弟・琅琊(ロウヤ)王をかばったせいで父皇の逆鱗に触れ、青(セイ)州へ追放されてしまうこうして皇太子の座を巡る皇子たちの激しい争いが勃発、王朝の平穏が脅かされた一方、追放された蕭楚河は消息不明となり、今も所在は分からなかったそして明徳20年の秋、寒水(カンスイ)寺にて住職・忘憂(ボウユウ)が死去これより江湖を揺るがす″黄金の棺″事件が幕を開ける…雪楽(セツラク)山荘は雪深い山間に立つ風情ある客桟。ここに眉目秀麗でどこか浮世離れしている風流な老板・蕭瑟(ショウシツ)がいた。彼がまとう外套は天啓(テンケイ)城の名店で作らせた特別な皮衣で、製作に3ヶ月、1ヶ月かけてここまで運んだという。そんなある日、大雪で閑古鳥が鳴くこの客桟に大きな箱をかついだ青年が現れた。蕭瑟は青年が珍しい朱色の衣を着ていたことから名家の子息だと推察したが、実際は銭がなく、麺しか注文しない。すると今度は山賊たちがやって来た。山賊たちは九龍門(キュウリュウモン)へ向かっている寒水寺の″お宝″を追いかけているらしい。彼らは当然ながら銭など払う気は毛頭なく、酒と料理と金目の物を持って来いと脅して来た。その時、ちょうど麺を食べ終えた青年が首を突っ込んで来る。「強盗だって?そりゃ見逃せないな〜俺、雷無桀(ライムケツ)!」↓俺ルフィー的な…w雷無桀は簡単に山賊たちやり込め、追い出した。その技から彼が江南(コウナン)霹靂堂(ヘキレキドウ)雷家の弟子だと分かる。本人は宿を救った恩人のつもりだろう。しかし蕭瑟は破壊した店の修理代を要求した。「100両だ」雷無桀は銭はないと言って帰ろうとしたが、老板は術を使って全ての扉を閉めてしまう。その内力に驚いた雷無桀は咄嗟に目的地に到着すれば払えると訴えた。「雪月(セツゲツ)城だ」雪月城と言えば江湖の名だたる門派が同盟を組む街、江南霹靂堂もその一員だ。…自分のものを取り返すなら私も行かねば、嘘をついている様にも見えぬ、秀でているのは武術だけで頭は空っぽだ…そこで蕭瑟は修繕費用回収のため同行すると申し出た。「ああ、構わないよ」「だが利子を含めて500両だ」(屮゚Д゚)屮 500?!その頃、寒水寺の″お宝″を運んでいた唐蓮(トウレン)は続々と現れる刺客たちを蹴散らしながら九龍門に向かっていた。やがて雪が激しくなり、その夜はちょうど通りかかった荒れ廟で休むことにする。すると人の気配に気づき、咄嗟に焚き火を消して物陰に身を隠し、暗器を構えた。しかしどうやら2人は刺客ではなく、能天気な若者を見るにただの旅人らしい。実は荒れ廟に現れたのは偶然にも旅の道連れとなった蕭瑟と雷無桀だった。唐蓮は2人が雪月城を目指して道に迷ってしまったと知る。朱色の若者は雷姓だったが、無桀という名には聞き覚えがなかった。しかし今度は本物の刺客が現れてしまう。蕭瑟と雷無桀は女の声を聞いて外へ出た。月姫(ゲツキ)と冥侯(メイコウ)と言えば刺客榜の9位、雷無桀は刺客集団・暗河(アンガ)の8人を除けば江湖で最も腕の立つ2人だとはしゃいでいる。呆れる蕭瑟だったが、刺客の標的は他にいた。すると唐蓮が旅人を巻き込まないよう、屋根を破って自ら姿を現す。「唐蓮、今夜こそあなたを殺してあげるわ」「え?唐蓮って…あなたが雪月城の筆頭弟子の唐蓮?!つまり俺の大師兄だ! 俺は雷無桀!江南の雷家から来た!俺も雪月城で…」「危ないぞ」冥侯がいきなり襲いかかって来た。雷無桀は冥侯の金巨刀(キンキョトウ)に目を輝かせたが、冥侯は唐蓮が手負いだと分かると攻撃を止める。実は唐蓮は百香散(ヒャクコウサン)のおかげで命拾いしたばかりだった。すると雷無桀が師兄の代わりに戦うと名乗りを上げる。「あなたも雪月城の人間なのね?では遠慮なく…冥侯が動くまでもない」月姫は腰に装着していた束衣剣(ソクイケン)を抜き出し、飛び出した。雷無桀は月姫の軟剣を素手でつかみ、見事に避けた。内功の強さもさることながら、雷家の無方拳(ムホウケン)や得意の火器で善戦、しかし月姫の華麗な月影(ゲツエイ)剣や倣影(ホウエイ)術に翻弄され、最後は自ら負けを認める。しかし月姫は失笑した。「ご冗談を…勝ち負けじゃない、生きるか死ぬかの戦いよ?」「最初の相手がこんな強敵とは…俺は幸運だな!」すると雷無桀は雷家の″火灼(カシャク)の術″を繰り出そうと気を高めた。「髪が赤いわけだ」蕭瑟が感心していると、その時、冥侯が誰かに気づいて月姫を止めた。「月姫、行くぞ」結局、雷無桀は術を使う前に2人が退散してしまう。雷無桀は加勢しなかった蕭瑟を責めた。「お前も武術を使えるだろう?」「いつそう言った?」「宿で気を飛ばして窓や扉を閉めたじゃないか?!」「あれはただの仕掛けだよ」すると蕭瑟は唐蓮に裏庭に荷物があるのか聞いた。「賊が向かったようだ、冥侯たちもそれに気付いたのだろう」唐蓮が軽功で裏庭に向かうと、ちょうど馬車を盗もうとしている賊を見つけた。しかし攻撃したところ賊ではなく、司空千落(シクウセンラク)だと分かる。そこへ遅れて蕭瑟と雷無桀が駆けつけた。すると大師兄に送り返されそうになった千落は馬を奪って逃げてしまう。「また会いましょう、唐蓮!」雷無桀は今の娘が槍仙(ソウセン)・司空長風(シクウチョウフウ)の娘で雪月城の大小姐だと知った。すると千落のせいで車が壊れ、中から黄金の棺が飛び出して来る。蕭瑟は思わず棺を叩いた。「(カンカン!)間違いない、純金だ」車が壊れた唐蓮は蕭瑟の馬車で棺を運ばせてもらうことになった。しかし唐蓮も本当に棺の中身が何か知らないという。「師父から畢羅(ヒツラ)城の九龍門まで運べと言われただけなんだ それにこうも言われた、決して開けるなと…」蕭瑟も黄金の棺の噂を耳にしていた。「″寒水寺の黄金の棺は辺境の地を目指す 棺の中身は大量の金銀財宝と江湖を揺るがす武術の秘伝書″だとか 噂が広がるのは誰かが故意に流しているからだ 恐らく中身は大師の亡骸だろうな…だがなぜ奪い合いに?(ボソッ」「お前は何者だ?」「私はただの情報通の客桟の老板さ…で九龍門へ向かうのか?」「三顧(サンコ)城の美人荘へ」″美人を三顧す、一度目は城を、二度目は国を、三度目は心を奪われる″…。三顧城は畢羅城への経由地で商人が集う街だ。美人荘は三顧城最大の遊郭であり、北離でも有数の賭場、言わば金が集まる場所である。唐蓮は雷無桀に馬車の見張りを任せ、蕭瑟を連れて美人荘に入った。ここでは大金を賭ける代わりに真珠を使って勝ち負けを計算するという。「ここに来たのは協力者と落ち合うためだ、人の注意を引くな」しかしその時、唐蓮に気づいた天女蕊(テンニョズイ)が真紅の衣を翻しながらが舞い降りて来た。思わず賭け事も忘れて天女蕊の姿を拝む客人たち。(  ̄꒳ ̄)<人の注意を引くなと言わなかったか?すると蕭瑟は名前からして″蕊″と″蓮″とはただならぬ関係なのかと揶揄した。天女蕊は蕭瑟に興味を持った。普通なら賭場の広大さに目を見張り、美女たちに見惚れるはず。しかし蕭瑟は気だるげに立っているだけだった。恐らく山のような財宝も美女も珍しくないのだろう。すると時間がない唐蓮は大事な話があると切り出した。天女蕊は急に唐蓮に抱きつき、人知れず耳元で報告する。「協力者は来ていない、でも準備はできた 気をつけて、腕の立つ刺客が三顧城に入り込んでいる、厄介な人ばかりよ」天女蕊は蕭瑟に賭けに参加するか聞いた。蕭瑟は自分が所有する雪楽山荘なら真珠10箱分の価値があると言って前借りしたいという。「いいわ」すると天女蕊は真珠2箱を準備し、客たちに貸切になったと伝えた。富豪の客は憤慨したが、天女蕊は見事な武功で黙らせ、実は蕭瑟が賭けるのは金銭だけではなく生死局だという。蕭瑟は同意していないと言い返したが、そんな天女蕊の思惑を見抜いた客がいた。「好きな男を助けたいのは分かるが、美人荘の力で場を収めるのは無理だ」その男は唐蓮を追跡していた白髪の剣客だった。しかし話の途中で突然、唐蓮を追って来た刺客たちが美人荘に雪崩れ込んでくる。つづく( ̄▽ ̄;)…全く名前を覚えられない
2024.07.14
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第15話天界に新たな神託が下った頃、摩羅(マラ)山では錦蓮(キンレン)がまさに滄海(ソウカイ)帝君を復活させようとしていた。しかしなぜか失敗、錦蘿(キンラ)が激しい反噬で元神を損ない、錦蓮まで道連れになってしまう。実は摩羅族の双子は同じ運命をたどり、死ぬ時も同じだった。「これは…女媧(ジョカ)石の心ではないな?」錦蓮は双子の妹で摩羅族の聖女でもある錦蘿の裏切りに驚愕した。「今まで誰も与えてくれなかった愛を紫輝(シキ)がくれた あの人を助けるためなら自分の心を捧げても構わない!」「答えろ…女媧石はどこにある?」「見つけられないわ、だってもうすぐあなたの魂も消散してしまうから あはははは~!哥哥、私と一緒に地獄へ落ちるの、そこが私たちに相応しい場所よ」すると錦蘿は姿を消してしまう。一方、人間界では女媧石の化身である紫輝が目を覚ましていた。しかし心を奪われたせいで記憶を失い、何が起こったのか全く覚えていない。「ここは一体どこだ?なぜここに?」摩羅族の邪魔が入ったせいで天界では転命司が神託を受ける際に混乱が生じていた。しかし帝君が独りで対処し、初空(チュコン)が長寧(チョウネイ)殿へ駆けつけた時にはすでに昊軒(コウケン)が神託を受け取っていた。…滄海が蘇って世が覆り、災いが訪れる…第1話の神託では″滄海が千年で蘇る″とあったはず、初空はそれまでに元神を修復するため、急ぎ次の歴劫に出かけると決めた。孫(ソン)天王は帝君が摩羅族の力を抑えたせいで元神が傷ついたと気づいた。しかし昊軒は医者を断り、口止めする。再び初空が歴劫に出れば天界の守りが手薄となり、さらに自分まで手負いだと知られれば摩羅族が動くこと必至だという。一方、深手を負った錦蓮もまた元神を修復するため、人間界へ歴劫に出ると決めた。「邪風(ジャフウ)、私がいない間、摩羅族を守ってくれ、軽はずみに動くな」初空は念のため転命司を訪ね、李(リ)天王が書いた転生の物語を確認した。3回目では心の臓の病・玲瓏(レイロウ)心を患い、20歳まで生きられない設定だという。しかし同じ玲瓏心の祥雲が初空を愛して自ら心の臓を捧げると、初空の寿命を延ばせることになっていた。「こうしてさほど待たせずに修行が終わり、元神も回復します(キリッ!」「だが彼女に愛されていると確かめる方法は?」「玲瓏心の者同士が唇を重ねると心の臓が光ります!」「口づけって…それは…(テレ」「何か問題が?(はっ!)では玲瓏心の者には神仙に近い力を与え、生まれつき無敵にします!」初空は満足したのか、加えて祥雲が自分の命に従うよう従順にしてくれと頼んだ。「今度こそ私をガッカリさせるなよ?!」すると初空は神仙たちに祥雲との口づけを見られないよう、自分の運名簿を封印してしまう。昇格できたのも束の間、急に3回目の歴劫へ行くことになった祥雲。しかし紅塵(コウジン)井へ向かう途中、うっかり忘川蜜(ボウセンミツ)を落とし、初空が拾ってしまう。(  ̄꒳ ̄)_🧪<これはそなたのか?(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤ~<転生の際には忘川の水を飲むのが決まりですから…(๑・᷄ὢ・᷅๑)チッ!修茗(シゥミン)は七夕の手伝いで姻縁閣を訪れた際、偶然、祥雲の手首に触れ、彼女の元神の異変に気づいていた。そこで転命司を訪ね、転生に関する書物を調べてみる。…神仙が転生すると通例、死ねば天界に戻り元神が回復するだが元神が同源の2人の場合、相手のために命を投げ出すと相手の元神を補い、その代わり死んだ者の元神は消耗する、このまま元神を捧げ続ければ、やがて元神は消滅するだろう…「それで元神が傷ついていたのか」修茗はようやく原因を突き止めたが、その頃、祥雲はすでに3度目の歴劫に出かけようとしていた。