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公式サイト;こんにちは。私、坂本龍一氏のすごいファンというわけではありません。音楽センスはありません。あとこれから坂本龍一氏に対して失礼なことを言ってしまう予定(笑)ですので、教授の信者のかたはどうかお帰りになってくださいませ。特に若い頃は、信者といわれるようなファンが周りにいたりしましたけど、私自身はあまり坂本龍一氏に興味なかったです。前に感想を書きましたけど、『戦場のメリークリスマス』を観たのも、大島渚氏が亡くなった時です(まあこれは若い時に見ても意味がわからなかっただろうからいいですけど(笑))。それがこういう映画を見に行くようになるとは、不思議なものです。しかしなぜか、人生の節目に坂本龍一氏の作品に出会うことが多く、年を取るにつれて結構ご縁があるのではないかと思うようになりました。映画の話をしましょう。映画は、坂本龍一氏がニューヨークで行ったエクスクルーシブなコンサートの模様を中継したものです。私が名前を知らないような民族楽器のようなもの、ガラスの板、ギター、シンセサイザーなんかを駆使して、前衛音楽的な音楽を奏でてくれました。前から感じてたのですが、坂本龍一氏は基本的にヨーロッパ的、クラシック的なんだと思います。ああいう民族的無国籍的な楽器を使っても、そういうのが透けてみえる感じです。あと、お爺さんになられたなあ、とこれは痛切に感じました。いろいろなことがあったけど、もう少し長く生きててほしいなあ、と切に思います。これ見ると、結構ギャグできてるやんと思います。なんで『戦場のメリークリスマス』の時は真面目にやらなかったんですかね(激怒)。真面目な動画も一つ。自分が昔書いた映画の感想です↓#cinema "Merry Christmas Mr. Lawrence" (1983)
2018.01.28
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http://foujita.info/#top今↑のHPを見たら都内でロングランをされるらしいので、ネタばれになってもよろしくないなと思ったりするんですが。結構面白かったので感想を抑え気味に書いておきます。あらすじ:1920年代からフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治の半生を、オダギリジョー主演で映画化。「泥の河」「死の棘」の小栗康平監督が10年ぶりに手がけた長編監督作で、日本とフランスの合作映画として製作された。1913年、27歳で単身フランスへ渡ったフジタは、「乳白色の肌」で裸婦を描き、エコール・ド・パリの寵児となる。そして40年に帰国し、戦時下で戦争協力画を描くことになったフジタは、日本美術界の中で重鎮として登り詰めていくが、疎開先の村で敗戦を迎える。感想;自分は藤田嗣治の作品は割と好きで、展覧会にも行ったことあり、そこで藤田の「戦争協力画」も何枚か見たことがあります。芸術的価値は高いと思うのですが、正直ちょっと暗い感じで、あまり戦意高揚にはなりそうもないなあと思った記憶があるのですが・・・。あの作風で当時の大政翼賛美術界で出世できるのだとしたら、大変処世術にたけた人物ということになると思います(もともと実家が大金持ちなのかもしれないです、あの時代に長いことパリに遊学出来ているわけですし)。a エコール・ド・パリ時代の乱ちき騒ぎb 日本の田舎で大政翼賛活動どっちも、ベクトルは違うが、ばかばかしいという点では同レベル。私にはどっちもおつきあいできそうにありません。凄い器用な人であり、適応能力が高いのだなと思います。もしかしたらすごい大人なのかもしれませんが。戦後、フジタはフランスにかえり、不遇な生涯を終えたということになっています。しかしこの映画ではそこらへんは語られません。なぜか急にc 宮沢賢治調の日本の田舎メルヘンになり、キツネに化かされるという謎展開に(笑)。今の時代、大きなキツネが何匹も跳梁し、我々を化かそうとしているのかも。これからこの映画を見に行かれるかたは、眉毛につばをつけて臨んでください!
2016.01.21
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http://mermaidfilms.co.jp/bolero/introduction.html概要;フランスのクロード・ルルーシュ監督が1981年に手がけ、ルドルフ・ヌレエフ(バレエダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)という実在の4人の芸術家をモデルに、運命の糸に結ばれた人々の物語を描いた3時間を超える大作メロドラマ。ベルリン、モスクワ、パリ、ニューヨークを舞台に、第2次世界大戦前から戦中、そして現在へと至る中で、芸術家たちのドラマチックな人生模様が描き出される。「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」などで知られるミシェル・ルグランと「ある愛の詩」のフランシス・レイという映画音楽の巨匠2人が音楽を担当。さらに、モーリス・ラベル作曲、モーリス・ベジャール振付によるバレエの名作「ボレロ」を天才バレエダンサー、ジョルジュ・ドンが舞う。2015年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。感想:バレエ作品としての『ボレロ』は、シルヴィ・ギエムのしかみたことなかったので、年末のいそがしいなか、ジョルジュ・ドン版を見にわざわざ行ってきました。ギエムのも悪くはなかったですが、やはり男性舞踊手のほうが力強さがあって、音楽にはあってるように思われました。原曲のラヴェル「ボレロ」は元スーフィーの曲であったという話です。踊りと相性が合うのもむべなるかなというところです。映画の筋立ての方は正直どうでもよかったんですが、みてるといろいろ気になることがありました(笑)。☆劇中劇の部分が音楽、演出ともに凝ってる。アメリカ映画のようです。☆実在の4人の芸術家とおぼしき人の一家を、2世代にわたって描いてあります。やや大風呂敷を広げすぎなところがあり、みててちょっと退屈する部分も。もう少しコンパクトにしていただければよかったのでは。☆戦中派世代と、その子供の戦後世代が描かれますが、同じ女優さんが使いまわされることもよくあります。それでもなぜか戦中派世代のほうが美しく感じるのは、不思議なことだなあと思いました。衣装、時代考証、スタッフの気合の入り方が違うのか??ニコール・ガルシアさんが特に美しかったです。☆作中、カラヤンをモデルにしたらしき人物がでてきます。これがとても繊細な感じのイケメンで、カラヤンとはイメージが違う(苦笑)。おそらく、戦争と時代にほんろうされた被害者って感じを出したかったのだと思いますが、正直カラヤンはそんな人ではないというのが私の意見というか人間観です。これがもっと自分に自信のありげな傲慢な感じのイケメンであったら、印象が違っていたと思われます。☆同じく、エディット・ピアフも戦争に翻弄され過ぎている人にされています。ご本人のファンの方々が見たら激怒されるんじゃないですかね。どうもそのへんがなんか浅いというか、私とは考え方が違うなと思います。こんな強烈な個性を持つ有名人でなくても、ほんとに戦争に利用された上、そこそこの業績をあげているような人も沢山いるだろうから、そういう人をモデルにしたほうがよかったんじゃないかなと思いました。
2015.12.12
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http://callas1958.com/aboutfilm/aboutfilm.html「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」・ラ・マルセイエーズ(フランス国歌演奏)・ヴェルディ『運命の力』序曲・ベッリーニ『ノルマ』より《清らかなる女神よ》ほか 共演:ジャック・マルス(バス)・ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より《恋はばら色の翼に乗って》《ミゼレーレ》 共演:アルベール・ランス(テノール)・ロッシーニ『セビリアの理髪師』序曲・ロッシーニ『セビリアの理髪師』より《今の歌声は》・プッチーニ『トスカ』第2幕 共演 ティト・ゴッビ(バリトン:スカルピア) アルベール・ランス(テノール:カヴァラドッシ) ルイ・リアラン(テノール:スポレッタ) ジャン・ポール・ウルトー(バス:シャルローネ)指揮:ジョルジュ・セバスティアン演奏:パリ・オペラ座国立劇場管弦楽団、合唱団収録:1958年12月19日 パリ・オペラ座(ガルニエ宮) 感想;1958年12月19日 パリ・オペラ座ガラ・コンサートの全てを撮影したライブ映像です。☆音響技術の発達してない時代の映像なので、音響はちょっと割れたりしてます。が、歌と演技がなかなかすばらしかったです。☆マリアカラスの衣装がかわいい。☆スカルピア男爵役(悪役)のティト・ゴッビ氏の熱演がなかなかでした。目で演技をされるんですが、もし現場に行っても、私らでは天井桟敷付近の席しか取れないでしょうから、そういうのはわからなかったでしょう(笑)。☆チケット代は7千フランとか言ってた気がするけど、それが今の日本円でおいくらくらいかはわかりません。チャリティだったそうです。
2015.12.12
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http://www.belleandsebastian.net/あらすじ;アルプスの麓の小さな村で暮らす孤児セバスチャンは、山で一匹の野犬と出会う。家畜や人を襲う“野獣”と誤解され村人たちから命を狙われるその犬をベルと名付け、懸命に守るセバスチャン。そして孤独なもの同士、心を通わせていく。時を同じくして村には戦争が影を落とし始めていた。ナチスの捜索の手が伸びるなか、ユダヤ人一家を救うため、ベルとセバスチャンは道案内人として危険な冬のアルプス越えに命がけで挑む。感想;「名犬ジョリィ」の原作の映画化と聞いて見に行ってみました。・・・正直ちょっとものたりないというか、子供向けのような内容でした。もっとこう犬と少年が組んで、楠木正成的な知恵と勇気でナチを撃退するといった内容を期待してたんですが・・・崖の上から岩を落とすとか、道路に油をまいて軍用車をスリップさせるとか、食糧庫にネズミをいれるとか、寝床にイナゴをしこむとか羊のむれをけしかけるとか。少年には(血縁関係はないけど)お姉さん的な人がいて、この人にナチの中尉さんがちょっと惚れ込むという設定なのですが。このお姉さんの使い方にもう少し工夫の余地があったかもしれませんね。普通、妙齢の女性がナチの中尉の車に同乗したりしたら、小さい村ではあっというまにうわさが広がり、その後お姉さんは村八分にされて苦労するのが普通ではないかと思うのですが、そういう描写は一切なく。ラストで急にイギリスに行くとか言い出して、旅費はどうするのかとか今までやってたパン屋はどうするのかとかいろいろ疑問が残りました。お姉さんの恋人のお医者さんとかナチの中尉さんの使い方にも疑問が残りますが。それはともかく、アルプスの自然や動物たちの映像は素晴らしいです。イノシシはちょっとやらせっぽかったけど。子供はかわいいし、犬はもっふもふだし。アルプスの自然とか地形についての説明があってもよかったかもしれないです。
2015.12.04
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http://jinseiswitch.gaga.ne.jp/ペドロ・アルモドバル監修ということで、期待して見に行ったのですが・・・結論から先にいうと、私にとってはそれほど面白くはなかったというか、あまり感心しないというか。最近の私は、排泄物系の下ネタはあまり好きじゃなくてですね(苦笑)。いわゆる小ネタ集というか短編映画のオムニバス形式というアレです。感想としては★「争いは、同じレベルのもの同士にしか発生しない」★最後の作品(題名は忘れました)は結婚式に関する話だったんですが、これだけが日本とアルゼンチンの文化の違いやらなにやらを感じさせてくれ、印象に残りました。日本だと、体面が何より重要ですから、もう結婚をとりやめることになってもそのまま結婚式だけするケースがかなりありますよね。我々も二回ほどそういう式にでくわしたことがあります。出席者にとってはかなりの時間とご祝儀を犠牲にして来てるのに、それはないだろって感じですが。こちらでは式自体はめちゃくちゃでも、一応二人の間に愛はあるという設定だったので、それはよかったかなと思わざるをえませんでした(苦笑)。
2015.10.03
