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探偵宣言 森江春策の事件簿【電子書籍】[ 芦辺拓 ] 本当に読みづらい作品だった。 そのことは前回(夕顔絵夢二郎の江戸ハブ日記 220814)も書いていること。 前回読んだ内容など何も覚えていない。 というかこれ、前回最後まで読んだのだったろうか。 一言でいうとこの作家は、トリックに溺れ読み手を蔑ろにしている。 そもそも巨大他時計塔の針にぶら下がるなどという発想を誰がするのか。 そしてその時計塔の時刻の矛盾から死亡推定時間が狂い、殺人現場も違ってしまう。 ミステリーの三要素、動機、機会、方法に私は刑事法、警察組織、ストーリー性を上げている。 ストーリー性には文章力も含む。 この作家の短所は、文章力がないこと。 少なくとも読み手を意識していない。 本当にどこでこの小説を切るかという、そういう問題ばかりが私を襲い、時間ばかりがかかってしまった。 この時間を私に返してくれ!と言いたい。 書いた本人は、十分な理解をしているのだろうが、私は、全く理解不能で、不快感ばかりが残った。 本ブログにカテゴライズしていることさえもうやめようかと思ったほど、不快感の傷は深い。 正史も森村も読み手あっての作品だと強く主張している。 そういうのがこの作家にはないんだね。 独り善がり。 そう表現する他ない。 とにかく不快だった。(12/29記)
2024.03.18
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十三番目の陪審員【電子書籍】[ 芦辺 拓 ] それにしてもすごいところに目を付けたものだ。 まずもって著者自身がいう逆本格ということばに敬意を表したい。 もっとも読み始めはいったいどうなるものかと不安であった。 なにしろDNA捏造による冤罪捏造なのだ。 いかにもミステリー好きが喜びそうな話だ。 だが死体なき殺人ではミステリーとして体をなさないではないか。 さて本作は著者のシリーズモノの一つ,森江俊作弁護士モノだ。 そもそも著者に関してはあまり興味がなかったので詳細は知らない。 それはともかく芦辺拓は22年度のなんと推理作家協会賞受賞者だったのだ。 しかしそんな作家の作品は,本ブログでは3作アップされている。 たしかにいずれもよくよく練られている佳作なのだがいかんせん読みにくい。 ようするに文章力に難があるということでしょうなあ。 ただ私はひたすら本作の謎に迫った。 死体なき殺人などという陳腐なミステリーを推理作家協会賞受賞者が間違っても書かないだろうから,殺人は行われており,被害女性が必ず存在すると予想した。 その予想はそのとおりであった。 ミステリーリーダーの面目躍如だ。 著者がさらにひねっていたのは死体なき殺人ではなく過去の殺人事件に鷹見という登場人物つまり冤罪の被害者を重ねたのだった。 そして著者は丁寧に鷹見の母親ともう一人の容疑者の母親の生年月日が同じであるというフェアなヒントを出すのだった。 私はミステリーリーダーとして読中真犯人を割り出していたのだった。 ここまでをまとめるとこうだ。 正史の得意技とばかり思っていた,双生児,を出現させた芦辺拓は,東野世代というべき世代だが,このたびようやく賞を取ることができ,まずもってお祝い申し上げるとともに,当ブログではカテゴライズ化して今後注意深く芦辺の作品を読んでいくことにする。(1/12記)
2023.04.04
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探偵宣言 森江春策の事件簿【電子書籍】[ 芦辺拓 ] 作者はトリックメーカーである。 そしてトリックに溺れてしまったな。 文学的な香りが全く認められない。 そしてその得意なトリックもあまりにも無理がありすぎることと作者の文章力のなさでとてもじゃないが脳内スパークしないのだ。 なんなんですかねえミステリーのトリックと手品のトリックは違うんじゃないのかな。 作者はそこのところを間違えてるんじゃないのか。 少なくとも小説読みは先に書いた文学の香りを求めている。 それがないミステリーは単なるなぞなぞ集、つまり小学〇〇年生の付録にすぎない、というのはいいすぎか、いや私は本作をミステリーとして考えた場合、言い過ぎではないと思う。 たしかにミステリーというのは、動機、機会、方法からなる文学である。 そして本短編集でもそれらはきちんと綴られている。 そのうちの方法は練りに練られている。 