今回ばかりは記憶を消して行かざるを得なくなった祥雲。しかし初空は祥雲が忘川水を飲むのを確認すると、さっさと紅塵井に飛び込んでしまう。天界での記憶を持ったまま人間界に転生した初空。幼い頃から邪道の技を学び、天性の驚くべき力を持つも病弱という聖凌(セイリョウ)教の教主で、俗世とは関わらず、その名を知る者もいなかった。何の因果か初空の側近は錦蓮の転生・千忍(センジン)と記憶のない紫輝こと千謀(センボウ)。初空は似顔絵を頼りに長年、祥雲を探し続けていたが、19歳となる今年、ついに祥雲を見つけることになった。祥雲は御剣(ギョケン)宗の宗主夫妻の娘・楊小祥(ヤンシャオシャン)に転生した。玲瓏心の小祥は深窓の令嬢だったが、その年、両親と蜀にいる名医を訪ねるため、初めて外の世界へ出ることになる。しかしその夜、一家は滞在先の満香(マンキョウ)館で何者かに襲撃された。宗主と夫人は娘を箪笥に隠して応戦したが、黒装束の男に殺されてしまう。指を噛んで恐怖に耐える小祥、その時、かろうじて刺客の手にあざがあるのが見えた。御剣宗の弟子たちが満香館に駆けつけた時には宗主夫妻も従者も全滅していた。そこへ小祥の身を案じた裴修茗(ペイシゥミン)が駆けつける。修茗は楊宗主と親しい白鶴(ハクカク)派の侠客の息子で、小祥とは幼馴染だった。しかし小祥の姿は見当たらず、誰かが連れ去ったと分かる。実は小祥を助けたのは初空だった。初空は箪笥に隠れていた小祥を発見し、聖凌教に連れ帰った。しかし玲瓏心の力を使ったせいで体力を消耗、数日は車椅子での生活となる。小祥は恐怖のあまり記憶を失くし、興奮を抑えるため今は薬で眠らせていた。弟子たちは小祥が玲瓏心だと分かり、これで師匠も助かると安堵する。ただし残りの1年でどうすれば小祥が教主を愛するようになるのかが課題だった。側仕えの小放(ショウホウ)は教主が刺客を倒して助けたことを思い出せば、恩返しに心の臓を捧げるはずだという。「ともかくこの娘は預かる、弟子たちには私の最後の弟子だと伝えてくれ」修茗は配下から報告を聞いた。実は事件の前、聖凌教の弟子たちが似顔絵を持って小祥を探していたという。修茗は今さらながら楊宗主夫妻に蜀行きを勧めたことを後悔した。…離れても祥雲を守れると思ったが、まさか延命のために手段を選ばずさらうとは、初空め…その頃、天界では李天王が修茗皇子も歴劫に出かけたと気づいた。しかも自分が書いた初空戦神の話を代用し、祥雲の幼なじみとして転生している。「でも聖凌教での3人の情劫は俺の筋書きよりむごいな~ 宣伝しとこっ!2人の神仙が私の筋書きを使ったって!」小祥は記憶を失ったおかげか、聖凌教での新しい生活にすぐ慣れた。ある日、小祥は海棠餅が食べたいという教主のため、書を見ながら作っていたが、また厨房で爆発を起こしてしまう。「このひと月で大爆発が8回、小爆発は18回…もしや小師妹は火薬の専門家なのか?」「やっぱり只者じゃないのかも…」初空は食卓に並んだ小祥の料理に困惑した。「炊事については何も望まぬが…この苦行に身体がついて行かぬ」「師父…あなたをまた失望させてしまいました、でも努力します!」「しなくていい、ただ海棠餅だけは必ず成功させてくれ」「了解!」初空は天界で食べ損ねた祥雲の海棠餅がどうしても忘れらなかった。「で、さっき作っていた海堂餅はどうした?」すると小祥は申し訳なさそうに大失敗した海堂餅を出す。「聖凌教に来て一月も経つのに学問も武芸も何もできないなんて…私は本当に役立たずです 聖凌教は私の家も同然、ここでの暮らしも師父も大好きなのに…」「(はっ!)今、何と?」「師父のことが好きです」つづく( ˶´꒳`˵ )ちょこちょこ2回目の転生と繋がるネタが仕込まれているのイイ!初空と錦蓮が一緒に転生しちゃう展開も面白いわ
2024.07.14
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星河长明 Shining Just For You最終話大婚の儀を明日に控え、突然、失踪した暗衛統領・風隠(フウイン)。晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)は夜も眠れず報告を待っていたが、やがて捜索していた凌雲(リョウウン)が戻って来た。風隠は荒れ野で無惨な姿となって発見され、秘術師の検死によれば見たこともない殺され方だったという。「殉国の礼に倣い、風隠を手厚く葬ってくれ」凌雲は念のため城門を閉めるよう進言したが、彧修明は退けた。明日の大婚を利用して敵を全て誘い出し、必ずや一網打尽にするという。大婚当日、朝臣たちは控えの間で皇帝と皇后の準備が整うのを待っていた。やけに上機嫌な衛(エイ)公・樊如晦(ハンジョカイ)、その様子を見た謝雨安(シャウアン)は人知れず外へ出て行ってしまう。一方、翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)は樊如晦の手回しのおかげで難なく城門を突破、鶴雪(カクセツ)を率いて宮道を進んだ。すると暗衛が現れ、立ちはだかる。「かかれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」宮中は戦場さながら、そんな中、翼無憂は青夙(セイシュク)の援護により乾元(カンゲン)殿に到着した。しかし殿内にいるのは晁皇だけ、侍衛の姿がない。「羽衛はどうした?」「お前ごとき朕1人で十分だ」彧修明は謀反の計画をすでに知っていたようだった。「お前に一族を滅ぼされ、愛する者も奪われた」「翼無憂よ、お前は現実と己自身が見えていない、今日は朕がはっきり分からせてやろう」彧修明と翼無憂の直接対決が始まった。控えの間では樊家軍が朝臣たちを掌握、樊如晦は朗報が届くのを待つ。一方、白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)は婚儀のため乾元殿に向かっていた。しかしなぜか門が閉鎖され、輿から降りたところで兵に扮した刺客に襲われてしまう。すると謝雨安が駆けつけ、白露は難を逃れた。「樊如晦が謀反を…欽天監にお戻りください、陛下の命です」「いいえ、死ぬ時は一緒よ!」乾元殿では彧修明と翼無憂が激しい攻防を繰り広げていた。すると彧修明は翼無憂の神器で宝剣を真っ二つに折られてしまう。「神鏡が割れているのだろう?もう諦めろ、白露は私のものだ」翼無憂は一国の主としても男としても自分が勝ったと証明したいという。しかし彧修明はあきらめず、折れた宝剣で再び戦いを挑んだ。白露は謝雨安の援護のもと乾元殿に到着、殿内に飛び込んだ。「やめて!」白露の悲鳴に気を取られた彧修明は翼無憂の瓊華槍(ケイカソウ)で鎧にはめ込まれた神鏡を突き刺されてしまう。しかし瞬時に反応、折れた宝剣で翼無憂の胸を刺した。その時、神器と神器の力が反発し、殿内にいた3人は激しい霊気に吹き飛ばされてしまう。瓊華槍の琥珀石は粉々になって消失した。彧修明は神鏡のおかげで無事だったが、白露は剣が胸に刺さったまま倒れている翼無憂を見つける。一方、宮中では凌雲が青夙の秘術に捕まっていた。すると駆けつけた謝雨安が背後から青夙を刺し殺し、風隠の敵を討ってくれる。その頃、翼無憂は愛しい葉子(イェズー)の腕の中で息絶えていた。白露は友との別れに呆然となったが、彧修明にせめて翼無憂を弔わせて欲しいと嘆願する。「朕は翼無憂に羽王の封号を贈る、亡骸は寧州に送り届け、手厚く葬ろう」「感謝いたいます、陛下」「そなたは?皇后になってくれるか?」「ずっと陛下のおそばに…」全てが終わった頃、控えの間に禁軍が駆けつけた。実は樊如晦が懐刀と信じて疑わなかった姚嵩(ヨウスウ)は皇帝の密偵、今回の計画も全て彧修明に筒抜けだったという。その夜、白露は彧修明の鎧を自ら外した。すると神鏡が壊れたせいで傷を負い、衣が血で赤く染まっている。「樊如晦の計画をご存知だったのですね、だから私を足止めして中に入れなかった… 私は嫁ぐと決めた日から私を覚悟していました」「そなたを危険な目に遭わせたくなかったのだ」しかし翼無憂が神器を持って現れるとは予想外だった。「だが結局、私が勝った」「大丈夫です、陛下、誰もあなたの命を奪うことなどできない」白露は思わず彧修明の腕に手を回し、寄り添った。「天下広しと言えど、朕の志を理解してくれる者は数えるほどだ 白露、そなたはこの世で誰よりも朕を分かっている」翌朝、彧修明は隣で眠っている白露を起こさないよう静かに寝所を出た。「どうした?急用か?」「樊如晦が天牢で自害しました」「分かった…謀反に加担した者を取り調べ、罪状を報告せよ」逆臣の雪宣京(セツセンキョウ)と娘の嵐微(ランビ)は即刻、処刑された。樊家次子・樊征(ハンセイ)は逃亡中に崖から転落、死亡してしまう。しかし長男・樊平(ハンヘイ)については謀反への関与が認められず、平民への降格に留まった。皇帝は改めて白露を皇后に迎えたと伝え、今後は朝議にも同席させると決めた。目下の課題は運河建設だったが、ちょうど工期が冬に入って遅れが出そうだという。人手を増やそうにもすでに三州で労役を課し、中州の民は堤防建設の方に従事していた。そこで白露は労役を課していない越州の民を動員してはどうかと上奏する。「陛下、越州の民が工事を完成させたら、陛下に背いた罪をお許しになっては? 自由な移動を許可し、良民としてお認めください」「確かに心を広く持たねばな、皇后に従おう」そして1年後、ついに晁皇の悲願だった運河が完成した。…雲望大運河の完成後、皇帝は病に倒れるも良薬を得て回復したそして16年後には息子が皇位を継承し、仁政を施すまた辺境の地だった越州も運河によって実り豊かな五穀豊穣の土地となった夜北の子孫も今では平等と自由を手に入れている…終わり( ゚ェ゚)終わった…って、何が?w検閲で話数をカットしたようで、かなり端折って終わってしまいましたそれで雲紋はどうした?!ご存知の方は↓ご一報くださいwww
2024.07.11
