温故知新

2004.08.04
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大学病院を患者にとって良い方向へ動かそう、とするのは難しい。

娘が定期的に通っている大学病院は、この地方では娘の障碍に圧倒的な症例数を誇っていて、皆、新幹線で通ってくる。

その専門外来はいつもにぎわっているが、遠方からきた生後10日の新生児に対してもなんの配慮もなく、
1時間でも一般客と一緒に長椅子で待たせる。
当然、産後10日の私も一緒に長椅子に腰掛けて待っていたわけで、疲れから目がチカチカしてきたのを覚えている。

5月頃からシステムが変更になった、と、主治医が言った。

主治医、といっても、書類上の主治医ではない。
大学病院によくあることだが、主治医は教授で、手術するのも教授だが、
普段、定期的に検診をしたり、状況を把握したりするのは、その助手である。


その主治医が言うには、システムが変わって、
今までは、助手が診るとしても、いつも同じ助手が主治医のように診ていたのだが、
これからは、手の空いているものが随時診ていく、というのだ。

私は、異議を唱えた。

大学は様々な人に臨床を経験させられるし、助手の行動の自由が多くなるし、患者との癒着もなくなってメリットが大きいだろうけど、
こちらは待ち時間が減る、程度のメリットしかないのではないか。
娘の様子を把握している人が毎回診ないのでは、いくらカルテを見ているとはいえ、これでは定期健診にならないのではないか。
何か不安や聞きたいことがあったとしても、初対面に近い人にいきなり質問するのは難しいのではないか。

すると、どうなったか。

娘の診察時間が変わった。

専門外来の日ではなく、一般客と同じ時間帯になり、そこは助手の主治医が一般客を診察する時間だった。


これが大学病院のやり方だな、と、私は思った。
うるさい人だけ特別扱いにし、あとは自分たちが患者を…ではなく、症例を診やすいようにする。

しかし、これ以上、私にはどうすることもできない。

こうやってシステムが変わったことを、他の患者も困っている、という事態をどうやって把握できよう。
あなただけだよ、と言われても言い返しようがない。


手術のとき、手を抜かれてしまったらどうしよう、と、どうしても考えてしまう。

もちろん、病院を替わる自由を私は持っているが、この病院と比するほどの症例数を誇る病院に頻繁に通うには、
経済的にも肉体的にもきついものがあるし、
何より、私には少なくとも対処してくれているのだから、気分は悪いだけで実害は少ない。

こうやって、大学病院の論理に組み込まれてしまうのは、逃れようもないことなのか…。






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Last updated  2004.08.07 16:36:15
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