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EVIL 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] だんだんだんだんこのシリーズが好きになっていく。 内藤には本シリーズと藤堂比奈子のシリーズがあるが、私はそのどちらも好きだ。 で、どちらもKindleunlimitedに次巻が入っていないので、きょうなんざあ、BOOKOFFで紙の本を探しましたよ。 そしたら、藤堂比奈子のほうがありましたな、一冊。 それくらいハマってしまった。 さて、本作であるが、昭和30年代の現職刑事による若手警察官殺害事件がプロローグで、ここ数作始まるが結局本作でもその謎は解かれませんでしたな。 ばかりか、うら交番への道がどうやら東京駅の改装によって断たれそうだというところまで話が進んだ。 結局本作は堀北恵平の人間性が読み手の共感を呼ぶんだろうね。 警察官としての矜持がはっきり示されている。 反面、昭和30年代の永田のような悪徳警察官の姿も描かれて、警察官はいかにあるべきかという問題を読み手に提示するわけだ。 そういう人間性に関する物語なので、事件そのものはそっちのけ、読後一体どんな事件でしたっけかということになる。 事件はおもて交番の前で起きた通り魔事件だった。 恵平が犯人を現行犯逮捕するる。 ひと騒ぎしたあと交番近くに風呂敷包が忘れされられているのに気づくが、その中には人間の心臓が入っていたという話でしたな。 あと、作品中恵平が何度かこちら側から昭和30年代に行けるのなら、あちらからもこちらの世界に来ている人がいるのではないかという推定をしているが、そのことも多分今後大きな本シリーズを解く鍵になりそうだ。(1/28記)
2024.04.27
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DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] いやあ、泣いた泣いた。 本当に泣かせるいい話だ。 内藤の警察に対する取材力が半端ない。 警察学校等の警察官の教養期間等をきちんと把握している。 だから、うら交番の話を出すまでもなく、その話はとても切れが良く読み手の心にぐさりと刺さる。 内藤了は、傑出した現代の語り部だ。 このシリーズをすこしずつじわりじわりと読み進めてきたが、さて柏村のいる昭和30年年代のうら交番とは一体何なのだろうか。 今回の冒頭では、その昭和年代の永田刑事というものが出てくる。 それが次作にもプロローグで出てくるようだ。 そこから少しは柏村のこともしれてくるのだろうか。 恵平は、いつの間にか丸の内西署の刑事課員に好かれ始め、作中、刑事になりたいという彼女の思いが吐露されるシーンもある。 だから、次作は、彼女はきっと刑事になっているんだろうな。 さて本作は、ホームレス連続殺人事件。 ダークボックスで人が集められ、真犯人の意図の下、知らず知らずにゴミ収集車にさらわれたホームレスが入れられて裁断されるという話だ。 そこでDNA鑑定やらなんたらかんたらやで身元が特定されていく。 そんなこと昭和年代の警察官に話しても、なんのこっちゃということなのだけれど、どうも柏村という昔の警察官が、そこのところを彼なりに理解しているフシもある。 結局、本作は、to be continueなのだ。(1/26記)
2024.04.24
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パンドラ 猟奇犯罪検死官・石上妙子【電子書籍】[ 内藤 了 ] これは、藤堂比奈子以前の、死神女史こと石上妙子の院生時代の話。 まあ、一種のスピン、オフですね。 当然かつての夫であった、若かりしころの厚田巌男刑事も出てくる。 そして本作の作品の特徴は、今までのシリーズのようなおどろおどろしさはなく、死体現象、微物を駆使しての純然たるミステリーだ。 本シリーズでは屈指の出来上がりだ。 だだどうしても検視を検死と書いたり、長野の事件を強引に警視庁が捜査したり、警察が明らかに不審な点がある死体現象に関し、自殺でおわそうとするなどの、現実離れした点は、枚挙に暇無い。 けれどもそういうミスを無視して読み進めば、本作のできの良さにびっくりしてしまうだろう。 連続女性殺人事件の犯人が、作中冒頭から出て死神女史に絡みついていたり、中盤、あっという間に白いカローラが出てきて、なだれを打ったように犯人が割れたりと‥、そこまではよろしい、 けれど、ミステリーリーダーにかかったら、残りページを計算したら明らかにもう一波乱来ることは十分予想できたし、しつこいほどの、サー・ジョージにかかる死神女史に対するアタックから、当然彼もまた何かに絡んでいるだろうなとういことがわかる。 しかしそれにしても、内藤の現場描写力は鬼気迫る。 死体現象について、かなり勉強したものと思う。 それを磨き抜いた文章力で表現して、読み手にその状況をはっきりさせるのだから、その才能は半端ない。(1/20記)