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http://advancedstyle-movie.com/概要;伝説的なアポロシアター出身のグラマラスな81歳のダンサー、アッパーウェストサイドの有名ブティックのオーナーで派手なアクセサリーを好む80歳、ウェスト・ビレッジに住むカラフルな着こなしで有名な93歳のアーティスト…。個性豊かな7人の女性にフィーチャーし、彼女達のニューヨークでの暮らしや、エキサイティングで感動的な日常が描かれる。感想;先に、この人たちのことは雑誌で特集されたり、本も出たりしているので、当初からわりと興味を持っていました。この方々はいずれも相当の人生の達人であり、一人ひとり掘り下げればいくらでも面白い映画ができそうに思えますが。差しさわりもあったりして限界はあるかなあと予想はしてました。それでも、写真では描かれない内面、というか知恵的なもの、例えば1.健康法2.食事3.人間関係の知恵的なもの4.自分の服をどこで調達するか あるいは管理するかといったようなことを知りたいなと思って見に行ったんですが。結論から先にいえば、あまり上記のような肝心な情報は公開されませんでした(機密事項なのかもしれませんが)。ドキュメントとしては、やや表面的なように思われ、残念です。それでも数少ない情報を整理して、メモしておきます。1.健康法正直、年をとったらハイヒールをはくだけでもしんどいでしょう。大量にある服や小物を整理して手入れするのも大変だと思います。皆さんそれなりの健康法があるんでしょうが、あまり公開はされませんでした。むしろ映画が進むにつれて、「実は緑内障で目がほとんど見えないの」と言われたり、入院・手術をされたり、はてはファッションウィークの間に倒れて亡くなる方もでる騒ぎで。やはり年をとったら、人並み以上の方々でも苦労はそれなりにあるのだなと思わされます。しかし皆さん、年齢よりも美容状態はいいと思います。肌がきれいです。ジョイスさんがサプリメントを飲んでるシーンがありました。2.食事こちらもあまり公開されず。リンさんが手ずからぎょうざを焼いてるシーンがありました。全部手作りか、既製品を焼いてるだけかは不明です。3.人間関係夫あるいは恋人、孫に対する関係など。劇中ジョイスさんが、お孫さんにシャネルのクロコダイルの緑の小さいポシェットを譲るシーンなどありました。いくらハイブランドとはいえ、若い子が持つとやはり古臭く感じてしまいました。お孫さんは喜んでいたし、あと20歳も年を取れば似合うようになるかもしれません。4.服の調達先一番重要なようですが、これも機密事項なのかあまり公開されず(苦笑)。一見したところではA服飾のプロ(ブティックのオーナーなど)2名Bハイブランド派 2名Cアフリカ系手織り布を自分のデザインでオーダー 1名D自作派? 1名E自作+若者向けブランド混合派 1名みたいな感じです。率直に言って、ドキュメンタリーの当初は、メンバーの間に経済格差があると感じられたのですが。皆さんがこの企画で名前が売れて、仕事が入ってくるようになると、最初はチープなゴテゴテ感があるスタイル(そういうのも否定はしません)だった人が、よい生地を使ったすっきりした感じになってきました。やはりセンスがある人は吸収力が違うなと思いました。注意;私が見に行った日はレディースディではなかったんですが、それでも館内中央にオバタリアン6名の団体様が座ってて、上映中もずーっとしゃべっているので閉口しました。長年生きてて、映画館にきたことが一度もないとは思えないのですが(怒)。私が直接2,3回注意した時点で、私語はやめてくれたのでよかったですが。だめなら係員の方を呼んで注意しないといけないところでした。この手の人がいまだにいるのは残念なことです。
2015.08.30
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http://www.moviola.jp/papusza/『パプーシャの黒い瞳』あらすじ;1910年。ある小さな町で、ひとりのジプシー女性が出産した。人形が好きな、まだ若い母親は赤ん坊に「人形(パプーシャ)」と名付けた。少女に成長したパプーシャは、ある日、泥棒が森の木の洞に隠した盗品を偶然見つける。パプーシャはそこにあった紙が気になった。そこには文字が印刷されていた。文字はガジョ(よそ者)の呪文、悪魔の力だと、ジプシーたちはそう忌み嫌ったが、パプーシャは文字に惹かれる心を抑えられなかった。パプーシャは町の白人に読み書きを教えて欲しいと頼み、文字を覚えてしまう。感想;何と申しましょうか、徹頭徹尾救いのないお話で、感想を書くのも辛いです。でも、現実に起こったことですから。文字による自己表現が忌み嫌われるような世界が、まだこの世にあるということは、覚えておかなくてはならないと思います。どうなんでしょう、どうしたらパプーシャさんは幸せになれたのか、いろいろ考えてみるんですが。やっぱり時代背景、ジプシーに対する差別、から考えても、ジプシー社会から離れて経済的に自立するということはちょっと難しかったかもしれません。こんなに救いのない映画というのは、私が今まで見た中でも一番のような気がします。唯一救いというほどでもないですが、どうしようもなくいい加減な男にみえたパプーシャの旦那さんが、最後の最後で家族をかばい、男をみせたことですかね(苦笑)。あと映像はモノクロで、とても美しいです。こんな撮影にたえる平野や森が、ポーランドにはまだ残っているんだなと感心させられました。
2015.08.25
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http://imitationgame.gaga.ne.jp/☆☆☆第二次世界大戦時に、解読不可能と絶望視されていたドイツ軍の暗号エニグマに、恐るべき回転速度を誇る頭脳で挑んだ男アラン・チューリング。戦争終結とコンピューター発明に貢献した人物でありながら、その生涯は重大機密として英国政府に隠され続けてきた。今、50年以上の時を経て、謎に満ちた男の驚愕と感動の真実が明かされる──!結論から先にいえば、面白かったです。おそらく史実にも基づいているのでしょうが、よく作ってあると感心いたしました。主演のベネディクト・カンバーバッチは、どうも「シャーロック」以来、この手の高機能発達障害みたいな役柄が多くなってきてるのではないかと思われます(苦笑)。この役も「名探偵モンク」みたいでした。演技の上手い方なので、もっといろんな役に挑戦してもらいたいです。本作での演技はもちろん堂に入ったものです。キーラ・ナイトレイは大変好きな女優さんで、今回もはまり役であったと思います。あえてケチをつけるならば、髪の色は黒のほうがよかったかなと。あと、すばらしかったと思うのは、直属の上司?であるデニストン中佐とか、MI6のミンギスさんとか。年長者の脇役が厚みがあってよかったです。アラン・チューリングの子役の人も、演技が素晴らしいと思います。しかし、一番素晴らしいのは、ドイツ軍の暗号システム・エニグマを開発した人なのではないでしょうか?!エニグマ自体はどういうシステムなのかは作中では触れられておりませんが、機械だけみれば非常にコンパクトなものでした。それを解読するためにあれだけデカい機械(コンピューターの前身)を作り、また時間もかかるのですから相当です。たとえエニグマが解読されなくても、国力におとり資源も少ないドイツ軍が負けるのは時間の問題ではあったかとは思いますが、多少なりとも戦争終結が早まったのであるならば、結構なことだったのかもしれません。あまり書くとネタばれになりますので、これくらいで。
2015.06.23
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http://kano1931.com/あらすじ:1929年、嘉義農林学校の弱小野球部に、日本人の監督・近藤兵太郎がやってくる。甲子園進出を目指すという近藤の下、厳しい練習に励む部員たちは、次第に勝利への強い思いを抱くようになる。そして31年、台湾予選大会で大躍進し、常勝校を打ち負かして台湾代表チームとして甲子園へ遠征した嘉農野球部は、決してあきらめないプレイスタイルで日本中の注目を集める。野球部監督・近藤役;永瀬正敏感想;プロデューサー・魏徳聖が同じく作った『セデック・バレ』を観ておりましたので、もう少しシリアスなものを期待していたのですが。なんだかある意味、『ドカベン』とか『アパッチ野球軍』競技は違うが『少林サッカー』などを連想させる出来でした。野球のシーンには大変力が入っているんです。台湾内の甲子園予選以前、同じ市内の嘉義中学というところと練習試合するんですが。この嘉義中学のレベルでもうなんだか結構強くて、ここに勝つには並大抵ではないなと思ってしまいます。主役といっていいかどうかわからないですが、嘉農のエースピッチャーである呉明捷くんのフォームがなんだかすごい。あの不自然な投げ方でよく予選かちぬいて甲子園まで肩を壊さずにいけたものだと感心します。指のマメだけで済んだのはむしろラッキーじゃないかな(笑)。しかし、おそらくあれも調査とか資料に基づいて再現されたフォームなんだろうと思うのです。当時の資料や当事者の証言などが結構残っているらしいので。それを再現して、カメラワークで『ドカベン』『アパッチ野球軍』『少林サッカー』ぽく演出してあるのだと思います。☆☆☆『セデック・バレ』に比べて、本作ははるかに政治的には日本よりです。今の時代に公開してしまっては、日本のその筋の人にいいように利用される恐れもなくもないです。せっかく頑張って作ってあるのに、その点はちょっと残念に思います。エンターテイメントとしてはよくできている?と思うので、『ドカベン』とか『アパッチ野球軍』『少林サッカー』系の作品がお好きな方には、おすすめできます。私が見に行った時も、どこかの学校の野球部の子が沢山見に来ておりましたが・・・技術的には参考になったかどうか(苦笑)あと個人的に嬉しかったのは、なんでかわかりませんが、水上善雄氏(ロッテ→広島→福岡)が解説者の役で出演されていたのを発見したことです。以上です。
2015.05.19
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http://www.u-picc.com/kietae/intro.html>>昨年のカンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉で上映、名匠リティ・パニュが初めて自らの過酷な人生を、土人形に託して描いた作品として絶賛されグランプリを受賞した。繰り返される人間の愚かさと醜さを、それとは正反対の繊細さと表情豊かな人形で表現し、本年度のアカデミー賞外国映画賞にカンボジア映画として初めてノミネートされ、公開が熱望されていた『消えた画 クメール・ルージュの真実』。 フィクションとドキュメンタリーというジャンルを超えて、これまで数多くの作品でカンボジアの悲劇を描いてきた、リティ・パニュ。カンボジアの幸せな家庭に育ちながら、クメール・ルージュの支配により、たったひとり15歳でカンボジアを脱出するという、誰も経験したことのない人生を本作で初めて描いた。 この作品は1975〜1979年 カンボジア クメール・ルージュ時代を生き抜いたリティ・パニュ監督が、同胞の血を沢山吸った田んぼの土を使って作った土人形の映像と、いわゆるクメールルージュ時代のドキュメント画像を組み合わせて作った、かなり特異な作品です。☆土人形部分日本のクレイアニメとかと違って、それほど動きなどはないのですが、それでも大量の人形や舞台装置(村の風景とか病院など)をつくるとなるとかなりの手間であったはずです。実際に作っているところも映像に映りますが、土はかなりポクポクした感じで、いわゆる粘土質ではないので何らかのつなぎを混ぜてるのかな?と思いました。☆土とクメール・ルージュたいていファシズム政権というものは、上層部の誰かの精神的病理が政策をとおして社会にはんえいされることが多いように感じます。クメール・ルージュはなんかその病理がすごくて、とりあえず人海戦術で土を掘らせるのです。それで、農業的には不必要と思われるほど深く土地をほり、穴ぞこに田んぼ畑をつくり、通路としての畝をものすごく高く築きあげるのですが・・・水利とかはどうしたのかよくわかりませんが、正直あれで生産効率が上がるとは思えず、なんらかの精神病理を反映しているだけのように感じました。それより前に、医者や技術者、弁護士など高学歴の人を排除していたようなので、何をするにも効率は上がりませんし、生産力は上がらないし、病人が出てもきちんとした手当はできないし、いわゆる密告システムで互いに足を引っ張り合わせるようにしているし、もうめちゃくちゃです。計画経済でダムを作っていたようなのですが、そのためのコンクリートなどの資材をどこからもってきていたのか、何がなんだかよくわかりません。☆カンボジアの人資料映像で、ときどき当時のドキュメント画像がでてきます。特に本作品の監督は都会出身の方で、家の前は映画の撮影所、お兄さんはクラブでジャズの演奏をしていたというちゃきちゃきのシティボーイであったらしいですので、革命前のカンボジアの自由な雰囲気というのが強調されます(フランスの植民地だった?)。人も、同じアジア人と思えないほど脚が長いです(笑)。巻スカートのような民族衣装でスッスッという感じで歩いておられるのが印象的でした。あまり書くとネタばれになりますのでこれくらいにしておきます。
2014.11.30
