That is why,
2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
数日曇りの日が続いているけれど、その前は綺麗すぎるほどの満月でした。東京の空は、雲ひとつなくて。といっても、東京もなかなか広いと知ってしまったから、多少の地域差があるかもしれないけれど。とりあえず、渋谷上空は雲ひとつない快晴だったはず。そこから、西のほう一帯も。もっとも、夜空を「快晴」というのかは知らないけれど。それがきっと、火曜のこと。でも私はその美しさに、どうしようもない物足りなさを感じずにはいられなくて。なぜって、その前の晩の月曜、私は空に、水彩画のような月を見たから。薄い雲に囲まれて、灰色のヴェールをまとったような月。淡く淡く、境の朧な月。雲に覆われ、だけどだからこそいっそう美しく、二度と同じこの空模様を見ることは出来ないだろうと思わせるような月。自身を覆いつくし隠してしまうような雲なのに、黒く闇に染まっているような雲なのに、なのにその雲さえ自分をひきたてる小道具にしてしまう月が、私はほんとに羨ましくて、妬ましい。私にもそれほどの力があればいいのに。逆境さえ自分の力に変えられるほどの力があれば。月が雲をひきつれ、その日限りの画を映すのを眼にするたびに、何度そう思ったかわからないほど。完全無欠に神々しく輝く月よりも、雲ひとつない夜空に、まぶしすぎるほど光る月よりも、雲さえ美しいと思わせる月のように強くあれればいいのに。
Dec 8, 2006
コメント(4)