温故知新

2008.09.11
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朝、8時。

熱なら熱に集中できないのが、あの子たちを育てる厄介なところだ。

本当なら今日は保育園の行事の日。
敬老の日にちなんで、子どもたちのおじいちゃんおばあちゃんを招待し、
子どもたちの出し物を見て、一緒に食事をする。
うちから参加は、例の姑。
きっと娘は何もできまい。
今日、行事が終わった後、うちに泊まる予定になっている姑のことを考えると、

これも十分、大きな心痛であるはずなのに。

幸い、なんと、娘は誰よりもきちんとしっかり挨拶をし、
特技披露では鉄棒で逆上がりをくるっとやったそうで、
ご飯も一人で食べたらしく、とってもご満悦で帰ってきた。
(ただ、ご飯を残したらしくて、
「ちゃんと食べさせてもらってない」
「だから、あんなに細いんや」
「大丈夫か、あの保育園で」
と、いつものように、ひとしきりの文句は忘れなかったが)

やれやれ。
解熱剤の切れる14時になっても息子の熱も上がってこないし、何より、覇気が出てきたし、


息子の主治医は、これで3人目。
この医師の退職で、ここに、もう私が希望する医師はいなくなった。
主治医も、自分の代わりの医師が医局から来ることはなく、
また、ここには、この子を安心して引き継きができる医師がいない、と言った。
この病院を離れた方が良い、と。

医局から新たに補充される予定もない。
今は、この子を特別に救急でも診ているが、
来ても事情に疎いバイトだけでは、何かがあることがない、とは言い切れない。
断られることもあろう。
だから、今のうちに、きちんと他の病院に道をつけておいた方が良い、と。

実は、それは一番目の主治医にも言われていた。
彼女、女医なのだが、は妊娠して、この勤務体系の過酷な病院を辞めていったのだが、
個人的に友だちになった今でも、息子のことを心配している。
あの病院は危機管理がなっていない、医師のやる気もごく一部以外低い。
本当は、この病院で引き継ぎをしたくない、と。

それもあって、私は娘の頃からお世話になった、この総合病院から離れることを決意した。
娘の頃からいる医師は、元からやる気のない、夜勤もしない、
点滴の技術だけ一級品の古株医師だけになっていた。
耳鼻科や整形外科も通っているので、完全に離れるわけではないのだが。

今までの経緯が、紹介状の親分のような畏まった紙に出来上がっていて、
それを見たとき、なんだか、胸が詰まる思いになった。
内容が見たいから、と、コピーを一部ももらい、
馴染みの看護師といつまでもお別れを言いあって、
(彼女もやっぱり、次のお薦め医師はいない、と苦笑していたが…)帰宅した。

家では姑が気持ちよく夕食をつくってくれていて、息子も娘と仲良く遊びはじめたので、
何気なく先ほどのコピーを読みだしたら、思った以上のことが書いてあった。
今まで主治医と話していた以上のことが書いてあったのだ。

難聴、身体的な発達の遅れ、耳介の低位置、心臓のことや、斜視、停留精巣、
気管支炎や肺炎で入院した記録、酸素とパルスオキシメーターの借入など。
これらは確かに話していた。

が、
猿線、脳に委縮ありか?、非対象の胸郭、odd lookは、そんなこと話にも出たことなかった。
odd lookを調べてみたら、直訳すると、『奇妙な見た目』

そんな風に見ていたんだ、息子のこと。
MRIだって、異常がない、と言っていたではないか。

『奇妙な見た目』が、不細工だとか、可愛くないとか、
そんなことを指しているわけじゃない、と分かっている。
でも、そんなにodd lookなら、いろいろなところに相談してくれたっていいじゃないか。
遺伝子を調べるでも、そういった専門家を相談してくれるのでも、
大きな検査を進めてくれたっていい。
医師として、やってくれることもあったのではないか。

数か月の3人目の主治医。
この病院に残っている医師の中では、入院中のケアもいいし、
母親の話もよく聞いて治療してくれるし、病気、治療法もきちんと説明してくれるし、
良い医師であった。
きっと、こうやって次から次へと流されていては、きちんと大きな検査もしてもらえないし、
専門家にも会えないだろう、と、彼は彼なりの精一杯の誠意で、
せめて、この病院から背中を押して追い出してくれたのだろう。

彼を恨むまい。
息子の症状と向き合おうと思えば向き合えるのに、
斜視だ、耳鼻科だ、また入院だ、と、対処療法ばかりで、
私も一歩踏み込めずにいるのだから。
まだ。





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Last updated  2008.09.12 02:12:21
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