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今年の交流戦のMVPとなり、打率4割2分9厘、5本塁打と大活躍したソフトバンク・柳田悠岐。柳田といえば、一度見たら忘れられないのが、上半身がねじ切れそうなほどの豪快なフルスイング。6月3日には、推定150mの特大ホームランを横浜スタジアムのスコアボードに叩き込み、液晶の一部を破壊して観客の度肝を抜いた。その日本人離れした身体能力には、野球解説者の里崎智也氏も舌を巻く。「あれだけフルスイングできる体の強さがあって、かつ走・攻・守がそろっている選手は過去にもいなかったんじゃないですか。どこにも属さない『柳田タイプ』ですよ(笑)」その“マン振り”が代名詞でありながら「ホームランか三振か」ではないところが柳田のすごさ。今年はシーズン開幕からヒットを量産し、西武・秋山と3割8分前後のハイレベルな首位打者争いを繰り広げているのだ。高打率の秘密はどこにあるのだろうか?「デビュー当時はいつでもフルスイングしていましたが、実は昨年くらいから相手ピッチャーやカウントによってバッティングを変えるようになりましたね。それは右足の上げ方を見ていればわかります。大きく上げている時は思い切り振って、逆にあまり上げていない時は意外とコンパクトに振っている。そのあたりは、彼の個性を生かしつつ伸ばした藤井康雄打撃コーチの力も大きいでしょうね」(里崎氏)入団当初から王貞治会長も認めていたパワーに、状況に合わせたバッティングがプラスされたのだから、もう怖いものなしだ。さらにソフトバンク打線の層の厚さも柳田の好成績を後押ししているという。「彼は3番を打っていますが、その後には内川、李大浩(イデホ)、松田といった強打者が控えている。しかも、一塁に歩かせたら盗塁される可能性も高い。必然的に勝負を避けられることは少なくなると思います」(里崎氏)現在、柳田の盗塁数はリーグ2位タイの14個。もう少しペースを上げられれば、2002年の松井稼頭央(かずお)(西武)以来となるトリプルスリー(3割、30本、30盗塁)も十分に射程圏だ。スポーツライターの田尻耕太郎氏は、柳田の俊足にまつわる恐るべきエピソードを紹介してくれた。「今年の春季キャンプで50mのタイムを計っていたんです。そうしたら、なんと5秒55という数字が出てしまって…。『世界記録だ!』と盛り上がっていましたよ」ちなみに50mの世界公式記録は、カナダのドノバン・ベイリーが1996年に記録した5秒56。もちろん手動計測だし、距離も厳密ではないだろうが、それにしてもとんでもない話だ。もし柳田が陸上選手になっていたら日本人初の100m9秒台を達成していたかもしれない。ここまで別次元だと、本人も「オレは超人だ」とか思っているのでは…。「いや…6月14日に柳田選手を応援する『柳田デー』というイベントがあったんですが、そこで自分にキャッチフレーズをつけるという話の流れになったんです。そこで彼はなぜか『普通の一般人』と答えたんですよ(笑)。謙虚というか天然というか…」(田尻氏)ウケ狙いかガチなのか、さっぱりわからない。プレーだけでなく思考も規格外のようだ。とにかく、これからも「普通の一般人」には想像もつかないような進化を見せてくれ!
