新スター・トレック - 第21回『ヤマトとレイジー』 | ある偏狭な音楽的映画レビュー

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2015年01月17日

新スター・トレック - 第21回『ヤマトとレイジー』

(8)

カテゴリ：エッセイ [70s～90s] - 新スター・トレック

新スター･トレック
70年～90年代を振り返るエッセイ
第21回『ヤマトとレイジー』

STAR TREK THE NEXT GENERATION
アメリカ連続TVドラマ（1987年～1994年）45分全178話

HD(ハイビジョン･リマスター)版
スーパー!ドラマTV CH.310

絶賛放送中

世界でも類を見ない、自由なレビュー

別名『70年～90年代を振り返るエッセイ』

不定期更新シリーズ今回はその 21回目

まもなく2クールのスパンを迎える本記事ですが
この記事に関しましては一体何が2クールを迎えるのか

益々持って疑問は尽きない更新となっております･･･

さて、
前回は名鉄を使って岐阜方面へ向かう所で終わりました
今回は果たして岐阜県に入る事が出来るのでしょうか(笑)

愛知県側の名鉄最北端に位置する犬山遊園駅を出発した電車は

全長223ｍ幅16mの三連トラス橋の犬山橋をゆっくりと渡り
車両左側席の窓から望む国宝犬山城を眺めながら

帰宅する実家での子供の頃の日々を思い返し
あの頃熱中したアニメ作品の数々を思い浮かべるのでした

国宝犬山城 (Wikipedia)

アニメブームを牽引した宇宙戦艦ヤマトは (83)『宇宙戦艦ヤマト完結篇』で
一旦幕を下ろしますが

完結篇と名売っておきながら製作者側はその舌の根も乾かぬ内に
84年に入りますとジャパンオーディオビジュアルネットワークなる
物々しい名前の会社を立ち上げ

『ヤマト復活三ヶ年計画』という錚々たる計画をマスコミに発表します

その第一作が(85) 『オーディーン光子帆船スターライト』 でした

この頃は『ムーの白鯨』とか『宇宙からのメッセージ』とか
変なものを空に飛ばせてはやったモン勝ちみたいな風潮があった末期とあって

ヒットしませんでしたが

忘れもしませんアレは
世界的チャリティーイベント 『ライブ･エイド』 が開催され
テレビでも24時間実況生中継された84年頃の事

洋楽ファンだった私は番組全部を録画したくて
当時まだまだ高額だったビデオテープを24時間録画分用意し

テープを交換しながら一日中録画し続けたのですが
番組が終了し全プログラムを収録した事と引き換えに

24時間酷使され続けたビデオデッキは
遂に壊れてしまうのでした･･･

･･･また悪い病気が始まって
話をドンドン脱線させている様に見えると思いますが

チャンと自覚症状はありますので
もう暫くこのままお付き合い頂ければと思います･･･

･･･幸い保証期間内だった為無償で修理に出し
その後復活して戻って来たビデオデッキで
数週間遅れとなった深夜放送分の観ていないパートのテープを再生し

ビルボードチャートに日本人アーティストとしてランクインし
ワールドワイドな活躍をしていた日本が誇るヘビーメタルバンド

LOUDNESS が演奏する『オーディーン光子帆船スターライト』の主題歌
『Gotta Fight』 を鑑賞するのでした

LOUDNESSは81年に元レイジーのギター高崎晃と
ドラムの樋口宗高によって結成された日本初本格ヘビーメタルバンドで

レイジー時代のスタイルだった
歌謡曲をハードロック･テイストで演奏するアプローチを更に進めた

歌謡曲の要素を排除した点に置いても
当時のロックファンから注目を浴びる存在となりました

JAM Project 20081031 Chibi Japan Expo 014

影山ヒロノブ (Wikipedia)