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星河长明 Shining Just For You第24話翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)は樊如晦(ハンジョカイ)と手を組み、晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)暗殺に協力すると決めた。「こたびは敵の腹を探るだけ、危険が生じたら退散せよ もし彧修明の神力が枯渇していれば一気に勝負を決める」そして迎えた樊如晦の初孫・天授(テンジュ)の満一月の祭祀。白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)は皇帝から神祇(ジンギ)を命じられ、樊家を訪ねた。樊平(ハンヘイ)の話では赤子の母親は産後の肥立が悪く、欠席するという。そこへ皇帝ではなく天妃・冷天㬢(レイテンギ)が到着した。樊如晦は予定外の珍客に驚いたが、屋根から様子をうかがっていた鶴瑾(カクキン)と天英(テンエイ)も戸惑いを隠せない。すると吉時となり、皇帝のお出ましがないまま祭祀が始まった。皇帝の来訪を知らせる前触れが聞こえた。樊如晦たちは祖廟から出て皇帝を出迎えたが、その時、拝礼した白露は偶然、使用人の男が短剣を隠し持っていると気づく。「陛下!刺客がいます!」すると雑役に扮していた刺客たちが一斉に皇帝に襲い掛かり、門番は衛兵が入れないよう正門を閉じた。鶴瑾は応戦する彧修明の様子を見ていた。しかし天英は白露をかばって怪我した皇帝を見て好機と判断、独断で加勢してしまう。冷天㬢は不死身でなくなった皇帝を心配し、無理に星辰の力を解放して翼を広げた。その隙に鶴瑾が屋根から皇帝に向かって矢を放つ。冷天㬢は白露を守って盾となる皇帝に気づき、自分が手に入れられなかった皇帝の情が白露のものだと知った。すると冷天㬢は咄嗟に飛び出し、皇帝の代わりに射抜かれてしまう。凌雲(リョウウン)たちが正門を突破、鶴瑾と天英は暗殺を断念して撤収した。彧修明は虫の息となった冷天㬢を抱きしめながら、自分のために封印を解いたその忠義に胸が痛む。「もう陛下をお守りできません…ずっとおそばにいたかった…」冷天㬢は後宮で孤独に過ごすくらいなら羽衛として皇帝のそばにいるべきだったと思い残し、旅立った。宮中に戻った彧修明は暗衛統領・風隠(フウイン)に事件の調査と樊如晦の監視を任せた。主を失い閑散とする逐幻(チクゲン)宮。白露は冷天㬢を偲ぼうと独りで訪ねたが、すでに彧修明がいた。「どうした?」「天妃娘娘の好きだったお菓子とお茶を持って来ました」すると白露は天妃の無念を晴らすため、早急に大婚を行って黒幕を誘き出そうと提案した。樊家の危機に駆けつけたのは腹心の姚嵩(ヨウスウ)だった。姚嵩は恩人である樊如晦の指示に従うと誓い、樊如晦を感激させる。そこへ家職の樊余(ハンヨ)が駆けつけ、指示通り宛(エン)州で兵を集め、禁軍に紛れ込ませて皇宮を制圧すると報告した。樊如晦は暗殺騒ぎの責任を取り、朝議で引退したい旨を上奏した。これも皇帝が引き留めてくれると計算ずくの上だったが、彧修明はあっさり受け入れる。「ただ隠居にはまだ早かろう、衛(エイ)公として引き続き朝政に関わってくれ これを機に太宰府を廃す、それから皆に伝えることがある、皇后を迎えることになった」「一体、どなたを皇后に?」樊如晦は思わず首を傾げたが、彧修明はもちろん命星の相性の良い者だという。すると美しく着飾った白露が現れ、朝堂は騒然となった。↓やっとキレイなポンちゃん来たわ( ˶´꒳`˵ )翼無憂は葉子(イェズー)が晁皇に嫁ぐと聞いた。急に決めたのには何か理由があるのだろう。「確かに葉子の夫に相応しいのは真の皇帝だけなのやも…」翼無憂は鶴瑾に羽族の各当主を集めるよう命じ、即位を示すと決意する。一方、青詹(セイセン)は修行中の弟を訪ね、報復の好機が来たと教えた。「樊如晦が秘術師を集めている、謀反の企みやも…それに乗じて晁皇を討てる!」青夙(セイシュク)はすでに谷玄(コクゲン)の術をほぼ習得していた。天啓に羽族の各当主が集結。その中には父・雪宣京(セツセンキョウ)と一緒に駆けつけた嵐微(ランビ)の姿もあった。すると神器・瓊華槍(ケイカソウ)を手にした翼無憂が現れる。象眼の星流(セイリュウ)石の出所は分からなかったが、これで誰もが翼無憂を羽皇と認めた。「羽族を復興させる絶好の機会が来た、晁皇は大婚にかまけ派兵に時を要す この瓊華槍こそ人族の君上を倒す利器、この戦で必ず倒してみせる」↓(๑•̀ㅂ•́).∮ シャキーン!一方、越(エツ)州の諸嬰(ショエイ)の元にも皇帝が白露を皇后に迎えると知らせが届いた。そこで2人の大婚を祝おうと天啓に行くことにしたが、青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)は長旅できないという。「具合が悪いのか?!医者を呼んでくる!」「待って、もう診てもらったわ…あなたは父親になるのよ」樊如晦は翼無憂に青夙を引き合わせ、今回の計画に協力してくれる秘術師だと紹介した。「陛下も今や神力が減衰したものの油断はできません、そこで私に計画が… 大婚を祝い城門は解放され、夜間外出も許されます そこで私の傭兵が城門を接収し、禁軍を掌握するのです 続いて大師が乾元殿に攻め込む羽皇を援護します」すると樊如晦は念のため接触は今日限りにしようと言った。しかし天英は人族を信じられず、いざとなったら手を引いて自分たちを窮地に陥れるのではと怪しむ。樊如晦は高笑いし、もはやお互いに後戻りはできないはずだと迫った。「たとえ羽皇の協力がなくとも私は全力で決行します 晁皇を討つ上での障壁取り払った、これで私の誠意がお分かりかと」大婚前夜、樊如晦を監視していた風隠は樊府を出る怪しい秘術師を見かけた。追跡したところ秘術師は途中で男と合流、法器を受け取っている。「明日、この法器を暗殺に使え」風隠は秘術師たちが夜北の兄弟だと思い出し、秘術師が独りになるのを待って足止めした。青夙は誰かに付けられていると知りながら、人けのない林に誘き出した。すると風隠が現れ、剣を突きつけられてしまう。しかし青詹が駆けつけ、風隠に襲いかかった。青詹では手練れの風隠に到底、太刀打ちできなかったが、青夙は劣勢の兄の姿を見て激情に駆られ、谷玄の術で風隠の首を絞めてしまう。風隠は最後の力を振り絞り青夙に斬りかかろうとした。その時、背後から青詹に刺し殺されてしまう。一方、樊平は樊家の不穏な動きに気づき、父を問い詰めていた。「勝男(ショウナン)の最期をお忘れですか?!」「何だと?!嫡男のくせに色恋にうつつを抜かして… 誰のおかげで苦労せず暮らしていると?! とにかくお前は子を守れ、いずれ親の苦労を知ることになろう」樊平は権力に執着する父に落胆しながら、自分とは違う決断をした棠縁(トウエン)のことを思い出した。…実は私は寧州雪氏の娘です、苦境にある父を見捨てることができません、これでお別れです、遠く離れてもどうかお元気で…風隠が消息不明となった。夜も眠れず報告を待つ彧修明、するとようやく凌雲が戻って来る。「陛下…風隠がいました…無惨な姿で…荒れ野に亡骸が…」「何者の仕業だ…」つづく( ;∀;)ァァァァァァ…風隠ががが…
2024.07.11
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星河长明 Shining Just For You第23話出産を控え、見月楼(ケンゲツロウ)を離れることにした棠縁(トウエン)こと雪嵐微(セツランビ)。しかし父に向けて放った伝書鳩が捕まり、翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)に正体を知られてしまう。足止めされた棠縁は樊平(ハンヘイ)の子を懐妊したと明かして許しを乞うたが、そこへ棠縁を迎えに来た樊平が現れた。樊平は面目を保つため密書を開けずに返して欲しいと嘆願、すると翼無憂は情けをかけて密書を返してくれる。「棠縁、樊公子と幸せにな」樊平は棠縁に多くの秘密があることは分かっていたが、それでも愛する気持ちに変わりはなかった。そんなある日、白露が居所へ戻ると青夙(セイシュク)が待っていた。聞けば運河を造る土伯(ドハク)が何者かに襲撃され、唯一の証拠となる骸に刺さった矢尻を持って来たという。白露は鶴雪(カクセツ)の武器だと気づき、見月楼を訪ねた。しかし鶴瑾(カクキン)から翼無憂なら留守で、急用以外は来ないで欲しいと追い返されてしまう。「私に会えない理由があるようね」白露は矢尻を渡し、いつもの場所で待っていると伝言を残して帰った。翼無憂はいずれ葉子(イェズー)にも知られることだと腹をくくり、白露が待つ竹林に出かけた。「樊如晦(ハンジョカイ)と手を組んだの?相手を間違えないで」「ふっ…それは彧修明(ユーシューミン)を選んだ君の言い分だろう?」翼無憂は皇子として羽族の復興が使命であり、責任だという。かつて葉子のためなら全てを捨てられたが、どんなに尽くしても葉子は自分を気にも留めてくれない。「権力があれば君を手に入れられる、手段を選ばぬ彧修明に君はなびいただろう? 天下を統べる皇帝になれたら君は私を彧修明のように見てくれる」「私を口実にしないで」しかし翼無憂はこの時、初めて凌霜に背を向けた。雪嵐微は樊平が用意してくれた屋敷で静かに出産の日を待っていた。知らせを聞いた雪宣京(セツセンキョウ)は密かに娘を訪ね、このまま一生、日陰の身で生きるのかと困惑する。しかし雪嵐微は雪家の宿願を果たすことを忘れていないと安心させた。羽臨空と樊如晦が手を組み越州の土伯を襲ったところを見ると、もうすぐ晁(チョウ)皇を狙うはずだという。「子を産んだら寧州に戻り、軍の指揮を執ります」彧修明は白露を氷鑑(ヒョウカン)台に呼んだ。実は今日が彧修明の本当の生辰、一緒に団子を食べようという。「幼い頃、生辰の日には母が甘い団子を作ってくれた 母が逝去した後も毎年、この日には団子を食べている」すると白露が立ち上がり、朝臣らしい堅苦しい祝辞を述べた。彧修明はそんな白露の態度に寂しさを覚え、自分が求めているのは山河も隔てられぬ心のつながりだという。「白露、この意味が分かるな?」しかし急に彧修明の様子がおかしくなり、反噬の発作を起こして乱心してしまう。「陛下!私です、白露です、あなたは英明な晁の皇帝なのよ!」白露の悲鳴にも似た訴えが届いたのか、彧修明は急に気が遠くなり、意識を失った。知らせを聞いた天妃・冷天㬢(レイテンギ)は白露の皇帝への態度に不満を募らせた。皇帝は白露のため命懸けで枕霞(チンカ)山の神殿に戻り、秘術師の呪いにかかった時には神力を消耗してついに不死身の身体を失っている。「その意味を考えたことがあるの?!」「私…よく分かりません」すると白露は居たたまれなくなって逃げるように出て行ってしまう。白露が居所に戻ると顧惘然(コボウゼン)がやって来た。伝えるべきかどうか迷ったが、実は雲紋(ウンモン)が去る時に言い残した事があるという。「陛下が″時遡(ジソ)の回廊″に戻ったのは君の代わりに朱顔(シュガン)公主を救うためだったそうだ 真師(シンシ)は時空法陣の乱用が許されぬ身、真師の加護を受けた陛下も苦しんでいると…」何も知らなかった白露は激しく動揺した。結局、何度、過去に戻ろうと七海蕊(チーハイルイ)が早逝するという運命は変えられない。それなのに自分の執着のせいで愛する彧修明を害してしまったのだ。白露は呆然としながら、雲紋から聞いた法術で丸薬を作った。…白露、もし私が去った後、誰かを救いたい時が来たらこの法術を使え…翌朝、白露は広陽(コウヨウ)宮を訪ねた。侍衛・凌雲(リョウウン)は皇帝がまだ目覚めないと話し、白露に任せて寝所をあとにする。白露はすっかり憔悴した彧修明に丸薬を飲ませた。すると彧修明がようやく目を覚まし、白露が妙薬を作ってくれたのだと気づく。白露の指には切り傷があった。「二度と自分を傷つけてはならぬ」「少しは元気になったようですね」彧修明は白露の腕を引っ張って寝台に押し倒し、しばし見つめ合った。「陛下、真師に何かされたのですか?」「いいや…この症状は初めてではない、以前より重症なだけだ」彧修明が回復すると白露は氷鑑台に呼び出し、後宮に入りたいと嘆願した。しかし彧修明は愛する女子には自分から求婚したいという。「朕の正妃に迎える、皇后となってくれ」「でもなぜ私なのですか?」「そなたは朕に似ている」すると白露は皇后となってもまだ欽天監で働きたいという。彧修明は呆れたが、嫁荷しだいだと笑った。「目を閉じてください…ちょっとお待ちを」彧修明は口づけを待っていたが、実は白露は氷鑑に法術をかけ、夜空に寄り添う2人の宿星を見せた。「これで2人は一心同体だと天下に示せます」「はお、朝議で婚姻を結ぶと宣言する」その頃、雲紋は白露が閔中(ビンチュウ)山で見つけた法陣を探していた。「穹石(キュウセキ)の入り口ってどこにあるんだよ~」一方、翼無憂は瓊華槍(ケイカソウ)の修復を頼むため、再び宛(エン)州の桃源谷を訪ねた。娘は再会を喜んだが、実は師匠が先月、亡くなったという。そのため娘が河洛(カラク)族における創造神の代弁者・阿洛卡(アラクカ)を継いでいた。「まだ修行が足りないのに…でも私で力になれる事があるかも」そこで翼無憂は羽族の神器を託した。