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http://www.screenbeauties.com/deneuve_movies.html世紀の美女ドヌーヴが恋多き女をかろやかに演じた異色作。アベ・プレボーの名作「マノン・レスコー」を大胆に改変し、ヒロインが世界を股にかけ自由奔放な愛を求めてさまよう姿を描いた本作は、何といっても場面ごとに衣装を変えるドヌーヴのファッションが見所。公開当時、パリオートクチュール界に旋風を巻き起こしたエマニュエル・ウンガロによる’70sのポップでカラフルな服の数々が恋に命を懸けた女の心情を描きだす。「マノン・レスコー」との関連性はあまりなかったように感じましたが(笑)。とにかく本作でのドヌーヴの役どころはあまり頭がよろしくないというか感性で生きてる感じで、お育ちもよろしくなくて、実の兄に美人局の餌のように扱われてて、根っからの悪人というわけでもないがまともな女性ともいえないような、そんな女性を演じていました。しかし、違うんですよね(笑)。どうみてもカトリーヌ・ドヌーヴの本性は冷静でとても頭の良い人で、それが透けて見えてしまう。この人がこんなことするわけないよという感じで、役柄とはミスマッチであったと言わざるをえません。エマニュエル・ウンガロのファッションはいろいろとありましたが、時々明らかにカトリーヌ・ドヌーヴに似合わない色を着せられていたのが気になりました。映画の筋そのものよりもウンガロのファッションカタログとしての役割のほうが重要だったのかも(苦笑)。一番最後のシーンの、カーキ色のTシャツにジーンズといった格好が一番似合っているような気がしました。
2014.10.31
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http://www.screenbeauties.com/deneuve_movies.html【楽天ブックスならいつでも送料無料】シェルブールの雨傘【Blu-ray】 [ カトリーヌ・ドヌーヴ ]公開当時新進ジャズピアニストだった映画音楽の巨匠ミシェル・ルグランが劇中のセリフ全てにメロディーをつけるという離れ技を披露したミュージカル映画の歴史的傑作。デジタル・リマスター版で復刻されています。特に私から何か付け加えることもない名作です。カトリーヌ・ドヌーヴも清楚でかわいいです。今は貫録たっぷりになっていますが。お母さんがやっている小さい傘屋さんもカラフルでおしゃれな感じですが。劇のラストの舞台が「ガソリンスタンド」であるところが、私的には妙にリアリティがあっていいなと思いました。相手役のお兄さんがばかでかいガマ口型のかばんを下げているのも懐かしい感じでした。
2014.10.31
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http://ysl-movie.jp/【楽天ブックスならいつでも送料無料】イヴ・サンローラン [ ピエール・ベルジェ ]公私ともにサンローランのパートナーだったピエール・ベルジェが全面協力し、財団所有のアーカイブ衣装を貸し出したというのがこの映画の売り文句でした。イヴ・サンローランはアルジェリア出身で、ディオールのアトリエに入り後継者として頭角を現します。1960年、アルジェリア独立戦争で戦っていたフランス軍に徴兵され、20日後に戦友の影響でストレスを被ったイヴはフランスの精神病院施設に収容され、神経衰弱のために、電気ショック療法を含む精神医学的な治療を受けた、とあります。映画では徴兵への葛藤、ブランドの代表として徴兵逃れができないという政治的な事情にふれられ、診断は精神病(そううつ病)とされます。見た目は非常に統合失調症体質のように見えるのですが、戦時中のことだしどうだったかわかりません。戦後、ディオールを去ったイヴは、芸術後援者で恋人のピエール・ベルジェ(Pierre Bergé)の出資により自身のレーベル「イヴ・サンローラン(YSL)」を設立、活動を開始します。以降二人三脚による快進撃と苦しみが始まるわけなのですが。☆酒と薬と男と男まあなんですよ、全編結構ホモホモ描写が多いです、そういうのがあまりお好きでない方にはお勧めできない映画でした。私も同性愛には偏見はないつもりでおりましたが、結構つらかったです(特に具体的な描写があるわけではないですが)。特に男娼のシーンがちょっと辛かったです。同性愛がどうこういうより、なんか彼らのプライドのない姿が見てて辛かったのかもしれません。☆おかん男子ピエール・ベルジェこの映画は恋人でビジネスパートナーであったピエール・ベルジェ氏の協力によってつくられており、彼からみた視点で描かれております。大体客観的で露悪的なほど事実に基づいているのではないかと思われますが、それでも氏以外の人から見たら、別の解釈があるのかもしれません。でもまあ、このピエール・ベルジェ氏というのがビジネス的にも有能ですし、非常に細かく気の付く方で、まるでお母さんのようです(笑)。会社でも一緒、家も同居。デザイナーですからインテリアにも凝っているのですが、小物も全部二つセットで買ったと言ってましたから、なにやら息をつく暇もないような。同性愛のカップルがみんなそうなのかどうかわかりませんが、たぶん違うと思います。もう少し、せめて家は別居するとかして、緩衝地帯を作ってあげてたらよかったんではないかなと思いました。愛という名の真綿で、恋人の首をやんわりとしめてたのかもわかりませんね。☆オピウムオピウム EDT・SP 30ml 【イヴサンローラン: 香水・フレグランス フルボトル レディース・女性用】彼が「オピウム」という名前の香水をリリースした時は、私はあまり覚えていませんがかなり物議をかもしたらしいです。イヴ当人が、「オピウム」という名前を使うことに強固にこだわったのだとか。これは、鶴が自分の羽根で機を織るがごとき彼のデザイナー人生にとって、重要だったのだと思います。本作のイヴ・サンローラン役のピエール・ニネは、酒や薬におぼれ、キマッた表情をよく表現しており、名演技だったと思います。☆アルジェリアアルジェリアの家は、同じ建物が何度も出てきますので、当人が所有していた本物の家なのだと思います。もっとアルジェリア独特の町並みとか色彩感覚とか、入れてもらえるとよかったのですが。パリの夜の荒廃した生活の描写ばっかりでは、見てる方が辛いです(笑)。☆ファッション財団所有のアーカイブ衣装の本物を使っているというのが本作の目玉でもあったのですが。確かに品質の良さというのは非常に感じましたが、当然ながらちょっと古臭くなっている部分もありました。私はよく考えたらブランドとしてのイヴ・サンローランはあまり好きではなかったなと。まあお金もないんですが、世代的にちょっと好みが違っているかもわかりません。以前にココ・シャネル(いくつかあるが、ブランド公認のもの)映画も見ましたが、最近おフランスでは一世代前のファッションアイコンをちょっと残酷に引きずり下ろすような映画が流行っているのかなと思います。シャネルの映画は噴飯ものでしたが、こちらは、(やっていることは非道徳的ではありますが)当人たちは非常にまじめに生きているというのが伝わってきますので、まだ救いがあるように思いました。
2014.10.31
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http://promised-land.jp/ 寂れた田舎町のマッキンリーを訪れた大手エネルギー会社の幹部候補スティーヴ(マット・デイモン)。そこには良質のシェールガスが埋蔵されており、不況に苦しむ農場主たちから安値で採掘権を買収する交渉のため同地に来たのだった。住民を簡単に説得できるともくろんでいたスティーヴだったが、思いも寄らぬ障壁が立ちはだかり……。シネマトゥデイ 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のマット・デイモンとガス・ヴァン・サント監督が再び手を組んだ社会派ドラマ。社会派ドラマとはいえ、それほど酸鼻なシーンがあるわけでなく、アメリカの田舎町の穏やかな風景が広がるなか、静かな闘争が展開されます。本当はもっと血なまぐさいのではないかと思うのですが、子供には見せられないシーンとかはないので、安心して見せられます。とはいいつつ、アメリカも田舎と都会の格差は広がるばかりのようです。日本でもそうですけど、全く違う文化の違う国があるように感じます。主人公は田舎出身で、そのことを重々承知しており、そこを逆手にとって田舎町の住人の懐に入り込み、安い値段で土地を買収してきたなかなかのやり手という設定です。映画全編を象徴するアイテムとして、主人公がはいている「祖父の代からあるブーツ」というのがあります。田舎の住民はそれをみて「いいブーツだね」とほめてくれますし、はいてる主人公のこともイイヤツだと思ってしまうという、魔法のアイテムです(笑)。実際アメリカ文化にとってブーツというのは非常に重要なものであるらしいです。ウォーレン・バフェット氏の投資の本を読んでみたことあるんですが、ブーツのメーカーについて非常に信頼のおける優良投資先の代表として誇らしげに名前をあげてありました。ひるがえって今の日本のビジネスマンにとって、祖父の代からあって身に着けられるもので、それを見たら一発で人に信頼してもらえるものってなにかあるでしょうか?靴とか服とかは、今の日本人は体格が向上してますので、三代前のものが残っていても身につけるのは無理のようです。あえていうなら腕時計とか、万年筆とかになるでしょうかね。俳優さんたちはみなリアリティある顔立ちで、よくこんなカントリー顔の俳優さんをそろえたものだと感心せざるを得ません。最初にでてきた主人公のブーツをほめる農夫の方など、広島カープのエルドレッド選手(あだ名はカントリー)にそっくりで笑えました。ときどき名優がでてるみたいで、町の入口にあるよろずやの主人に見覚えがありました。あまり詳しく書いてネタばれになってもつまらないので、これくらいにしておきます。オーナーズリーグ18 グレート GR エルドレッド 広島カープ【中古】
2014.10.31
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http://greatbeauty-movie.com/index.html『イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-』を作ったパオロ・ソレンティーノ監督の新作。これはドキュメンタリーではなくフィクションなのですが。正直、「マレーナ」以来の感動作ではないかと個人的には思いました。全編フェリーニ・リスペクトなので、フェリーニを観てない方にはわかりにくいかもしれません。でも、キリンのシーンは見てなくても楽しめると思います。最初のほうは乱ちきパーティのシーンが長くてちょっと退屈ですが、まあ我慢してご覧ください。ローマという都市の奥深さ。さらに「美しさとはなにか」というその上にある問題が開示されます。ちょっと宗教に頼り過ぎな面もありますが。できれば大きな画面でみてほしい作品です。
2014.10.31
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】ワレサ 連帯の男 [ ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ ]アンジェイ・ワイダ監督と言えば往年の名監督として名をはせた方です。ワレサ議長のことも、あまり詳しくないながらも、その人物には興味をもっていたので、期待して見に行ったのですが・・・。正直言ってちょっとがっかりな出来でした。そのまえに、「ローザ・ルクセンブルグ」などの名作を見まくっていたからかもしれませんが。なんとなく描写に深みがたりないような。あれでは、下準備までは若手にやらせておいて、重要なところだけふらりとあらわれおいしいところだけ持っていく「ぬらりひょん」(日本の妖怪)のように見えてしまいます。実際はもっといろんな苦労があったのだろうと思うのですが。奥様は実際に大変苦労をされただろうし、演じている女優さんも美人だし、熱演だったと思います。そこは評価できます。共産主義政権下では宗教は禁止されていたのだろうと思うのですが、ポーランドではそうでもなかったのか?部屋の中にはヨハネパウロ2世の写真が飾ってあったし、お子さんも沢山いましたのでカトリックなのだろうかと思いました。(しかし、宗教と政治的信念の関連性はあまりないように思いました)1~2時間やそこらでこの複雑怪奇な人物の半生をまとめようというのが、無理な相談であったかもしれません。
2014.10.31
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http://lunchbox-movie.jp/☆☆☆インドの大都会ムンバイでは、ダッバーワーラーと呼ばれる弁当配達人たちがランチタイムに弁当をオフィスに届けて回る。ある日、主婦のイラ(ニムラト・カウル)が心を込めて作った弁当が誤ってサージャン(イルファン・カーン)のもとに届く。イラは料理を通じて夫の愛を取り戻したいと願い、妻に先立たれたサージャンは久々の手料理の味に心動かされる。 インドに特に興味のない一般の方から見れば、よくある感じのメロドラマという印象なのでしょうが、いろいろな部分でひっかかる作品でした。☆まず最初にマンションの上の階に住んでるおばさんが主人公に授ける謎の香辛料がなんなのかちょっと知りたいです(笑)。インドには若い主婦は知らないようなナゾの香辛料が沢山あるんでしょうね。地方にしかないものとか。☆主人公であるイラさんは、夫の愛情を取り戻そうとお弁当づくりをがんばったり、昔の服をきてみたりするのですが、ちょっとしんどい感じをよく表現してありました。新しい恋に生きるのもいいけど、考え方を少し変えないと、また同じことを繰り返して新しい夫にうんざりされる可能性もあると思いました。☆男性の方の主人公であるサージャンよりも、そこに定年間際に後任としてやってくるシャイクという若い男のほうが、ちょっと悪魔的な感じさえするトリックスターぶりで、印象に残ります。いきなり、電車のなかで野菜切ったりしだすんですよ(笑)。あっという間にサージャンの心をとりこにしてしまい、悪い方に導かれてしまうのではないかとヒヤヒヤしましたが、どちらかというと恋の仲立ちをしてくれるのでまあよかったです。☆この作品の裏の主役である「ダバーワーラ」(弁当配達システム)。そういうものがあるということはきいていましたが、この映画でその一端を観ることができたのは望外の喜びであったと言えます。電車のなかで、配達人の皆様が歌を歌うシーンがあって、これは役者ではなく、本物の配達人さんたちを撮影しているぽかったです。どんな歌を歌っているのか知りたかったけど、流石に字幕はでませんでした。このほかに電車のなかで子供たちが歌を歌うシーンもあって、これにも意味があったぽいです。ほかにも、いろいろ深い意味のあるっぽい事柄がちりばめられている作品と感じました。(絶対に顔のでることのない)マンションの上の階に住んでる叔母さんの、部屋の天井についてる扇風機の羽根の話とか。何年か後にもう一度見てみたい作品です。
