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裏世界旅行【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 何はともあれ面白かった。 二宮の着眼点がね、並みの人とは違っているんだね。 ただたしかに自分のもう一つの世界というものには興味がある。 それは脳科学でも立証されている。 夢の世界ですね。 ただ実体化しないのは脳の方で体が動かないように制御しているからだという。 二宮のミステリー以外の作品は不快感が強かったのだが、本作はその不快感が鳴りを潜め気持ちよい話であった。 ただし普通の人がそう感じるかどうかは不明だ。 むしろこの作家、一体何を言おうとしているんだ!という非難の声が聞こえてきそうな気がする。 そうではないんだよ、この二宮の作品を様々読み継いできたから本作を私なりに理解することが可能になったんだよ。 だから、二宮を知りたきゃ二宮の作品を数多く読め!となるわけだ。 本作はまるで詩のようでもある。 訳のわからん文章を読み手は自分で解明して想像してその風景を自分の脳内に描き切らなければならないのだ。 そしてそれが本作の魅力でもあった。 それが本作を一気に読了できた理由でもある。 しかし、読書というのは、自分を作るものでもあるのだね。 読み方次第で自分が変わる。 そして時代とともに自分が変わる。 だから読書は自分自身の今一方の世界、すなわち本作でいうところの裏世界なのかもしれない。(10/3記)
2023.12.18
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足 二宮敦人 久しぶりの二宮敦人。 彼の原風景がこの小品に認められるんじゃないのか。 要するにゲロゲロゲロのゲロ…なのだ。 そりゃあ文学なのだからどんな風景を文章で紡ごうが勝手だけれどなぜこの際人の足を切断しなければならないのだろうか。 そしてそれを読んでいる私もゲロゲロゲロのゲロだ。 だが本作はこれまでの二宮のサイコホラーとはまた一味違う。 猟奇的すぎるというのかな。 そこに二宮流の理屈が入るからことは複雑になる。 彼の医者シリーズやら郵便配達人シリーズの清々しさから比べると本作やらその他のサイコホラーは全く違う作者が書いたのではないかと思ってしまう。 そういう二宮の二重人格は一体どこから来るのだろうか。 せめてミステリーをもう少し書いてほしいのだけれど止まってるな彼は。 そんなことで東野後が難航している。 見つからん。 のみならず東野の作品もこのところ私自身ピタッと止まっている。 つまり映画等のできが悪すぎるんだな。 映画等を観て原作を読んでのがっかり感が半端ないもの。 ここ数週間仏教モノが続いているな。 ミステリーリーダーの矜持は一体どこに行ったのだろうか。(7/15記)
2023.09.14
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恋のヒペリカムでは悲しみが続かない 上【電子書籍】[ 二宮敦人 ]恋のヒペリカムでは悲しみが続かない 下【電子書籍】[ 二宮敦人 ] まず, 門からちょっと入ったところの、あのちょこんとした小さな木が見えますか。 あれはヒペリカムという木でね。 暖かくなると黄色いお日様の形をした花が咲くんですが、それが実に可愛らしい。 花言葉は「悲しみは続かない」だそうで。ということらしい。 ここは恋愛相談所ヒペリカムでホストクラブではない。 けれども, かつてホストナンバーワンと謳われた檜山という男がいて自分の恋愛の悩みを抱えながら相談者の恋愛相談に真摯に対応している。 恋愛に関して作者は登場人物を通じて, 愛の波長が合っている時、あるいは友情の波長がしっかりハーモニーを奏でている時は、簡単に世界の法則なんかねじ曲がるものじゃないでしょうか。 もちろん、そこまで波長を近づけるためには色々な困難があるとは思います。 でもね、ご褒美がなければ、頑張る気になんてならないでしょう。 その先の奇跡を知っているから、私たちは傷ついても苦しんでも、なお誰かとわかり合おうと願い続けるのではないでしょうか。ととご都合主義を並べ立てるのだが果たしてそうだろうか。 それはともかく本作は上下巻で各250 ページ 合計500ページに3つのエピソードが盛られているのだ。 第一話は, 前出の檜山をホストと信じてヒペリカムに3日と開けずに通って大金を落としていく女性がいる。 これはきっと最初に出てきている, 律子という若い女性社長がハルナになって多分押しかけてきているんだろうな, という推察をミステリー リーダーとして したところ, ドンピシャだった。 二宮はここでも叙述トリックを使う アンフェアな作者だということがはっきりした。 第2話は, 高校の同級生同士の恋愛話だ。 女性は派手系,男関係もまたしかり。 逆に男性は女性に対し恐怖を持ち, 積極的になれない。 ただ男性はカメラマンとして被写体であるモデルの当該女性を撮りまくる時だけ本気の仕草が出るのだそうだ。 第2話は空港でハッピーエンドなのでよかった。 朝ドラ 理論ですな。 第3話は遠い昔のイタリアでの話。 結婚できなかった日本の男性とイタリアの女性が長い年月を経て老いて初めてゆったりとした期間を過ごすという物語だ。 この第3話は実に素敵な話であった。 二宮 の作品ではサイコホラーでなければ泣かされることが度々だ。 二宮は ストーリーテラーとしてしっかりとした技術と能力を持った作家 なのだなと改めて思った。(4/29記)