ただどれだけ探しても星流石が見つからなかったという。「確か星流石は真師の加護を得た者が持っているとか…」すると翼無憂は葉子からもらった琥珀石を思い出し、阿洛卡に預けた。棠縁は自分の正体を隠しながら無事、男子を出産した。跡継ぎの誕生に大喜びした樊平は父に報告して正式に樊府に迎えると約束したが、棠縁は必要ないという。「孫を見せに行って来たら?」樊如晦が謁見すると、皇帝のそばに白露が控えていた。「孫が生まれたそうだな?」すでに皇帝の耳に入ったと知った樊如晦は息子の愚行を謝罪したが、予想外に皇帝は喜んでくれる。「朕にとっても初めての従甥孫(ジュウセッソン)、欽天監に縁起の良い名をつけてもらおうと思ってな」「陛下、″天授(テンジュ)″はいかがかと…」彧修明は良い名前だと喜び、さらに白露を神祇(ジンギ)に任じて祖廟での祭祀を行うことを認めた。「朕も参列しよう」しかしその夜、屋敷に戻った樊如晦は次子の樊征(ハンセイ)を呼び、孫の満一月の祭祀に刺客を忍ばせるよう命じた。「陛下が樊府に来る、翼無憂たちに罪を着せればいい」実は樊如晦は逐幻(チクゲン)宮の密偵から皇帝が床に伏していたのは神力が枯渇したせいだと聞いていた。そこで広陽宮を訪ねた折、こっそり神鏡を確認したところ、鏡にひびが入っていたという。「恐らく不死身の身体を失ったのだ、だが叛徒をあぶり出す策かも知れぬ 今回は陛下の腹を探る、しかとやれ」「やっと樊家の栄光を取り戻せるのですね」彧修明は後宮を訪ね、天妃に樊家の祭祀に参列すると話した。嬉しそうな皇帝の姿に安堵しながらも、冷天㬢は念のため自分も付き添いたいと申し出る。彧修明は口うるさい天妃にいささかへき易したが、自分を案ずる心遣いだと思い直してを同行を認めた。つづく( ๑≧ꇴ≦)イヤーッ!何だか見てはいけないものを見せられてる気分になるわwwwwww
2024.07.09
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星河长明 Shining Just For You第22話…晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)は朱顔(シュガン)公主ではなく白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)との縁談を希望し、夜北(ヤホク)と和親を結んだこうして凌霜は七海蕊(チーハイルイ)と父の命を守り、心置きなく彧修明に嫁いで行くその様子を翼無憂(イーウーユー)が裏山から密かに見つめていた…一方、現世では雲紋(ウンモン)と青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)が2人の帰りを待っていた。ただし白露が過去を変えることに成功すれば、白露と関係の深い2人にもそれなりの影響が出る。もし計画が失敗したら全ては元通り、過去で起こったことは2人だけの記憶に留まる。「最大の問題は氷玦(ヒョウケツ)が足りるかどうか 陛下が同行したせいで予定が狂った、法陣が持つといいが」…凌霜は晁軍の軍営に到着しかし翌朝、恐ろしい予知夢を見て飛び起きる嫌な予感は的中し、天幕を出た凌霜は変わり果てた姿の七海蕊と対面した『どうして…阿蕊!』決して一枚岩ではなかった夜北七部族晁国との和親を快く思っていない黒水(コクスイ)部がこの機に反乱を起こし、七海部を襲撃していた七海蕊は逃げ遅れ、晁軍が平定に駆けつけるも間に合わなかったという…宮中はすでに日が落ち、ついに氷玦も尽きた。その時、法陣が解け、彧修明と白露が戻って来る。しかし白露は激しく動揺し、もう一度、過去へ戻ると暴れ出した。彧修明は過去を変えても運命は変えられないとなだめたが、白露に激しく拒絶されてしまう。「もう行って…」翌朝、青蘅は白露を訪ね、七海蕊への執着を手放すよう説得した。しかし白露の表情は硬いまま、納得できないのだろう。「また会いに来るわ…生き残った私たちは前を向いて歩かねば、それが大切よ」白露の腕にはあざができていた。雲紋は天に逆らい過去に戻った反噬(ハンゼイ)だと明かし、繰り返せばやがて異なる記憶に苛まれて心を病んでしまうと警告する。「そんなの怖くない、放っておいて、あなたにはもう私なんて必要ないでしょう?」実はその頃、彧修明は白露より重い反噬に苦しんでいた。彧修明は雲紋を呼び、腕のあざを見せた。「それは″時遡(ジソ)の回廊″の反噬です 陛下は真師(シンシ)の加護を受けた御身ゆえ、強い反応が出たのかと… 心を病む恐れもあります、まだ1度だけなのでその程度ですが、繰り返せば精神が崩壊します」しかし頑固な白露のこと、無茶をするのは目に見えていた。翼無憂は白露に頼まれて氷玦を探した。しかし誰かが買い占めて市場から消えたと分かり、仕方なく白露を見月楼(ケンゲツロウ)に呼んで事情を話す。「こんな芸当ができるのは天啓(テンケイ)で1人しかいない」「彼ね…」「あの男のそばにいたら君は不幸になる」「心配はいらない、自分が決めたことよ」すると白露は次から別の使いを来させると言って帰ってしまう。それ以来、白露はまるで取り憑かれたように氷玦の発掘場所を探し始めた。七海蕊の死を隠したせいですっかり白露に嫌われてしまった翼無憂こと羽臨空(ユーリンコン)。そんなある日、寧(ネイ)州の大都護・雪宣京(セツセンキョウ)が再び見月楼に現れた。雪宣京は羽氏と雪氏の縁談をあきらめた様子だったが、今度は同盟を結びたいという。「羽氏の地盤だった麝雲(シャウン)を返還しましょう」すると翼無憂は太宰・樊如晦(ハンジョカイ)を酒楼へ呼んで欲しいと頼んだ。棠縁(トウエン)こと雪嵐微(セツランビ)は身ごもったことを父に隠していた。雪宣京は計画を変えた娘の思惑が良く分からなかったが、嵐微は四皇子と樊如晦が手を組めば見返りを得られると助言する。「両家の同盟が成立したら私は見月楼を出ます…天啓でまだ大事な用があるので」その夜、早速、樊如晦が見月楼に現れた。樊如晦は天啓の貴人が集まる酒楼が羽族四皇子の店だとは知らなかったという。「私たちの敵は同じ人物…」「協力して晁皇を倒しましょう」彧修明は再び雲紋に″時遡の回廊″を作らせることにした。雲紋はいかに危険かを説いたが、皇帝の決意は固い。「始めてくれ」彧修明は白露が再び過去に戻らぬよう、自分の命をかけて回廊を破壊した。その時、雲紋が皇帝に呼ばれて氷鑑(ヒョウカン)台に行ったと聞いた白露が駆けつける。やはり氷玦を買い占めたのは彧修明だった。「あなただったのね!阿蕊を救う唯一の希望を奪うなんて…あなたを恨むわ!」「恨まれると分かっていた、だが構わぬ、愛と憎しみは結局、表裏一体だ」白露は彧修明の仕打ちに深く傷つき、ますます七海蕊に固執した。「過去を変えなければ私はあなたを堂々と愛せないのに…」酒に溺れ、酔い潰れてしまった白露、その頃、雲紋は黙って宮中を出ることにした。…白露、私がいる限り諦めがつかないだろう、君を傷つけたくないんだ…翌朝、白露は雲紋の部屋で綺麗に畳まれた官服を見つけた。雲紋がいなくなったと分かった白露は七海蕊を救えなくなったと絶望し、部屋にこもって涙に暮れる。一方、彧修明は雲紋が心配した通り、強い反噬で身体が傷ついていた。…運河建設を急がねばならぬ、さもなくばこの目で完成を見られぬだろう…越(エツ)州の税制度の草案が完成、樊如晦は運河建設のため税収を倍にすると決めた。しかし皇帝に反対され、仕方なく工事を始めて費用は後から補うと上奏する。こうして寧州の運河建設が始まり、青蘅たちも越州に戻ることになった。青蘅が青詹(セイセン)と青夙(セイシュク)を連れて白露へ別れの挨拶にやって来た。しかし急に兄弟がこのまま天啓に残りたいという。白露は青夙が谷玄(コクゲン)の術を会得するつもりだと気づいたが、どうやら青蘅は事情を知らないようだった。そこで兄弟が欽天監で働けるよう手配すると安心させ、青蘅を見送る。実は青夙はあれからすでに修行を始めていた。樊如晦は屋敷に翼無憂を呼び出した。「土伯(ドハク)と呼ばれる河洛(カラク)族が建設に絡み、徒党を組んで稼ごうと画策している そこで土伯を排除し、運河建設を遅らせたい 成功したら今後、お困りの時は私が力になりますぞ?」見月楼に戻った翼無憂は早速、鶴瑾(カクキン)と天英(エンエイ)に指示を出した。 「土伯を始末する、運河の建設が滞れば晁皇の計画が頓挫、羽人の復活も近づく 雪宣京に力を示し、樊如晦に貸しが作れる」雪嵐微は翼無憂の動きを伝書鳩で父に知らせ、見月楼を去ることにした。しかし荷物をまとめて出て行こうとしたところで翼無憂たちに捕まってしまう。「棠縁、なぜ出て行くのだ?」「詳しい事情は明かせませんが…故郷の親戚に会いに行くのです」「私にも言えない事情なのか?雪公主と父君の企みを知らない方がいい良いと?」つづく(´・_・`)くまモン…どこへ行くつもり?もしかして真師の爺さんだったりしてw
2024.07.08
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第14話天界に戻って陸長空(ルーチャンコン)の面影が消えた戦神・初空(チュコン)。内心では祥雲(シャンユン)を想いながらも、その自尊心の高さゆえ素直になれずにいた。写経を命じたのも祥雲の霊力を向上させるためだったが、かえって転生の時の仕返しだと誤解されてしまう。「なんであれ私は初空仙君をかばって矢を受けました 全ては仙君の修行が上手く行くため、失礼があったならお詫びを…」すると祥雲は逃げるように帰ってしまう。一方、鶯時(オウシ)公主は転生で縁を結んだ紫輝(シキ)に会うため人間界に向かった。しかし急に誰かの声が聞こえ、激しい頭痛で動けなくなってしまう。『私はお前が誰か知っているぞ?分かっていないのはお前だけだ…思い出せ』すると摩羅(マラ)族の護法・錦蓮(キンレン)が現れ、双子の妹の記憶を呼び覚ます。あれは数百年前、錦蘿(キンラ)は血生臭い生活に嫌気が差して摩羅山から逃げ出した。その時、偶然、道に迷っている鶯時と出会い、身体を乗っ取ってしまう。…哥哥、さようなら、錦蘿にもお別れよ…昇格した祥雲は七夕を前に姻縁閣で忙しい毎日を送っていた。すると当日、修茗(シゥミン)が駆けつけ、祥雲の最初の大仕事を手伝うという。祥雲は感謝して拝礼したが、修茗は頭を上げさせた。その時、祥雲の手首に触れた修茗は思いがけず祥雲の異変を感じ取る。「殿下?どうかしましたか?」「いいや…」一方、戦神に仕える銭(セン)天王は休みをもらいたいと頼んでいた。七夕で姻縁閣が忙しいため手伝いに行きたいという。「祥雲が昇格して初めての七夕なので…それに昇格祝いの宴にも出ようかと…」戦神は興味なさそうに黙っていたが、結局、許してくれた。銭天王は祥雲を口実に姻縁閣でお気に入りの仙女の仕事を手伝っていた。すると突然、初空が現れ、暇なので様子を見に来たという。誰もが恐れる戦神の来訪で和やかだった婚姻閣は一変。修茗は皆が萎縮していると指摘したが、初空は我関せず、縁結びなら自分がすぐ終わらせると言い放った。初空は確かにあっという間に祈願札の縁組を終わらせた。面白くない修茗はこっそり術を放って1組の札の赤い糸を切ったが、初空はすぐ見抜く。しかしその札は偶然にも国を背負う将軍の名だった。初空は戦に行く将軍ならかえって縁を結ばないほうが良いと言ったが、祥雲は守りたい者がいれば人は強くなれるという。「将軍が外敵と戦うのは民を守るため、その民の中には…」「愛する人がいるからだ」初空は人間界での自分と祥雲の縁を思い出し、うっかり口を挟んでしまう。「そっ、そこまで理解しているとは成長したな」すると祥雲は将軍の祈願札を再び赤い糸で結び直した。祥雲を巡って張り合う初空と修茗。気まずい雰囲気を察した紅線翁(コウセンカク)はこれから祥雲の昇進祝いを開くと断った。