しかしそれらが有機的につながっていないことと、あまりにもわかりにくい文章で読み手を混乱させるばかりか読む楽しみを減少されているのだ! こうしてみるとミステリーはトリックにのみとらわれてはならないのだ。 何より読み物としての矜持が必要だと思う。 結局ミステリーは動機に文学を練り入れるというものなのかもしれない。 そもそも本書を先に読み進めるのに必要な臨場感が不足している。 以上本作者は私が今まで読み継いできた乱歩、正史、清張のラインには列しないということが判明した。 ただその創造的なトリックについては洗練していけば使えるものがたくさんある。 文章力と表現力という小説家として最も必要なものの欠落が本短編集をつまらなくしてしまった。 さらに関西弁は使わないほうがいい。 読み手は関西人だけではないのだから…。
2022.08.14
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三百年の謎匣【電子書籍】[ 芦辺 拓 ] いやあそれにしても乱歩正史の研究の派生でこれだけすごい作家を見出すことが出来たとは思いもよらなかったことだ。 それはともかく本作はまずのっけの殺人事件が銃殺しかもその銃弾は水平であり死体が発見されたのは迷路の様な小路だったのだ。 動機は相続による遺産分配だと推察できた。 相続先は弟と姪甥。 と思っていたら悩ましい話がここで入る。 1709年から1937年までの228年間に及ぶ長い長い世界話。 この話を飛ばしてしまうと本件ミステリーの謎を解くことは出来ないのだ。 だから根気強く読み進めなければならない。 この長い話をきちんと読まないと謎は解けない仕組みである。 さて相続人と指定された姪甥の内、甥は顔が破壊されている。 これは普通のミステリーの読み手はここで本人の身代わりとか甥ではなくて実は姉の子ではないのかなどと勘繰る訳だが、最終盤において姉の虐待だなどという今風な話につながる。 さて長い話に戻ろう。 ここではガリバーだの米国西部におけるシャーロック・ホームズだのヒンデンブルグ号の火災だのが描かれている。 作中主人公がその話について、もどかしい、などと話すのだがもどかしいのは読み手の方だ。 そしていよいよ大団円、キーワードは2。 長い話の深読みの先にあったものが真実なのだが…。 実に残念なことに真犯人が、昔の人間が書いた紙くずに興味がなかった、は本作において実に大きな矛盾でありそれが本作の価値を大きく貶めたと言わざるを得ない。
2022.04.06
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金田一耕助VS明智小五郎ふたたび (角川文庫) [ 芦辺拓 ] 結論から申しますと作者の能力は並々ならぬものを感じますし何も金田一と明智を並べなくとも立派なミステリーが書けるミステリー書きだと思いましたな。 例えば首無し死体の話。 乱歩にしろ正史にしろそれは当然首なし死体の被害者と思われるものが違う人というトリックなのだが本作においてはなんとそれが二重に繋がるよく出来た話で乱歩にも正史にもない斬新さがあった。 何しろ二大ミステリー作家の作り出した二大探偵のパロディだから書き手もかなり震えながら書いたことだろうがそんなこと微塵も見せない遠慮なさで読み手を魅了するのだ。 それにしてものっけから正史の、双生児は囁く、の星野双生児が悪役として出てきたのには驚いた。 たしか彼らは探偵役だったはずなのに本編ではなんと旧貴族の娘たちをものにしその旧貴族の家そのものを乗っ取ろうとしていたのだ。 この辺作者は乱歩も正史もじっくり読み込んだのだろうなと感心した。 そういえば小林芳雄団長も御子柴進探偵小僧も本編に出てくる。 サービス精神満載だ。 さらに緑衣の怪人=ミドリガエルなどというのも出てきて作品は明智モノにも金田一モノにもなるすごさなのだ。 さて件の星野双生児だが星野夏彦、冬彦ではなくて段倉鴻六、数馬という兄弟なのだった。 この辺は星野双生児の物語を読んだ読み手をニンマリさせる部分だ。 先の顔無し事件では先の戦争の二重スパイを題材にしている。 そういう意味でも金田一明智なしでも十分行けるとも思えたのだが、よくよく考えてみたら金田一明智ファンでなければわからない小ネタがたくさん仕込んであるのでやはり本編はパロディで良かったか。 いやあ、本当に乱歩、正史は面白い!
2022.04.04
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