ジャン二・スキッキ

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2019年11月16日

カテゴリ： OPERA

Photo credit : Shevaibra, courtesy of the artist

主　催：5市共同事業実行委員会
イタリア・キッズフェスタ２０１９

ジャコモ・プッチーニ作
オペラ「ジャン二・スキッキ」　
全1幕＜イタリア語上演／字幕付＞
GP

2019年11月16日（土）

監修：下原千恵子
指揮：河原忠之
演出・美術・衣裳：原純

ジャンニ・スキッキ：小林大祐
ラウレッタ：種谷典子
ツィータ：鳥木弥生
リヌッチョ：望月哲也
シモーネ：狩野賢一
マルコ：井出壮志郎
チェスカ：梅澤幸代
ゲラルド：三木佑真

ベット：倍田大生
スピネッロッチオ：島田恭輔
アマンティオ・ディ・ニコライ：島田恭輔
ピネッリーノ：和田央
ブオーゾ・ドナーティ：大槻聡之介

ドナーティ家の子供たち：
………………………………………………………
管弦楽：アマデウス・ソサイエティー管弦楽団
ゲスト・コンサートマスター：永峰高志

まさに今をときめく旬の若手歌手が勢ぞろいしている
マエストロ河原のジャンニ･スキッキ
プッチーニの豊穣に美しく、
光が差し込むような音楽
コミカルで心理を描写してあまりある音楽
もっとも日本人には難しいジャンルの『喜劇』
今の若い人たちはまるでマジックのように
なんでもこなしてしまう。
河原チルドレンは
皆美声で音楽的で
みんなが主役っぽい。
皆がオーラを出しまくっていて
誰が主役なのか
すさまじいアピール
これがオペラ歌手！ｗ
原氏の演出はめっちゃ皮肉で笑える。
美術も衣裳もクラシックで美しく
この西洋の教会かホールのような美しい講堂にぴったりで
ヨーロッパの石造りの教会に迷い込んだような気分になる。
また新しい才能が開花している！

詳細は明日の本番以降に！

＊＊＊

本公演は鑑賞できる対象者に制限があったため、見ることが叶わないはずだったが、関係者の方にゲネプロに来てもいいとご許諾をいただき、公演前夜に参りました。

驚きでした。幻想的なほどヨーロッパ風のホールの中にセットされていた舞台美術はやはりヨーロッパ風のゴージャスな美しさを持っていました。出演者の衣装もゴージャスでいかにブオーゾが金持ちだったのか？が表現されています。

歌手の衣裳は色彩にもこだわりがあり、色で性格を表現していたのです。
リヌッチョはブルー、シモーネは黒、マルコは上下真っ赤！

演出家のこだわりがそこにはありました。小道具に至るまですばらしい。ヴィスコンティの映画のセットの中のようです。

演出の原純さんの作品は又吉秀樹さんが出演した「ロメジュリ」も以前観ている。ご本人曰く「演出家として、ドラマティックで耽美的な舞台を好む傾向がある」とのこと。おっしゃるとおりの舞台美術でした。

歌手では
リヌッチョ初役というテノール望月哲也さんが甘く輝きのある美声を聴かせてすばらしかったです。

ジャンニスキッキはすでに何回もこの役を演じているバリトンの小林大祐さん。ヒロイックで美しくハリのある重めな声でジャンニスキッキにぴったりでした。

普段は老婆役として演じられるツィータですが、鳥木さんが演じるとゴージャスで女王様のような存在感です。

悪人オーラを吹かせる狩野賢一さんのシモーネももう慣れたもの。すばらしい美声で酔いました。

マルコの井出さん今注目の若手バリトン、すばらしかったです。演技もうまいです。

ラウレッタの種谷さん、可憐な美女で美声、役にぴったりでした。

超ハードスケジュールをこなしていたのは指揮の河原さん。いつもすばらしい完璧なマエストロです。お疲れ様です。

普通はブオーゾがすでに亡くなっていて親戚が集まっているところから始まりますが、この演出では瀕死のブオーゾを一人で看病するリヌッチョのシーンから始まります。
ブオーゾが亡くなりますが悲しむのはリヌッチョだけです。

親戚達は集まって集合写真のようにポーズを決めます。

親戚達は血眼で遺言書を探します。

Il testamento di Buoso Donati!

リヌッチョが見つけます。

遺言書を読みますが
彼らには一文も入らない
パニックになった彼らは
嘘泣きから本当に泣き出します。

シモーネに年嵩なので知恵を出させようとします

リヌッチョは知恵を借りようと恋人ラウレッタの父親ジャンニ・スキッキを呼びに行かせます。

来るよ

誰が？

Gianni Schicchi!

リヌッチョのアリア

Firenze è come un albero fiorito

Viva la gente nova e Gianni Schicchi!

すばらしい！

彼だ！

やってきたジャンニに冷たい親戚達。

Brava la vecchia! Brava!

お金が入らないとラウレッタと結婚させてもらえないリヌッチョ。若い二人は必死です。ジャンニ・スキッキに手立てを相談します。

ジャンニは無理だと言いますが娘が
有名なアリア
♪私の愛しいお父さん
を歌い、ほだされて
知恵を絞るはめになります。

O mio babbino caro,

美しい！

医者が往診にやってきます。

スキッキはブオーゾの声色を真似て追い払います。

公証人を呼んで来い！

スキッキは本格的にブオーゾに変装します。

親戚達はそれぞれ欲しいものを告げ、一番価値のあるラバと粉挽き場とこの邸宅は自分に欲しいとそれぞれがスキッキに賄賂を渡します。
スキッキはいいだろうと全部受け取ります。

スキッキは遺言書改竄は重罪だから万が一発覚したら手首を切り落とされてフィレンツェの街をさまようことになると親戚達に忠告します。

公証人が到着しジャンニスキッキは、
親戚達にそれぞれ希望の物を与えたあと、ラバと粉挽き場とこの邸宅はジャンニスキッキに与える！と宣言します。

ラードロ〜

呪詛の声

アッディオ・フィレンツェ

グウの音も出ない親戚達

公証人が靴屋と帰り
親戚達はスキッキを罵ります。

出て行け！ここは俺の家だ。

親戚達は金目のものを持てるだけ持って叫びながら出ていきます。

一方幸せな二人。

スキッキのモノローグ。

スキッキは金のためにこの大胆な賭けを打ったのではない。愛する娘の幸せのため、その運命をちょっと後押ししただけ。
スキッキは親戚達に貢がれた札びらを撒き散らす。
爽快な終わり方。

この小話をすばらしいオペラにしたプッチーニはすごいですね！

お疲れ様でした。

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