「もう日も暮れますし…あ、お二人ともお忙しいでしょうから…」紅線翁は遠回しに追い返すつもりだったが、修茗は迷わず参加すると答えた。「初空仙君は…その…食べて行かれますか?」「そうだな」食べるのかーいっ!>ʕ•̫͡•ʕ*̫͡*ʕ•͓͡•ʔ-̫͡-ʕ•̫͡•ʔ*̫͡*ʔ-̫͡-ʔ初空と修茗は宴でも祥雲の気を引くため牽制し合った。しかし当の祥雲はすっかり主役の座を奪われ、全く楽しめない。…私の昇進祝いのはずだったのに…するとたまり兼ねた李(リ)天王が祥雲にそろそろ手作りの海棠(カイドウ)餅を振る舞ったらどうかと声をかけた。「そうだった!すっかり忘れていたわ!」祥雲が海堂餅を食卓に置くと、神仙たちは戦神がいることも忘れて箸を伸ばした。気がつけば皿にはひとつしか残っていない。初空は遠慮のない神仙たちにため息を漏らしながら、最後のひとつを取ろうとした。その時、修茗が横取りして食べてしまう。「甘いものは嫌いだったろう?」初空は手持ち無沙汰で手前の料理をつまむしかなかった。「仙君…また今度、お作りします」「分かった」すっかり夜も更け、神仙たちは酔い潰れた紅線翁を送って行った。祥雲たち3人は美しい星空を眺めていたが、やがて祥雲も修茗も酔いが回って居眠りしてしまう。すると初空は祥雲の寝顔を眺めているうち、つい本音が漏れた。「人間は寿命が短すぎる、神仙の方がいい、少なくとも愛する人と1000年は連れ添える」実は初空も人間界から長命玉を持ち帰っていた。「陸長空は確かにいた…覚えている人がいる限り消えたりしない、そうだろう?」初空は人間界で祥雲と眺めた星空を思い出し、独り涙してしまう。↓( ͒ ඉ .̫ ඉ ̀ ͒) ブワッ…翌日、祥雲は初空に海堂餅を差し入れることにした。しかし運悪く李天王に見咎められ、自分が食べるために作ったと嘘をついてしまう。李天王は遠慮なく海堂餅を食べながら、せっかく昇格したなら辛い歴劫などやめるよう助言した。すると祥雲はこれも人助け、修行の成功を手伝うことも務めだという。錦蘿は摩羅山に連れ戻された。「摩羅族に命を捧げるわ、でも殺しは嫌なの」しかし錦蓮は殺さなければ自分たちが滅ぼされると訴え、例え妹でも好き勝手は許さないという。「女媧(ジョカ)石を取り戻して来い、さもなければ私が出向くことになるぞ?」人間界では紫輝が川辺で鶯時を弔っていた。墓標には″愛妻 解鶯時(カイオウシ)の墓″とある。そこへ2人の思い出の傘を持った娘が現れた。紫輝は驚いて歩み寄ったが、見知らぬ娘だと知って落胆する。「人違いでした、実は亡き妻の墓なんです…いつか私が死んだら隣に埋めてもらう」錦蘿は紫輝が自分を妻として葬ったと知り、その深い愛情に胸が痛んだ。すると錦蘿は紫輝と鶯時しか知らない思い出話を始め、実は自分が鶯時だと明かす。「ここに来たのはもらうものがあるためなの」錦蘿は愛する紫輝の身体から石を抜き取り、摩羅山に戻った。石を受け取った錦蓮は妹の働きを喜び、結局、この世界で心から妹を想い、裏切らないのは自分だけだという。「摩羅族は長く迫害されていた、恨みを晴らす、それが我らの使命だ」こうして錦蓮は女媧石の心を使って蒼海を復活させることにした。すると天界に新たな神託が下る。…世が覆る…つづく(  ̄꒳ ̄)相変わらずこういうの上手いよね〜@初空
2024.07.07
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第13話人間界の歴劫を終えて天界に戻った初空(チュコン)。しかし出迎えの神仙たちの中に祥雲(シャンユン)を見つけながら、声もかけず通り過ぎてしまう。祥雲は感傷的になって思わず涙ぐんだが、初空は密かに仙術を放って涙を拭った。その時、一緒に転生していた帝休(テイキュウ)族の皇子・修茗(シゥミン)が帰って来る。すると修茗は出迎えの神仙たちを下げ、祥雲だけ呼び止めた。「人間の修茗に代わり私が償おう…本意ではなかった、どうか許してくれ」「分かっています、あれは李(リ)天王が書いた筋書きのせいです」修茗は祥雲にわだかまりがないと分かり、これからは一緒に苦労した友だと笑った。「それなら友の私に説明してもらおうか」その声は引き返して来た初空だった。初空は修茗を連れて瀟雲(ショウウン)殿に戻った。「″忘川の水″があれほど効くとは…記憶があればお前にあんな残忍なことができるわけない 確かに多くの罪を犯したが、お前の修行を助けたくて転生したんだ」すると修茗は人間界の第3皇子に代わって謝罪し、初空に許してもらった。一方、姻縁閣に戻った祥雲はまだ陸長空(ルーチャンコン)への想いを引きずっていた。紅線翁(コウセンカク)はまた縁を結べば良いと励ましたが、祥雲にとって初空と長空では天と地ほどの隔たりがあるという。「だが初空仙君はお前を深く想っていたぞ?」「でも長空じゃないもん」その頃、李天王は初空戦神に呼び出され、歴劫で散々な目に遭わされたと責められていた。まさか知らぬ間に筋書きが変わっていたとは言えず、愛が深いほど元神が回復するものだと取り繕う。「転生後の気質はしばしば心の奥底に潜んだものが現れます 神仙が転生先で何をするか、どんな結末を迎えるか、結局は神仙の気質で決まります」李天王は上手く乗り切ったと安堵したが、初空は意味ありげに笑った。「ふっ…李天王、聞いたぞ?古の術・逐浪九峰(チクロウキュウホウ)を会得したとか、見てみたい」「いえ、とてもお見せするようなものでは…」すると初空は李天王の手首を締め上げた。確かに逐浪九峰という術を知る者は少ないが、初空を騙すのは難しい。「この術を会得すると霊気が巡って手首が光る、だが痛みで耐え切れない 筆も持てず、馬鹿げたあらすじも書けぬはずだが?」「イタタタタ…仙君、真に受けませんよう、あ、急用を思い出しました!٩(¨ )ว=͟͟͞͞ ピュー!」初空は独りになると李天王の言葉を思い返した。…転生後の気質はしばしば心の奥底に潜んだものが現れます…果たして宋(ソン)祥雲は心から陸長空を好きだったのか、それともただの修行に過ぎなかったのか。一方、祥雲は未練を断ち切れず、長空からもらったかんざしだけ持ち帰っていた。「大したことじゃない、ただ少し悲しいだけ…ゥッ」その頃、転生先で祥雲と結ばれなかった修茗は過去の苦い経験を思い出し、憤っていた。…3万年前のこと、修茗は昊軒(コウケン)帝君から滄海(ソウカイ)が魔道に落ち、帝休族を殺し尽くしたと聞いたしかし幸いにも初空が元神の半分を犠牲にして滄海を無界へ追いやり、討ち滅ぼしてくれたという『修茗殿下、帝休族の敵は討った、世の民はついに救われたのだ』『残念でならない、我が手で″敵″を討てなかったことが』修茗は憎しみを込めながら昊軒に言った…そして修茗はついに探し続けていた滄海を見つけた。「二度と悲劇は繰り返さない、必ずあなたを守る」すると修茗は心血を注いで砕魂箭(サイコンセン)を作らねばならないと奮起する。「あなたのために危険を除き、恨みを晴らす」李天王がようやく姻縁閣に顔を出した。祥雲はこれまでの鬱憤を爆発させたが、李天王は自分に手を出せば逐浪九峰で怪我すると脅す。しかし祥雲はただの見栄だと知っていた。「何が逐浪九峰よ!できもしないくせに!」兄妹のような2人は取っ組み合いになったが、そこへ思わぬ知らせが来た。「また公主が来たわ!」祥雲は慌てて姻縁閣を逃げ出したが、李天王は仕返しに祥雲なら向こうに逃げたと公主にばらしてしまう。祥雲は呆気なく鶯時(オウシ)公主に捕まった。そこで筋書きにちょっとした手違いがあったとごまかしたが、思いがけず鶯時は初空との縁をあきらめたという。「愛は経験しないと分からない…うまくやってくれたわ」実は鶯時は歴劫で紫輝(シキ)と縁を結んでいた。紫輝はただの石ではなく、あの女媧(ジョカ)石の化身だという。「女媧石はもともと私の物、これで貸し借りなしね…でも紫輝に手を出したら許さないから!」「誰を許さないのだ?」その声は初空戦神だった。初空は姻縁閣の者に因縁をつけるなと鶯時に釘を刺した。すると鶯時は天界に戻ってもまだ祥雲を守るのかと失笑する。「人間界でも手を尽くして守っていたものね、まさか本当に恋に落ちたのかしら? 3万年も情愛に疎かった戦神が堂々とイチャつくとはね~」鶯時は父親の威光を笠に着て怖いものなし、初空を散々、揶揄して帰ってしまう。祥雲は初空が長空のように自分を助けに来たことが嬉しかった。しかし初空はつい″歴劫の相手を死なせるわけにはいかない″とそっけなくしてしまう。「そうですよね…修行の邪魔にならないよう気をつけます」祥雲は落胆し、気まずそうに帰って行った。初空は兄の昊軒帝君に謁見、歴劫は元神の回復にかなりの効果があったと報告した。「あと数回、行けば元通りに…」「安心した、だが姻縁閣のあの仙女に不満があると聞いたが?」初空は歴劫から戻った時に祥雲を無視したせいだと分かった。「いいえ、素晴らしい相手です」実は祥雲は今回の転生で元神を損なっていた。孫(ソン)天王は帝君に転生を続ければ仙女が命を落とすと報告、すると昊軒は仙女をすぐ呼ぶよう命じる。一方、側仕えから帝君が祥雲を呼んだと聞いた修茗は驚き、蓬莱(ホウライ)居を飛び出した。昊軒帝君は祥雲の顔を見て驚いた。「真の姿は何だ?」「3000年前、漂う彩雲だった私を紅線翁が人像(ヒトガタ)に…」帝君は術で仙女の真身を確認したが、確かに彩雲だった。「弟の情劫相手がどのような者か会いたかった…お前を見ると亡くなったある者を思い出す」すると帝君は褒美として祥雲の官位を2段階上げ、″縁結び仙女″という称号を与えた。祥雲が長寧(チョウネイ)宮を出ると修茗が待っていた。「昊軒神君に会ったのは初めてかい?」「ええ」修茗の心配をよそに祥雲は官位が上がって俸禄ももらえると喜び、期待に応えるべく務めに戻った。修茗は祥雲の背中を見送りながら、命より大事にしているあの玉を出した。実は修茗が持っている玉は摩羅(マラ)族の神器・天穹玉(テンキュウギョク)。かつて滄海が贈ってくれた玉だった。『少し私の力が込めてある、身につけるように』『そんな貴重な物を頂けません』『持っていて、身体を強くして元神を養うから』…天穹玉の色が暗くなった、滄海、今度は必ずあなたを守る…姻縁閣に戻った祥雲は親代わりの紅線翁に昇格を報告、ここまで育ててくれた恩に感謝した。すると初空戦神が祥雲を呼んでいると知らせが届く。(꒪ꇴ꒪〣)<翁翁…行きたくな~い祥雲は思わず紅線翁の手首をつかんで助けを求めたが、あえなく指を引き剥がされてしまう。祥雲は渋々、瀟雲殿を訪ねた。初空は昇格した祥雲が当然、自分に感謝してくれると思ったが、期待を裏切られてしまう。「これも紅線翁や姻縁閣のおかげ、何より修行に耐えることができた自分に感謝です!」「それから?」「それから?…あ!天界という暖かな家庭にも感謝しています」初空は何も分かっていない祥雲に頭を抱えた。そこで自分からも褒美だと言って卓上に写経一式を召喚し、これでうぬぼれを戒めるよう命じる。「数日、お待ちを…姻縁閣のお務めがありま…仙君nnnnnn!」しかし初空は祥雲の懇願を無視して出かけてしまう。( ತ _ತ)<神君は聡明で立派なのに、実の弟は小さいわ~<100回、追加! (꒪ꇴ꒪〣) ゲッ!祥雲が写経を終えると、初空が戻って来た。「仙君、怠けずに書き終えました、他にご用がなければ失礼します」「駄目だ」「(ホントしつこいんだから)もしかして私を懲らしめたいとか…」「…人間界でお前は何度も″懲らしめるな″と言った、天界の記憶を持っていたな?』「(チッ!やっぱり仕返しか)根に持たないと言ったのに… 人間界で約束しましたよね?懲らしめないと」「私は陸長空ではない」「なんであれ私は初空仙君をかばって矢を受けました」つづく( ๑≧ꇴ≦)これは…帝君が怪しい!
