NNTTドン・パスクワーレ最終日

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2019年11月17日

カテゴリ： OPERA

Photo Album
Photo credit : Shevaibra, courtesy of the artist

"Don Pasquale" by Gaetano DONIZETTI
November 17, 2019 at New National Theatre, Tokyo

Conductor: Corrado ROVARIS
Production: Stefano VIZIOLI

Don Pasquale: Roberto SCANDIUZZI
Dottor Malatesta: Biagio PIZZUTI
Ernesto: Maxim MIRONOV
Norina:Hasmik TOROSYAN

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra
Artistic Director: ONO Kazushi

新国立劇場ドン・パスクワーレ
新制作
最終公演

2019年11月17日
新国立劇場オペラパレス

指揮コッラード・ロヴァーリス
演出ステファノ・ヴィツィオーリ
美術スザンナ・ロッシ・ヨスト

照明フランコ・マッリ
演出助手ロレンツォ・ネンチーニ

ドン・パスクワーレロベルト・スカンディウッツィ
マラテスタビアジオ・ピッツーティ
エルネストマキシム・ミロノフ

公証人千葉裕一

東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団

ダニエル・ド・ニースの降板で期待度二割減で始まった公演だったが、終わってみればすばらしいプロダクションだった。
何よりドン・パスクワーレのスカンディウッツィがすばらしい！
実年齢で役に近い人にしか醸し出せない味がある。
立派なバス声なのにコミカルに徹し、
汚くも下品でもなく、
とても愛すべきドン・パスクワーレ。
すっかり虜になった。
エルネストのミロノフは真正レッジェーロで、
エルネストはベルカント歌手がやはりハマるのですばらしかった。
プーヴェロ・エルネストでは最後の最高音、High Cis を出し
コメジェンティーユでは
ファルセットの美声を織り交ぜ見事だった。
代役のトロジャンは軽く高い声のリリックソプラノ。
美女で色っぽいので大人気だった。

マラテスタは強靭で重いバリトンでこれまた見事だった。

日本人唯一のソリスト公証人役の千葉裕一さんも重く響く強靭なバリトンですばらしかった。

また合唱がいつもすばらしいのだが、今回コメ・ジェンティーユの部分のピアニッシモが素晴らしすぎてMVPだった。

演出は新国立劇場のすばらしい舞台機構を充分に利用して速やかにセットが移動し、かつ古き良き古臭さも感じさせる雰囲気を醸し出していてイタリアのプロヴィンチャの歌劇場にいる気分になれて幸せな気持ちになれる。

音楽は基本テンポゆっくりで
しっかり歌わせていた。

強烈なスターがいないためにかえってバランスのとれた良いプロダクションになってたかも？

お疲れ様でした。

＊＊＊
序曲はしっかり聴かせて幕が開かない。最近では珍しい(笑）

美しく伝統的なプロダクション。パスクワーレは豪奢なガウンを着ている。金のかかった趣味のいい部屋。中央に両開きの扉。しもてに小さいソファと椅子。かみては書斎風でデスク。

パスクワーレはいまかいまかと待っている。背が高く貴族然とした上品なパスクワーレ。

マラテスタが到着。マラテスタはもっとインチキ臭い感じや崩れた感じが必要か。ちょっとマジメすぎるかなあ。

Bella siccome un angelo

マラテスタのアリア
すばらしい

喜ぶパスクワーレ
マラテスタが出ていき

アリア
Ah, un foco insolita - No. 3, Cavatina

すばらしい
拍手

エルネストが登場。
注目のマキシム・ミロノフ
世界的ロッシーニ歌いで
新国立劇場がセヴィリアのコンテ・アルマヴィーヴァに続き2回目の登場のはず。
前回聞き逃した。
背が高く金髪優しい面立ち。
軽く高い声のテノーレ・レッジェーロ
軽薄で穀潰しのドラ甥にぴったりの声(笑）

