濫読屋雑記
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はい、今日は図書館の休館日です。ですので、久々ぶりの、というか8月に入ってから管理画面すら見ていなかったのですが・・・、更新となります。今年は公共図書館に異動となったので、お盆休みも図書館へ出勤して仕事をしていました(泣)。去年までは、学校図書館だったので夏休みはノンビリと蔵書点検や、クラブ帰りの生徒たちとお喋りしていたのですが、今年の夏は凄まじく忙しかったです。学習室では騒ぎがおこるは、児童コーナーでは子どもが傍若無人な振る舞いをするはetc、と散々でした。でもまだ、夏休みが残っているのですよね~。この一週間は、駆け込みの読書感想文やら自由研究のレファレンスで、悲鳴モノでした。大体、この時期に人気の課題図書を借りようとする考えが甘すぎます!それから、自由研究は大体、万人同じような事を考えるのですから、当然、そのジャンルの本が少なくなるのは当然です。それを、本が少ない!と逆ギレされてもどうしろ?って感じです(しかも、いい大人がですよ、全く)。そんなこんなで、鬱も酷くなり夏バテも加わって健康的にも、大体夜の10時には就寝して、朝の7時に起床するという生活をおくっています。なにせ、公共図書館に移ってからは、自動車通勤となりまして、電車の中で仮眠を取れなくなっていますのでね~。ホント、自動車通勤は疲れます。あーぁ、お抱え運転手が欲しいな~、と贅沢な夢想をする今日この頃です。さて、こんな状況でも睡眠に入る少し前には、習慣的に読書は続けています。で、どんな本を今読んでいるかといいますと、高橋慶史著『ラスト・オブ・カンプフグルッペ』(大日本絵画、2001年)です。この本は、絶望的状況下で奮戦したドイツ機甲戦闘団・パンツァー・カンプフグルッペが主役です。第二次大戦末期、粘り強く戦いぬいたドイツ陸軍・武装SS、同じ枢軸国のイタリア・ハンガリー・ルーマニア陸軍、そして連合国のアメリカ陸軍の実録戦記を描いた本です。これまで光のあたらなかった小さな勝利の数々を丹念に掘り起こした、第二次世界大戦のドイツ軍戦記に関心がある人なら必ずこの本にたどり着くという、戦記ファン必読の一冊です。ここで、カンプフグルッペ(Kampfgruppe)について、簡単に説明をしておきましょう。このカンプフグルッペは直訳すると「戦闘集団」となります。では、実態はどのような部隊であったかと言いますと、戦車連隊や歩兵連隊を中心にして、各種支援部隊増強した「諸兵科連合部隊」というものです。部隊の大きさは、連隊+αといった規模です。例えば、このカンプフグルッペの中でも有名な武装SSのパイパー戦闘団(大体、指揮を取る部隊長の名前で呼ぶことが多いです。第1SS装甲師団所属)の部隊は、第1SS戦車連隊を基幹として第1SS装甲擲弾兵連隊第1大隊、第1SS装甲工兵大隊第3中隊、空軍第84突撃高射砲大隊を加えて編成されています。つまり、師団単位だと大きくて小回りが利かないので、臨機応変に戦線の状況に対応する為に作られた部隊であるといえるでしょう。それでは本の内容はといいますと、目次別に見てみると「SS長官は“冬至”がお好き―第106戦車旅団」。「バルト三国火消し稼業―SS戦車旅団“グロス”」、ドイツ側からみた「もう一つの『遙かなる橋』―第107戦車旅団」。戦闘で消耗してしまい戦車がなくなってしまった「戦車がなくても戦車師団?―SS第9戦車師団“ホーエンシュタウフェン”」。モスクワ、スターリングラード、そしてノルマンディーの戦いなどの重要な戦闘の要で必ず負けてしまったという「必敗の名指揮官―オッペロン=ブロニコフスキー」。「ドラキュラも驚く出血ぶり―ルーマニア第1戦車師団」。枢軸国軍側なのにパルチザン相手しか戦わず、その後、ソビエト側に寝返ってから初めて本格的な戦闘を経験したという「世にも不思議な枢軸軍―ブルガリア戦車旅団/師団」。魚雷艇や特殊潜航艇を運用する海軍部隊でありながら、イタリア降伏後は陸上部隊としてたたかった「戦場のメリークリスマス?―イタリアXMAS戦隊/師団」。米軍部隊としてはツキが無く大量の兵員を死傷させてしまった「“血のバケツ”―アメリカ第28歩兵師団」、戦線が自分たちの部隊を追い越してしまい、知らない間に前線後方で暴れ回ることになってしまった「虎たちに明日はない―戦闘団“シュルツェ”」。第二次世界大戦末期、乗る艦も無くなり、訓練も不十分で装備の悪い状況でも必死に連合国群と戦い、“青いSS”と畏怖された「陸に上がったカッパと象―第2海軍歩兵師団」、僅かな数の戦車で連合国部隊に立ち向かい、16両のシャーマン戦車を撃破しアメリカ軍のコンバット・コマンドを壊滅させてしまった「1945年のヴィレール・ボカージュ―SS戦車旅団ヴェストファーレン」、以上12編となっています。この中の一つ一つを取り上げて語っていきたいのですが、時間もかかるし面倒なので、大体どのようにこの本が各部隊を解説しているかを紹介しておくだけにしておきます。まずこの本の良いところは、ポートレートをはじめ珍しい写真も多く、またその出典が明らかにされていることです。著者はドイツへ留学したことがあるので、向こうの出版物も参考にして書かれているので内容には確かなものがあります。また、各部隊の編成が図表でひと目で分かりやすく表示されているのも良かったです。とくに私的にはルーマニア軍やブルガリア軍を取り上げた章が面白かったです。工業基盤が軟弱な中欧の小国が、どのようにして機械化部隊を編成してドイツ軍と協力して(というか、寄生して)東部戦線で、ソビエト軍と激闘を繰り広げたかが、書かれていた部分は非常に参考になりました。それにしても、これら中欧の国国力を考えると、太平洋戦争を独力で戦い抜いた大日本帝国はかなりの工業力を保持していて、戦車も飛行機も独力で開発・生産できたし、火器等もかなりの生産力を持っていたのだなぁ~と少々見直してしまいました。という訳で、この本は第二次世界大戦を描いた中でも手ごろに手に入る貴重な戦史録と思います。ヨーロッパ戦線での戦闘に興味のある方にはお勧めの一冊だと思います。ただ、少々値段が張りますので、懐事情が厳しい方は図書館で借りてくることを、お勧めします。かくいう、私もその1人なのですがね。続編もでています。
2007年08月27日
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