2024.07.07
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星河长明 Shining Just For You第21話諸嬰(ショエイ)と青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)の婚礼当日。白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)は幸せな七海怜の姿を見届け、祝宴には出席せず南宮をあとにした。すると回廊で偶然、皇帝と出くわす。彧修明(ユーシューミン)はいずれ白露にも盛大な婚礼を挙げてやると言ったが、白露は婚礼など望まないと答えた。「望みがあるとすれば一つだけ」白露は七海蕊(チーハイルイ)と暮らしたいと願ったが、彧修明はさすがに過去に戻ることはできないと言った。翼無憂(イーウーユー)のおかげで良質な氷玦(ヒョウケツ)を大量に手に入れた白露。いよいよ過去に戻る準備が整い、氷鑑(ヒョウカン)台の前の広場に歳正(サイセイ)法陣を敷いた。「決心したのか?」「ええ」雲紋(ウンモン)は白露の決意を確認すると、術を放って″時遡(ジソ)の回廊″を作った。「無事に戻って来いよ」一方、諸嬰は越州の租税を増やすという噂を耳にし、慌てて青蘅に報告した。青蘅は白露に皇帝への口添えを頼むため欽天監に出かけたが、成午(セイゴ)から占術中のため会えないと追い返されてしまう。ふと気がつくと凌霜は夜北(ヤホク)の秋の大祭りで雪狼(セツロウ)王を倒した時に戻っていた。『葉子(イェズー)!大丈夫?!』凌霜は当時の七海蕊と再会、感激のあまり思わず抱きついて泣いてしまう。恐らく七海蕊は雪狼王に襲われたせいで自分が泣いていると思っているだろう。…阿蕊、今度こそ必ずあなたを守るわ…その夜、夜北は謝雨安(シャウアン)たちの歓迎の宴を開いた。そこで凌霜は彧修明が自分を見初めてくれるよう七海蕊に衣を借りておめかし、謝将軍と偽る彧修明に近づく。「将軍、実はお願いがあるの、皇后になれるようどうか仲立ちして欲しい 野心ではないわ、心から陛下をお慕いしているの、嫁げなければ一生、悔いが残る」「はお、一肌、脱いでやろう、だがそれなりの見返りがなくてはな… 今宵は付き合ってくれるか?」「夜伽なんてできないわ!」「誰が夜伽と?…酒に付き合ってくれと言ったのだ」凌霜と彧修明は宴を抜け出し、高台で星空の下、酒を楽しんだ。そこで凌霜は自分が夜北を帰順させてみせると申し出る。「愛する人を守るためなの」「愛する人?…ならば公主と陛下、大切なのはどちらだ?」すると凌霜は酔った勢いで彧修明への想いを告白した。「私が心に描く陛下は…何事も謀を巡らせ、指揮を執る、相当な切れ者だわ どんな人材も手に入れ、どんなことも成し遂げられる…ねえ、将軍? 陛下のように魅力あふれる人に心を動かされない人がいるかしら?」彧修明は酔いつぶれた白露の肩を抱いた。「今だから胸中を明かしたのだな…朕はそなたを皇后にすると約束した 心変わりするなよ?」翌朝、凌霜は寝ぼけ眼で伸びをしようとしたが、邪魔物に気づいて蹴飛ばし、押し出そうとした。「白露…押さないでくれ(はっ!)」「…今なんて?!まさかあの彧修明なの?!」実は彧修明は青蘅から話を聞いて欽天監へ駆けつけ、成午が止めるのも聞かず乗り込んでいた。すると白露が七海蕊を救うため過去へ戻ったと知る。青蘅は何も知らなかったと釈明し、探しに行くと言ったが、彧修明は自ら後を追いかけた。「私ったら馬鹿ね…どうも話が出来すぎていると思ったわ」彧修明は和親として葉凌霜を皇后として迎えると伝えた。夜北の長老たちは困惑しながらも受け入れたが、思いがけず七海蕊が反対する。しかし凌霜は異存などないと了承した。同席していた葉景清(イェケイセイ)は呆然、娘の思わぬ運命に腰が抜けてしまう。その夜、凌霜は過去と同様、謝将軍の天幕に乳茶を差し入れた。しかし彧修明は酒だと気づいて困惑する。凌霜は約束を守った陛下に一献し、今度は自分が約束を果たす番だと言った。「あの時、私は陛下に嫁ぐと言いました」「覚悟はあるのか?」「もちろん、陛下を堂々と愛してよいなら嫁ぎます!」翌朝、彧修明は全軍に″夜北を攻めない″と通告させた。諸嬰は皇帝が七海怜を娶らないと知って喜び、彧修明もこれで全てうまく行くと安堵する。一方、可敦・宓嵐(ミーラン)は天幕に葉子を呼んだ。可敦は夜北で虐げられてきた葉子が晁皇に寝返るのではと心配し、娘から受けた恩を忘れないで欲しいという。「あなたも夜北の災難を望まないはずよ?」「夜北の危機は誰もが認識しています、いつか夜北と阿蕊を天秤にかける日が来るかも… その時は阿蕊を選んでください」「あなたから言い聞かされる日が来るとはね」七海蕊は葉子が夜北のため犠牲になるつもりだと心配していた。そこで凌霜は実は晁皇に会ったことがあると明かし、本気で嫁ぎたいという。「つまり本当に皇帝が好きだと?」「私が嫁ぐことが最良の選択なの」「じゃあ天啓に会いに行くわね!無憂哥哥もいるし、2人に会える!」そしていよいよ凌霜が夜北を出発する日を迎えた。つづく(((;゚Д゚)))まさか…″阿蘭若の夢″再び?! ←分かる人だけでw
2024.07.05
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星河长明 Shining Just For You第20話七海蕊(チーハイルイ)が命を落としたと知った白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)。その夜、独り氷鑑(ヒョウカン)台で悲しみに暮れていると、晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)がやって来た。彧修明はてっきり白露が自分の伝言を聞いて会いに来たと思ったが、白露は暦を作る必要があると断って早々に帰ろうとする。「白露、もう働かなくて良い、そなたを朕の后妃にしたい そなたが望むなら朕の皇后とし、奇華宮に住まわせ、寵愛を与える」「あの時、陛下が私を娶ってくれたら全ては違っていたのに…」白露はもはや手遅れだと嘆いた。七海蕊が愛する人と結ばれたら夜北を離れようと決めていたが、突然、皇帝が現れ、七海蕊から自由で幸せな毎日を奪ったという。しかし彧修明は今やその権利を白露が得たと言った。「私は寵愛も栄華も望みません… 償いをと思ってくださるなら、統一暦を完成させた暁には私を自由にしてください」白露は拝礼して嘆願したが、彧修明は黙って帰ってしまう。白露は何としても過去に戻って七海蕊を取り戻そうと躍起になった。仕方なく雲紋(ウンモン)は自分が″時遡(ジソ)の回廊″を作ると約束し、氷玦(ヒョウケツ)の手配を白露に頼む。そこで白露は翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)を竹林に呼び出した。翼無憂は閔中(ビンチュウ)山で白露を襲った刺客の件だと誤解し、自分の配下ではないと釈明する。しかし白露の用件は七海蕊のことだった。「どうしてなぜ黙っていたの?」「大淵古(ダイエンコ)から頼まれたんだ、君が公主の死を知れば何をしでかすか分からないと…」白露はそれ以上、翼無憂を追求しなかったが、その代わり氷玦を手配して欲しいと頼んだ。白露の命を狙う棠縁(トウエン)こと雪嵐微(セツランビ)はすでに次の策を講じていた。そんなある日、雪嵐微は恋仲になった樊平(ハンヘイ)の子を身ごもったと分かる。報告を聞いた樊平は天にも昇る心地になり、早速、棠縁を樊府に迎え入れる準備をすると決めた。白露は居所に閉じこもり、朝議も欠席した。すると皇帝が現れ、白露の願いには応じないと退ける。「はっきり伝えに来たのだ」「陛下、でも…」白露は何か言いかけたが、急に激しいめまいに襲われ、倒れてしまう。白露が倒れた原因は太医にも分からなかった。彧修明は民間の名医を連れてこいと声を荒らげたが、その夜、成午(セイゴ)が白露の推薦で欽天監に入った切れ者の雲紋を連れて来る。「陛下、彼は若いですが占星術の腕は一流、白主事にも勝るでしょう」彧修明は半信半疑ながら治療を認めた。すると白露の宿星が濁気(ダクキ)に侵されていると分かり、雲紋は病ではなく何かの呪いだと気づく。「私に呪いは解けませんが、法陣で一時的に命を守ることができます 法陣の効力は12時(トキ)、それまでに呪いが解けなければ助かりません」秘術師は恐らく天啓のどこかにある空き家に身を潜め、秘術陣を操っているのだろう。雲紋は手がかりとしてその陣が1時ごとに光を放つはずだと教えた。捜索は難航した。しらみつぶしに探そうにも高官たちの中には屋敷や別邸の捜索を拒むものも少なくない。何も分からないまま刻限が迫っていた。すると端木彦(タンボクゲン)が雲紋と成午と一緒に白露の様子を見に来る。「そろそろ12時か?」成午は厳しい顔つきでうなずいたが、ふとおかしなことに気づいた。「昨日は休んでいたはずなのに、なぜ刻限を知っているんだ?」「(はっ!)天啓に雲(ウン)州の秘術師が来ています!街の東の方にいるとか…」白露が目を覚ますと雲紋と成午が付き添っていた。なんでも皇帝が自ら秘術師を倒して白露を助けたという。その時、血相を変えて彧修明が戻ってきた。彧修明は無事な白露の姿に安堵した。しかし白露は刺客に応戦して傷だらけになった皇帝の姿に動揺を隠せない。神器の庇護を失い、無敵ではなくなった彧修明。白露は真師(シンシ)の話を思い出して涙があふれてしまう。「なぜ私を特別に扱うのです?」「そなたを特別に大切にしたいからだ… 朕にも分からぬ、なぜそなたのような恩知らずを愛してしまったのか」すると彧修明は思わず白露を抱き寄せ、口づけした。白露は拒まなかったが、急に照れ臭くなって気を失ったふりをしてしまう。↓未だかつてあっただろうか、死んだふり…( ̄▽ ̄;)暗衛は52人の秘術師を始末した。投獄した端木彦についてはやはり関与の疑いがあるという。彧修明は司寇(シコウ)監に取り調べを任せたが、すでに白露と雲紋が端木彦と面会していた。「有能な秘術師だと聞いて会いに行っただけなんだ、欽天監で使える人材だと思って」「たわ言もほどほどにして、知っているのよ?毎日、役人と密会してたでしょう? 主事の座を手に入れても足りないの?」「私は何もしていない!信じてくれ!…君の者を秘術師に渡しただけなんだ!」翼無憂から白露に文が届いた。氷玦を見つけたが量が多く高額なため、まだ数日かかるという。そこで白露は再び翼無憂を竹林へ呼び出し、肌身離さずつけていた琥珀石を渡した。「これなら高値がつくわ」翼無憂はすっかりよそよそしくなった葉子(イェズー)の態度に傷ついた。「私たちの友情はどこへ?」「私は前に進む、後ろは振り返らない」すると白露は帰ってしまう。↓(´-ω-。` )おぅ白露は雲紋に青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)の婚礼が済んだら″時遡の回廊″を作って欲しいと頼んだ。「本当に過去を変えられるの?」「覚悟が必要だ、七海蕊の命を救うことができたらひとまず成功だ でも他の誰かの行動によっては、また別の未来が…よく考えて決心を」白露は過去を変えれば彧修明が自分を好きになるか分からないと気づいた。翼無憂は葉子の琥珀を手放さず、寧(ネイ)州の資金から工面することにした。一方、諸嬰(ショエイ)と青蘅も婚礼のため天啓に到着。青蘅は贅沢な衣装など必要ないと、越州で待つ民のために皇帝が賜った衣装の生地まで売ろうとしてしまう。しかし諸嬰にたしなめられ反省し、久しぶりに衣を新調すると決めた。婚礼当日、凌霜は花嫁の支度部屋に顔を出した。「阿蕊がいたらきっと喜んでいたはずです」つづく( ๑≧ꇴ≦)今回だけはインコで代用して欲しかった! ←分かる人だけでw
2024.07.04