2023.07.28
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超巨大密室殺人事件【電子書籍】[ 二宮 敦人 ] これまで数冊, ゲーム 絡みのミステリーを読んだことがあるが,そのいずれも私の脳内がスパークすることはなかった。 しかし本作は違った。 ある意味ミステリー音痴である作者が本作ではまずまずの評価をしてもよろしいようなミステリーを紡いだような気もする。 けれども材料の出し方があまりにも平凡すぎた。 例えば部屋の中になぜ2つもの冷蔵庫があるのか。 ミステリー リーダーにかかっては全部 みろとめろっとお見通し状態になるではないか。 誰が照の恋人になりすましていたのかは直子が同じゲームをしていたという事実からわかるし直子の恋人と称する新庄がヒロインに近づいてくることから大体の筋が見えてきた。 この作家の癖としての叙述トリックは消しようがないけれどもそれは不快なものではない。 むしろこの作家の癖として理解すれば, それがヒントになって実に素晴らしい推理が読み手側ができてしまうというフェアな書きっぷり ということができよう。 超巨大密室についての説明がなかったのが残念だ。 密室殺人というのはミステリー界においていの一番に出てくる超有名なトリックだ。 さて本件ミステリーにおいてどんな密室があったのだろうか。 つまりこれは ネーミングの法則だ。 それが気に食わない。 商業主義に毒されている。 それと二宮の場合は表紙に漫画絵を配しているけれども, これもまた読者を誘うテでもあるね。 サイコホラー作家として多数書いている作家である。 彼の書くサイコホラーに関しては不快でならない。 しかしながら 本作においては 特に不快感 はなかった。 バーチャルリアリズムの世界に生きるものの話なのでサイコホラーが出てきてはおかしいということだろうか。 それにしても冷蔵庫が2つある現場に血の一滴も落ちていないということがあるのだろうか。 作者のそのミステリー音痴ぶりにはもう呆れてものが言えない(4/25 記)
2023.07.25
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郵便配達人 花木瞳子が望み見る【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 今まで二宮のことをサイコホラー作家と位置付け, それにミステリーをプラスしたミステリーとしては駄作続きのつまらない作家だと位置付けてきた。 けれども今回第4作である本作を読んで, 私は二宮に関する評価を少し変えることにした。 正直言って, 本作は痺れた。 そして本当に 1 l の涙を流した。 本作はミステリーですぞ。 なぜ泣けるかと言うとストーリーが人の無戸籍からくる不条理が元にあってそこから派生する祖母と孫の手紙のやり取り, それに絡む亀やら鶴やら海老の三婆,そして我らが花木瞳子その上放火事件が発生して太伊刑事と細井刑事も顔を出す。 さあここで, 二宮得意なサイコホラーが出るかと思えばなんと今回は二宮, サイコホラーを封印しましたな。 こっちは祖母から孫に出された手紙を読みながらサイコホラーがいつ出るか, いつ出るかと構えていたのだけれども, 結局二宮得意の叙述トリックは出たものの, サイコホラーなしで見事なミステリーを織り上げ, そして最後に, 朝ドラ的終焉…ここまで書くと少し ネタバレ にもなりそうだけれども, 何しろ花木瞳子と水野宗一の恋愛話も本シリーズでは重要な 伏線であったから…良かったです。 ミステリとしては 叙述トリックの他, 放火のトリックとして乾電池と銀紙の利用があった。 叙述トリックのヒントをあげれば祖母からの手紙で急に手紙で私が祖母よ, と名乗り出る場面が一つ, 三婆のうちの1人が15日なのに年金でそわそわしない話が 1つ,三婆のうちの一人の部屋がゴミ屋敷になっていることが一つの都合3つがあげられる。 私はミステリー リーダーである。 本作は立派な ミステリーであった。 そして本シリーズは, 第4作である本作まで全部まとめて読まないと仕上がらない大河作品 なのだった。(4/23記)
2023.07.22