2014.10.31
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】複製された男【Blu-ray】至って普通の日々を送ってきた教師が、ある映画に自分と酷似した男が出ているのを見つけたことから思わぬ運命をたどっていく。メガホンを取るのは、『灼熱の魂』『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。キャストには『ブロークバック・マウンテン』などのジェイク・ギレンホール、『マイ・ファミリー/遠い絆』などのメラニー・ロランら実力派が集う。全編を貫く不穏なムード、幻惑的な物語、緻密な映像が混然一体となった世界観に引きずり込まれる。 主演の男性は一人ニ役で、演技力の高さを見せてくれます。奥さん(妊娠中)、愛人ともにプラチナブロンドのほっそりした美人さんで、どこから探してきたのだろうという感じで、二人とも似た感じです。画像は「蜘蛛」とか「網」を各所でフューチャーしていて、凝っています。「新世紀エヴァンゲリオン」を思わせる場面もありました。以上、いろいろ長所がありつつも、全体としてはあまり感心しない作品でした。作品の謎を解くためにリピーター割引が映画館であったのですが、正直そう何べんもみるほどでもないような(苦笑)。不吉で不穏な映像美を楽しむための作品のように思います。
2014.10.31
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】観相師 -かんそうしー【Blu-ray】15世紀の朝鮮王朝に起こった史実を基に、人の顔を見るだけで性格から寿命までわかるという「観相」が絡んでいたという創作を交えた歴史ドラマ。図らずも政府に入り込んだ天才観相師が政府の覇権争いに巻き込まれていく様子を描きだす。主演は、『JSA』などのソン・ガンホ。『オー!ブラザーズ』などのイ・ジョンジェ、『建築学概論』などのチョ・ジョンソクらが共演する。先帝の弟が現王である甥を殺して帝位を奪うというのは、実際に歴史上にあった事件のようです。しかしそれ以外は架空の話なので、ちょっと深みにかける部分はあります。しかし、役者さんはみな演技が達者なので、見る価値はあります。特にコメディ部分は秀逸です。今の日本では演技のできる人を複数集めるのは難しいでしょう。話のテーマ上、「顔の相」というものが重要なポイントになってくるのですが。今は特殊メイクでいろんな顔をこしらえることができますが、やはり俳優さんだけあって、もとがいい顔なんですよね(苦笑)。いくら逆賊の顔をこしらえても、やはり基本はいい顔なんだなあと、妙な所に感心しました。世間にはもっと悪相の人がたくさんいますわね。
2014.10.31
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】マダム・イン・ニューヨーク [ シュリデヴィ ]自分の価値を認めてもらえない専業主婦が一念発起し、英語が苦手というコンプレックスを克服して誇りと自信を取り戻していく姿を描いたインド製ドラマ。専業主婦のシャシは、2人の子どもと忙しいビジネスマンの夫サティシュのために尽くしてきたが、事あるごとに家族の中で自分だけ英語ができないことを夫や子どもたちにからかわれ、傷ついていた。ニューヨークに暮らす姉から姪の結婚式の手伝いを頼まれ、渡米したシャシは、「4週間で英語が話せる」という英会話学校を見つけ、姉にも内緒で英会話学校に通うことを決める。結論から先に申しますと、なかなか面白い映画だったです。主人公のシャシを演じるシュリデビさんは、往年のボリウッド映画の大スターだった方のようで、ものすごい美人だな~と、私でなくても皆さん思われると思います。この映画では結婚式以外では踊りのシーンはあまりないのですが、最後の「メイキング映像」のコーナーで、昔とった杵柄をちょっとみせてくれます。この超美人がインドの民族衣装をきてニューヨークの街をすたすた歩く姿はすごく魅力的だと思います。男なんかは地引網でもひくようにひっかかるでしょう(笑)。この美人が英語ができないということで、インドではうっ屈した生活を送っているわけなんですが。正直、インドと日本では(地域差などもあるでしょうが)生活における英語の重要性がまったく違うようです。公用語が英語で、子供の学校の面談に行くにも何をするにも英語ができなければ他の地方出身のインド人同士でも会話ができないのですから。しかも、主人公の夫は外資系にお勤めで、夫人同伴のパーティなんかも結構あるらしいです。主人公の夫は超多忙で、公私にわたって奥さまのサポートが必要なのにもかかわらず、奥様に英語を勉強させようとはせず、ただ言葉でからかうだけ。奥さんに対して屈折した愛情をもっているらしいということが、俳優さんの演技や表情なんかから伝わってきます。そういう意味では名演技なのだと思います。そんな感じで、苦虫をかみつぶしたような顔をしていますが、最後の結婚式のシーンでは、この人が急になにかのタガがはずれたような感じで踊りだすので、びっくりします(インド映画おそるべし)。正直インドにいても、英語を勉強するための教室とか講座とかはいろいろあるんだと思うのですが。まあとりあえず、主人公は姪の結婚式の手伝いのためにアメリカに行き、そこで思い立って英会話教室に通いだすのです。あちらの英語教室は、いろんな人種・世代・仕事・背景の方がいて、非常に楽しいです。そのへんはま・く・ら [ 柳家小三治 ]という本を思い出しました。最後はおちつくところにおちつくという感じで終わります。気になったことは、インドはいまだに星占いで結婚相手を決めることが多いと聞いていましたが、このご夫婦は恋愛結婚だったという設定のようです。あと、インドの結婚式はものすごくお金がかかるらしいのですが、姪ごさんの結婚相手の人(アングロサクソン系でしたが)はインド式の結婚式をわざわざなさって、お金持ちだな~と思いました。
2014.10.30
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家族の灯り★PAL盤DVD!年前に失踪した最愛の息子の帰りを待ちわびながら、薄給で家族を養う年老いた父の痛ましき姿と、失踪の秘密を知る父以外の家族・・・サイレント期の名作や絵画を髣髴させる構図で家族の絆を描いた、巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ★の傑作!・・・と、とおりいっぺんに見れば、そういう話なのですが、じつは裏があって、非常にふざけた作品です(苦笑)。あまり具体的にここに書くとネタばれになるのでやめますが。話の途中で失踪していた息子が帰ってくる。その息子さんがなにやらこのお父さんの息子にしては若すぎるので、カンのよい方にはわかってしまうと思います。原題は「ジェボとその影」です。監督マヌエル・デ・オリヴェイラは1908年12月11日生まれだそうですので、もう100歳すぎているのですが。100歳すぎてもこんなふざけた作品をつくる元気があるのだから、まあ結構といえば結構ではあるし、周囲の人も止めればいいのにとも言えますね。映像的には上記の説明にもあるとおり、うす明りで構図とかにも凝ってあり、古今の有名な女優さんを意味もなく!使ってあります。最近は古今の有名な女優さんを意味もなくつかって、ふざけた作品を撮るのがお好きなようです。『永久の語らい』なんかひどかったです(苦笑)。
2014.10.30
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バルバラ・スコヴァ主演女性革命家ローザ・ルクセンブルクの半生を綴った伝記作品http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=529 『ハンナ・アーレント』と同じ、監督マルガレーテ・フォン・トロッタ&主演バーバラ・スコヴァ、のコンビでお送りする歴史大作です。というかこちらの作品の高評価があるから、『ハンナ・アーレント』もあれだけ評価されているのだと思います。こちらのほうが、ドラマ的には盛り上がりもありますし、ロケ・衣装なんかも気合が入っています。ローザ・ルクセンブルクが切り絵作品を作っていたということを私は魯迅のエッセイか何かで知ったのですが、それも映画の最後にでてきます。女史のそういう女性的な細やかな面も大切に作ったという話です。
2014.10.30
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[Blu-ray] ハンナ・アーレント1960年代初頭、何百万ものユダヤ人を収容所へ移送したナチス戦犯アドルフ・アイヒマンが、逃亡先で逮捕された。アーレントは、イスラエルで行われた歴史的裁判に立ち会い、ザ・ニューヨーカー誌にレポートを発表するが・・・。というような内容です。映像的には、ハンナ・アーレントが裁判を傍聴し、レポートを書き、内容に驚愕・反発する世論や親しい人々に対応するという、やや地味な作品でした。アイヒマンの映像は当時のフィルムがつかわれており、そっちのほうがなんというか映像的には希求力があるというか衝撃的というか・・・うわあという感じでみてしまいます。アーレント女史が書く論文よりも、あの映像のほうが何倍も何かを物語っているかもしれません(苦笑)。あとちょっと気になったのは、ハンナ・アーレントが師事していたハイデッガーと関係をもつシーンで、若いころのハンナアーレント(女優は別の人)が妙にスケスケなブラウスを着ていまして。あれでは積極的にハンナアーレントのほうから誘惑した印象を与えても仕方がないので、どうなのかなとちょっと気になりました。アーレントの秘書役のユリア・イェンチさん、かわいい人で、見たことあるなあと思っていましたら、『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』(05年)で主演ゾフィー・ショルを演じていた人だということです。(2014.2.25)【新品】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告 新装 ハンナ・アーレント/〔著〕 大久保和郎/訳
2014.10.30
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ジョン・カサヴェテス・レトロスペクティヴシリーズは、このほかにも何作かあったのですが、当時体調を崩していたので2本みるのがやっとこさで。残念なことでした。http://www.zaziefilms.com/cassavetes/サイトにいったらブログパーツがありましたので貼っておきます。さて、この作品についてですが。正直言ってあまり意味がわからないというか、意味というものをわからせるようにつくってないというか。当時はこういうアバンギャルドなものが流行ってたのだと思います(苦笑)。主人公は場末で小さいストリップ小屋を経営していますが、ある日意味もなくカジノに行き、大損をしてしまいます。借金を帳消しにしてやるから、チャイニーズ・ブッキーといわれる競馬の大元締めを殺してこいといわれ、なんとなくそこに行き、警備のそこそこ厳重ななか、チャイニーズブッキーをさらっと殺してかえって来ます。まあ筋だけ書けばそういう話ですが。主人公を演じるベン・ギャザラという俳優さんはかなり知的な雰囲気もありますので、その人が意味のない行動をひょうひょうと続けるさまは誠に異様な感じを見る側に与えます。それに、小さいとはいえ、まがりなりにもストリップ小屋を経営しているような人が、そう簡単にカジノで大損などするのもおかしいような。つっこむところは沢山あるのですが、とにかく、彼は自分のストリップ小屋、そこの女優さんたち、自分の小さな世界を非常に大切にしているんです。これがこの作品のポイントかなと思います。女優さんがたは場末にしては、若くて美人が多いです。もう少し年いってたほうがリアリティはあったかもしれません。
2014.10.30