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星河长明 Shining Just For You第19話その夜、天妃・冷天㬢(レイテンギ)は恨めしそうに満月を見上げていた。白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)の薬湯で発作をやり過ごせても、明月の力から決して逃れることはできない。それにしても皇帝はいつ戻るのだろうか。後宮に入れば皇帝をそばで守れると思ったが、今や後宮と千里の果て、離ればなれだった。一方、越(エツ)州では楚夜(ソヤ)が河洛(カラク)族と交渉し、食糧を手に入れていた。しかしこのまま河洛族に頼ることもできず、諸嬰(ショエイ)は青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)に改めて妻になって欲しいと懇願する。「天啓で皇帝に謁見すれば祝儀をもらえる、それで次の収穫まで持ちこたえよう」今や夜北の民と越州軍の関係は良好、まして民のために嫁ぐ公主を責める者などいるはずがない。すると青蘅は民のためならとっくに嫁いでいたと否定した。「婚姻を拒んだのには別の理由が…あなたが本当に私を娶りたいかどうかよ」「もちろん君を娶りたい」2人はようやく互いの想いが通じ合い、口づけを交わした。晁(チョウ)皇一行は大雨により道が塞がれたせいで越(エツ)州行きを諦め、帰途に着いた。しかし帰還しても彧修明(ユーシューミン)は朝議を開かず、政務を太宰(タイサイ)・樊如晦(ハンジョカイ)に任せて姿も現さない。一緒に戻ったはずの白露も顔を見せず、樊如晦はまた白露が皇帝の密命で動いているのではと疑った。彧修明はにわかに動き出した羽(ウ)人を警戒、探らせることにした。そこで暗衛統領・風隠(フウイン)は他族の密偵を手なづけた″踏白(トウハク)″と呼ばれる配下をおとりにして羽氏の残党を誘き出すことにする。一方、顧惘然(コボウゼン)は預けていた分波盅(ブンパチュウ)を白露へ返した。何でも雲紋(ウンモン)と大いに語り合い、肉体を取り戻したらさらに交流を深めたいという。「どんな話をしたの?」「関係ないだろう?!男同士の話だ!」雲紋は顧惘然には殊勝に振る舞っていたが、白露には相変わら生意気だった。寧(ネイ)州から天啓に羽族の残党ありと密報が届いた。実は大都護・雪宣京(セツセンキョウ)が天啓に留まり、見月(ケンゲツ)楼という酒楼に通いつめているという。酒楼を調べた暗衛は天英(エンエイ)に目をつけ襲撃したが、取り逃がした。天英は肩に水天青(スイテンセイ)の毒を塗った矢が命中していた。毒消しには希少な薬材が必要だが、薬舗に行けば足がつく。しかし運良く翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)がちょうど桃源谷(トウゲンコク)へ手配した薬材の残りを持っていた。「鶴瑾(カクキン)、矢尻を密かに処分してくれ…誰かに付けられたやも」翼無憂はふと気配を感じて戸を開けると、琴師の棠縁(トウエン)が立っていた。「お茶を持って来ました」翼無憂は茶を受け取り棠縁を下げた。天英が暗衛に狙われたところを見ると寧州に密偵が紛れているのだろう。唯一、出自の不明な青草浜(セイソウヒン)の天遙(テンヨウ)が怪しい。「公子が天啓を離れないのは葉姑娘のためですか? もう時間がありません、雪宣京に助力を仰いでは?」「私に考えがある」白露は雲紋に真師に会えたと報告した。実は閔中(ビンチュウ)山で符文を見つけ、穹石(キュウセキ)に入れたという。白露はこれでいよいよ時空法陣で過去に戻れると期待し、雲紋に協力を頼んだ。「時は水のように流れている、過去に戻るには隙間を開けて眼前の道を進む この道を″時遡(ジソ)の回廊″と呼び、歳正(サイセイ)法陣が作り出すんだ」しかし法陣の発動後も大量の氷玦(ヒョウケツ)を与え続ける必要があるという。白露は皇帝からたくさんもらったと安心させ、お礼に金盞香(キンセンコウ)と聚楽盤(ジュラクバン)があると教えた。「(はっ!)法器を持っていたのに隠していたな?!」白露は街中で奴婢を折檻している樊征(ハンセイ)を見かけ、止めに入った。するとその奴婢が天啓へ護送される時、同じ車に乗っていた娘だと気づく。白露は皇帝が夜北の女子を教坊司に登録させて各屋敷へ振り分けたはずだと指摘し、樊府の名簿を見せるよう迫った。「私が上奏してもいいわ、分配の前に勝手に侍女を奪った者がいるとね」焦った樊征は慌てて逃げ出し、白露は娘を自分の居所に連れ帰った。雲紋は法器のおかげでついに新しい身体を手に入れた。そんな中、諸嬰と青蘅公主の婚姻が決まり、皇帝が天啓へ戻るよう勅旨を出したと知る。白露は前朝の慣例に倣うよう進言したが、樊如晦は運河の建設で国庫が逼迫し、費用を捻出できないと反対した。「あら、運河の建設を名目に兵備増強の経費から大金を動かしたのは誰でしたっけ?」「それは…転用もやむを得ぬ時がある!」すると樊如晦は本来、謁見した要件を思い出した。「陛下、寧州に青草浜という県があり、先月、100頭の馬を商用として接収しました 小隊の往来も少ない県でなぜこれほど多くの馬が必要に? さらに天遙という羽人は出自不明ながら、誰かの推挙で県令に…」「推挙したのは朕だが?」「へ?!ですが天遙の乱費が引き金となり、民が暴動を起こしたとか」「ならば租税を軽減してやれ」彧修明は樊如晦が要らぬ詮索をしないよう話を切り上げ、公主の降嫁に関わる金品は前例に則り下賜し、南宮の適当な場所で婚儀を催すよう命じた。白露は青詹(セイセン)と青夙(セイシュク)兄弟を連れて公主の衣装選びに出かけた。すると白露の封印が解けたと知った青夙が自分にも何かしら封印があるのではと相談する。実は親族の中で青夙だけ星辰の力がなく、秘術を学ぶことができなかった。白露は早速、雲紋に青夙を診せたが、青夙には生まれながら谷玄(コクゲン)の星辰力があると分かる。「谷玄は静寂にして誰にも見えない力なんだ 何かの秘術を学ぼうとしても、その星辰力は谷玄に取り込まれてしまう 谷玄の術なら別だが…習得しない方がいい、二度と太陽の下を歩けなくなる もし間違って魔道に堕ちれば、あらゆる秘術師に攻撃されてしまうんだ」皇帝が久しぶりに逐幻(チクゲン)宮に現れた。天妃は神殿で手柄を立てた白露に褒美を与えないのか尋ねたが、彧修明は渋い顔になってしまう。すると凌雲(リョウウン)が思わず口を出した。「陛下は蔡驂(サイサン)の兜を贈ったのに、白大人が返したのです」「白露も女子なのですよ?女心が分かってらっしゃらない、陛下の真心をお伝えしては?」広陽(コウヨウ)宮に戻った彧修明は早速、倉から見繕って欽天監へ届け、白露に″労をねぎらい褒美を与える″と伝えるよう命じた。凌雲は拝命したものの要領を得ぬ命ばかりだと困惑、風隠に愚痴ってしまう。「簡単なことだ、陛下は白大人に最上の観測器具を届け、氷鑑台に招くおつもりだ きっと告白するのさ」樊征は再び白露にはめられたと父に泣きついたが、冷たく追い返された。すると棠縁が現れ、白露を始末しても良いと持ちかける。樊征は白露を呪い殺すと聞いてさすがに怖気づいたが、棠縁は樊家のためだと訴えた。「私は大公子のもの、樊家の隆盛は私の幸せです」「確かに…それもそうだ、成功したら父に取りなそう」その夜、白露は雲紋にこれからどうするつもりか聞いた。雲紋はやることがあるが時間がかかるため、当分はここで世話になりたいという。すると白露がようやく符文を描き終わり、雲紋に過去へ戻りたいと頼んだ。しかし過去に戻るのは天に逆らう法陣のため、白露が持っている氷玦では質が悪いうえ、全く足りないという。「ひとまず氷玦を使わず法陣を発動する、過去の様子を見るだけだ」「はお!阿蕊(アールイ)が峰に向かった時に戻って!」法陣は七海蕊(チーハイルイ)が峰に向かって逃げている映像を映し出した。追い詰められた翼無憂は七海蕊を連れて崖から飛び上がったが、翼を射抜かれてしまう。『その傷では逃げられない!手を離して!』『駄目だ!』『翼無憂、あなたを愛してる、私を忘れないで』すると七海蕊は翼無憂の手を無理やりひきはがし、自ら谷底に落ちてしまう。…私は永遠に夜北を離れない…つづく( ゚ェ゚)急に詰め込んできた感w
2024.07.03
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星河长明 Shining Just For You第18話皇帝が援軍を連れて戻るまで枕霞(チンカ)山に留まることになった白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)。劣勢を強いられ、兵士の士気も下がってしまったが、この戦いは皇帝のためではなく、自分たちの命と家族を守るためだと鼓舞した。すると暗衛統領・風隠(フウイン)が現れ、半時前に狼煙が上がったと報告する。「陛下はあと100里でお戻りになります」白露の策は成功、風隠の嘘で疲れ果てていた兵士たちも再び立ち上がった。白露は風隠に自分を見張っている暗衛2人を呼び出すよう頼んだ。するとまたしても白露に見抜かれ、韓盛(カンセイ)と魚祥(ギョショウ)はばつが悪そうに出て来る。「蔡驂(サイサン)に書状を届けて、向かいの山頂で会うわ、陛下の名を出せば必ず来るはずよ それから別の任務もお願い、もしもの時は陛下に伝えて、私は力を尽くしたと…」白露は彧修明(ユーシューミン)がかつて閔中(ビンチュウ)山で己をおとりにして敵を倒し、諸侯になったと聞いていた。自分をここに残したのも同じことをさせるためだろう。「でも残るのは陛下のためじゃない、私が負けたくないの」蔡驂たちが山頂で待っていると彧修明ではなく白露たちが現れた。「なぜ女子が?!彧修明は尻込みか?!」「陛下はお前たちに投降せよと仰せだ…皇帝を揶揄する者には天罰が下る!」その時、強風と共に暗雲が垂れ込め、あたりに霧が立ち込めた。敵兵たちは白露の言葉を真に受けて動揺、すると四方から矢が飛んでくる。蔡驂たちは皇帝の奇襲だと驚いて撤収し、結局、麓まで後退した。白露は天象を占い、今日の午後は風が強まると予想して奇策を講じた。山頂に敵を呼び出し、天候が変わってきたところで風隠が合図の笛を吹く。すると茂みに待機していた韓盛と魚祥が藁を燃やして煙を充満させ、霧のように見せかけた。そこへ曹(ソウ)将軍たちが一斉に弓矢を放ち、見事に敵を退けることに成功する。「これで時間が稼げたわ」しかし安堵したのも束の間、山頂を探りに戻った蔡驂が騙されたことに気づき、直ちに追撃すると決める。「小細工ではったりを利かせたのは兵力が残っていないからだ、突撃するぞ!」敵兵がついに神殿に攻め込んだ。風隠たちは白露を守って応戦したが、その隙に蔡驂が本殿に向かってしまう。しかしそこで待っていたのは皇帝ではなく白露だった。「お前ごとき私ひとりで十分よ!」白露は果敢にも蔡驂に挑んだが、呆気なく蹴り飛ばされた。もはやこれまで、白露は蔡驂の剣で殺される前に自害しようと決意し、皇帝から授かった匕首をつかんで首に向ける。その時、ちょうど神殿に戻った彧修明が背後から宝剣で蔡驂を突き刺した。彧修明は白露をねぎらい、ゆっくり休ませることにした。するとその夜、皇帝と合流して神殿に到着した謝雨安(シャウアン)に呼び出される。「他に方法がなくてな、陛下は白大人(ダーレン)に特別な扱いを…」「そう?山の中に置き去りにされたのに?」謝雨安は皇帝がずっと白露を案じていたと明かした。皇帝の命で宛(エン)州から目立たないよう動くも、蔡驂に勘づかれて山道をふさがれてしまったという。復旧には数日かかると思われたが、思いがけず反対側から皇帝たちが必死に岩をどけていた。「陛下は3日以内に戻る約束だと必死だった」「…いいわ」謝雨安はまだ何も言わなかったが、白露は投降した蔡驂の配下の件だと分かった。翌朝、疲れが取れた白露は皇帝に謁見し、投降した兵士を見逃すよう嘆願した。実は脅されて加担した者たちが攻撃の手を緩めてくれたおかげで3日も耐えられたという。