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郵便配達人 花木瞳子が顧り見る【電子書籍】[ 二宮敦人 ] まさに二宮は叙述トリックの塊だ。 二宮は,サイコホラー作家として,私的には不快極まりない大嫌いな作家なのであるけれども,ミステリーでも何でもない 最後の医者シリーズでは泣かせられたし,それからサイコホラーにプラスして書いている本シリーズ, つまり, 郵便配達人花木瞳子シリーズもサイコホラーの部分は不快ではあるけれどもなんとか本第3作まで読了したのだ。 もう二宮のミステリー作品は,叙述トリックだとわかっているので,ひらがなだらけのわけのわからぬ,さんたさんえ,という行き先も書いた方もわからない郵便物に関してすでに何らかの叙述トリックが使われていると推理できるわけだ。 本作は郵便モノであるから,郵便配達人花木瞳子を中心にして話が進むのだけれども,夏生という 内務係の動きがちょっと微妙で,読み手はその辺を疑ってかかるとよろしい。 (そもそも郵政監察なんてねえ…ミステリーリーダーには全部みろっとめろっとお見通し状態) 二宮のミステリーがイマイチなのは捜査手法が非科学的 だからだ 。 瞳子の父親の過去が暴かれる。 瞳子は15年もの間墓参りに行っていない。 そこで モッチーが俺が金を出すから墓参りぐらいしてこい というわけだ( この辺も 叙述の仕掛け…)。 そうしたら墓が実にきれいになっていたほか,謎の置物もあった。 この部分についての深い始末がなされていないのは残念だった。 亜子が果たして瞳子の父親の墓のありかまで分かったろうか…。 瞳子の父親の名前も明らかに叙述トリックなのでここでは明らかにしない。 しかし瞳子の父親はどこの誰だかわからない女性と吊り橋から転落して死亡するという無理心中を引き起こしたことになっているのだけれども,この点に関して警察が誤認検視をするわけがない。 この辺の始末 も二宮は不十分だ。 二宮の父親の死亡推定日時と現場に一緒にいたとされる女性の死亡推定日時を照らし合わせれば,それが無理心中だと警察が結論付けるわけがない。 他のミステリー作家ならそこからミステリーのストーリーを進めるはずだ。 全ては二宮の自分のサイコホラーを幹とするミステリーに読み手をだまくらかして誘導するための話に過ぎなかった。 けだし本作はミステリーとしては駄作である。 しかし瞳子とミズノンのほのかな恋愛は続いていくようだ。 次の第4作でそれが結実するかどうかがとても楽しみである。(4月22日記)
2023.07.21
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郵便配達人 花木瞳子が仰ぎ見る【電子書籍】[ 二宮敦人 ] それでも二宮の作品には不快感がつきまとうけれどもこと郵便配達人シリーズはその不快感を花木瞳子とその仲間が払拭してくれるからミステリーリーダーはホッとするわけだ。 さて本作である。 前作で叙述トリックにより実は元郵便配達人にしておでん屋の主人持丸くんが行方不明になる。 捜索願も出されるが杳としてわからない。 ただ本作では瞳子に次ぐ重要な役どころだから簡単には死んでいないだろうという楽観的憶測はできる。 だが二宮のことだ。 もしかして持丸ことモッチーは死んでいるかもしれない。 二宮のミステリーはどうしても叙述に頼ってしまうね。 だから脅迫状を送りつけられたものが怪しいことも一番怪しい男が犯人足り得ないことも前作にも出てきた女性の瞳子以外のバイトの女性臨時集配人も複雑に絡むであろうことは全部みろっとめろっとお見通し状態になる。 この辺が叙述を多用することの弊害だ。 相変わらず死に対する冒涜的な意見を犯人をして語らせているけれど,それがこの作家の味でもあるとすればミステリーリーダーは我慢するよりほかないか。 それ以外郵便やチームの活躍ぶりは快哉で,最終盤の謎解きも大どんでん返し(もしかすると一般の読み手にはそうかも知れないけれど)というよりウンウンやっぱりね,って奴でやはり二宮の郵便配達人シリーズは二宮の作品にしてはよくできていて,不快感も少ない。 ただ,ミステリーなんだからもう少し警察の研究をしてほしい。 たしかに拳銃の弾5発撃ったからもうない,は正しいけれど,日本の刑事がむやみに拳銃を出すことはないし,撃つに当たり警告警告射撃をしないなどということもありえない。 そういやあ,ミズノンが瀕死の重体に陥りながら助かったことで次作の瞳子との恋の行方も気になるが,それ以上に太伊刑事と細井刑事の病態は一体どうなったのだろう…。(4/20記)
2023.07.19
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小指物語【電子書籍】[ 二宮敦人 ] この作家の作品には,不快感満載シリーズと郵便配達人シリーズと最後の医者シリーズがある。 単なる死体の描写とかだけではない生理的不快感である。 まず自殺というテーマですな。 このことは社会が是認していないこと。 例えば自殺幇助サイトなどはサイバーパトロールで見つけられては有害情報として削除され続けている分野でしょうに,あえて彼はそのテーマを突っつく。 そして二宮の次の不快なテが叙述トリック。 私は叙述トリックはミステリーにおけるトリックとは認めない。 必死になって読んできた読み手に対する単なる裏切りではないか。 本作におけるもう一つの陳腐なトリックが多重人格。 出し方がケチ臭いね。 これが東野にかかるとかなり早いうちに現れる。 こんな陳腐な仕掛けがなぜ本作に必要だったのか私にはわからない。 この作家のことがこんなにもわからないのにも関わらず私が読み継いでいることもよくわからない。 自分で自分のことが全くわからないという状態なのだ。 そんな本作ではあるが,生死についての見解は見事であった。 こと遺伝子の引き継ぎということを考えた場合,たしかに私の生がいつで私の死がいつかははっきりしないのだ。 そういう生死のあり方を考えた場合,自殺について考えること自体がナンセンスだということを難解な物語に託したのだろうか。 そうだとすると実に見事だ。(4/19記)
