国立のコジで指揮者が舞台ジャック!?

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2017年05月27日

カテゴリ： OPERA

Photo Album
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artists

歌劇者　第２回公演
《コシ・ファン・トゥッテ～女も男もこんなもの～》

2017年５月２７日（土）くにたち市民芸術小ホール
１５時開演（14：30開場）

フィオルディリージ　久野綾子
ドラベッラ　杉山由紀
デスピーナ　秋津緑
フェルランド　吉田連
グリエルモ　岸本大
(Role debut)

指揮　黒田博
演出　菊池裕美子

ピアノ　大町彩乃
　　　　矢崎貴子

＊＊＊

国立で行われたコジ
新国立劇場で演出に携わっている菊池氏が演出
稀代のバリトン黒田博氏が指揮
今をときめく実力派の若手歌手が出演した
コジ
抱腹絶倒のおもしろさだった。

演奏はピアノとハープシコード

フェルランドの吉田連さんは全幕でこの役を歌うのはもう4回めとのこと。

美しく高い独特の魅力を持つ声で魅了した。

またデスピーナの秋津さんが軽く高い声ですばらしいデスピーナ。この方はコミカルな演技が振り切っていてすごい。

フィオルディリージの久野綾子さんは超美人！
美人な上に演奏もすばらしく、観客を魅了しました。

大沼徹さんの全幕のドン・アルフォンソ実は初役だったそうです。トスカの楽屋でコジを暗譜してたそうです。お疲れ様でした。

グリエルモの岸本さんはあのバスの岸本さんの息子さんとのこと。深く重くよく響く豊かな声はやはりお父さんゆずりだったのですね！彼が企画した公演だそうです。

指揮の黒田さんすごいことをやっちゃいました。
びっくりの展開に大拍手。

また会場は関係者だらけで賑わっていました。

＊＊＊

終盤には大変な事態に！

もう指揮者に大注目の公演でした。

まずは第1幕　フェッランドとグリエルモが偽の出征をする際に
ダラララララ…
と小太鼓が連打されますよね

という音楽の前で
なにやら異様な音が…
パンパンパン…て
え！？
なんとマエストロ黒田の腹鼓（つづみ）だったのです。
二枚目のイメージが吹っ飛ぶ暴挙(笑）

あと
メディコ、お医者さんが電気ショックを与えるシーンでは音楽をやめずいつまでもやっているものだから逆立ちしているグリエルモとフェッランドが本当に死亡寸前に(笑）
マエストロお茶目すぎる！
いたずらすぎる！

そして終盤のグリエルモのアリア
Donne mie, la fate a tanti,
で悲劇は起きたのです。

歌い始めたグリエルモの音楽を止め
何度も歌いだしを繰り返させます
会場はほぼリハーサル会場に。
そして業を煮やしついには自分が歌い始め
舞台の上に出て行って熱唱し始めます。
ものすごく巨大な声で重みがあってすばらしい！
本役のグリエルモは茫然、フェルランドが慰めながら退場の事態に。
マエストロは朗々とアリアを歌いきったのです。
お客様大喝采！
（もちろんすべて演出です。）

お茶目すぎるマエストロからこの「暴挙」に対し、こんなコメントをいただきました。

「人生を棒に振らないように、やはり歌って行きたいと思います。」

ありがとうございます。
なんとウィットに富んだお答えでしょう！
若手を育成したいとの思いから新しい試みにチャレンジしている黒田博さんに敬意を表します。
お疲れさまでした！

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