オキナワの中年
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おきなわ文学賞の発表があった。 一応講評は書いたのだが、それぞれ制限字数800字で、受賞作品それぞれに触れると紙数が尽きてしまう。そこで感じたことを書き留めておきたい。 まず、第6回目ということで、賞自体がすこし曲がり角に来ているのかも知れない。極端に応募作の少ない戯曲はともかく、小説、詩、俳句、マンガで一席が「該当なし」になってしまった。実をいうと最後に審査会がひらかれた随筆部門も「該当なし」の空気があったのだが、よく話し合って一席を出した。 この賞は県内在住もしくは県出身者という限定があり、実際にはいくつかの部門で何回か受賞した人もいるのだが、さすがに一席の人が翌年も応募すると言うことは、過去無いようである(禁止されてはいない)。結果として高い技術を持った人が、上がりやめのような形になってしまい年々全体としてはレベルが下がるのは避けられないと思われる。ほとんどの部門で審査員は第一回から変わっていないから、これまでの受賞作と比べると、といった感じで一席該当なしが多くなってしまったのだろう。実際随筆部門も、私の個人的な感じでは過去の受賞作と比べるとやや見劣りするといった感覚があった。 だがまず本賞は、プロへの登竜門という意味合いはなく、県民に広く文学に親しんでもらおう、という趣旨だと思われる。特に随筆部門は、応募者の大半が、これまでまとまった文芸作品など書いたことのない方々である。さまざまな人生経験を積んだ方が、自分の思いを吐露したり、逆に若い高校生や大学生が、五枚という事でチャレンジしてくれる。それに対し、今年は一定の水準に達してないから、一席無しというのはいかがなものか、というわけで、随筆部門では十分話し合って、やはりその年一番良かった作品には一席を出そうという結論になった。 本賞の各審査委員は完全に独立しており、総会の様なようなものは特にない。このまま行くと新しい世代から突出した才能が現れるまで、毎年該当者なしになってしまう恐れもあるのでは無いだろうか。詩の審査を担当している宮城氏はこのページを見てくれると思うので、意見が聞きたいところである。(つづく)
Dec 3, 2010
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