2023.07.18
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郵便配達人 花木瞳子が盗み見る【電子書籍】[ 二宮敦人 ] このシリーズでやっと二宮はミステリーの分野に進出したわけだ。 だがミステリーリーダーからすればまだまだ小手先の叙述トリックという印象だらけでミステリーの本質を理解していないとしか言いようがない。 ただ物語性も花木瞳子がなぜ郵便配達員になったかも持丸という先輩と瞳子の関係も非常に素敵に描かれている。 そして真犯人の人物像であるが,これは今まで彼が描いてきたサイコホラーにおける二宮ワールドの残虐者そのものであった。 私は二宮は警察から離れすぎていると思う。 警察を取材することが嫌なのであえて郵便配達人頭分野を舞台にしたのかとも思う。 郵便に関する取材はグッジョブである。 そこにミステリーを仕掛けるという視点もグッジョブである。 ただ凄惨な殺人現場の捜査に当たり警察がいきなり花木瞳子を犯人とみなし花木瞳子出てこいなどと拡声器で語り掛けるものか。 アンリアル。 さて叙述トリックであるが,まず立川東局には女性の配達人は瞳子だけというのに話の途中からいきなり橘川筐子という女性が入り込んでくるから,これがまるで鮎の小骨がのどに刺さりっぱなしの状態になるわけだ。 佐藤3人に目星をつけてどれを殺してもよろしいという論理は今までの二宮ワールドの理屈そのもの。 そして叙述トリックを使いすぎたせいでこの次の作品の持丸と花木瞳子をどういう形で出すのか,飲み屋さなえの位置はどうなるのかなんて問題も出てきて、ミステリーリーダーとして実に心配になるのだった。(4/17記)
2023.07.16
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狂化【電子書籍】[ 二宮敦人 ] もはや二宮が気が狂っているとしか私は思えない。 それでもどんどんどんどんこの作家の作品を読み続けている。 この作家を私が不快として嫌うのは私にない狂気が見て取れるからだ。 多様化が叫ばれている昨今二宮のような狂気も多様の中の一つとして認知されなければならないことなのだろうか。 二宮の作品はミステリー仕立てになるとどうしても叙述トリックに逃げる傾向があるのだけれどサイコではとてもフェアだと思う。 つまり対論をきちんと用意しているからだ。 対論というのはいわゆるノーマルな人の意見だ。 そしてその二宮の巧みなところはいつの間にかノーマルな人間に対して読み手に異論を持たせてしまうところだ。 呪いの話では,いじめ被害者のために親友が呪いをかけてくれたのにこの被害者は最後までそんな呪いで加害者がやられないようにしてほしい,みんな平和で健康でありたいなんて言うノーマルな思いを話すのだが,これにより結局呪術者が殺されてしまう。 実に巧みだ。 今まで私が読んだ二宮作品は最後の医者以外の作品がホラーサイコである。 したがってミステリーリーダーの出る幕ではない。 ミステリーっぽいものがあった場合のみ私はチェックしているが,ことミステリー風に関しては前述の通り叙述トリックに逃避する形である。 したがって二宮に関しては純粋にホラーサイコを楽しめばよろしい。 不快ならば読まなければよい。 でもやめられないのが二宮作品である。(4/16記)
2023.07.15
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四段式狂気【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 明らかに二宮はミステリー作家ではない。 ホラー作家あるいはサイコ作家である。 あともう一つヒューマニティ作家とでも言うのか,あの最後の医者シリーズ。 そして私の場合はあえて二宮には不快という冠をつけさせてもらおう。 それでも飽きずにまだこうして読んでいる。 というよりだんだんだんだん耐性がついた。 今回はストーカーが誰かということは全部みろっとめろっとお見通し状態だった。 ストーカー問題に警察を入れなかったのはよかった。 なぜなら二宮は警察の取材が未熟だからだ。 この作家の悪いところは叙述トリックすぎるということ。 叙述トリックを使って舞台が簡単に変わってしまう。 後出しジャンケンそのものなのだ。 つまり彼がミステリー作家ならばアンフェア!と糾弾しなければならない。 ところが彼は先に書いたとおりホラー作家またはサイコ作家だからアンフェアでも何でもありということになる。 むしろアンフェアのオンパレードでとにかく読み手を恐怖に晒すのが目的なのだ。 ところが吾々ミステリーリーダーはすべて根拠を必要とする。 非科学的な話は認められない。 そういう意味で最終盤のドタバタには参ってしまった。(4/15記)