レイジーは73年に　現在アニメソングの大スターとして知られる
ボーカルのミッシェルこと 影山ヒロノブ と

ギターのスージこと高崎晃
ベースのファニーこと田中宏幸を中心に結成され

2年先輩で LOUDNESSのドラムデイビーこと樋口宗孝と

後にアニソン大手制作会社ランティスの代表取締役社長になる
キーボードポッキーこと井上俊次を加え77年にデビューした
アイドルユニットバンドでした

今で言えば TOKIO の様な存在なのですが
因みにその TOKIO はデビュー当時

オーディーン公開後 OVA企画としてリリースされたヤマトの新作
『YAMATO 2520』の主題歌「明日の君を守りたい」を担当しております

その曲はAパートの後半をギターが
サビをボーカルとベースを加えたコーラスで構成された

TOKIOリーダー城島茂が活躍する主題歌で

番組主役のナブ･エンシェントの声優を少年隊の錦織一清が担当するなど
ジャニーズ系タレントを起用し芸能界を意識した意欲作として制作されました

全体の音楽はマンハッタン･ジャズ･クインテット MJQの
デビッド･マシューズが担当し

主題歌を
スティーリー･ダンやドナルド･フェイゲンのバックシンガーとして活躍し
最近も来日したキャロリン･レンハートが担当

自身のアルバムでは石川さゆりが唄ってブレイクしたCM曲
「ウイスキーがお好きでしょ」をカバーし

ピアノをデビッド･マシューズが担当し
ジャズファンの間でも話題となり

洋楽ファンだった私にとっても角川映画『復活の日』の音楽が
テオ・マセロになって以来
おおっつと思ったほどの大事件だったのですが

テオ･マセロの『復活の日』の時はサントラの曲を一切使用しないで
後に制作された羽田健太郎のオーケストラの劇伴が採用されるという肩透かしで

『YAMATO2520』の場合はハナからオーケストラの劇伴しか制作されず
MJQ的ジャージーな曲は一切無いという肩透かしでしたが

94年11月にリリースされた
Vol.0『銀河100年戦争』というメイキング･ビデオには

羽田健太郎が西崎プロデューサーとの間に入り
デビッド・マシューズと打ち合わせをして
録音作業をするニューヨークでの光景が収録され

その他にも『ブレードランナー』のプロダクションデザインでも有名な
シド･ミードが設定デザインで参加するなど

新作ヤマトのリリース前の話題作りには十分な内容となりました

しかしヤマトと呼ぶには余りにかけ離れたビジュアルが
ヤマトファンの支持に繋がらず
又リリース自体もヒットとは言えず

シリーズ3巻が発売された時点で製作会社が倒産した事で
制作は中止され未完に終わった作品となっております

さて、

先程のレイジーはヤマトTV版放送時にハードロックバンドとして結成され
ヤマト映画版公開の77年にムッシュことかまやつひろし氏に見出され
デビューするのですが

約束されていたバッドカンパニーのポール･ロジャースへの
作曲の依頼がダメになり
実際与えられたのは森雪之丞作詞、馬飼野康二作曲のゴリバリな歌謡ポップで

その後「赤ずきんちゃんご用心」の大ヒットによって
メンバーの思惑とは裏腹に和製ベイ･シティー・ローラーズとして
アイドルバンドとしてのイメージが定着する事となりました

6作目「宇宙船地球号」は
メンバー念願の完全ハード･ロックアルバムとして制作されましたが
これまでの歌謡曲の洗礼がメンバーとの音楽性の違いを顕とさせたのか

念願のアルバムがそのままラストアルバムとなり
メンバーはその後別々の道を歩む事になります

ソロとなった影山ヒロノブはその後
アニソン歌手としてブレイクし迷いを覚えながらも活動して行きますが

アニソンの大家水木一郎から
『アニソン歌手は選ばれた人間しかなれない。君は選ばれた人間だ』

というアドバイスで背中を押され
アニソン歌手として専念し

後に音楽ユニット「BIG BANG」「ネバーランド」などの活動を経て
アニソン大手ランティス社長となる井上俊次と合流し　レーベルを移籍

ヘビーメタルバンド「ANTHEM」で活躍したさかもとえいぞうなど
ハードロック系アニソンボーカルで結成された
JAM Project のリーダーとして活躍し

今やアニソン界の大家として活躍するまでの存在となるのでした

そして最新作となった『宇宙戦艦ヤマト2199』では
主題歌をランティスが制作する事となり

OVA版エンディングに影山ヒロノブを当て
TV版主題歌も影山ヒロノブ率いるJAM Projectが担当し

かくしてヤマト誕生と同時期にデビューし
アニメとは最も遠い存在であったはずのハード･ロック系アーティスト達との

長い時間をかけた邂逅がこうして成されるのでした

所で『ヤマトよ永遠に』で暗黒星団帝国軍司令カザンの声を担当し
再びヤマト作品『ヤマト2199』では徳川彦左衛門機関長の声を担当したのは

新スタートレックでピカード艦長の声を担当した
麦人氏という訳で

こちらもジャパニメーションと海外ドラマとの
長い時間をかけた邂逅が行われておりました☆

△▼△▼△

という訳で岐阜は目と鼻の先まで来て橋を渡り切ることが出来ませんでした

次回は犬山橋を渡る事は出来るのでしょうか
それは又次回のお話という事で

（つづく）

P艦長「スター･トレックの記事で別作品を解説する第二弾となった今回だが
最後に麦人氏の名前を持ち出した事で
Voはキレイにまとめた位の気持ちになっているのだろうな
データ少佐っつ!!!」