2022年07月17日
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カテゴリ: OPERA




PARSIFAL
Opera in three acts
Music and libretto by RICHARD WAGNER

WED. 13. 17:00, THU. 14. 14:00, SAT. 16. 14:00
& SUN. 17. 14:00 July 2022
at Tokyo Bunka Kaikan (Japan)

Conductor: Sebastian WEIGLE
Stage Director: Amon MIYAMOTO

Set Designer: Boris KUDLIČKA

Lighting Designer: Felice ROSS
Video Designer: Bartek MACIAS

Chorus Master: Hirofumi MISAWA

Assistant Stage Directors: Yasuhiro MIURA
Yasuko SAWADA

WED. 13. & SAT. 16. Jul. THU. 14. & SUN. 17. Jul.
Amfortas Hiroshi KURODA Yuma SHIMIZU
Titurel Hiroaki OTSUKA
Hiroki SHIMIZU

Gurnemanz Hirotaka KATO Koji YAMASHITA
Parsifal Kei FUKUI Tatsundo ITO

Kundry Naomi TASAKI Yuka HASHIZUME
Erster Gralsritter Shinsuke NISHIOKA Yasuhito SHINKAI
Zweiter Gralsritter Takahiro SUGIURA Ken-ichi KANOU
Vier Knappen Yukari KIYONO Ena MIYACHI
Akiko GOKE Hitomi KAWAI

Jun ITO Junpei AIYAMA
Klingsors Zaubermädchen Yukari KIYONO Ena MIYACHI
Mami KAJITA Chifumi MATSUNAGA
Mariko SUZUKI Yuki SUGIYAMA
Sonoko SAITO Kana AMAGASA
Akiko GOKE Hitomi KAWAI
Yayoi MASUDA Sakiko KOBAYASHI
Eine Altstimme aus der Höhe Yayoi MASUDA Sakiko KOBAYASHI

Nikikai Chorus Group
Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

東京二期会オペラ劇場 
パルジファル〈新制作〉
DAY4

☆鑑賞日:2022年7月17日(日) 14:00

アムフォルタス 清水勇磨
ティトゥレル清水宏樹
グルネマンツ山下浩司
パルジファル伊藤達人
クリングゾル友清 崇
クンドリ橋爪ゆか
第1の聖杯の騎士新海康仁
第2の聖杯の騎士狩野賢一

4人の小姓
宮地江奈
川合ひとみ
高柳 圭
相山潤平

花の乙女たち
宮地江奈
松永知史
杉山由紀
雨笠佳奈
川合ひとみ
小林紗季子

天上からの声小林紗季子

今日も大感動!
日本人キャストのみとしては異例の超ロングなオーヴェーションだった。

さて謎解きのお時間です。さすがに3回も観ると
いろいろわかってきた。

今回の設定では
少年が博物館で迷子になって体験したこと
ということだが、
現実の博物館にいる人と展示物
少年の妄想の登場人物は全て対になっている。

少年とパルジファル

お母さんとヘルツェライデ

少年の自殺したお父さんとアンフォルタス

聖杯の騎士と小姓たちは博物館の客

クンドリは博物館の監視員

クリングゾルは博物館の館長

一番難しかったのはグルネマンツ
グルネマンツは展示されている人類が人に進化する前の類人猿。

ストーリー

博物館の学芸員である少年の母は
夫が自殺し
孤独に苛まれている

母は

少年が戻ってきてそんな母を理解できず責める

少年は〇〇を壊す。

母親は部屋を出て行く。

少年は父親が自殺し、自分を呼んでいるのを幻視する。

母親は勤務先の博物館に少年を連れていく。

遅いじゃないか!

