わたしもこれは随分歌ってきました。実直なドイツ人にとって、この三つは座右の銘なのです。 「おやすみ」(1. Gute Nacht)で愛を、「最後の希望」(16. Letzte Hoffnung)希望を、「勇気」(22. Mut)の最後で 『この世に神がいないなら自分自身が神になろう!』 (Will kein Gott auf Erden sein, Sind wir selber Götter!) と嘯く主人公。実は伏線が張られているのです。私はここが全曲のクライマックスと見ています。
また辻音楽士(24. Der Leiermann)はシューベルト自身によるシニカルな自画像のようにも思えます。 世捨て人の音楽です。史上初の「プロレタリア音楽」だと言う人さえ居ます。 二人が霧の彼方に消えて行くような風景がわたしには見えます。