2023.07.14
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夜までに帰宅【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 不快といえば不快。 不快なのが二宮の一つの特徴なのだから仕方ない。 甘んじて読むよりほかない。 しかしその不快も慣れてくるとそれほど不快ではなくなる。 本作における問題点は2つ。 1 窃盗が軽犯罪であるとはこれいかに。 2 ホラーは怖がらせるだけに作られたものという見解。 1は,結局二宮にはミステリー作家としての才能がないということの裏返し。 つまりミステリー作家のセンスが無いということになる。 例えば詳細な警察の組織についての取材とかも必要になるが彼にはそれがないし法律についても上記の通りの音痴ぶりだ。 2は,それが二宮の本質ではなかろうが,本作においてそれを登場人物に語らせているということはどこかに二宮にそういう見解が存しているということなのだろう。 そして実は二宮は二宮形に本作において大どんでん返しを準備しているのだ。 それがまた二宮作品を読むものを不快にさせる。 本作はこの先一体どうなるのかという不快感を延長させる作品だったのだ! ところで本作が電子書籍でなかったらここまで深読みはできなかった。 耳読によって初めて二宮の深奥を理解できる。 耳読だと鮮やかに二宮ワールドが脳内でスパークするのだ。 不快ではあるがこうして読んでいる私はだんだん二宮に引き込まれているのかもしれない。 そう思いつつ読んでも決してのめり込むことはしない。 なぜならまだ彼のミステリーを読んでいないからだ。 私はミステリーリーダーだから。(4/15記)
2023.07.13
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さよなら、転生物語【電子書籍】[ 二宮敦人 ] しかしだんだんに二宮ワールドに引き込まれていく自分が怖い。 今回は今の自分に満足できず,他の世界に転生できるなら転生してみたいという人の話。 転生できるのは今死んだばかりの人。 その人生を生きることになる。 今まで多くの人が転生したがまた元に戻る人がほとんどのようだ。 このシステムのいいところは, 理想の体,理想の人生を選べるんです。 あ,もちろん,やり直しもききますよ。 嫌だったら現実に戻ってこられますから,ご心配なく。と実にフェアなところ。 転生したらそれっきりということではないところがポイント,ミソなのだ。 この話では二宮の考えが披露される。 まず時について, 時はね,自由にはならないんだ。 待つしかないのさ。 今,何かとの時が遠いなら,近づくのを待つ。 時は常に揺れ,波打ち,脈を刻んでいるからね… いつか波長が重なり合う日が,きっとくる。 とてもとても先になるかもしれないけれど,必ず時は訪れる。 安心して,のんびり待てばいい。とし,道について, いいかい,どんな生き物にも道があるんだよ(略) よく観察しているとわかるんだ。 鳥は自由に飛んでいるようだけど,実は特定の道に沿って飛んでいる。 道は上空の風や,雲の量,太陽の高さなどから決まっているようだ。 魚もそう,獣もそう,みんなそうなんだ。 生き物である以上,自然の法則と,それによって決まる道には逆らえない…とする。 けだし慧眼である。 不快感が先立っていた二宮に関して,読めば読むほどこの作家が非凡であると感じている私である。(4/14記)
2023.07.11
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18禁日記【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 二宮に関しては不快以外の何物でもない。 それでも最後の医者シリーズだけは優れものだと思う。 しかしその裏に潜む本質は本作に書かれた通りなのだろう。 Lの日記では人体解剖について書かれている。 これこそ最後の医者の基礎になるものなのだろうが,とにかく二宮は本作において自分の本質をさらけ出そうともがいているかのような感じがした。 それなのに彼は常に人と正対しようとしない。 なぜこうも精神がひん曲がるのか私はとても不思議だ。 このひん曲がりが彼の本質なんだなと思う。 したがって本作が彼の本質なんだなあとあらためて思った。 本作に,Nの告白という作品がある。 このNこそ二宮でなくていったい誰なんだろうか。 この作品において二宮は人の手を借りた自殺を披露する。 トリック的にかなり手が込んでいる。 それからNの鬱屈した心理が小品ながら精密に描かれている。 なのにこの不快感。 一体二宮はわざと不快にしているのか,それとも素なのか。 私は本作が二宮の一つのベースなんだと思う。 二宮には最後の医者シリーズのほか郵便配達員モノもあるらしい。 まずはそのシリーズも読まっくちゃ。(4/12記)