館長は責める

Zeit ist da

博物館の館長は少年の母と不倫している。

少年は「人類」という展示を見る。

猿が人間に進化する様子を表した展示物

学生が女の子をナンパしている

少年が緑の絵の前にくると頭にターバンを巻いた女の監視員にジロジロ見られる。

女はニヤニヤしながら出て行く(田崎尚美さんのみ)

第1幕

少年がその絵を見ていると絵の中で動物の目が光っている。

すると上手側の扉からグルネマンツが出てくる。

グルネマンツは小姓たちを叱る。

クンドリが薬を持ってくる。

アンフォルタスが車椅子に乗って登場する。

アンフォルタスは茶髪のロングヘアーでゆるやかにカールした髪が垂れている。
そして髭、扮装も雰囲気もまるでイエス・キリストの姿に似ている。

durch Mitleid wissend

der reine Tor

Mich dünkt ihn zu erkennen:
dürft ich den Tod ihn nennen!

グルネマンツよ、私はこう解釈しているのだ
それは「死」のことだと。
(字幕は「死神」と訳していた。)
アンフォルタスは「死」を擬人化して話しているのだ。
アンフォルタスは肉体の苦しみから逃れるため死を望んでいる。
自殺を希求した少年の父とここも重なってくる。

アンフォルタスはクンドリに礼を言うが二人とも目を合わせない。

アンフォルタスは優しくノーブルで気弱な男

クンドリは前に付き合った妖女と似ているのでちょっと怖い。

アンフォルタスはおずおずとクンドリの手を握ろうとする。

Nicht Dank! – Ha ha!

クンドリが吐き捨てるように言って離れる

アンフォルタスはなおもクンドリをチラチラ見ているが沐浴のため連れ去られる。

それらを見ていた少年は驚愕する

アンフォルタスは亡くなったお父さんにそっくりなのだ。

白鳥を射殺した男が連れてこられる。

この青年は少年の自分の理想の姿。大きくてたくましくて優しくて強い。何もできない自分の反対で何でも好きなことをして自由に生きている。

グルネマンツは白鳥を殺した青年を責める。

白鳥は…もしかしたらティトレルの象徴か。

青年は反省し、死んだ白鳥を自分の肩掛けバッグに詰め込む。

クンドリ:
seine Mutter ist tot

激昂したパルジファルはクンドリののどをつかみ倒す

パルジファル:
Ich verschmachte!

パルジファルは倒れているクンドリに自分のペットボトルの水を飲ませる。
本来の設定ではクンドリが気絶しそうになっているパルジファルに水を飲ませ介抱するのだが、この演出では真逆にしている。確かに首を絞められてあえいでいるのはクンドリなのではあるが、重要なキリスト教的示唆のシーンを全て否定している演出なので、そういう意図があるのだとわかる。この演出はキリスト教的解脱をしていない呪われた女クンドリに対してある意味「人権」を認め尊重する演出なのだ。
しかしそのためにその後のグルネマンツやクンドリのセリフと齟齬をきたし、その意味が宙に浮くことになる。

グルネマンツは聖餐にこの青年を連れて行くことにする。

Wer ist der Gral?

青年と少年、グルネマンツの三人は歩き始める

博物館のバックヤードではさまざまな収集物を分析している

研究員が「聖骸布」を広げる
キリストの姿が映り込んだと言われる奇蹟の聖遺物
(実際に所蔵しているのはトリノの教会だが)
アンフォルタスが横たわる台に広げられるので
やはりアンフォルタスをキリストと重ねている

現れる聖杯の騎士たちはゾンビのような姿
歴史上のさまざまな時代や国の戦争で死んだ兵士たちの姿である

ティトレルは博物館に所蔵されるミイラである

研究員が展示物の「聖杯」を持ってきて台の上に置く

ティトレルは儀式を要求する

アンフォルタス:
Wehe! Wehe mir der Qual!

アンフォルタスは激しく拒否する。
アンフォルタスはじっと見つめる青年と目が合う
視線が絡み合う

アンフォルタス:
Erbarmen! Erbarmen!

