(前略)20% were resistant to any three classes of drugs from among the following: β-lactams, macrolides, tetracyclines, phenicols, folate-pathway inhibitors and quinolones.
このresistant to any three classes of drugsの部分、(少なくともお金をもらって翻訳をしたことがあるという意味での)プロがほぼ半数を占める数十人のうち、正しく解釈して訳文に反映させることができたのはただの一人だった。英語圏の大学を卒業した者もいれば、半年から数年の語学留学をした者もいる。アメリカの高校に通った者もいる。
では、これから証明に入る。 まず、内容の点で、それほど専門性の高いものではない。したがって、専門知識がないためにできなかったという理屈は成り立たない。the followingのあとはどれも薬剤名、複数になっているから、それぞれグループをなしており、そのグループをクラスと呼んでいることがわかる。 :の前はresistantを除けば、どれも易しい単語ばかり。 しかも、any three classesが「どの3つのクラスにも」となるくらいの英語の知識はだれでも持っている。辞書を引けば、それくらいの説明は書いてある。 トラドキスタンでは英語力は幻想であることが常識になっているが、ここで、仮に英語力というものが存在すると仮定してみよう。すると、any three classesがわからなかったのであるから、英語力が相当お粗末であることになる。どれほどお粗末かというと、中学1年の英語がわからないほどのレベルである。そのレベルでアメリカの高校が卒業でき、英語圏の大学が卒業できるとは到底考えられない。さらにそれ以上に、そのレベルにしかない者の半数以上がお金をもらって翻訳の仕事ができるとは考えがたい。 ここで、any three classes of drugsが「どの3剤にも」ならよくて、「どの3つのクラスの薬剤にも」がダメだと言うのであれば、classを訳出しようとした者がバカを見る。しかも、「クラス」を使うのであれば「どの3つのクラスの薬剤を選んで併用しても」くらいにしないと意味がわからない。
多剤耐性菌が増えているという記述があって、6クラスの薬剤名が書いてある。 そのなかから(from among)、any three classes of drugsに耐性を示すと書いてあるのだから、6クラスのなかから、どの3クラスを選んでみてもというくらいのところに落ち着くはずである。あとは多剤併用、3剤併用などという慣用的な言い回しがあるのだから、「どの3剤にも耐性を示す」と書いておけば、まさに「6クラスの薬剤のなかからどの3クラスの薬剤を選んでみても」という意味になる。ここで「いずれの3つのクラスの薬剤にも」などとすると、とたんにその意味が消えてしまう。