2015.07.04
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交流戦でセとパの上位対決として注目された巨人とソフトバンクの3連戦(東京ドーム)は、強力打線を誇るソフトバンクがホームチームの巨人を3タテと一方的な展開に。今季からチームの指揮を執る工藤監督の投手目線での采配が光った。 6月5日の第1戦は細山田、6日の第2戦は高谷といずれも8番捕手の下位打者がバットで活躍。7日の第3戦も故障の本多に代わって二塁を守る7番の高田が四回、巨人の高木勇から右中間スタンドへ値千金の先制2ランを放った。 亜大から入団3年目の高田にとってはこれが記念すべきプロ第1号本塁打。しかし、このとき一塁走者の松田はスタートを切っており、サインはエンドランだった。通常、打者は打球を上げずに転がすのがセオリーとされるが、工藤監督は「転がすより、フライになってもかまわないから、とにかく強い打球を打ってくださいと選手に話してある」と明かす。 その心を「投手は(打者に)強く振られるのが嫌なもの。相手がダブルプレーをねらってきても、強い打球なら弾くこともあるし、間を抜けることもある」と説く。高田の一打には「結果的にホームランになったのは強く振ろうという気持ちが出ていたから」と拍手を送る。 エンドランでは転がせというセオリーについては「走者を進めるなら別にバントでもいいかなと思う」とバッサリ。「よりチャンスを広げたい、得点を取りたいときに使いたかった作戦。相手投手もよかったので、足をからめて何とかできたらなと思った」とこの時点でセのトップタイの6勝をマークしていた巨人・高木勇攻略の突破口を開く積極策が実った。 投手出身の指揮官としては当然、継投も腕の見せ所となる。「いま一番考えているのは(自軍の)投手がどういう点の取られ方をするか。それを防ぐにはどうしたらいいかということ」 指揮官は試合の流れを決めてしまうような失点をしないよう細心の注意を払い、いつでも投手交代の準備を怠らない。第1戦ではエースの摂津が本調子でないと判断すると、勝利投手の権利目前の五回2死できっぱりと交代させた。 一方、第2戦のスタンリッジ、第3戦の寺原の両先発は安定していると判断し、七回までのマウンドを託した。「ジャイアンツと東京ドームで戦えば相手のペースになりがちだが、そこ(雰囲気)を切ればこっちのペースになると思っていた」とうなずく工藤監督。「でもそれは投手ありきなので。(3連勝は)投手が頑張ってくれたおかげだと思う」と教え子たちへの感謝も忘れなかった。
2015.06.20
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2打席連発で勝利に貢献、「いつか打ってみたいと思っていた」 ソフトバンクが28日、敵地・ナゴヤドームでの中日戦を7-2で制した。中日に1点を先制されて迎えた7回表、柳田のレフトスタンドへの9号ソロで同点に追いつくと、この回に3得点で勝ち越し。さらに、続く8回にも柳田の2打席連続の10号ソロなどで4点を加える終盤の猛攻で中日を下し、このカードの勝ち越しを決めた。 試合後のヒーローインタビューで、柳田は自身初の1試合2ホーマーについて「いつか打ってみたいと思っていたんですけど、今日、このナゴヤドームで打てて嬉しいです」と振り返った。 7回の同点ホームランは、変化球を逆方向に運ぶ驚きの一発。「変化球は頭にあったんですけど、いい反応ができました」。改めて身体能力の高さを感じさせた。 そして、8回のホームランは速球を豪快に右翼スタンドに叩き込んだ。「いつも練習しているんですけど、その通りに打てたので気持ちよかったです。点が入るなー、と思って走ってました」とプレーの豪快さとは無縁の、ほのぼのとしたコメントで場内を沸かせた。 6回まで無得点に抑えられながら、7回以降で7点を奪取。ソフトバンクの底力を感じさせる試合展開となった。柳田も「高田がいいところで打ってくれましたし、武田も粘り強く投げていたので、チームメイトに感謝です」と仲間の活躍をねぎらった。 先発の武田は3回に1点を失ったものの、6回を投げて6安打1失点と試合を作った。好投した武田についても「どうにかしたいという気持ちが強かったので、同点になったホームランは本当に嬉しかったですね」と話した柳田は、この日も5打数2安打2本塁打で打率は3割6分4厘まで上昇。大器の活躍で、ソフトバンクが勢いに乗る。
