いよいよタンホイザーだが…

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2013年01月13日

カテゴリ： OPERA

Tannhäuser　2009
Kasper Holten： Stage Director

Tannhäuser Stig Andersen
Elisabeth Tina Kiberg
Venus Susanne Resmark
Hermann Stephen Milling
Wolfram von Eschenbach Tommi Hakala
Walther von der Vogelweide Peter Lodahl
Biterolf Kjeld Christoffersen

Reinmar von Zweter Jens Bruno Hansen
A Boy Ioannis Marinos

Royal Danish Opera and Chorus
Friedemann Layer, Conductor
Kasper Holten, Director

Recorded live at the Royal Danish Opera, Copenhagen, in December 2009

前述のカスパー・ホールテンのタンホイザーですが、
歌合戦のところでおもしろい演出があります。

さああヴァルターが歌うぞ！っと出て行って準備すると怒ったビテロルフが歌い出し歌えなくなくなる、さらにビテロルフの次に歌おうとするとハインリッヒ（タンホイザー）がビテロルフに向かって歌い出し、歌えず、さらにそれを制そうとまたヴォルフラムが歌いだしてやはり歌えず、しまいにはヴァルターは楽譜を投げ出して椅子に座り込む。するとたちあがって騒いでいるビテロルフの楽譜にはたかれびくっとするという…（笑
　このカスパー・ホールテンのタンホイザーはヴァルターが歌わないヴァージョンのようです。これはいろんなヴァージョンがあるタンホイザーへの皮肉な演出でもあるんです。
　新国立劇場のヴァージョンはどうなのかわかりませんが、少なくともコンスタンティン・トリンクスがドレスデン版を取るのかパリ版をとるのかであればドレスデン版なのかという気がする。ワルターのソロがなかったら見に行く意味が…。

+++

また疑問符だらけで悶死しそうなので、過去記事などを検索してみたが、パリ版とドレスデン版の折衷であるウィーン版をハンスペーターレーマンは使用したと語っているとのこと。ウィーン版にはヴァルターの歌は入っていないが、ありがたいことに2007年の新国立劇場ではなぜか第2幕はドレスデン版を一部採用していたそうです。
安堵した～～
つまりヴァルターはソロを歌う可能性が高い。

***

Erinnerung

最後はタンホイザーの墓碑
なるほど～という皮肉な展開で締めるところがさすがホルテン
客は熱狂！

ホルテン演出ではタンホイザーは作曲家。
ワーグナー自身が投影されていて
社会になじめず追放されるところとか。
それでもしつこく作品を書き続け、
第3幕で「ローマ語り」を書き上げて親友に披露する。
親友は理解する。
惚れた女を取られて、その女を捨てた親友。
死後の賛辞。
でも自分は納得できない。
どうしてこの2人が死ななくてはならなかったのか。
ヴェーヌスは作曲家自身の分身。

ワーグナーの作品は魔性の音楽。
麻薬のような音楽。
それを作品で表現したホルテン

音楽はいい、でもそれを書いた作曲家の回りの人間は？皆崩壊し死に至る
まさに指環（リング）。リングとはワーグナーの作品自体のことなのだ。

かくいう私も…そしてあの人も…世界中のワグネリアンはワーグナーの音楽の奴隷だ　世界中リングを追っかけてる（笑

***

それはいいとして話が戻りますが、
東京春祭は、ドレスデン版、でした。
それはサイトに明記してあります。
私は最初の刷り込みがショルティのパリ版で豊饒な音楽に魅せられたので
ドレスデン版はいまいち納得できなかったんですよね。

そういえばROHのビシコフのタンホイザーではワルターが歌ってたから少なくとも第2幕はドレスデン版ですね。

ティーレマンのバイロイトもドレスデン版だと思う。

バイエルン歌劇場はパリ版だったと思うけど、違うかな

先日クラシカで放送されたマルクス・アイヒェ、ザイフェルト、シュニッツァーの2008リセウのタンホイザーはヴァルターが歌う。

2007年11月のドレスデン歌劇場の来日公演の「タンホイザー」は今思えばすごいキャスト！
だってビテロルフがゲオルク・ツェッペンフェルドでヘルマンがハンス・ペーターケーニヒとクルト・リドルのダブルキャストですよ。ヴェーヌスはエヴリン・ヘルリツィウス。エリーザベトはカミラニールンドとシュヴァンネヴィルムスのダブルキャスト。今じゃトップの方々ですよね～。

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