2024.04.19
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MIX 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] 私は、すっかりこのシリーズのとりこになってしまった。 あと、堀北恵平のシリーズね。 そういうことでいえば、内藤了という作家の非凡さを感じずにはいられない。 それはともかく、今回は人魚の話でしたな。 人魚を科学的に作ることが可能なのかもしれないという、まさに猟奇的な話、とでもいうのか、科学的根拠にまとわれているから信ぴょう性、あるいはリアリティがあるといえるのかどうかは、読み手個々人が自由に考えてほしい。 今回のテーマは、人体実験という一つの、アンモラルな話が根底にあるわけで、それに付随して、その描写が不快そのものだというすごい文章力を内藤は発揮するわけだ。 人魚がホルマリン漬けされるんでっせ。 すごい話だ。 それが自己の娘だというんだからね。 ただ、猟奇犯罪捜査班のチームワークがだんだんだんだん良くなってきていて、そういう意味で好きになれるというわけだ。 人体というものが、がん細胞だの遺伝子だのでまるで魚類のようないでたちを見せる事が出来るのだという話。 さらになくなったはずの佐藤都夜の脳が今後何やら悪しきことに使われそうだぞ、ということ、また永久とかその他の成員が特殊能力を発揮して面白いことをしそうだ、という期待感も持てる。(1/18記)
2024.04.15
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TURN 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] 私は藤堂モノと恵平モノにどっぷりはまってしまった。 交互に読んでいるものだから、 ついに2つの作品が融合してしまって、本作の序盤、永田という刑事の話で、 私は 中島保と永遠のコンビを思い出してしまい、 その話の延長かと思って読み進めてしまった。 この猟奇モノの違いつまり藤堂モノと恵平モノの違いは、 交番という、 時間の概念を超越した存在があるか否か、 なのだ。 本作における恵平は、 丸の内署の生活安全課で研修を重ねているという設定だ。 地域課研修、 刑事課研修で揉まれた恵平は、 今やその不可思議な力を存分に発揮して、生活安全課のおばさん刑事を辟易させてしまう。 中学生が急な生理で苦しんでいる、 しかもいつもより出血多量だと思われるなどという時に、果たしておばさん刑事が簡単にそれは生理だからと言って済ましてしまうのだろうか。 そもそも読み手である私がそれは多分、 不正出血ではないのかと疑ったのだから… 。 恵平は生安課ではちょっと苦労しているみたいだ。 その代わり刑事課で培った仲間が彼女をバックアップする。 ところで、 なんとなんと、 本作には、死神女史が出てくるのだ。 冒頭に書いた通り、 本作は恵平モノであるにもかかわらず藤堂モノと見紛ってしまうのだ。 この際これらの2つの作品は 統一してしまったらいかがだろうか。 私の頭の中では、 堀北恵平のような初任科上がりの巡査が苦労して最終的には藤堂比奈子のような刑事になっていくという一つの 流れが 読んで取れるのだ。 そう、藤堂比奈子が若干話をリードしている。 だからと言って堀北恵平がそれを追いかけているものでもない。 やはり 、それぞれは独立して話が進んでいる… のだけれども、 猟奇という テーマから、 この 2人の世界は どうも繋がっている感じがして 困ってしまう。 いずれにしろ ライブラリーにはまだ両作品が入っているので、この先一体どんなストーリーが飛び出すのかとても楽しみだ。(1月15日記)
2024.04.13
