今日、何読んだ？

憧れの刑事部に配属されたら、上司が鬼に憑かれてました

憧れの刑事部に配属されたら、上司が鬼に憑かれてました【電子書籍】[ 飛野　猶 ]　いやあ、ついに私もこの系統に入ってしまいましたか。　こちらの舞台は、京都府警。　異捜とか六係は、警視庁だっただけに、京都という背景でのおどろおどろしいミステリーは、確かに想像力をくすぐる。　それから前二人に不足していた警察組織や刑事法についての知識もマアマアだ。　ただ、普通の事件における解明不明な点を目には見えないスピリチュアルに頼ろうとするその力技はいかがなものかと私は思いますがね。　そのことを除くと本作はミステリーとしても矛盾のない面白い話に仕上がっていると思う。　怪談話をこの世の事件にうまく当てはめたね。　ゴミ収集車が火災になり、中から手首が見つかった件、しかも、その手は紙切れをぎゅっと握って離さなかったというではないか。　ここで作者は、なんと死体現象の知識を見せびらかす。　すなわち、死後硬直が解けたはずの手がなぜ紙切れをぎゅっと握っているのかと言うわけだ。　タクシーに乗せた客がシートに水を残したまま消える怪談話はよくあるが、その霊と一緒に乗った刑事が名前を頼りに捜査した結果真相にたどり着く話は、これは私にもみろっとめろっとお見通し状態でしたな。　犬鳴村のようなトンネル怪談では、仮面に霊が付いている話だった。　本作にも若い有能な女性刑事が登場する。　その名は、若槻亜寿沙。　その上司が、阿久津聖司という鬼に憑かれた警部補で、実はキャリアで警視まで行ったが、鬼の特性がついたばかりに京都府警の警部補で特異事件の係長になったというシチュエーションだ。　同様の話を連続して読んでいるが、今のところ甲乙つけがたい。（11/22記）