È vero

Prender moglie?
結婚するって？
笑うエルネスト

次第にマジになり嘆く。

Sogno soave e casto

最初のソロ部分
特徴的ロッシーニ歌いの声で、
エルネストには合っている。
テノーレ・デ・グラツィアだ。

al mio martor
ここの最高音はB。
ファン・ディエゴ・フローレス（＝JDF)で確認。

パスクワーレの部屋がみるみる閉じていき二つの箱に分解され左右に分かれる。
転換が見事すぎる。
転換含め目を奪われる。

奥は海のような背景
ソファに寝転ぶ女性
ノリーナ
アリア
Quel guardo il cavaliere

高い声のリリックソプラノ。
悪くない

ノリーナは子供から手紙を受け取る。エルネストからだ。

マラテスタが来る
マラテスタは計画を話す。

有名な二重唱

Pronta io son

***
パスクワーレの部屋の外

出て行くエルネストの嘆き

Povero Ernesto!

トランペット絶品
歌唱もさすが！

Cercherò lontana terra

E se fia che ad altro oggetto

se tu sei, ben mio, felice,
sarà pago il tuo fedel

荷物を運ぶ召使い
ユーモラス
女中のオバちゃんが味を出している。

ミロノフは最後の最高音High Cisを慎重に決めた。アクートの強い音ではない。
こういうとこから彼がファンディエゴフローレスのように強靭に高音を聴かせるタイプではないとわかる。

パスクワーレ
召使いのオバちゃんが消臭スプレーをかける。

ソフローニヤに化けたノリーナをマラテスタが連れてくる。

かまととぶりにすっかり騙されたパスクワーレ

マラテスタがいとこの男を公証人に仕立てて連れてくる。この公証人がとんでもないマヌケ。千葉裕一さんの演技すばらしかった。
入ってくると美女ノリーナにヘラヘラと近寄ろうとするのでマラテスタが慌ててかみての椅子に連れて行く。
ペンを持ったこともないのでマラテスタを悩ませる。
しかも結婚誓約書に署名する証人が足りない！なんて言い出すので、マラテスタは怒って書類束で公証人を殴りまくる。

そこにやってきたエルネスト。
ヤバイ！
ノリーナは見つかってしまう。
お前のためにやってるんだ。とりあえずサインしろ！
公証人が出て行く。

ノリーナが豹変する。

Carina

あら、いいですか？って聞くものよ

いいかな？

ダメ

大笑いするエルネスト。

Sogno?
Veglio?

ノリーナは召使いの給料を倍にすると言う。執事はノリーナのドレスの裾にキスする。

重唱

すばらしい！

幕

書斎には帽子やノリーナの購入したさまざまなものを運ぶ人でごった返している。
買い物をしまくるノリーナの請求書を見て嘆くパスクワーレ。

ノリーナは初夜なのに劇場に出かけようとしている。

ノリーナは平手打ち

ショックを受けたパスクワーレが高音を発しながら迫ってくるノリーナに、もうどこでも行け、寄るなという手振りが真に迫っていて思わずパスクワーレに同情してしまう。

ノリーナは手紙を落としてというか放り投げて出て行く。
逢引の証拠をつかんだパスクワーレ。マラテスタを呼ぶ。

料理場
つまみ食いするエルネスト。エルネストは料理女に愛想が良く、可愛がられている。

パスクワーレとマラテスタ

Cheti cheti immantinente

Aspetta, aspetta, cara sposina

有名な早口の二重唱
アンコールはやらない。

庭園

Com'è gentil

裏で歌うエルネストの
コメジェンティーユが
すばらしい！
ギターとの共演
ギターも神
高音部をファルセットで美しく聴かせる技巧！
音楽的ですばらしい。

Tornami a dir che m'ami

ノリーナとの二重唱も絶品。

パスクワーレが踏み込み、エルネストは逃げる

シラを切るノリーナ

涼んでたのよ

出て行け

いやよ

だったらエルネストを結婚させるからな

エルネストを呼んで来い

Eccomi
来たよ！

客大笑い

ここで種明かし。

ノリーナを連れて来い！

ノリーナはここにいるわ。

ソフローニヤは？

修道院さ。

フィナーレ

La moral di tutto questo

使用人たちも出てくる。

めでたしめでたしの大団円

お疲れ様でした！

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