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BACK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] 今回はこっちがわつまり藤堂側の話、特に野比先生つまり保とかそれの研究対象になった永久とか、死神先生とか、それから東海林が本部に行くのいかないのなんてエピソードがとても多くて、本筋があまり面白いものではなかった。 始まりがなんとタヒチの人食い豚からで、それが最終盤につながるという話でしたな。 そしてこの猟奇犯罪捜査班のチームワークが徐々に良くなっていくというエピソードも豊富。 結局人食い豚に食われた日本人が本件の犯人らしい…のだが、to be continuedになったので、また続きを読まなければと私はいそいそするのだった。 つまりこのシリーズと恵平のシリーズは、どちらも読者のこころを掴んで離さないという、実にできたシリーズなのである。 で、シリーズ一貫性がなければ読者は離れる。 逆にシリーズが飛ばなければ、読者は次から次へと読んでいく。 そうこうことですよねえ。 内藤了の作品を、藤堂比奈子と堀北恵平の話だけで考えると(尤もこの2シリーズしか読んでいないから、内藤了ファンには申し訳なけれど…)ホラーと言うよりは厳然としたミステリーだと私は思う。 特に藤堂モノは、超常現象的な話がきちんと根拠を科学的根拠を持って示されている。 そこが大きな魅力だ。 逆に恵平モノは、うら交番が、これは科学的根拠のない話なので、読者は戸惑う。 もしそれも藤堂モノのようにすべて科学で明らかになるとすると、両シリーズは、似た者同士となり、読者の記憶が混乱してしまう。 そこのところを内藤了を実によく計算して小説を書いているなあとほとほと感心してしまう。 まあ、私自身ミステリーリーダーなんて言っていながら、ホラーをこうしてミステリーだなんてほざいている割には、ミステリーの根幹の一つたるトリック、つまり、方法ですな、これが両シリーズには不足していると思う。 が、とにかくいまライブラリにある、藤堂モノと、恵平モノにしばらく引き込まれることにしよう。(1月15日記)
2024.04.12
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PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] この人の書く警察官は堀北恵平といい藤堂比奈子といい若い女性警察官なのだが、周囲の男に好かれ、女性であることを理由に仕事から外されたりいじめにあったりすることはない。 そればかりか恵平は、もはや東京駅周辺のホームレスやら飲み屋のゲイのおっさんなどとツーカーの仲になり、さらにはうら交番の柏村巡査部長?にもたまに会いにける能力を持ってしまったのだ。 さて本作はいわゆるバラバラ事件がテーマだ。 それを縦軸に様々な要因がその話に絡みついてきて、本筋はいったい何なのだ、ということになるのだが、最終的にはまとまるところにまとまるという仕組みなのであった。 恵平は、東京駅表交番の見習い生だ。 今は鑑識の実習をしている。 藤堂比奈子ほど死体を見てもびっくりしないようだ。 臭いにも強いようだ。 それは仲間がいいからなんだろうね。 まあそれにしても内藤了という作家、少なくともこの恵平シリーズと藤堂比奈子シリーズは、実に魅力のあるシリーズに仕上がっている。 一度読み始めたら、やめられません状態に陥る。 結構、Kindleunlimitedに入れてくれているんで、その点は実にうれしい。 話が少し回りくどくて、なかなか理解しきれない場面も出てくるのではあるが、それでも一気に読了する事が出来た。(1/12記)
2024.04.10
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ONE 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] 結局相次いで読んじまったよ。 それでよかったのかもしれないな。 間髪入れずに読んだから前の本をもう一回読んでなどということも必要なくて、前の本で課題として書いた、脱走犯のこととか、藤堂比奈子のその後のこととかが明らかになった。 その、都夜と鈴木博とのやり取りの中で、その手紙文が暗号になっているなどというひねりはいいのだが、本件犯人のことを考えると、少し無理があるわな。 はっきり言って本件は触法事案なのだから、その蘊蓄も少しは書いてほしかったな。 読み手はそんなこと必要ないというかもしれないけれど、少年事案に関して無知の人があまりにも多いから、そんなもん読もうが読むまいが勝手、ただこのZEROとONE」のくくりでいうと、それを明らかにするのも作者としての丁寧な書きっぷりじゃないのか。 