青年は苦しむ父親(=アンフォルタス)に抱きつき抱擁する。

しかしアンフォルタスは捕まえられて台の上に載せられる
そして…

ここの演出だがクラウス・グートやチェルニアコフのパルジファルと同じような演出である
つまりおぞましいことだが実際にアンフォルタスの傷から血を汲んで飲むというもの

原設定では
アンフォルタスが聖杯を覆いから取り出して掲げることにより皆の杯に葡萄酒が満たされパンが出現するというまさにキリストが行った奇蹟を儀式にして行うのである。
本来は血を飲むなんて野蛮な演出が定番ではないのである。
つまり「聖杯」が主役のはずなのに「聖杯」の役がアンフォルタスの傷に置き換えられている
聖杯が尊いのは主の血を受けたからである。
聖杯の役目が霞むことで物語のバランスがキリスト教の宗教的法悦から人間の卑俗な世界に堕していく。Wagnerが描いた音楽はキリスト教の宗教的法悦を表現するもののはずだったのに。

ティトゥレルのみが血を飲んでゾンビたちは焦燥している

おぞましい儀式を見た少年はショックを受け泣き続けている。
少年と青年は力を合わせてアンフォルタスを救おうとする。
しかし…

まだその時ではなかった。
グルネマンツと猿が見ている中アンフォルタスは連れ戻される

一方現実の世界ではいなくなった子供を母親が探している。

第1幕の後は拍手をしないというのがパルジファルの廃れた慣例です。
やはり拍手をしている人はいたが少なかったしヴァイグレが意識して手を挙げたままの間は拍手せず沈黙が続いた(3日とも)のはさすがだ。

第2幕

博物館の警備室

クリングゾール

クンドリはテレポーテーションしてそこにいるのではなく
クリングゾルの手下たちに拉致されてくる。

クンドリは薬物を無理やり注射されると、薬が効いてハイになって笑いだす。

花の乙女たちは展示物の植物か?
隠微で巨大なカトレアの写真

花の乙女たちのうち一人は、クリングゾルの手下にナイフを渡され、パルジファルを暗殺しようとするが少年に見つけられて失敗する。

クンドリ:
Parsifal!

クンドリ:
Ihr kindischen Buhlen, weichet von ihm

原設定では、ここは花の乙女たちに諭しているのにパルジファルに寄り添う少年にクンドリは言っているようになっている。

花の乙女たち:
Du – Tor!

パルジファルは少年の耳をふさぐ

母さんを忘れてたなんて…!

クンドリの誘惑

der Liebe ersten Kuss

優しくキスする。
奥の部屋の扉が閉じられる

母親が少年を見つける

Amfortas!

飛び出してくるパルジファル

Die Wunde! – Die Wunde!

»Erlöse, rette mich
aus schuldbefleckten Händen!«

Erlöser! Heiland! Herr der Hulden!
Wie büss ich Sünder solche Schuld?

部屋が変わって
強欲で卑俗な人々の極彩色の絵の前で

クンドリ:
Ich sah – Ihn – Ihn –
und ... lachte:

キリストの影が大きく映し出される

パルジ:
Erlösung, Frevlerin, biet ich auch dir.
道を踏み外したものにも私は救いを与えます

アンフォルタスがいるところを教えてください

クンドリ:
アンフォルタスを傷つけたのはイエス・キリストご自身よ
(つまり自分で自分を殺した。)

クンドリ:
Irre! Irre!

クリングゾールが聖槍を構えて出てくる

とっさにかばった少年が刺される
少年が倒れる
(これは少年の自殺の暗喩)
槍を奪ったパルジファルは
全てを壊す
まるでWalkureで槍を振り回すWotanのように
世界を破壊する
少年が自殺(未遂)をして死んだのだから全ての世界が壊れるのは当然。

第3幕

地球
地球に近づくとミサイルで破壊された建物と土地
明らかにウクライネを象徴している

博物館は廃墟になっている。

グルネマンツはクンドリを起こす

やってきた怪しい男
抱えてきた少年の遺体を下ろす

グルネマンツに言われ、服を脱ぐと
カバンの中から白骨化した白鳥の骨だけが出てくる

死んだ少年=死んだ白鳥 という象徴でもある

グルネマンツはこの男はあの男だと気づく

パルジファルが取り戻した聖槍にひざまずくグルネマンツ

グルネマンツ:
er starb – ein Mensch, wie alle!

