温故知新

2005.03.17
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カテゴリ: 摂食障害
誰が何と言っても、娘は摂食障害である。

誰が何と言っても、と、書いたが、正確に言えば、それは違う。
「誰も何とも言ってくれなくても」と表記するのが正しい。

娘が経管栄養になった時、
私は2つの大学病院、1つの国立病院、1つの総合病院の門を叩き、診察し、検査をしてもらった。

が。

いずれも、明確どころか、少しの希望さえ、教えてもらえなかった。
それどころか、「原因不明」とさえ言ってもらえず、
管で生きているんだから、

命に危険はないんだから、
他の病院の出方もあるし、
お母さんのやり方が悪いんでしょ。
という扱いしか受けなかった。

出会った栄養士、管理栄養士、保健師は10人を下らないが、
真剣に向き合って、力になってくれた人は、1人しかいなかった。
その方から、種類を問わず障害児に、摂食障害の子供が存在し、その研究はまだまだ途上である、と、教えてもらった。
その方との出会いも、思えば、ネットを旅に旅した末に、だった。

摂食障害について。
私は専門家ではない。

が、少なくても娘に関して、今になって分かってきたことがある。


娘の摂食障害で半狂乱になっていた頃。
栄養士や管理栄養士、保健師などに火に油を注がれるアドバイスをされて、
その人の家に娘を送り届けて失踪しよう、と、本気で思ったこともあった。
彼女らは私に、よくこう言っていた。

可愛い盛り付けで。

楽しい雰囲気で。
カラフルな色合いで。
食器も興味を引くもので。

1年以上も経った今になって、ようやく得心のいくことが多い。

今の娘は、ぷーさんの器が大好きである。
食べなくなると、器のぷーさんをダシに使って、もう一口、食べさせることがよくある。
また、海苔が好きなので、食べなくなった物に、海苔を目の前でサーブして、
更にまた一口、と、食べさせたりもする。
茶色一色の物は嫌がるし、好きなプリンも、いつものカップに入っていないと怪しんで食べない。

そうやって工夫する度に、
あぁ、栄養士らが言っていたことはこれなんだね、
と、あらためて、この分野で未だ苦しんでおられる、まだ見ぬ方々を思いやったりする。

あの頃の娘は、こんなレベルではなくて、食欲そのものがなかった、という感じなのだが、今更、その原因について、どうのこうの言うつもりはない。
障害のある娘をもって、世の中には原因の分からぬまま傷害や病気を抱えている子供がいかに多くて、
医学はまだまだ発展途上である、ということは分かったつもりである。

が、だからといって、分からぬことを開き直ってもらったり、無知のまま既存のアドバイスを押し付けてもらっては、
かえって害にしかならないのである。

例えば、原因不明の発達遅滞があり、且つ難聴もある娘は、その中の一つ、言語・認知面がかなり遅れている。
で、あるから、どんなに可愛いキャラクターを見せても、それを認知してはいないのである。

事実、本を見て興味を覚えるのも、テレビやビデオを見るのさえ、最近、と思うほど、本当に長い間、興味を示さなかった。
そんな子供に、可愛い皿に可愛く盛り付けたって、そりゃ興味を示さないのは当然で、
そんなアドバイスを、それでも必死に一度は実行していた、あの頃の自分が哀れだし、また、それほど追い詰められていたのかと思うと、ぞっとする。

そんな具合で、発達度合いが、分野によって、2歳9ヶ月の時点で既に1歳半以上の開きがある娘のような場合、
互いの発達程度が邪魔しあうこともあるのではないか、と、思うのである。

例えば、先述の例。

今の状態で言えば、娘は、社会性・好奇心が2歳半の判定である。
が、運動面は、1歳半程であり、食事面は1歳程であり、その中ほどが認知面である。

つまり。

どんなに食事に興味を持ち、自分で食べたい、と思っても、
運動能力がついてこず、また、食べるためには、どこに何があって何が必要か、という認知面がなく、
いざ、口に入れても、噛み砕き飲み込む能力も低いのである。

それでは、自分の精神面と肉体面が共存できないではないか。

大人であれば、それでも食べなくては生きていけない、と知恵も回るが、
そういった意識のない幼児が食事を拒否するのも、そんなにおかしな話ではない、とも思えるのだ。

そんなジレンマを、彼女はずっと抱えてきたのではないのか。

もちろん、答えは分からないし、彼女からの応えもないし、
あったとしても、今更どうしようもないこと、なのだけれども。








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Last updated  2005.03.20 22:34:22
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