今回は久し振りに野比のび太先生のプロファイリングが入りましたからな。 置き場所がなぜずれているのかという問題もしっかり本作で明らかにされていた。 そういう面では、作者はそつがない。 シリーズモノを何作も読むと、引きずり込まれますな。 シリーズモノは読めば読むほど味が出る。 今回は、先に書いた通り、ZEROとONEで一作だったから、読み進めるうちにさらにまた猟奇犯罪捜査班の顔ぶれが明らかになってきて、さらにのめりこむことになった。 本作はホラー文庫所収だから、じゃあ、ミステリーとホラーの違いはいったいなによということになろうけれども、そんなことに分類はともかく、本シリーズは間違いなくミステリーだということをまずもって強調しておこう。 いやあ、それにしても疲れた。(1/10記)
2024.04.07
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ZERO 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] 一気に藤堂比奈子シリーズがKindleunlimitedに入ったのでライブラリにそろえた。 本作がやけに口上が長いなと思っていたら、本作で終わらないのだった。 藤堂比奈子が命に係わる結果で、次の、ONE、に続く。 まあ、その結果を読まないわけにはいかないから、自然続編を読むことになろうが、どうせなら一作一作読み切りにしてほしいものだ。 いずれにしろ猟奇犯罪捜査班は、警視庁本部にそのシマを与えられた。 ここからまだまだ話が続くんだろうが、本作で明らかにしなければならないことは、大量殺人事件で、死体のそれざれのパートが、何らかの意味があって遺棄されているらしいということ、五人殺しの女が、刑務所から脱走していること、そして最終盤、藤堂比奈子が何らかのものから刺された模様だということ、これらが次作で明らかになることなのだろうが、そうすると、どうしても私は続けて、ONE、を読まなければならない状況に陥っているのだろうか。 実は、このシリーズと、同じ作家の恵平モノもそろえているし、今野敏と、中山七里もそろえている。 中山モノは、どうやら小出しにKindleunlimitedに入ってくるみたいだ。 正月から(これを読んでいるのは1/10のこと)ラインナップは豊富だ。 そして読めば読むほどその内容を忘れているという、私特有の病に参ってしまう。 それでもライブラリに落とした以上、読まなければならないという義務感に苛まれている。 次、やはり、ONE、を読むか。(1/10記)
2024.04.02
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COVER 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] とにかくおもしろい。 本作には、藤堂比奈子のシリーズから、三木鑑識と月岡鑑識がけっぺいの鑑識教養に出張ってきている。 そのへんに著者の、自作に関わるこだわりを感じることができる。 いちいち突っ込んでいたらきりがないが、その突っ込みすら忘れてしまうほどの著者の技倆だ。 すばらしい。 私はこういう作品を数多く読みたいのだよ、芦辺拓くん。 あっ、また芦辺を出してしまったな。 結局読み手はこうして比較するのだよ。 そして読み手の中で淘汰されていくのだ。 そりゃあ、ミステリーもラーメンと同じで消費する側の好き好きだ。 でも基本六型に照らしてその作品の善し悪しを決めたい。 まず、動機、機会、方法。 それから、刑事法に悖ることなかりしか、警察組織に知悉しているか、ストーリー性はどうかで六型。 ストーリー性には、文章力も含む。 ここがきちんとしていないと独り善がりと批判される。 したがってミステリーも立派な文学ということになる。 本作が特異なのは、うら交番の柏村さんの存在だ。 この人にあえて初めてけっぺいは事件の真相を知ることになる。 本作で残念だなと思う点は、せっかく冒頭におどろおどろしい怪作をもってきたのに、本編と繋がらなかったことだな。 まあでもこちらのシリーズにおける成員のチームワークまた良し。 内藤了おそるべし。(12/30記)
2024.03.21
