温故知新

2008.11.03
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そして、朝。

娘の視線は感じるのだが、どうしても応じる気になれない。
「…ママのあさごはんは?」
と聞いてくれるのだが、それが昨日、「ママはいつ夕ごはん食べればいいの?!」と、呆れるほど子どもじみたセリフを吐いた影響かと思うと、気恥ずかしさがたって、むしろイライラしてしまう。

ひたすら無視し、医療個室内のトイレへ行き、出ようとドアを開けたら娘がドアの前に立っていた。
また、いつものように、『もう、たべさせて~ていわないから、なかなおりしよ~よ~」とでも言うのかな、と、身構えた。
が、娘の口から出た言葉は意外なものだった。
「あのさ~△△はね。ずっとママのことかんがえてるんだよ。

きのう、△△にたべさせて、ていわれて、どんなきもちだったかな~とか…」

そうだ。
そうだったんだ。
「ママもね…△△のこと、ずっと考えてたよ。
△△がどんな気持ちでママに食べさせて~て言うのかな、とか。
どんな風にご飯を食べたいのかな~とか。
私たち同じだね。」

誰かが言った。
母親が変われなくても子どもが変わってくれるから大丈夫、と。

「△△はママに食べさせてもらうと幸せなんだよね。
ママ、これからは△△が食べさせて、て言ったら頑張るね。」

「△△こそ、ひとりでがんばってたべるね。だから、さいご…ちょっとだけたべさせてね!」
私の目から涙が溢れた。
「ママも△△といっしょにたべて、ごはんたべおわったらなにしてあそぼうか~とか、いっぱいおはなししようね!」

いつの間に、こんなに成長したのだろう…。
自分の気持ちを表すことができず、顔面蒼白で黙するか、髪を引っ張る、物に当たるしか出来なかった子が。

今。
この場を支配している。

この結末では、子どもを丸ごと受け入れてあげたことにならないのだろうか。
娘が私に歩みよってくれただけで、結局、彼女を支配していることになるのだろうか。
やっぱり私は虐待連鎖を断ち切れない、力不足の母親なのだろうか。
分からない。
分からないが、この胸の中に産まれた、娘への親バカな狂おしいほどの愛情は、遠い未来を見据えたら、きっと悪い方向ではない、と、そう思える。





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Last updated  2008.11.04 07:20:09
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