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2004.08.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 オリンピックの超人たちが行なうワザは、テレビで観ている分には、彼らはいともたやすくそれらをやり遂せているように見える。

 いっぽう、同時進行中の高校野球には、いともたやすさはなく、懸命なプレーとズッコケそうに悲壮なエラーもある。

 超人たちの競技にも、高校野球にも違った味わいのドラマが展開され、だからスポーツはおもしろいんだな。

 もう随分昔のことになるから、若い人は知る人が少ないと思うが、巨人で長嶋がサードを守り、広岡(という理屈っぽいおじさんがいた)がショートを守っていた。

 長嶋の守るサードは、難しい打球が飛んできたら、華麗なフットワークで横っ飛びしながらキャッチし、更に難儀な体勢からファーストに返球して打者を刺した。ボクらファンは、すごい、長嶋はグラブさばきも鮮やかなスーパースターだと唸った。

 一方、広岡は職人的なプレーヤーであり、その地味なワザにより、決して観客を派手に沸かすことはなかった。しかし、どういうわけか、ショートに打たれた難儀な打球は、よく広岡の正面でキャッチされ、その確実性において鉄壁の守りだった。

 広岡の場合は、状況を読み、よりよく計算した上で、ほんの数秒の先読みで、難しくなりそうな位置にすばやくシフトしていた。だから、ほんとは難しい打球であったところ、広岡をしてイージーにさばける打球にしてしまっていた。

 これが、非常におとな好きのする、いぶし銀のプレーであった。

 対照的に、みんなからひまわりのように愛される長嶋のプレーを、おとなたちはあんまり褒めてなかった。つまり、ほんとはイージーにさばける打球をすら、長嶋の派手なアクションは、いかにも難しい打球をファインプレーしたかのごとくファンに見せかける。あれは、プレーとは言わない、パフォーマンスと言うんだ、とたたかれていた。

 今思えば、広岡も長嶋もやはり、プロの超プレーヤーだな、と思わずにいられない。どちらも嫌いになれない。

 大変難しいテーマを、ちょいと散歩に出かけるようにふいと出て行き、誰もが気づかないうちに、それらを何もなかったかのように、解決してしまう先輩。

 一番だいじな顧客(ファン)のために、自分の身を投げ出して喜ばせようとする先輩。

 広岡のようないぶし銀の先輩や、長嶋のようにファンを最も大切にしようとする上司、

 よく目を見開けば、そんな人たちが、ボクらの周りにはゴロゴロいるような気がするんだがね。








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Last updated  2004.08.19 21:40:14
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