グルネマンツはティトゥレルが外の人間と同じように死んでしまったと語る
自分は人間ではなく猿が象徴する人間以外の動物もしくは地球の自然であることを示唆している

パルジファル:
Und ich – ich bin's

ここ原設定はパルジファルは自責の念で気絶しクンドリが水を持ってきて飲ませる(第1幕の繰り返し)のだがこの演出では小姓たちがパルジファルを見つけて捕まえるというのに置き換えられている。

グルネマンツ:
Nicht doch!

ここの場面に小姓たちは出てこないはずだが彼らはパルジファルの体を清め始める

パルジファル:
Du netztest mir die Füsse,
nun netze mir das Haupt der Freund!

グルネマンツ:
Gesegnet sei, du Reiner, durch das Reine!
So weiche jeder Schuld
Bekümmernis von Dir!

パルジファル:
Du salbtest mir die Füsse:
das Haupt nun salbe Titurels Genoss',
dass heute noch als König er mich grüsse!

グルネマンツ:
Du Reiner!
Mitleidvoll Duldender,
heiltatvoll Wissender!
Wie des Erlösten Leiden du gelitten,
die letzte Last entnimm nun seinem Haupt!

パルジファルは後ろの台の上にクンドリを連れて行き、左右に小姓が座る
聖母子とヨハネ、天使の図

クンドリは…(割愛)

パルジファル:
Wie dünkt mich doch die Aue heut so schön!

グルネマンツ:
Nun freut sich alle Kreatur
auf des Erlösers holder Spur,
will ihr Gebet ihm weihen.

パルジファルがクンドリに言うセリフだが(クンドリはもういない)。

ティトレルの葬儀に向かうため先導するグルネマンツ 続く小姓 猿はパルジファルに少年の遺体を運ぶように命じる

また博物館のバックヤード

今度は聖骸布は登場せず、ティトレルは劣化したミイラとなって登場する

そのミイラに手を乗せて慈しむように歌うアンフォルタス

アンフォルタスに聖餐の儀式を迫るゾンビの兵士たち

聖杯の騎士1は剣を抜いてゾンビからアンフォルタスを守る。聖杯の騎士2は抜刀せず両手を上げて制している

しかし一人の兵士が聖杯の騎士2の剣を奪い、アンフォルタスに突きつける

アンフォルタス:
heraus die Waffe! Taucht eure Schwerte
tief, tief – bis ans Heft!

アンフォルタスは兵士の剣を奪い自分の首に当てて切ろうとする

パルジファル:
Nur eine Waffe taugt:

パルジファルは聖槍をアンフォルタスに当てて癒す

アンフォルタスの驚きの表情

そして…(割愛)

○○は○○に抱きつく。
ここですべてのわだかまりが解け、救われる

グルネマンツは槍を掲げて兵士たちと出ていく

アンフォルタスは名残惜しそうに振り返りながら出ていく

Höchsten Heiles Wunder:
Erlösung dem Erlöser!

場面変わって
青年と少年
洗礼し合って遊んでる

あの絵が現実になっていてそこに猿がいる
猿は青年を誘い、青年は少年に別れを告げ立ち去る
上の星はどう見ても、EU
(笑)
てことは今度は青年はUを救いに行くのか…

少年は…(割愛)

大団円

お疲れ様でした。

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2022年7月14日  東京二期会 宮本亞門のパルジファル  Day2

2022年7月16日  パルジファル Day3





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最終更新日  2022年08月01日 13時31分40秒


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