華麗の空~本を楽しく読むブログ

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雪風ジョルノ

雪風ジョルノ

2005/03/24
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♪ ♪
今夜、東京の空は晴れ、 満月 がとても綺麗です。
思わず魅入る筆者。

しばし見つめていると、、、


ムムッ、 アレフガルド大陸 が見えますぞ!(貴女 ドラクエ のしすぎです)



☆ 本編 ★

【前編:さくさく散策神保町】
「定本 天理図書館の善本稀書」(反町茂雄/八木書店)


昭和3年の年末―

神田・一誠堂 では毎年恒例の歳末セール。
お手頃に値引きされた書籍が、所狭しと並ぶ。

店内は人でごった返していた。
みな、セール本を検分している。

そんな中、壁際の棚を見上げている学生らしき 若者 がひとり。

「あの棚にあるヤツ、見せてくれませんか」

店員が棚から降ろした本を受け取り、順にパラパラと捲る。

「じゃ、もらっておこう」

ありがとうございます! と元気な発声。
チラリと見やると、青年は別に5,6冊のセール品を小脇に抱えている。

と。

「あれは、何ですか」
今度は別の書籍群を指す。

「じゃ、これも」


いずれも高価な書籍を、躊躇の様なく決断してゆく。
大旦那のような買いっぷり に、俄かざわつく店内。


店奥から 反町 店員が顔を出し、接客を引き受ける。

「他にオススメの本はありますか」

思い切って ピゴーの「ジャパン・パンチ」
価格は当時のお金で破格の 3,000円。

「もう少し負かりませんか」

コノ人は本気で買う気だ と知り、主人に相談。
セール期間中ということで、2,500円と提示した。

「では、いただきます」


この青年は何者なのだろう。


名を尋ねても、 「マァ、いいでしょう」 と答えてくれない。


送呈する 一誠堂特製目録 に宛名を入れたいからと粘ると、
ようやく姓は 「中山」 だと分かったが、それ以上は進展がない。

書物は自分で持って帰るというので、外に運び出す。
店から少し離れた位置に、当時珍しい自家用車が止めてあった。

運転手が書籍を丁寧に積み込む。

「では明朝、支払に伺います」


翌朝―

昨夜の 運転手 が颯爽とオートバイに跨り、支払にやって来る。

あの方は、中山ナニさんでしょうか?

ニッコリ微笑み、

「天理教の当主、中山ショーゼンです。正しいという字に、善悪の善」


これが 古書肆・反町茂雄 と 天理教二代真柱・中山正善 の出会いでした。


中山正善氏は、 姉崎正治(嘲風) の弟子です。
この日は、東大の卒業論文を提出した帰り道、ふらりと一誠堂を訪れたのでした。

正善氏は、反町氏を存じていたようです。
東大の学生新聞が、「卒業生が古書店に丁稚奉公!」と写真入りで
反町氏を特集したことがあったそうで、それを読んでいたのです。

共に東大、年も近く、書物の興味も似ている、と色々な要素が良く作用したのでしょう。
以後、二人は親交を深めてゆきます。

正善氏が教祖としての教務のため奈良に戻った後も、関係は続きます。
反町氏が仕入れで関西方面へ行く時は 天理 を訪ねたり、
正善氏が上京した際は教務の合間を縫って 弘文荘 へ立ち寄ったり。


こうした良好な関係の先に、 あの昭和16年12月8日 が待っているのです。


昭和16年12月8日―

日本がアメリカに宣戦布告したその日、京都堀川の 古義堂文庫 が動きました。
江戸時代から300年の蔵書群が、天理へ移ることになったのです。
注: 古義堂文庫とは、伊藤仁斎を始祖とする伊藤家累代(300年!)の一大蔵書群のことです。
★詳しくは 【読書由緒:古義堂文庫目録】 を読んで Please♪ ★



本書は、タイトルからすると堅い学術書のイメージですが、
気軽に読める、人情溢れるエッセイ だと思って下さい。

本が好きな人には、たとえ古書に興味がなくても、とても楽しめる内容です。

ぜひオススメな一冊 (^-^





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最終更新日  2005/03/25 09:58:46 PM コメントを書く


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