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ジョン・カサヴェテスはアメリカの俳優兼監督で、奥さまはこの映画にもでているジーナ・ローランズです。http://www.zaziefilms.com/cassavetes/この映画は監督自身の母親をテーマにした半自伝的な作品で、主演はジーナ・ローランズです。お母さんは、こういっては何ですが平野レミさんをもう少し重度にしたような感じ。ちょっと神経にきてはいるようですが、おそらく精神疾患とかではないと思います。もう少し理解があってゆるやかな土地柄であれば奇妙ではあるが楽しいお母さんで生きていられたのかも。しかし、一家が住んでいる田舎の鉱山町ではそうはいきませんで(苦笑)。狭い土地だし、ちょっとでもへんなことをしようものなら、すぐ町中に広がります。父親(ピーター・フォーク)は仕事場でも現場の長であるので、奥さんの世話と子供の世話と仕事にフルはさまれしつつ、自分のできる努力をしようとする姿が感動的です。ピーター・フォークは刑事コロンボ以外の作品はあまりみたことがなく、他の映画とかでも「刑事コロンボ役」で出ることが多いのですが。この作品では、少々疲れた感じの現場監督&よい父親の役がはまっていて、コロンボのことなどは思い出さずにすみました(笑)。子役に対する対応がやさしくて、この人はほんとに子供好きなんだなというのが伝わってきます。ジーナ・ローランズは普通にみるととても知的な感じの女優ですが、本作ではかなり破天荒でめちゃくちゃな、でも自分のできるだけはよい母親でありたいと努力をする女性を熱演しています。実生活でも義母にあたる人だったのだから、いろいろ個人的には思うことがあっただろうとは拝察しますが。さすがプロフェッショナルという感じです。なかなか普通の方にはお勧めしにくい作品ですが、家族のために子供のために、自分のできることをせいいっぱいやる家族の姿が、今時ばなれして感動的な作品ではありました。
2014.10.30
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【送料無料】乱菊物語 [ 谷崎潤一郎 ]映画のDVDは出てないようです、すみません。主演:八千草薫 池部良 という豪華なメンバーの時代物です。応仁の乱のころという設定ですが、なんといってもとんだマジック・リアリズムの作品ですので時代背景とかは余り細かく考えない方がいいです(笑)。なかなか荒唐無稽で、面白かったです(褒め言葉です)。同じようなテーマでも泉鏡花とかだと人間社会への批判など入り、ちょっと説教くさいんですけど、こちらはそういうことなく、ドライな感じがよろしいです。池部良さんはあまり超越イケメンというわけでもなく、骨太な感じで好感がもてました。(この時代の日本映画は岡田英治とかの超越イケメンがでてきてちょっとどん引きします)しかし、脚本的に、かれが身一つで敵陣に乗り込むのはいかがなものかと思いました。なにも策もないのに大の男が敵陣に乗り込んでって頭を下げれば状況がなんとかなると思っているなら、それは少々おバカさんであるといわざるをえませんね。せめて女装くらいはしてほしいものです(笑)。八千草薫さんは(今もかわいい方ですが)若いころもかわいいとしか言いようがありません。しかし、この役はもう少し芯のつよそうな感じの女優さんのほうが向いていたかと思います。作品的にはなかなか魅力的なヒロインですが。谷崎潤一郎原作のスラップスティック&マジックリアリズムな作品、おもしろそうであると思われる方はどうぞご覧ください。
2014.01.24
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【送料無料】木下惠介生誕100年 香華〈前篇/後篇〉/岡田茉莉子[DVD]正月早々から3時間もある日本映画の大作、消耗しました。前後篇にわかれているので、休憩をいれてほしいです(苦笑)。いわゆる「女の一生」ものです。岡田茉莉子さん、私が物心ついたころにはもうちょっと「コワい顔」になっておられましたが。流石にお若いころは綺麗ですね。しかしちょっと外国人の系統がはいっているので、よくみると芸者姿には違和感があります。ほぼ20代から60代くらいまで一人で演じておられますが、本当に熱演で、頭が下がります。芸者って毎日酔客の相手をしなくちゃいけなくて大変な仕事ですね。私だったらあっというまに体を壊して死んでしまいそうです。それより、そのお母さん役の乙羽信子さんが、役柄的にも演技的にも、興味をひかれます。なんというか、いうたらひじょうに「現代的」なんですよね。快楽主義者で、神仏などは信じないし、男がいないと始まらない。綺麗な衣装、おいしいものが大好きで、退屈には耐えられない。いまの時代だったら、中学生くらいから援助交際とかして、ぶいぶい言わせられたんじゃないでしょうか。こちらもある意味汚れ役であり、大変な熱演であります。お母さんのほうは、男をいろんな意味で頼りにしすぎであり、娘さんのほうは神仏に依存しすぎであるように思いました。どちらも正直、あんまり頼り過ぎてもええことない気がします(笑)。娘さんのほうはある意味その時代、水商売関係の方としては頂点を極めたといっていいと思うのですが。若いころから置き屋の女将さん、パトロンになってくれる旦那さんといった方々に恵まれ、心を入れてもらって育っていて、お母さんの方はそういう娘を内心羨ましく思っていたかもしれないのですが。当人としては(真面目な方にはありがちなことですが)そういった自分の幸運には満足することはなく、これからも生きていかれるという、こういう一昔前の文芸物にありがちなお話でありました。今は、人間がドライになってますから、一代で資産を築く女傑というのは結構おられると思いますが。それを映画化しても、あんまり映画としては面白くないというか、女優さんたちとしては演技を見せるところがないかもしれません。
2014.01.18
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http://www.u-picc.com/seediqbale/・・・ 映画『セデック・バレ』は、“文化”と“信仰”の衝突という視点で「霧社事件」を描いた、4時間36分に及ぶ歴史超大作である。1930年、日本人警察官との間で起こった小さないざこざが原因で発生した原住民による武装蜂起、日本統治時代後期の最大規模の抗日暴動が「霧社事件」である。実は私の父親一家も一時期台湾に移民してたことがありまして。あんまり長い時期ではなかったようだし、多分時期的に霧社事件の後だったんだろうと思いますが、そんなことで興味があって見に行ってみました。レディース・デーだったにもかかわらず、お客もおじいさんが多かったですね。主人公モーナ・ルダオの若いころから、霧社事件の後までが描かれます。第一部『太陽旗』;日本統治が及ぶ前のセデック族というのは、いわゆる首狩り族で。首狩り族にも、たまーに(成年の儀式とか)しか首を狩らない所もあるようですが、セデックは割に狭い範囲でしょっちゅう縄張り争いを細かくやっていて、人の首も縄張りも取ったり取られたりをこまめにくりかえしていたようです。人の首をとらないことには男として認めてもらえないようだし、死んでも祖先の待つ家に入れないらしいから、徹底してます(笑)。なんというか、非常に「ヤクザ」の論理に類似している、と感じました。そう思うのは私が女だからであるかもしれません。実際映画でもあとのほうで男性側論理と女性的論理の対立というのは少し描かれます。近代人の考え方からいえば「蕃族」ということになってしまうんですが、そうかといって独自の文化をないがしろにされたり、過酷な労働と服従を強いたりしては反発を受けるのも当然で。小さないざこざが原因で「霧社事件」が起こるのも仕方のないことかと思います。第二部『虹の橋』;ここでは男性側論理から「霧社事件」を再考してみたいと思います。武装蜂起の準備~実行の経緯をみてて、非常に「ベトナム戦争」に近いものを感じました。高温多湿なアジアのジャングル、急峻な地形、原住民のすばやい移動。日本軍が業を煮やして毒ガス弾を使ってくるのも、似てるといやあ似てます。総じていえば、大した補給もないなか、モーナ・ルダオおよび蜂起軍はよくがんばったと思います。しかし、準備期間は相当あったのだから、やろうと思えばもっとやれたんじゃないかとも思います。結局、最初から勝とうと思ってないというか、圧倒的戦力差があるなかで、何をもって勝ちとするのか、目標が明確でないのがよくなかったですね。私の考えでは、日本軍の支配の網目をくぐって「セデック族の子孫・文化、考え方を存続保存させる」いうのが、一番の勝利と思うんです。女性陣がみんな首くくって自決した時点で、もう実質「負け」だと思ってしまう。近代人の発想かも知れませんが。そのためには・時間をかけて遠くの部族にセデック族の女性・子供を少しずつ預かってもらう。何だったら海外にだしておく。そのためには、日頃から女性陣の教育をきっちりしておく必要があるし、協力してもらう部族には自分が出向いて直接ご挨拶・説得もしないといけない。だいたい他部族の説得を若い子に任せたのが敗因の一つではありましたね。・日本軍の警察に入っているセデックの若者が2人いたんですが、彼らをあまり活用せず、すぐ自決させたのももったいなかったですね。電話回線をのっとって日本軍をかくらんするとか、すこしはあってもよかった。ほかにも自分とこの補給の問題、日本軍の補給路の問題など色々あるかと思いますが割愛します。とにかくセデック族はやたら自決したがる。これが日本軍の薫陶を受けたからなのか、もともとの彼らの伝統の中にあったのかは気になるところです。映画について;☆日本人の美術スタッフを連れてきたそうで、セットから衣装まで、日本人観客が見ても違和感のない、大変結構なものに仕上がってました。漢字の間違いもなかったし。衣装も、どこのデパートで買ってきたのかというような結構な大島紬とかを普段着としてきておられました(笑)。大島とか麻とか、当時の普段着は今は結構なお値段するものになっていますね。☆松本実さん蜂起のきっかけをつくった日本人警察官吉村を演じておりましたが、いかにも日本にいがちな肝の小さい小役人を演じて秀逸だったです。名演技!☆安藤政信さん最近あまりお見かけしないので、この映画で見てちょっとびっくりしました。ちょっと気味が悪いほどのイケメンさんなので、日本ではなかなか使われにくいのかもしれませんね。家族を殺され、だんだんと狂気に入っていく今回の役は、結構はまり役だったと思います。以上です。長文御容赦ください(実質映画二本分あるので)《新人物往来社》ボー・グエン・ザップ 奥源造編 野波勝三郎訳ボー・グエン・ザップ 人民戦争論 【中古】afb
2013.07.21
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http://bollywood-4.com/index01.htmlインド映画です。インド人の数学力の高さというのはよく言われて、近年はコンピューター産業が次々インドに進出し・・・という話ももう皆さまお聞きおよびと思います。その裏側にはインドの超学歴社会というものがあり、それがこの映画の背景になっているのですが。舞台になっている大学は工科大学ということなのですが、なにやら「インドで一番」なのだそうであります。何が一番なのか、就職率?入学時の倍率?学科の難易度?私も気になりましたが、とうとうなにが一番なのかは明らかにされることはありませんでした。工学の世界でとにかく何でも「一番でないといけない」のは国際的な風潮なのかもしれません。「二番じゃダメなんですか?」とか言ってちゃいけないみたいです(苦笑)。まあ単科ではありますがそういう大学に天才がきて、いろいろ学長をからかったりして騒動を巻き起こすというお話です。結論から先に言えば、今の私は昔ほど「教育」に幻想をもとめてはいません。ですから感動も中くらいだったです。「窓際のトットちゃん」に似た教育論のお話でもあると思います。そうはいっても、学生時代のハチャメチャぶりは徹底的で、やりすぎな感もあるくらいです。ああやって良くも悪くも徹底的!にやるのはインド映画的ですね。学生さんたちも、工学部の学生にしては皆さん体格がいいなあと思って最初は見ていましたが、あれは皆さん相応の俳優あるいはダンサーなのでしょう。一見めちゃくちゃっぽいダンスのほうが、ちゃんとしたダンスより力量を必要とされそうです。あと思ったこととしては;・この作品の影の主人公はヒロインのお姉さん。あのお父さんの娘にしてはずいぶん話のわかる方です。・ヒロインと結婚しようとするフィアンセの人。工学部出身なのに銀行員になったといって主人公に非難をされておりましたが、(私にも実際そういう知り合いがいましたが)それだけでその人の人格まで否定するのはちょっと行き過ぎかなあと。実際、何年待ってもヒロインと結婚しようとしていましたし、彼も彼なりにヒロインを愛していたのかもしれませんよ。そんなこんなで教育論的なことに興味はなくても、力任せにガンガン笑わせようとしてきますので、笑いに飢えているかたはぜひどうぞ。宇宙でも書ける!スペースペン!フィッシャー 【キャップアクション】 スペースシャトル【宅配便専用】カメラのメンテナンスに最適なブラシ着脱式ブロアー LB-01 ブロワー【あす楽対応】
2013.07.11