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LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] 本シリーズのunlimited分読了。 警察組織の表現に粗さが残るし、そもそも角川ホラー文庫所収だから、そのテの話かと思うと、そういうものでもなくて、事件としては形作られているのだけれど、だんだんに話そのものも粗っぽさが際立ってきたな。 それはともかくそれに反比例して、藤堂比奈子が一丁前の刑事に成長していく姿が好ましい。 警部補を長とする刑事部屋などこの世には存在しないだろうが、作者はガンさんにその生命を与えた。 ガンさんと死神の元夫婦のキャラも味わいがある。 作者が鑑識のことをどのように理解しているかは知らないけれど、三木鑑識も非常にキャラが立つ。 故に、猟奇犯罪捜査班(非公認)は、ハゲと死神、天才と天然、木偶の坊とオタクからなるのだ。 冒頭角川ホラー文庫云々と書いたけれど、その面の、つまりサイコホラーミステリー的なおどろおどろしさが、多分このテの小説の読み手はほしいんじゃないのかな。 腐乱死体云々などというのはあまり好ましくない。 死体よりも超常現象を読み手は求めているのではなかろうか。 その点の物足りなさが本作において顕著になってきた。 本シリーズは典型的な第一作ホームランというやつで、その後が続かない。 藤堂比奈子が落ち着いてきたというのがその原因の一つでもあろう。 何より、保くん、野比のび太が全く出番がなくて、本シリーズのファンはやきもきしているんじゃなかろうか。 ということで実は、本シリーズはまだまだ続くのだが、unlimitedはここまで。 まあ私も、ここで一息入れて他の作家の探索に回るとしよう。 一旦藤堂比奈子は封印します。 またいつか何処かでお会いしましょう。 See you again!(12/18記)
2024.03.08
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AID 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] うむ、ちょっとわかりにくかったかな。 前作で非公式猟奇犯罪捜査班を打ち出した。 メンツは、死神にはげ、天才に天然、木偶の坊にオタク。 私は、天才に興味があるんだが、今回はほとんど登場しなかったね。 その天才は、天然と淡い(よりは少し上レベルの)恋愛関係にある。 そのことよりも、この天才の心理学上の動きが、このシリーズではなによりの根拠となっているのではないのか。 次作に登場することをのぞむ。 さて今回は、オタク鑑識が非常に危ない目に遭うわけだ。 そこに、オタクメイドも絡み、話そのものは実に面白い展開をするわけだ。 またもカローラが出てきましたな。 むかーしのカローラは、トランク内部から開けることはできないそうな。 ということは、今はできるということなのか。 さてこの内藤了という作家、警察内部の取材源は誰なんだろうね。 いろんな話を知っているのだが、コンマなんぼで狂っている。 例えば警邏で駐在所の前に立っているなんて、こういうのは、立番というし、警邏とはパトロールということなのだ。 それはともかく、藤堂比奈子がだんだんだんだんまともになってきたな。 これからどんどんどんどん成長していくんだよね。 次作が楽しみだ。(12/18記)
2024.03.07
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CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] 突っ込みどころはいっぱいあるが、まず警察手帳への書き込みはやめましょう。 というか、今の警察手帳には書くところがない。 せっかく素晴らしい話を書いても、そういうこまいリアルを無視されると読む気になれない、人もいると私は思う。 それから、捜査本部を立ち上げたら、本部と所轄の2人1組だ、というのは、この業界の常識ですよ。 そしてひな壇に警部補がいるわけがない。 だいたい仕切るのは本部の警部クラスだ。 あと、所轄に鑑識課なんてないと思うし、三木が鑑識官だったり、捜査官だったりの表記がおかしい。 そもそも鑑識というのは、警察官であり、すなわちその業務はすでに司法警察員なわけだから、鑑識官なんて表現は必要ない。 もう一つ検死官の表記。 東大の女性教授は、鑑定先であり、解剖の執刀医である。 検死官になどなりえない。 それから、検死は検死じゃなくて検視だ。 これは、犯罪に起因したから否かわからない死体の検視するのはをするのは刑訴法229条により検察官と定められているのだが、その検視のノウハウは、すでに警察のほうが高いことから、警察官が代行することになる。 これを代行検視という。 つまり、検察官が視るのが原則だから、検視、なのだ。 その代行検視を専門的にしている警察官が検視官。 死神女性教授は断じて検視官ではない。 くらいの問題点をすべてクリアして、2刷でも3刷でも10刷でもいいから直して出版してほしいな。 これらがクリアされたら、本シリーズはなんと素晴らしいミステリーになるだろう。 猟奇犯罪捜査班、それは、本2作目にして、死神とハゲと、天才と天然と、 木偶の坊 とオタクがね、タッグを組んで猟奇犯罪に立ち向かって行く捜査班という構想が明らかになってきた。 頑張れ!藤堂比奈子!(12/16記)
