バリトン飯田裕之瞠目の二人会

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2019年11月24日

カテゴリ： OPERA

うたとピアノの二人会

2019年11月24日（日）開場13:00開演13:30
　（13:10~若き演奏家たちによるプレオープンコンサート）
会場：鶴見区民文化センターサルビアホール

出演
飯田裕之（バリトン）
飯田麻衣子（ピアノ）

チケット：4,000円全席自由

リリック・ドラマチック・バリトンの飯田裕之さんの噂の「二人会（ににんかい）」に初参加しました。
いやもう瞠目でした。
何がすごいってもう！
色々ありすぎなのですが
何と言っても
一人オペラです。今回は一人ミュージカルと言った方がいいでしょう。
バリトンの彼がたった一人で全ての役を歌い演じるのです。
今回は「赤毛のアン」
マシュー、マリラ、アン、ダイアナ、ギルバート他全ての登場人物と語りを一人で演じ分けるのです。
今回主人公が「女の子」
彼には不可能はありません。

彼には非常にマルチな才能があります。
今後も色んな作品を一人オペラしてほしいかもです。

＊＊＊

ピアノソロ

歌いながら登場する飯田裕之さん。

身振り手振りをつけ行進しながら
美しいバリトンヴォイスで歌う。

「ねえ客電上げて！」
と本番中に照明に指示

楽曲説明しながら、客に
「静かに聴いてちゃダメ！」
という。
客にかまってほしいらしい。
寂しがり屋？

二人会の説明。
「基本歌うより喋ってますから。」
客イジリも。

ピアノソロ
ハチャトリアン『仮面舞踏会』より
ワルツ

驚いたのは次のチャイコフスキー
♪さわがしい舞踏会の中で

全編ソット・ヴォーチェで歌ったのだ。

ラフマニノフ『アレコ』より
♪すべての天幕は

一転、アレコで大声量に転じる。

全てオペラティックで、演技しながら歌う。

すばらしいとしか言いようのない表現力！

アンケート用紙に記入するよう客に促す

「アンケートをとったら、
オペラアリアを歌わんかい
オペラ歌手じゃないんかい？
と書いてあったんです。
だから今日は二曲オペラアリアを歌う。
アレコと
クレド。」

Verdi Otelloのヤーゴのアリア
Credoの解説。

「クレドは信仰を宣言する歌です。」

飯田裕之さんは客席に降りていき無駄話をし始める。
ピアノが演奏を始める。
クレドの前の部分から歌い始める。

Non ti crucciar

すごい精神力。
美声
500人規模の会場で
客席の一番後ろまで上っていき、
歌うのだ
まじか

e il tuo perdono è certo

Vanne.

舞台に戻る

Vanne.

2回目のVanneで豹変する。

Credo in un Dio crudel che m'ha creato

凶々しい悪のパワー

Son scellerato
perchè son uomo

dal germe della culla
ゆりかごの手振り

凶暴な目つき

E poi?
Sotto voce

その後嵐が。
è vecchia fola il Ciel

スゴイ！！
もうやっぱり演技しなければこのアリアを歌う意味がないと感じさせる圧倒的なパフォーマンス‼︎

終わって子供が曲をリクエストする。
対しにこやかに

「後でね。」

この変幻ぶりに瞠目
戦慄
彼にとって演技することは呼吸することと同じ。

アーヴィン・バーリンの『トップ･ハット』より
Cheek to cheek

ジャジーなピアノ
踊りながら歌う
ラストは高音
この落差は何なのだ！

日本語の歌

表情！
こちらはほぼ
メッザ・ヴォーチェで歌う。

ララ♪グラナダ

「「待ってました！」
って掛け声がないと始められない」
とわがままを言って
またそでに入り出直し
『待ってましたあ!』
今度は回転しながら登場
笑
レガートすばらしい！

「鶴見一（いち）！」
と掛け声をかけるよう客に強要するw

すごい濃い前半

後半はもっとすごい飯田裕之ワールドが待っていた！

音楽劇『赤毛のアン』より抜粋
作曲：谷川賢作
作詞：吉峯暁子

「全て私が演ります。」

「今まで
一人カルメンも
一人ジャンニも
演りました。」

髪をほどき出す。
綺麗な編み込みにしていたが、解いたらまさにアン！
お下げの三つ編み。
なるほど。
しかしそれをさらにほどく。

この長髪はザッカリーア仕様でもあるのでしょう！
12月にナブッコのザッカリーアを歌うのだ。

「私がマシューマリラアン…全ての人物を演じます。」
仕草と声だけで
演じ分けようというのだ。

「皆さんの想像力が必要です！」

私は悟った。
この一人オペラ
こそが彼の真骨頂
なんて斬新！
アンの声は全てファルセットの裏声で歌うのだ。
表情といい仕草といい少女になりきっている！
全く驚きながら
話に没入し
いつしか感動で涙している。

この赤毛のアンをまた2月に普通の形ｗで上演するそうです。
（2020年2月16日（日）鶴見文化センターサルビアホール）

いやービックリ。

ドン・カルロとかマクベス
一人芝居やって〜！
リクエストします。
あなたにはシェークスピアが似合うはず！

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