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公式サイト;http://www.uplink.co.jp/monsanto/http://youtu.be/PO7RmRVZs6Aこの映画は、県の保険医協会様が、無料の上映会を開いていただき、見ることができました。直接、医薬品にからんだ話ではありませんが、色んな団体がTPPに反対しているのだということだと思われます。映画ですが。モンサント社というのは、除草剤ラウンドアップ+ラウンドアップ耐性の遺伝子組み換え植物のコンボで世界の食糧生産を牛耳ろうとするアメリカの種苗会社です。前からモンサントについては興味をもっていましたので、知っていることも多かったのですが、知らなかったことも多かったので、ここに書いておきます。☆PCB これがモンサントの製品だということを知らなかったです。☆遺伝子警察 モンサントでは、自社の作物を栽培している農家の近くで、同種の作物を栽培する&自家で種をとって翌年栽培することを禁止しています。そしてそれを監視するために自前で探偵等を雇って「遺伝子警察」なるものを組織し、取り締まっているそうです(苦笑)。まるでナチスのSSのようです。☆伝統的植物に対する遺伝子組み換え植物による遺伝子汚染 一番ゆゆしき問題と思ったのは、既存の植物に対するこの問題です。メキシコの奥地にしかないとうもろこしの原種の遺伝子を分析すると、すでにモンサントの遺伝子組み換え植物のDNAに汚染されていたそうで、その研究が科学誌に掲載され、センセーションを呼んだそうです。メキシコは、この件でモンサントを訴えてもいいのではないかと私なんかは思います(笑)。いったん汚染された原種のとうもろこしのDNAを元に戻すのは限りなく不可能か、ものすごい手間がかかると思われますので。私が以前「グランドカバー植物」に関するアフィリエイトサイトをやっていたことは、御記憶いただいてる方もあるかと思います。子細あって三月でやめたのですが、こうTPPが問題になるなら、無理してでも続けるべきだったかと思わないでもないです。まあ続けていたところで、モンサント社に対して大したインパクトになるとも思えないですが。せめてものお願といたしましては、この記事がお目にふれました方には、自分の食べるもの、園芸をなさるかたならその種の素性などに少しでも意識をむけていただければ、幸いでございます。
2013.04.27
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【送料無料】戦場のメリークリスマス [ デヴィッド・ボウイ ]先般大島渚監督が亡くなったので、遅ればせながらこの映画を見てみました。正直今までは見たことがなかったのです、ホモホモ映画だと思ってたので(爆)まあ確かにそういう要素もしっかりあることは否定できません(苦笑)。しかし、これってもっときちんとしたキャスティングにしたら、もしかしたら大名作になったのではないでしょうか。そういうファクターも確かにあると感じます。☆舞台どこかの南国の島の、廃墟になった教会のようなところでロケをしているみたいです。☆トム・コンティさん、ジャック・トンプソンさんミスター・ローレンスを演じるトム・コンティさん、イギリス側の捕虜長を務めるジャックトンプソンさんなどはさすがの名演技。ちゃんと日本の文化をリスペクトしてくださってることも感じるし、こちら側だけ見てたらほんとに名画の香りすら漂います(笑)。この映画のテーマは、冒頭当たりにミスターローレンスが言う「我々が正しいのではなく、日本軍が間違っているのでもない。我々は両方間違っているのだ」といった台詞にあるのだと思います。ですが、現代に生きる日本人である私からみて、どうみてもこの映画のなかの日本兵の行動様式は「クレイジーである」としか言えないですね(苦笑)。戦争だからクレイジーなのか、もともとクレイジーなのかはわからないですが。おそらくその相乗効果でしょう。ほっぺにちゅーされたくらいで逆上するのもどうかと思います(笑)が、まあそれはよしとしましょう。☆デヴィッド・ボウイ本職の俳優ではないはずですが、それほど下手ではないというか、わりとそつなくこなしておられます。この役の場合、なぜそういう行動をこの人がとるのか、幼少期にさかのぼってわりと詳しく映画のなかで説明されていますので、本人も役をつかみやすかったのかもしれません。☆ビートたけしこの当時はこの人にも演技の素養などなかったと思うのですが、まあ台本に書いてあること、監督に言われたことはある程度こなしている、という印象です。ただ、それ以上のことはできていない。役に深みはありません。たとえば、この人はもとは破戒僧という設定だったらしく、常に数珠を身につけており、酒びたりです。一応仏教にたずさわるものとして、戦争を、人の命を、クリスマスの風習をどう考えていたのか、とかそういうことは一切考えていないようすが伝わってきます。☆坂本龍一演技は本職ではなし、台詞は英語がほとんどで負担は大きかったとは思いますが、これはあまりにもひどい(苦笑)。変なメイクもあいまってとても見るに耐えません。ご当人のもつ雰囲気とか顔とかは役にあってたと思うので。もうちょっと時間をかけてでももっとそれなりの演技をしたらよかったのに~。残念ですね。本職であるテーマ音楽はすばらしいですけどね。しかし、日本じゃへっぽこアイドルでへっぽこ映画撮るってことは昔よくありましたが、海外ではこの演技では通用しなかろうと思います。
2013.02.08
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[DVD] イノセンス数年ぶりに見させていただきましたが、こちらの感想はあまり変わりませんでした。バトウさんが寂しいだけの映画ですね(笑)。そして、私はまだバトウさんの寂しさを十分に理解できるほど年をとっていないのだ、ということがわかりました。バトウさんの孤独に共感しきれないまだ若い者としましては、お話の本筋は前作の「攻殻機動隊」のほうが面白いと感じます。本作のほうが音楽、映像も素晴らしいし、凝ってはいるけれども。☆空虚感一因としては、ロクスソルスという会社に、殆ど生きている人が見当たらない、ことがあげられるのではないでしょうか。(竹中直人演じる)キムという男も、工場内ででてくるガードマン?の皆さまも、外部から雇われているに過ぎない。唯一、工場の出荷検品主任と言う人(名前も忘れた)が本社の正規雇用者だったのでしょうけど、死んでから発見されますし。誰が何のためにやっているのかわからないまま話が終わるので、空虚感が残ります。それが狙いなのかもしれませんが。やはり、人間の脳というものは、生きて動いているものを認知しやすいらしく。ずっと人形に入って死んだふりをしているキムという男よりも、ちょっとだけしか出てこない、”鑑識のおやっさん”とか、地元警察のハラウェイさんとかのほうが印象に残ります。竹中直人は結構はまり役だったと思うのですが、そんなこんなであまり印象に残らなかったのは残念といわざるをえません。☆仏教要所で仏典からの引用がでてくるのですが、今のところではどうもあまり仏教とはあまり関係ない内容のように思えます。ただ、人形祭りのシーンで、群衆の中で中年の眼鏡をかけた僧侶が一人意味ありげに描写されています。この人のことがちょっと気になります。☆黄泉路ユーチューブの動画を貼りましたが、この曲を聞く限りでは、どうもこの映画を撮った人は「他のだれかと融合して精神だけの存在となり、ネットの世界に浮遊する」ことはイコール「黄泉路をたどる」ことと同義である、と示唆しているように思われます。私個人としては、ネットの中も娑婆も、同じ人間がやっていることですから、大して変わらないと思っています。だから別に積極的に「精神だけの存在になってネットの世界に浮遊する」ことに魅力を感じないのですが。身体を失った精神だけの存在は、そのうちよりどころを失って消えていくものかもしれませんね。CDからリッピングされた音楽が、容易にパソコンや音楽デバイスから削除されていきがちなように。☆ワーカホリックまあでもああやっていちいちバトウさんを見守って、適宜助け船をだす素子ちゃんは、ちょっとワーカホリックだなあとも思いました。せっかく激務から解放されたんだから、仕事のことは忘れればいいのに(笑)。断片的になりましたが、今回はこのくらいで終わりにしときます。追記;CDこうてもた(笑)。 イノセンス サントラあんまり歌詞の内容が縁起がよくないので(笑)、購入をためらってて、聞きたくなったらユーチューブで聞いて我慢してたんです。でもなんとなくこの世界にひたりたくなったのか、買うてしまいました。自分が書いたこの記事も、久しぶりに読み返しましたが、なかなかちゃんと分析しとるやん、と思いました(笑)。この作品の特徴は、緻密なパーツを集積して、巨大な「空虚」を構築しているところにありそうです。CDの音楽を聞いても、そのように思います。なぜそのような作業を、なんのためにやっているのか、わからないですけど。たぶん、確実になんらかの意図があってやっているようです。「攻殻機動隊」シリーズの一貫したテーマである「進化したコンピューターと人間の精神との違いはどこなのか」「肉体を捨ててインターネットのなかで、精神のみの存在として生きること」については、ほぼ新しい回答らしきものはしめされていないように思われ、それが私にとっては不満なんだと思います。代わりにバトウさんの孤独だけがどさっとおいていかれる。いつも愛情を与える相手を探している優しいバトウさん。私はバトウさんのファンだからこの作品わりと好きですが、そうではない人には辛い作品かもしれません。
2012.12.24
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[UMD] GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0何年かぶりに「イノセンス」とともに、再視聴する機会がありましたので見てみました。大きな変更点として、メインのキャラである「人形遣い」の声が、男性から女性のそれに変更されていたので、それによって感想も違ったものになりました。男性のときは、「あ~まぁた素子ちゃんが変なオトコにちょっかいだされてるわ~」で解釈が終わっていたのですが。女性になると、なぜこの人(?!)は結合あるいは融合相手に草薙素子さんを選んだのか?ということから考えを始めなくてはならなくなります。でもって、正直その声が、「イノセンス」冒頭で長セリフを吐く地元警察のハラウェイ検視官のそれにそっくりなので、またハラウェイさんが言ってたこともおのずと考え合わされることになってきます。このシリーズのテーマの一つとして「機械と人間の違いはどこにあるか」というのがあると思うのですが。本作の「人形遣い」も「イノセンス」のハラウェイさんも、「機械と人間の違いの一つは、生殖行動によって、自らの遺伝子の一部をバラエティ豊かに増やしていけることにある」ということをいいたいらしいのです。逆にいえば、生殖行動ができない存在は、存在意義がないに等しい、ということを言いたいみたいなのです。数年前、石原慎太郎が「生殖能力のなくなったババアは早く死ぬべき」的なことを放言して物議をかもしていたことがありました。私は政治的にも人間的にも石原氏のことが好きではありませんので、このときは半笑いで聞き流しておりましたが。しかし、これはこの世代の男性たちの「本音」なのかもしれないなあ、と今回思いました。もちろん他人に向かって放った言葉の矢は、自分に向っても返ってくる。年をとってもいつまでも愛人に子供を産ませる男性などというのもたまにおられるようですが、まあ大体の男性は年とともに生殖能力も衰えてくるというのが相場と思われます。そうしたら、死ななければならないということになりますねえ。今の日本の壮年男性の自殺率の高さは他の世代に比べて飛びぬけています。その原因のなかに、もしかしたら生殖能力の低下ということもあるのかもしれないな、と思ったりしました。翻って、女性は、別に生殖能力がなくなったからといって、死ななきゃならないというようなことは思いません(笑)。バアサンになっても、亭主に死に別れても、(内心はどう思っておられるかわかりませんが)割合楽しそうにしておられます。女性の経営者、企業家の方々も倒産の憂き目にあうケースは沢山あるようですが、不思議と誰も自殺はしないという話もよく聞きます。草薙素子さんは非常に男勝りの性格で、今は全身サイボーグですが、まあ一応自分が女性であるということにアイデンティティは持っているらしく見えます。あまり後世に自分の遺伝子を残すということに興味なさそうに見えますが、このときの「人形遣い」の誘い文句自体はどのように受け止めたのか、ちょっと興味はあります。■ウイスキー■オールド・パークラシック 18年 46度 750ml
2012.12.24
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公式サイト:http://www.iranshiki.com/【送料無料】家庭で楽しむペルシャ料理 [ M.レザ・ラハバ ]この本を事前に読んで、いくつか実際に作ってみたこともあって、この映画は楽しみにして行ったのですが。正直ちょっと期待していた方向とは違っていたです。実際には、イランの主婦たち幾人かの料理風景をドキュメンタリー風に撮って、現代イランの社会・結婚・食料状況を描こうという試みです。その志は結構なんですけれども(苦笑)。そうですね、まずあんまり料理そのものをあんまりきちんと撮ってくれないです。こっちはどんな料理ができているかなと思って興味しんしんで見ているんですけども。カメラが固定されてて、全然寄ってくれない。小津安二郎かっつーの。イラン(ペルシャ)料理というのはおいしいですが、ものすごく手間がかかる。5時間くらいかかるのが普通らしいです。上記の「家庭で~ペルシャ料理」の本は男性が作ってるし、日本人向けに書いてあるのでそれほど時間のかかるレシピはありませんでしたが。家族の人数も多いし、たらいくらいの大きさの器で米をといだり野菜をゆでたりと、体力的にも大変のようでした。当然、現代の社会情勢にはそぐわないわけです。若い人たちも、アメリカ、イタリア風のファストフードみたいなものを食べたいとか言ってます。年配の女性がたは、「あんなものは何が入っているかわからない」といいながら、伝統的なイラン料理を作ってます。アメリカに対する政治的警戒心や抵抗がはいっているのかもしれませんが。こと料理に関しては、その心配は当たらずといえども遠からず、かもしれません(笑)。一方、若い女性たちは、キャリアウーマン(監督自身の妻)だったり、子育てしながら大学に通ったり(監督の妹)と、他国同様に結構忙しい日々を過ごしているのですが。それでも五時間かけてご飯を作ったり、缶詰スープをお客様に出したりして、夫に非難されたりしています。でもって、映画の終わりには、「妻と自分、妹夫婦は○月に離婚した」みたいなキャプションがでます。この映画を作ったことは、何の問題解決にもならなかったのか?離婚への過程を加速しただけだったのか?離婚するなとはいいませんが・・・なにかもっと考えて、解決策を模索するとかすればいいのに~。ちょっとこのへんはなんだかな~という感じの映画でした。