2023.07.10
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最後の医者は桜を見上げて君を想う【電子書籍】[ 二宮敦人 ] しかしそれにしてもこの作家はこんなにも感動的な話を書けるのになぜそれ以下の不快な話をまき散らすことができるのだろう。 どっちが本当なんだ? この最後の医者シリーズは,本作が先なんですねえ。 この話の後に死神桐子医師が神宮司看護師とともに七十路病院を追い出され開業することになったんだね。 それはともかく本作では,働き盛りで妻がお腹に胎児を宿している会社員が急性白血病で,医学部に入学したばかりの女性がALSで,そして本シリーズの主役である桐子と福原の医学部同級生で親友の音山医師が咽頭癌で亡くなる。テーマは医学で,スパゲッティになっても生きるべきか,それとも延命策をせず残された人生を精一杯生き抜くかということだ。 その点で病院の副院長たる福原と延命をせず人間として最期を全うすべきとする死神桐子の意見は所々で衝突する。 読み手はどちらかというと死神桐子を応援したくなるだろうな。 また最初の議論に戻る。 つまりこの作家の二面性、あるいは多重人格性についてである。 私はこの最後の医者シリーズと,数々のホラーめいた話を同じ作家が書いたとは思えないのだ。 しかしそれが事実なんだろうな。 どうにもこの作家の真髄がつかめないのでもう当分の間この作家を読むことになりそうだ。 人の死をテーマにするとどうしても涙ぽろぽろになる。 そしていみじくも作中, そうだ。 音山はきっと,人間ではなくなりつつあるのだ。 人間になる前の状態へと帰る,そう決めてしまったのだ。という言葉が出ているが,これが死というものの一つの相なのだと私は思った。(4/11記)
2023.07.07
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悪鬼のウイルス【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 本当にこの作家が書きたいものは何なのだろう。 本作のようなわけのわからないグロを書きたいのかそれとも最後の医者のようなストーリーが理詰めでまるで東野のような話を書きたいのかということ。 私は当然二宮には後者を書いてほしいのだが…。 気がつけばすぐにグロ話。 これは二宮の性癖か。 ただね,本作が他の人が書いたホラーとはまた別の趣があったなと,ぎゃーっと人をびっくりさせる話ではなかったなと,そこがほかのホラー作家とは違うかなと思った。 猟銃での殺し合いはしてほしくない。 日本では一般人が武器というものを手にすることができるのは猟銃くらいのものだから,それが本作のように派手に撃ち合いをされると,銃の管理機能がうまくいかなくなる。 本作では石尾村において腐れ鬼病が蔓延しているという表現があった。 その治療法を発見するため石尾村を出なければならない,という話になるがそれはまるで脱走のような状態だった。 この世代の作家は人の命など屁とも思わないようである。 主人公の周囲にいても簡単に殺されてしまうのだ! ミステリーリーダーをしていると結局エビデンスは何なのだ,本作の表題がウイルスだから,その始末はいったいどうなるのかと読み進んだのだけれど,その答えがないまま終わってしまった。 後味の悪さがすさまじい。 口直しに最後の医者シリーズを読むことにしよう。(4/10記)
2023.07.06
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殺人鬼狩り【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 医者シリーズが文句なしに面白いのに,ミステリーめいたものを二宮敦人が書くと,ツッコミを入れたくなるのだが,そのツッコミを無視すると実によくできた話でサイコミステリーとしては上等な部類に入る作品ではなかろうか。 ただ、警察組織論から言うとそもそも猟奇犯罪対策部などという部署は存在しないし,全滅した離れ小島の警察署員がどれくらいの規模なのかわからないし,大体連続殺人犯がのうのうと刑務所に入って生きているはずもないし,それが脱走しても離れ小島から本土に帰れるはずもないし…。 だから警察などというものを表に出さずに書けばいいのにね。 それはともかく逃げたサイコパスたちがだんだんだんだんボレロのように強いものが残っていく作りは小説として見事だ。 人間の側にサイコパスがひとりついてくれた作りも悪くはない。 サイコパスというものを特殊な人種として本作では規定しているが,それを晴樹という若い警察官がそうじゃない,この世の中は多様性を認め合わなければならないのだというメッセージを吐いて残ったサイコパスの逮捕にこぎつけた。 それ以前に様々なサイコパスがそれぞれの事情のもとに現出していた。 褒められるための看護,ワキガを咎められると人を殺すもの,社会をヒエラルキーであると考えて人を殺すもの,色情狂,人体を分解してまた元に戻すもの…。 よくここまで考えたものですなと感心しきり。 二宮敦人の本質は一体どこにあるのだろうかと考えてしまうけれど,読みなれると面白い作家に違いないことがわかる。(4/9記)