すると彧修明は白露が神殿を守り抜いた褒美として一族を赦免すると決めた。一方、寧(ネイ)州の大都護・雪宣京(セツセンキョウ)は縁談の件で見月(ケンゲツ)楼を訪ねた。しかし翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)は留守、鶴瑾(カクキン)に体良く追い返されてしまう。棠縁(トウエン)こと雪嵐微(セツランビ)は苛立ちを隠せず、ともかく早く白露を始末するよう父に頼んだ。雪嵐微が居所に戻ると樊平(ハンヘイ)が待っていた。樊平は知音である棠縁を妻にしたいと申し出たが、雪嵐微は愛があっても結ばれないと分かっている。すると返事がないのが答えだと知った樊平はおとなしく引き下がった。しかし雪嵐微は何とも名残惜しくなって樊平を呼び止めてしまう。「今晩、私のために1曲、弾いてくれませんか?」枕霞山の戦いで絆が強まった白露と彧修明。一行はいよいよ彧修明の武勇伝で有名な閔中(ビンチュウ)山を目指した。しかし山へ入る橋が狭いため、徒歩での移動を余儀なくされる。まずは衛兵が吊り橋を渡って安全を確認し、続いて皇帝が渡り始めた。念のため翼を広げて空中から皇帝を警護する風隠。こうして皇帝は護衛に守られ橋を渡り切ったが、その時、恐る恐る渡っていた白露が侍女に突き飛ばされ、谷へ転落してしまう。白露の悲鳴を聞いた彧修明は迷わず谷へ飛び込み、白露を捕まえたが、2人はそのまま落下した。彧修明は白露を守るため自分が下敷きになった。そのせいで足を怪我してしまう。(ヾノ・∀・`)<マタマタ~怪我しないくせに~( *`ω´)o″<怪我はする、治りが早いだけだ!彧修明と白露はとりあえず道を探すことにした。それにしても白露を狙った黒幕は誰なのか。すると驚いたことに白露は枯れ草に覆われた謎の法陣を見つけた。効力を失った法陣とは違い、まだ星辰力が残っている。白露はこんな時のために持っていた四奇浄呪粉(シキジョウジュコ)を取り出し、法陣に振りまいて星辰の力を放った。「上手くいったわ!」法陣の前に結界が出現した。彧修明は白露の手を取り、2人で一緒に鏡の中へ飛び込んだが、彧修明だけ弾き出されてしまう。…白露は結界の中で七海蕊(チーハイルイ)を見つけた喜んで駆け寄った白露だったが、その様子から本物の七海蕊ではないと気づく「阿蕊ではないのね…」「違うわ、この姿なら怖がらないと思ったの、穹石(キュウセキ)へようこそ」実は彼女こそかつて彧修明に神鏡を与えた真師(シンシ)だった「500年前、真師は大陸を5族に分け与え、その後は一切、関与しなかった やがて5族は争いを始め、人族は最も深刻で乱世が300年も続いたの それでも真師は不干渉の誓いを貫いたけど、私は乱世を終わらせたかった だから芳華鏡を有能な者に託した でもなぜあなたしか法陣に入れなかったか分かる?」「あなたが拒んだの?」「その通り、彧修明は真師の庇護を失った、芳華鏡の力は永遠ではない 鏡の力が弱った今、彼も致命傷を負えば死んでしまう そうなれば再びこの世は乱世を迎える でももう干渉できない、私は過去の行いの罰として穹石から出られないの 誰かが彼を救わなければ…それができるのはあなたよ 芳華鏡を彼に与えたその日、星軌(セイキ)の動きに変化が現れた 彼の宿星があなたの宿星に大きな影響を受け始め、どんどん距離を縮めていったの」「宿星なんてどうでもいい、私は阿蕊の消息が知りたいだけ」「…知りたければ過去に戻るしかない」するといつの間にか真師の姿が消え、白露は法陣から放り出されてしまう…彧修明は突然、結界から飛び出して来た白露に押し倒された。「何があった?!」「…阿蕊を見つけたの、追いかけたらいつの間にか出ていたわ」「何か持ち帰った物は?」「物?小さな家があっただけよ?…つまり以前、何か持ち帰ったものが?」その時、皇帝たちを探していた凌雲(リョウウン)たちが現れ、話は終わってしまう。皇帝一行は樻陽(キヨウ)城に到着した。蔡忱(サイシン)の計算では運河建設に10万人を動員しても5年はかかるという。彧修明は白露と城楼に立ち、ここに運河が完成すれば天啓と2つの街が水路で結ばれると話した。「晁は永遠に栄えるだろう」そこへ凌雲が報告にやって来た。白露を突き落としたのは天妃の侍女だった女で、やはり羽(ウ)人だったという。「え?!誰だったの?!」白露は気になったが、彧修明はなぜか凌雲を追い返してしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)ぽんちゃん、安定の崖落ち!からの…あ、そう言えば風隠も羽人なのね〜発作はないのかしら?
2024.07.02
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星河长明 Shining Just For You第17話太宰(タイサイ)・樊如晦(ハンジョカイ)は朝廷の噂だと前置きして、白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)に対する皇帝の偏愛が君臣の情を超えていると諫言した。「一体、誰がそんな噂をしておる?…どうせそなたであろう?」彧修明(ユーシューミン)は白露を妃にするつもりはないと釘を刺し、牽制せずとも樊如晦の地位が揺らぐことはないとなだめた。「そもそも白露を使わずともそなたを失脚させられる」驚いた樊如晦はひざまずき、実は愚息の樊征(ハンセイ)と白露の溝の深さが気がかりだったと釈明した。「覚えておけ、誰を重用するかも含め、朕の判断には根拠があるとな、勝手な憶測をするな」一方、巡幸に随行できることになった白露は留守中、顧惘然(コボウゼン)に雲紋(ウンモン)を預けることにした。顧惘然は快諾してくれたが、部屋まで迎えに行ってみると誰もいない。すると白露が机に分波盅(ブンパチュウ)を置いて大きな姿見を持って来た。「友人はここにいるの」「うわーっ!」顧惘然は鏡の中に突然、現れた雲紋を見て驚愕、思わず茶をこぼしてしまう。「でも…この姿見を抱えて帰れと?」「あ!うっかりしてたわ!」白露は分波盅から琥珀(コハク)石を取り出し、これがあれば雲紋が光る物に姿を現すと教えた。「食事は不要よ、ただおしゃべり好きなの、付き合ってあげて」↓宜しくね~その頃、青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)たちは越(エツ)州で新しい生活を始めていた。しかし土地は肥沃でも辺鄙すぎて飼料にもならない草しか生えていない。こんな草では宛(エン)州で食料と交換することもできず、来秋に収穫が見込めたとしても、余糧で冬は越せそうになかった。晁(チョウ)皇一行が都を出発、やがて険しい山道を進みながら中(チュウ)州・潦陽(ロウヨウ)に差し掛かった。皇帝の馬車に同乗した白露はなぜ最短の道を通らないのか首を傾げたが、彧修明は天が通らせてくれないと意味ありげに笑う。そんなのんきな白露の裏で中州では不穏な動きがあった。樊如晦の文によれば皇帝が中州の労役に気づいて暴政だと非難していたという。大都護・蔡驂(サイサン)は配下たちから機先を制さねば手遅れになると煽られ、甥・蔡忱(サイシン)が諫めるも、ついに反旗を翻してしまう。一方、皇帝の留守を守る樊如晦は家職から蔡驂が兵を集結させたと聞いた。「我らに類が及ばぬようにせよ、全ての書状を始末するのだ」↓え?樊如晦と手を組んでたの?( ̄▽ ̄;)皇帝は行宮に到着、しかし大都護の代わりに甥で滁(ジョ)州主事の蔡忱が挨拶にやって来た。大都護は皇帝の巡幸の妨げにならないよう土匪(ドヒ)の討伐に出て戻っていないという。「そなたの奏状を読んだことがある、確か九峪(キュウヨク)山で蒼瑾玉(ソウキンギョク)が採れたと」「さような些事を覚えていてくださるとは…光栄です」その夜、行宮で皇帝を歓迎する宴が開かれた。蔡驂は蒼瑾玉で作った筆と硯、文箱を献上したが、かえって皇帝を怒らせてしまう。「高額の税を課して払えぬ民に蒼瑾玉を発掘させていると聞いた 民は土匪にでもならねば生きていけぬ、そなたたちは国法と朕を何だと思っている!」実は以前、中州の労働者を解放して斬首にされそうになった官吏・臥武(ガブ)が天啓に逃げ込み、告発していた。…蒼瑾玉で得た金10万銖(シュ)は蔡府が吸い上げ、全て軍備に充て私兵を組織しています…すると蔡驂は潔く首を差し出すと申し出た。彧修明は殺すことなど造作ないが、今日は苦言を呈しに来ただけだという。「そなたらの悪行については十分、知っている、これは警告だ」行宮を出た彧修明は一行を引き連れ、枕霞(リンカ)山の山頂にある神殿に到着した。この神殿は北邙(ホクボウ)山の河洛(カラク)族が石材を運んで地道に築いたと言われ、石には金が含まれているという。白露は今日の皇帝の様子が少し変だと気づいていた。…陛下は甲冑を着て宴に行き、急いでこの神殿に来た、まさか…白露の嫌な予感が的中、山の麓に敵兵が現れ、衛兵が襲われた。敵軍の旗には″蔡″とあったという。しかし敵軍6万に対し、皇帝を守る禁軍は2千、圧倒的に少な過ぎる。本当なら蔡軍が神殿に到着する前に謝雨安が滅しているはずだった。彧修明は周到な謝雨安のこと、何かあったのだと気づく。実は蔡驂が岩で山道を封じ、謝雨安は足止めされていた。敵軍の報告を聞いた彧修明は白露だけ引き留めた。蔡家と言えば前朝の末期に勢力を増し、家督を継いだのが蔡驂。当時は蔡驂が燹(セン)を滅すると思われたが、その時、破竹の勢いで彧修明が現れる。「7年前、朕は蔡家の11城を攻め落とし、蔡驂を降伏させた だが潦陽に着いた時、奴は護衛の統領に朕を狙わせてな 石をも砕かんばかりの鋭い矢で先端には毒が塗ってあった 朕以外の者が受ければ確実に死んでいただろう」しかしその刺客は捨て駒だったという。皇帝と蔡驂の仲は一見、平穏なように見えて、実は互いに警戒し続けていた。「朕は奴の抱えていた軍を分裂させた、朕を激しく恨んでいるだろう」彧修明は七海怜をそそのかした霍陸(カクリク)が蔡驂の配下だと知っていた。今回は蔡驂に皮肉だけ言って牽制するつもりが、どうやら油断し過ぎたらしい。すると彧修明は白露に匕首を授けた。「この倬雲(タクウン)は星辰を乱す力を持つと伝えられている、この世で唯一、朕を殺せる刃だ 朕の首を渡せば命拾いできるやも…」「本当に蔡驂が来たらこの匕首で自害します!」彧修明は白露が自分と生死を共にする覚悟だと知り、思わずその手を握りしめた。彧修明は白露に枕霞(リンカ)山の地図を示し、良策がないか聞いた。ここに駐留している中州軍はかつて五軍の前軍で蔡驂は前軍の統領だったという。白露は五軍が皇帝の軍である以上、中には皇帝派もいるはずだと気づいた。「宛(エン)州に文を届けさせ、応援を求めては?」「無意味だろう…朕の兵符を見るまで誰も動かぬ」「では密かに脱出してください、私は山に残って蔡驂を食い止めます!」その時、まるで初めから決まっていたかのように白露の甲冑が運び込まれた。( ̄▽ ̄;)<ずい分と手回しがいいことで…すると彧修明は自ら白露に甲冑を着せてやる。「そなたとの約束は必ず守る、何もかもな」白露は皇帝が戻るまで枕霞山を守ることになった。しかし禁軍は劣勢を強いられ、死傷者も多く、兵士の士気も下がってしまう。…このままでは明日までもたない、何か策はないの?…その夜、暗衛統領・風隠(フウイン)が神殿に現れた。皇帝から白露の護衛を命じられたという。「″山道が岩で通れぬゆえ先に逃げよ″と…」白露は困惑したが、兵士たちを置いて自分だけ助かることはできなかった。すると夜空に流れる星を見つける。「私は逃げない!そうだ、どうせ暇だろうし手伝って!」(´・_・`).oO(いや暇って…兵士たちは皇帝がすでに下山したと知り、自分たちを見捨てたと誤解した。しかし白露は皇帝のためではなく、自分たちの命と家族を守るために戦うのだと鼓舞する。つづく
2024.07.01
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