2012.11.29
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映画の公式サイトhttp://bitters.co.jp/nipponnouso/index.html【送料無料】ヒロシマの嘘 [ 福島菊次郎 ]写真家・福島菊次郎さんの半生を描いたノンフィクション映画です。今90歳以上になりますが、山口県柳井市にて年金・子供の援助もすべて断って一人暮らしされているそうです。同県下松市の網元の家生まれ。戦時中徴兵されたときに、紙一重で広島から部隊ごと移動し、原爆の被害を逃れましたが、その時の惨劇をみてカメラをとりにもどり、撮影を始めたそうです。その後、原爆→公害→安保紛争→三里塚と、時代を象徴する政治紛争を撮影し続けてこられました。その間当局との戦いがいろいろあり~の、奥さんと離婚し~の、無人島に愛人と移り住んで自給自足の生活を始め~の、それをまた当局に妨害され~の、といった波乱万丈の人生を送ってこられました。最後、福島原発周辺の立ち入り禁止地区にいって、現地の方と話をしたり、警備のお兄さんをおちょくったりしていますが、あくまで原発問題はつけたし程度です。☆使用機材について機材はだいたいニコンのようです。最後に福島にいったときは一番軽い(安い)機種のニコンのデジタル一眼+マニュアルの古いレンズ(50mm)をつけて撮っておられたようです。全共闘時代は、600mmくらいの大砲のようなレンズも使っておられたようで、なかなか迫力のある写真が撮れていました。機材もさることながら、紛争当事者の内部に潜入することによって、内部の者にしか撮れないリアリティを追求するのが菊次郎さんの一貫したスタイルだったようです。テクニックとしては、ノーファインダー。カメラを正面から構えると相手が警戒しますから、カメラを後ろに回したまま後ろ手でマニュアルレンズのピントを合わせ、相手に知られないように撮影するという。まあ撮られるほうはたまったものではありませんが、さすがプロだなあと感心させられました。☆感想菊次郎さんお若いころは桂米朝の目をさらにかわいくしたようなかなりのイケメンで、これはさぞモテたであろうなと思わざるをえません。あと飼い犬の柴犬・ロク(11歳)がかわいい。菊次郎さんがソファに座ると、その隣にすすっと乗ってきてかわいいしぐさをしやがって、観客のハートをわしづかみです(笑)。また、このイケメンで優秀で、当局と戦い続ける根性の人でもある菊次郎さんでも、歳は取るわけで、そのさまもつぶさに見せられる映画でもあります。人が老いるということはどういうことか、ということも考えさせられました。
2012.11.24
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(C)2012「テルマエ・ロマエ」製作委員会映画「テルマエ・ロマエ」この作品情報を楽天エンタメナビで見る見に行ったのはもうかなり前になりますが、感想を書いておきます。結論から先にいえば、結構よくできていましたね。舞台になっている・チネチッタというイタリアの映画セット村のようなところ&イタリア人エキストラの皆さんなかなか素敵で、また細かいところも凝っていました。ぜひ大画面でみていただきたいところです。・主人公ルキウスの奥さん役のかた、イタリアの女優さんと思うのですが、日本人と微妙に芝居がちがってて面白かったです。・日本編では舞台となる東北の温泉、東京の稲荷湯という銭湯、いずれも情緒がありました。・どこから集めたのかと思うくらい、おじいさん俳優が集結。また皆さんのりのりで演技しておられました。・ヒロイン役の上戸彩さん、どちらかというと美人というよりもかわいい系の顔立ちだと思うのですが。今回ばかりは「この人は美しいなあ」と思わされました。平たい顔族には平たい顔族なりの美しさがあるなあと思わせてくれました。ファンのかたは是非見に行くべき。・旅館に住みつく猫、ローマの広場にいるロバなど、動物がとってもかわいかったです。カメラワークにもなみなみならぬ気の使いようとお見受けしました(笑)。・皇帝が入っていたお風呂をジャグジーにするのに、奴隷が管で息を吹き込んでいたのが笑えました。というか、現代日本の技術が進歩しているというのは、みんな、それまで奴隷がしていたことを電気・ガスなりテクノロジーなりで肩代わりしているだけともいえるのではないかと(それはそれで意味がなくもないですが)。肝心の人間の中味のほうは、ローマ時代から殆ど進化していないのではないか、そのように考えさせられた映画でした。こういった映画はあまり細かいことを言わず楽しんだほうが勝ちだとも思います。今から見られる方は楽しんできてください!【送料無料】テルマエ・ロマエ(4)岩波文庫 33-610-1自省録/マルクス・アウレーリウス/神谷美恵子【RCPmara1207】 【マラソン201207_趣味】
2012.07.09
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ブリューゲルの動く絵http://www.bruegel-ugokue.com/【送料無料】絵画:ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」久しぶりに映画館まで行ってみてきました。ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」という絵を元にして、お話を作ってあります。しかしまあなんですねえ。私はキリスト教徒ではないので…どうもこの手の話は理解しにくいです。なんとなく、キリスト教の教義だとか、正義だとか、そういう形而上学的なことにこだわっているのはごく一部で、普通の庶民は、誰が磔にされようが弾圧されようがおかまいなし。日々の生活や自分なりの快楽にかまけている、そういうことの繰り返しで世の中は廻っている、ということがいいたいのではないかという印象を受けました。映像的にはグロいシーンも多く、万人にすすめられるような教育的な映画ではないですが、ブリューゲルがお好きな方は見られてもよいかと思います。この時代は正直理不尽なことも大手をふってまかりとおっていて(今でもまかり通ってますが)、私自身がこの時代に生れたら到底長生きできなかっただろうとも思いました。
2012.01.30
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【送料無料】二十四時間の情事/エマニュエル・リヴァ[DVD]【返品種別A】【smtb-k】【w2】しばらくまえにこの映画の主演女優だったエマニュエル・リヴァさんが来日されて、撮影時に彼女が撮った写真が写真展になったりもしたので、ご記憶の方も多いかもしれません。最近この映画を見る機会がありましたので感想を書いておきます。原爆投下後数年たって復興も一通り終わった広島にフランス人女性がやってきて、奥田英次演じる建築家と情事をするといったようなお話。残念ながら?エロいシーンは大したことありません。2人がなにやら印象派的なイミフなとりとめない会話をかわしつつ、お話が進んでいきます。私が生まれるより前の広島の映像ですが、本通りから福屋にかけてのアーケードとか、平和公園の川沿いの道など非常に懐かしい感じがします。当時には市内の川にまだ魚がいたんですねえ。私が物心ついたころには川が汚くなり、ちょっとやそっとじゃ見られなくなってましたが。あと映画の最初に、自分が見たことがなかった原爆投下直後の映像が出てきて、子供のころから何度もすりこまれているとはいえ、ちょっとびっくりしました。肝心の映画のテーマですが・・・なんというか、相互理解というものが困難だということがいいたいのだろうか?と感じました。あるいは、圧倒的な大きな不幸を理解するためには、個人的な不幸をよりどころにするほかないということなのか?中心的なわかりやすいテーマがドンとある作品ではなく、見る方に多様な解釈を投げかけるタイプの作品ではあります。それから、女性のほうが広島にいるうちに自分の過去を思い出して、ちょっと興奮して叫んだりし始めた時に、奥田英次がピシャっと相手のほっぺたを平手打ちしたのがいかにもおフランス的だなあと思いました。日本人はそういうとき女性を慰めこそすれ、たたいたりはしないですからね。とりとめない感想で済みませんが、以上です。
2011.07.26
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【送料無料】クララ・シューマン 愛の協奏曲/マルティナ・ゲデックブラームス家の末裔(ブラームス本人は生涯独身なので、本人の直系子孫ではなく、兄弟の子孫)であるヘルマ・サンダース=ブラームスという女性が監督されたというのが話題の作品。クララ・シューマンは当時売れっ子のピアニストで、7人の子供を育てつつ、演奏旅行をしてまわっていたとか。主演の女優さんはしっかり者系なのですが、肖像画を見る限りでは美人で賢くて、才能もあって、健康で精神力もあって、本当に羨ましいような女性です。しかしそんな女性にもその人なりの試練があるのが人生というものなのかと思いました。ロベルト・シューマンは躁鬱病だったということを先日別の本で読んだのですが、彼が次第次第に狂っていくさまを克明に描写していて、そこはこの映画でも秀逸です。クララはそんな夫をかげになり日向になりいろんな側面から支えようとし、しかも才能のある方ですから当時女性ではできなかったようなこともやりとげてしまう。しかし、その彼女の強さが、かえって夫を苦しめているように思えました。彼女がもっと弱い人であったら、旦那のほうも自分がしっかりしなくては、的なことを思って病状の進み方も違ったかも。根拠はないがそのように感じさせるのが、この映画の眼目だったのかもしれません。史実はどうだったのかは知りませんが、この映画のなかのブラームスはシューマン家に入り込んで子猿のようにちょろちょろするだけで、クララにまともに相手にされるまでには時間がかかりそう、という印象を受けました。もう少し良いように描写してあげればよかったのに(笑)。以上です。
2011.06.16
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シャネル&ストラヴィンスキー(Blu-ray Disc)ココ・シャネルと1913年代当時の革新的作曲家イゴール・ストラヴィンスキーとのスキャンダルな秘めた恋、というお話でしたが(笑)。少々なんだかなあという感じでした。シャネルを演じるアナ・ムグラリスさんというかたはほんとに首が長くてすらっとしていて、とてもこんな肉食系には見えないのですけれども(笑)。しかし、これをもし男におきかえるとあんまりほめられたお話じゃありませんよ。妻子ある男が戦争で行き場をなくして家族をつれて難渋しているところを、うまいこと自分の別荘に連れ込んで関係をもつという(苦笑)。男女おきかえたら戦中戦後日本でもどこでもあったようなお話ですね。シャネルはまあ女一代であれだけのブランドを築いたような人ですから、よくも悪くも自己中心的ですが、ストラヴィンスキーの奥様のほうはなかなかできた方で、礼儀正しい態度をくずさず、最後は決然と別荘を出て行かれます。そういった対比が面白いのと、別荘内のインテリア&当時のファッション、あと映画の最初のほうに出てくるバレエ「春の祭典」の再現場面が見どころです。そういうのに興味があるかたは、ぜひ大きい画面でご覧になってください。
2011.05.21
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【送料無料】カミーユ・クローデルイザベル・アジャーニ主演で、天才彫刻家ロダンの弟子であり、愛人でもあった女性彫刻家カミーユ・クローデルの生涯を描いた作品です。このころもういいお年のはずですが、イザベル・アジャーニはかわいい。ロダンに弟子入りする前、実家にいるころの思春期特有のすねた表情がとってもかわいい。若く見えます(笑)。私としても好きな女優さんではありますが。しかし、この作品はちょっといただけなかったな~。1、師匠であるロダンに尽くした尽くしたとおっしゃるのですが、具体的にどのようなことをしてあげたのかということが余り描写されてないからわかりません。作品のアイデアを出したとか、ですかねえ。自分だってロダンのそばにくっついてて吸収したことがいっぱいあるんじゃないですかね。それを生かせないのは、芸術家としての自分の責任であろうかと思います。というか、もともと狂気をはらんでいた女性で、ロダンはそのネタにされただけなのではないかという気も(この映画を見るかぎりでは)しないでもないです。2、この時代、女性で特に実家がお金持ちとか実力者の後ろ盾がない限り、芸術で身を立てるのは難しかったことは事実と思われます。特に彫刻というのは材料費がかかるから、他の芸術より大変だなあということは、見てて思いました。以上です。
2011.05.21