2023.07.04
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最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)【電子書籍】[ 二宮敦人 ] なんだい,二宮敦人すごい小説家じゃないか。 今まで読んだ彼の作品は一体何だったのだ。 そりゃあ,本作がミステリーだなどとは言わないよ。 しかしきちんと文系の彼が(一橋大学経済学部って言うんじゃない)医療の現場の取材をして本作に結びつけたのだ。 私はすごいと思う。 本作は伏線回収と大河の連動という感じだ。 伏線回収というのは,第一作こそHIV陽性患者の話だったが,2と3は,紛れもなく本作の主役である,カズに絵梨と桐子という医師の話。 これらの人々が伏線回収よろしく複雑に絡み合って話は進む。 第一章のHIVの話は,本作の本の序章にしか過ぎない。 それでもこの第一章はそれだけで独立しているのだ。 一体この作者に関してどんな作品を読んで手痛い評を書いたことか。 つまりこの作者はミステリー作家ではなかったということ。 その舞台に上げて血祭りにすべき作家ではなかったということ。 だからもうミステリーなど書くなよ,二宮敦人と言いたくなる。 小説の出来不出来の全ては,取材力にある。 本作は医療小説,その取材力の凄まじさに脱帽する。(4/8記) 最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下)【電子書籍】[ 二宮敦人 ]
2023.07.03
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ある殺人鬼の独白【電子書籍】[ 二宮敦人 ] もはやミステリーという分野の小説ではないね。 そういう意味でミステリー作家というカテゴリーに入らないから,東野後には当然ならない。 一言で本作の感想を述べれば,不快,である。 人を殺すことを微に入り細に入り文章で書き紡ぐ。 それを不快と言わずしてなんと呼べばいいのだろうか。 人殺しを連綿と書けばホラーにでもなると思っているのか。 信じられない作家だね。 これじゃあお得意さんはできないよ。 少しはミステリーっぽかったらよろしいのに,全くないんですよね。 こういう作品を読まされる身にもなってほしい。 あたしゃあ好きで読んでいるんじゃないよ。 ミステリーリーダーという職業柄読んでいるわけだ。 だから読まされた身でもあるわけだ。 趣味ならね,読まんでもいいのよ。 でもね,この作家がどういう作家かわからんから,必然的に読むことになるのだ。 そして次から次へと人を殺す話,それも解剖するような話だから不快になるのだ。 それにしても東野後を見つけるのは本当に大変なことだ。 読まなければ探せないし,読んだら不快なものやら叙述やら基準に満たないものだらけだし。 それでも東野後を見つけなければならない。 不快な作品でも読まなければならないのが今の私の仕事なのだ。(4/4記)
2023.06.28
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僕が殺しました×7【電子書籍】[ 二宮敦人 ] さて本作は榊リエという女子高生がヒロインで, 父親はヨリコと不倫して家を顧みなくなり,母親は家を出て行った。 弟を養うためAVのスカウトをして必死で働いて,川西みたいな変態にストーカーされて,それでも頑張って。 母親に執拗に「周りの人間を不幸にする」と言われているうちに人間関係に苦手意識をもって,友達のケーコや先輩のカナミとも不器用にしか付き合えなくて。 たったひとり本音で話せた友達,ミツルには自分の命を絶つように願っていた…。 のだが…。 私は本作は,この前読んだ我孫子武丸が論じた叙述トリックなのか,そうだとすると一体結末はどう持っていくのかと考えていた。 明らかにリョウが刺殺したはずのリエなのだが,そののち6人もの男女が自分が犯人だと名乗り出詳細にリエ殺人の状況を自白する。 そんな中でなにが,Who done it?だと,読み手はいささか幻惑されてしまう。 つまりまさに叙述トリックでしょうがという話なのだ。 どういう叙述で来るか私は手ぐすね引いて待っていたのだ。 しかしやってきたのはまさに独り善がりの, 僕はワギを死刑にする。 こいつは悪だ。 こいつが真犯人だ。 こいつさえいなければよかったんだ。などというセリフ。 なぜリョウがワギを死刑にできるのか。 作者はリョウをしてその旨語らせ,権限のない私刑を施行しようとしているのだ! この時点で本作はすでにミステリーの体を為していない。 さらにドタバタは続く。 曰く, 僕はこれからワギを裁く。 その後,僕自身を裁く。 自分で自分を裁く? 思いあがるな! 本作が叙述トリックを使って上々颱風になったら,騙されてあげようと思っていたけれど,最終盤のとんでもないドタバタ劇で本作が台無しになってしまったのだった。 残念である。(4/3記)
