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2010.08.19
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カテゴリ: 本
ヤマケイか何かの雑誌に芥川龍之介の「河童」が


ずっと前に読んだことがあったはずだが、全く覚えていない。

精神病院の狂人の噺。
穂高岳に登ろうと、上高地に行って歩くが、
霧で視界がない。

そこへ突然河童が現れ、追いかけていったらなぜか河童の世界に迷い込んでいた。

河童の世界といってもそれは人間の写し絵。
晩年、といっても自殺したからまだ年はいっていない頃の作品で、


上高地が舞台といっても、上高地や山の描写は最初と最後だけで、
ひたすら河童の世界での時間が語られる。

その頃の芥川が捉えていた日本をブラックなオブラートで包んで描いているのだと思う。
登場するのは全て河童だが、医者、事業家、哲学者、詩人、作曲家、芸術家、
そしてヘンな学生など、
およそ普通のじゃない者ばかりが描かれる。

作家というのは、そういった文化人とつながりができるものなのか。
それぞれが河童の世界を語るのだが、
言い換えれば芥川の思想を表現したものだろう。

当時はもちろん現代ほど作家の数は多くなかっただろうが、
自らの思想に行き詰まり、思い悩み、


他に太宰も同じような道を歩んだイメージが強いからだろうか。

現代の読み物に慣れてしまったせいか、
この頃の文学作品に、読み物としての純粋な面白さは感じない。
ただ、ビッグネームの後期の作品として、また当時の社会を垣間見る手段として、
背景を含めてちょっと興味が沸く。


ただ、モノや情報が昭和初期より圧倒的に増えただけで、
それなら果たして溢れるモノや情報は我々の思考を変化させたのかと疑問を持つ。
良くもなっていないし、また悪くもなっていない。

河童の世界から脱出して主人公の人間が見たのは槍ヶ岳の姿。

ちなみに、この時すでに上高地に「河童橋」があったらしい。





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Last updated  2010.08.19 22:43:07
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