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【23%OFF!】夏時間の庭(DVD)この話は、郊外の小さなこじゃれた家に、大量の美術品とともに1人でお住まいになってるおばあさんの話です。自分の死期を悟ったのか、息子達に遺産相続についての話を持ちかけますが、縁起でもないとか言って取り合ってもらえない、その内におばあさんはなくなってしまいます。残された子供たちは、昨今社会はグローバル化してますので世界各国にちらばっていて、とてもフランス田舎の小さな家の面倒を見ることはできない。結局家は売却され、美術品は莫大な相続税を避けるためにオルセー美術館に寄贈されることになります。私がいうと、何だかコメディのようですが(汗)、実際は極めて真面目なお話です。日本だって子供の世代になると、海外とまで行かなくても地元に就職しているということは結構稀で、遠距離(都会)に住んでいることがほとんどでしょう。財産だって、この家はたまたま芸術家の家系で、美術館に引き取ってもらえる程の価値がありましたから、見たければ美術館に行けばまとめて見せてもらえる事もあるでしょう。しかしほとんどの家庭では、そこまで価値のある財産をお持ちの方は稀でしょうけども、高いものでなくともそれなりに愛着はある。しかし処分してしまってはもうまとめてみることはおぼつかなくなるでしょう。そんなわけで、自分が死んだ後の遺産を含む整理、および物に対する「感情面の整理」ということについていろいろ考えさせられた作品でした。
2010.11.09
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『火と水 カブールの手品師』(2009年9月11日放送) (原題:Le Magicien de Kabur)http://ymg.web.infoseek.co.jp/open/essay/okada/eiga_01.htm「ヒストリーチャンネル」で放送されたカナダのドキュメンタリー映画。2001年9月11日の同時多発テロで金融マンだった息子を失った日本人の父親が、手品を通し、アフガニスタンのカブールに住む人々との交流を追った密着ドキュメンタリー。このお父さんは、蕎麦屋を経営されてたようなのですが、9月11日の同時多発テロで息子さんを失ってから、急に思い立って転身され、手品を覚え、日本で寄付を募ってはカブール現地で学校を立てるというようなことを繰り返されているようです。どうやら女性問題(再婚問題?)で息子さんと折り合いが悪くなり、そのまんま息子さんをなくされたようで、非常に心残りがあったようです。人間まったくいつ何があるかどうかわかりませんから、心残りのないよう、日頃から心がけておくべきだなあとしみじみ思いました。それから、この映画では近所の小さい神社とか、満開の桜とか、非常に日本の美しいところだけ映していて、ちょっとフェアでないなと思いました。もともとアフガニスタンも春などはとても美しかったと聞いていましたが、現時点ではやはり戦争でそれどころではないですから。以上です。
2010.11.09
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【25%OFF】[DVD] コッポラの胡蝶の夢これは神話学者ミルチャ・エリアーデ原作ということで見てみました。70歳くらいの老言語学者が街を歩いているときに突然雷に打たれ、病院で意識を取り戻したときには40歳くらいに若返っていたという設定です。ゲーテ「ファウスト」、手塚治虫「火の鳥」とかと似た展開ですが、最後は題名通り「荘子の胡蝶の夢」的な終わり方をします。さすがミルチャ・エリアーデ!と感心するような展開ではなかったです。ただ思ったのは、☆この作品の作者は人生の全盛期を男性=40歳前後女性=25歳前後と思っているらしいという点がなかなか面白いと思いました。。たしかゲーテ「ファウスト」では主人公はたぶん20代くらいに戻っていたと思います。またこの作品のヒロインは主人公と出会うまでは25歳ぐらいの容姿を保っているのですが、主人公と仲良くし始めた途端に何らかの影響を受けたのか一夜にして45歳ぐらいに老けてしまいます。今どきは45歳ぐらいなら綺麗な人も沢山いらっしゃいますが、当時は45歳と言えばけっこう年寄りだったのだなと思わされました。☆映像はとっても凝っています。以上です。
2010.10.09
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「イル・ディーヴォ」http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=10171この作品は、日本では DVD 等が発売されていないようです。今後発売される、あるいはイタリア文化祭的な催しで上映されることもあるかもしれませんので、機会があったらぜひご覧ください。と軽々しくおすすめしてしまいましたが、この映画はジュリオ・アンドレオッティという実在のイタリアの政治家(しかもまだ存命中のようです)に関するドキュメンタリーです。アンドレオッティとその周辺に関する知識がないと難しいかもしれません。一応ウィキペディアを引っ張っておきますので、ご興味のある人はご覧ください。ジュリオ・アンドレオッティwikihttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3「魔王」 1990年代初頭の冷戦崩壊後に、アメリカ合衆国やキリスト教会の支援の下に生きながらえていた世界各国の反共保守政権が、その存在意義を失い崩壊していく中で、自らの利権と反共保守体制を守るためにマフィアとの関係を続けていたアンドレオッティ(とキリスト教民主主義)もその実態を暴かれ没落することとなった。その後数々の裁判で有罪判決を受けたものの、自らの影響力を巧みに使い、判決実刑を受けることなく現在も終身上院議員として活動を続けていることから、イタリアでは「魔王ジュリオ(Divo Giulio)」とも称されている。★★★感想★★★☆とってもスタイリッシュな画面構成、アングルなんですけれども、ドキュメンタリーの場合は、そのスタイリッシュさが逆に信憑性を弱めてしまうという欠点にもなっているようです。。当時実際に起こった政治事件をいろいろ描写してますが、それもちょっと表面的に感じます。実際問題として、ご当人もまだご存命のようですし関係者もまだ沢山生きてらっしゃるでしょうから、あまりあからさまな描写はできないというのはわかりますけど。何しろイタリアっていうのはマフィアやら、バチカン、なんかのテロリスト、フリーメイソンなんかが3すくみ4すくみの様相を呈しており、はたから見れば下手な映画よりずっと面白いようです。ご当人たちは大変でしょうけれども。☆ドキュメンタリーとして、アンドレオッティが「魔王」とか「複雑怪奇」とか呼ばれる理由を様々描写しておりますが、どうも劇中のアンドレオッティ氏は「なにやら無表情だけどそこはかとなくゆかいなおじさん」に見えてきてしまうんです。観客にそういう印象を与えたい、という意図に基づいた演出ならば、成功しているといえます。☆劇中のインテリア;大理石の内装とか、背景に置いてある美術品などおそらく本物なのでしょう。とても素晴らしいです。☆#timemanagementアンドレオッティ氏は自宅に自分の派閥の人間を呼びよせ、(おかかえかどうかはわかりませんが)理容師に髭を剃ってもらいながら、会合をしていました(笑)。自分の派閥の人間を信用していたということを表現したいのか、横着な人間であることを表現したいのかはわかりません。以上です。
2010.10.09
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「ブラジルから来たおじいちゃん」HPhttp://amky.org/senhordobrasil/story.htmlこの映画は、ブラジル日系一世の紺野聖一さん(91)が、年に一回くらい日本に来て、日系ブラジル人の世話役みたいなことをされているのですが、その状況を追ったドキュメンタリー映画です。紺野聖一さんは力行会というところ経由で19歳の時にブラジルに渡られて、幾多の苦労のあと事業を引退されて今は隠居の身ということです。ですが、もう心身ともに達者なもので、移動は必ず公共交通機関を使われるし、視点もきちんと「現実」をみていらっしゃる。時間が止まっていないのがすばらしいです。やはりこの世代の方は鍛え方が違いますね。映画をみて気が付いたことをざっとメモしておきます。☆紺野さんがブラジルに渡られたのは昭和6年、昭和恐慌の頃です。このころの日本の状況って今の日本(平成不況)とたいへんよく似ていると思いました。不況で国内に職がないので、なんだかんだうまいこと言って海外各地に移民をさせてたような時代です。しかし、そのころと違って今は・子供の数が少なく、年寄りの数が多い・日本は出稼ぎを受け入れる立場にある・世界のグローバル化が進んでいるため、どこに行ってもそれなりの給料をとるためにはそれなりの専門教育+高い英語力が必要となってきている。といった違いがあるようです。☆ブラジルに45万人移民したが、今は35万人が出て行っている。☆子供は10歳まで同じ国に住まわせないと、アイデンティティクライシスが起こり、ブラジル人でもない日本人でもない自分に悩むことになる。☆移民というのは;1世がsacrifice2世もsacrifice3世でようやくその土地で社会参加ができるようになる。といったようなことをおっしゃっていました。
2010.08.04
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愛より強い旅 / Exils 【CD】http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4881パリに住んでいた若者が、自分のルーツを探すため、恋人をつれてパリーアンダルシアーモロッコを旅する、真正ロードムービーです。そういうのがお好きなかたにはお勧めできる作品です。音楽が非常に凝っています。CDを買ってもいい位です。あと、気になることとしては、最後にたどりついた主人公の故郷で、なぜだか二人はスーフィー(イスラム神秘主義)の儀式に参加し、トランス状態に入るのです。それがアラブ系の音楽というよりも、どちらかというとブードゥー教系で、古いほうの『黒いオルフェ』を思い出しました。死者の国への旅、ということなんでしょうか。その後二人は何事もなかったかのように旅を続けるっぽいのですが、なんとなく気になる幕切れでした。
2010.06.29
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久しぶりにみたインド映画。政治ネタがメインで、踊りは控えめです。あらすじとしてはテレビ局のカメラマンだった主人公がいろいろやっているうちに一日州知事になり、今までの知事がやっていた悪事をあばきまくり、自分の親や恋人の家に報復をされまくるという、一言でいうとえげつないお話です(笑)。でも、私も田舎暮らしが長くなりましたのでわかるんですが、政治的に腐敗しきった地域に住んでると、それが当たり前になって、これが間違っているということさえなかなかわからなくなってしまうんですね。そういうところの政治改革はなかなか大変で、この主人公一人ではなかなか難しかろうな、と思いました。主人公の秘書役をやってる役者さんが、なかなか現実的でいい味をだしていました。それから、ヒロイン役のかたがインド映画には珍しく?清楚で華奢な感じの方でした。やっぱり踊り主体で選ぶと、セクシーでガタイもそれなりに良い人になってしまうんでしょうねえ。そんなところです。
2010.06.29
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送料無料!!【DVD】アバウト・シュミット/ジャック・ニコルソン ジヤツク・ニコルソンジャック・ニコルソンのク○親父っぷりが見事すぎて、笑いよりも生理的嫌悪感を刺激されます(笑)。よく日本では、いわゆる団塊の世代の方々のルール無用っぷりが話題になりますが。私は日本のこの世代のダメっぷりは、戦後にそれまでの伝統主義的な価値観が否定され、いわゆるGHQ的な価値観をすりこまれ、高度成長期には物を考える暇も家庭を顧みる暇もなく働かされてきた結果ではないかと思ってきました。しかし、それは日本だけに限った現象ではなく、アメリカにもこの手のク○親父は存在するんだということになりますね、この映画の見事な描写っぷりを見ますと。そのへんはともかく、とりあえずク○親父というものがどういう成分でできているかということが、この映画ではよく描写されています。・どうも実際以上に自分を大したものだと思い込んでいるらしい。・(しかし、周囲は自分をそのように扱わないので)周囲の何もかもに”ご不満”である。特に娘さんの婿(婚約中)に対する態度は失礼極まります。こういう方はどんな結構な婿がやってきても、満足するということはないのでしょう、きっと(怒)。・その不遜な態度の奥底には「怒り」と「恐怖」があるらしい。主人公シュミット氏は仕事を退職して暇をもてあます生活をしており、周囲の何もかもに御不満だったのですが、きまぐれでいわゆるフォスタープランみたいなものに応募し、タンザニアの養子ンドゥングくんとの交流を始めます。おりしもそのとき、奥様が亡くなり、彼の心の旅が始まるのですが・・・。あんまり長く書いてもアレですので、興味のある方はご自分でご覧いただければと思います。
2010.04.29
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