2023.06.26
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ドールハウスの人々【電子書籍】[ 二宮敦人 ] これまた突っ込みどころ満載の作品。 昭和60年生というから,五祖東野の次の世代に当たるとみていいのだろうが,いかんせん,ミステリーを書くにあたり捜査手法そのもの、刑事法、動機、機会、方法のいずれも手ぬるい。 読み手は人形の作り云々などというものに興味はありませんぜ。 なによりヒヨリの出自が最初から見え見え。 ミステリーなのに人形壊された話から始まって,人が死ぬのは1/3過ぎたあたり。 その人の死も頭も手もないのなら(そこを人形の頭と手と交換している),あーた,人替えと吾々ミステリーリーダーは全部みろっとめろっとお見通しだい状態になるじゃないか。 本当に手ぬるい。 ただこの作家はホラー作家ということでもあるので,あとで人形が殺人を犯したなんて話にするんじゃあるまいななどとあたしゃあ多分に危惧していたけれど,そこまでおふざけしないで済んだのでその点はよろしい。 本作も多分に多重人格性を含んでいる。 結局自己制御できなくなった人形師の話とまとめられてしまうね。 ミステリー書きたかったら,まず刑事司法に通暁しなければなるまい。 自信がないせいで刑事の出番が実に少なかった。 普通のミステリー作家なら,顔なし死体から死者の身元をしっかり確定させしかる後に捜査を始めるもんだ。 犯人が捕まって家裁に行く話は納得できない。 とにかく基礎がなっていないという感想だ。(3/30記)
2023.06.21
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最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下)【電子書籍】[ 二宮敦人 ] さて下巻では第2章のあと第3章でとある父親の死が語られる。 主人公の一人がなぜそれほどまで父親を憎むのか。 そこが大きなポイントだ。 それはともかくこの父親は、「脳梗塞による脳血管性認知症だと思うんだが、まだ症状を正確につかめていない。脳内に出血もあるようだ。ただ、記憶障害は確実に起きている。それから視覚障害もあるようだ。相手が誰か、顔を見てもすぐに理解できていない。これは相貌失認かもしれない」と認知症を発症する。 作者は一橋大学経済学部卒なのだが医療現場にやけに詳しい。 取材力がある作家なんだろう。 本作はサスペンスでもミステリーでもない。 なのにそれに準じるような緊迫感がある。 それが魅力だ。 泣きながら騙される。 そういう感じか。 「ねえ、ゴミは毎日回収していたんでしょう」 「……ああ。基本的には」 「じゃあ、その日までは絵は大切に保管されていた、ということにはならないの」 「保管……されていた?」福原が瞬きする。 本作は本好きの友達に話したくなる。 上記のエピソードがヒントだ。 本作を読んでなぜ泣けずにいられるのか。 泣ける話というのは本作のような小説なのだ。 もう小説を読まないなどと言わない。 私は小説ファンになってしまった。 趣味が読書とはそういうことだ。
2020.09.25
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最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)【電子書籍】[ 二宮敦人 ] 久しぶりに小説を読んで絶句し嗚咽し上下一気に読み進んでその仕組みに感心し…。 前言撤回ですな。 つまり立花隆が述べる知的生活には小説は必要ないという言葉に則り私も真似して小説は読まんなんて言ったこと。 この世にこんなにすごい小説があったなんて今更ながらの思いです。 こう言う良質な小説は人間形成に必要だ。 上下2巻で3人の人が亡くなる。 そもそも主人公が医師だからそうなる。 本作はその3人の死がそれぞれ1,2,3章だ。 2章のある母親の死が上下巻にまたがる。 1章は導入だ。 2,3章はそれぞれが関連する。 「そのつもりで、心構えをしておけ」そう言うと、父親は再び食事に集中し始めた。 手から箸が落ちる。 拾い上げることもできず、カズはただ弁当の具を眺めていた。 きらきら輝く米の一粒一粒が、その色が形が光沢が、やけにはっきりと見えた。 にんじんの細かい繊維が、赤とオレンジの色の混ざり具合が、肉の脂が、繊維が、全てが奇怪な彫刻のようであり、異世界の景色のように感じられた。 秒針がかちこちと言わなければ、時間が進んでいることすら信じられなかった。 これは母親が不治の病に冒されそのことを父親から聞かされたときの少年の心の描写だ。 このへんで読み手は嗚咽に至る。 そしてこの第2章は下巻に続く。
2020.09.24
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