2024.03.06
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ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子【電子書籍】[ 内藤 了 ] つうことでまた新たなカテゴリーである。 藤堂比奈子が実に新鮮でよろしい。 若干の警察組織に関する不具合が見られるけれども、本作がサイコミステリーだということを考えると、まあまあの出来だね。 この作品の面白いところは新人女性刑事藤堂比奈子に対する上司同僚の温かい接し方じゃないのかな。 それが読み手に好ましい印象を与えてくれるわけだ。 本作のように人の心に入り込めるかどうかの真偽はともかく、それがあるものという前提で進めば、なかなかの佳作だった。 シリーズになっているので、さっそく揃えましたぜ。 つまりこれから当分の間、内藤了、という作家の作品を読み継ぐことになるわけだ。 人の心理をストーリー化すると面白い作品になるね。 今回は、若干のエディプスコンプレックスがあった。 それが高じて犯人は狂暴になった。 犯人は、作者から提供されるだけで、捜査官側からの提起はない。 つまり、推理がありませんな。 ストーリーの流れの中で、いつの間にか収まっていたという感じだ。 まあそれはともかく本作で知り合った藤堂比奈子の恋人?野比くんとの仲が今後あるのかないのかも、次作に対する一つの興味ではある。 私は、刑事法とか警察組織とかストーリー性とか面倒くさいことをいっぱい書いているけれど、リアルに抵触せず、内藤了には精一杯思い切り作品を書いてもらいたいと思う。(12/13記)
2024.03.01
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MASK 東京駅おもてうら交番・堀北恵平【電子書籍】[ 内藤 了 ] またすごいミステリーを読んでしまった。 警察に関する取材力も高い。 そもそも警察博物館に行っているようですからな。 そして警察官に関する哲学を、多分殉職したけれど霊的存在として裏交番に勤める柏村という警察官をして、 悪意は人に感染するものだし、警官は常に悪意と接するからね。 そうでなくとも、不意打ちを食らうとダメージは大きい。 だから事件は解決させて、解決できるものだということを自分自身に教え込まなきゃならんのだ。 そうでなければ人を信用できなくなるし、人を信用できなくなれば、警察官ではいられない─と言わしめ、堀北恵平(ほりきたけっぺい)というおもて交番の女性警察官を事件解決に導いていく。 恵平の先輩刑事は平野腎臓。 二人で事件を解決するのだが、すぐに現場に突っ込んでいったりしない。 律儀にきちんと上司の指示を仰ぎ、チームプレーに徹する。 冒頭の霊的部分の解明が本作では残念ながら明らかにならなかった。 つまり、next continue なのである。 それはともかく、うら交番の話がわからなくても、本作はミステリーとして素晴らしい味わいで、読み手の脳内をスパークさせてくれた。 Kindle Unlimitedのいいところは、こうして素晴らしい作品に巡り会えることができるところなのである。 (結構ハズレもあるけれど)。 そもそも舞台設定が東京駅というのがいいねえ。 東京に新幹線で行けば必ず到着する所。 帰るときも同じ。 だから東京駅と言うだけで郷愁を呼ぶ。 いやあ、そこに女性のホームレスとか、うら交番に恵平が風呂敷包みを届け、その中にあった結婚指輪が無事持ち主の女性に帰った逸話とか、そのストーリーも実に精緻だ。 だからじっくり読み込むことになる。 速読よりも遅くなるんだね。 でもそれは小説読みという新たな読み方の類型としたい。 なにごとも速読ということにはならないんだね。
2021.07.04
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