2015.05.29
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26日からはいよいよ、セ・パ交流戦がスタート。2005年から始まり、今年で11年目を迎える交流戦は、昨季までの24試合から、今季は18試合と、6試合少なくなる。そして、交流戦期間で勝利数が多いリーグに、今秋のドラフト会議でのウエーバー優先権が与えられたり、賞金をわけあったり、セ・リーグvsパ・リーグというリーグ間での対決が色濃くなった。 2005年、2010年と日本一に輝き、今年も“ゴールデンイヤー”として期待されていたロッテだが、ここまでは波に乗れていない。しかし、2005、2006年と連覇するなど、交流戦の相性はよく、これまで、ファンの心を熱くするような試合、プレーをみせている印象が強い。交流戦開幕に先立ち、そのロッテの交流戦名場面を振り返ってみよう。◎里崎、雨の神宮で2年連続の逆転満塁弾 昨季、ファンから惜しまれつつ引退した里崎智也。ポストシーズンで何度も見せた勝負強さは、交流戦でも際立っていた。2006年6月18日、雨が降る神宮球場で行われたヤクルト戦。3-5と2点リードされていた5回表2死満塁で、打席には里崎。藤井秀悟の投じた高めのストレートを振り抜き、打球はそのままライナーとなってレフトスタンドに吸い込まれていった。この一発で逆転したロッテはそのままリードを守り、8-7で勝利した。 そして、2007年6月24日。前年同様に雨が降り続く神宮球場でのヤクルト戦。スコアは1-3で迎えた8回表、またも2死満塁の場面で、里崎に打席が回る。シコースキーがフルカウントから投じた低めのストレートをすくい上げると、打球は高々と上がりロッテファンの待つレフトスタンドへ。2年連続となる逆転満塁ホームランでチームを勝利へと導いた。里崎は翌2008年も、神宮球場で行われたヤクルト戦で逆転2ランを放つ活躍を見せている。ちなみに、神宮球場はこの日も雨が降っていた。◎1イニング21得点のプロ野球新記録 2005年の日本一で浸透した、ハマれば止まらないロッテの「マリンガン打線」。その究極的な破壊力を見せたのが2009年6月11日、千葉マリンスタジアム(現QVCマリンフィールド)で行われた広島戦の6回裏だ。まずは、福浦和也がヒットで出塁すると、1死後に井口資仁のセンター前ヒット、続く橋本将がライト前へのタイムリーヒットを放ち、まず1点。そこから、ヒットと四死球の連続で、次々と得点を重ねていく。 結果、この回の攻撃は打線が二回り(大松尚逸がNPB史上初となる1イニング3打席に立つ)する打者20人、12安打、4四死球で、1イニング15点のNPB記録を更新した。ほかにも10打数連続安打、14者連続得点など、記録ずくめの攻撃となった。試合は23-2でロッテが圧勝。さらにロッテは2010年5月22日のヤクルト戦でも20得点を奪っている。◎岡田、巨人戦でファインプレー3連発 現在、ロッテの選手会長を務める岡田幸文。外野守備の名手としてプロ野球ファンに広く知られているが、そのきっかけとなったのは2011年の交流戦だった。 6月15日、東京ドームで行われた巨人戦に1番・中堅手でスタメン出場した岡田に次々と打球が飛んでくる。2回裏、阿部慎之助の放った右中間フェンスを直撃するような打球を、俊足を飛ばして追いつき、ジャンピングキャッチ! フェンスに激突しながらも決してボールは離さなかった。5回裏には坂本勇人が放った左中間への打球をグラブの先で捕球するランニングキャッチ!! さらに8回裏、さすがにこれは抜けるだろう、という小笠原道大の右中間への打球に対して、岡田はセンターの定位置から猛然とダッシュし、見事なダイビングキャッチを魅せた。この立て続けのファインプレーにロッテファンのみならず、ライトスタンドの巨人ファンも拍手で称えた。 前年の日本シリーズ第7戦で、日本一を決める決勝打を放って知名度が上がった岡田。今度は、自身の得意分野である華麗な守備を、注目が集まる巨人戦で披露したことによって、「岡田の外野守備はスゴい!」というイメージを多くの野球ファンに焼き付けた。この年の岡田は、シーズン全試合出場を果たし、パ・リーグ記録にあと2に迫る351刺殺を記録し、ゴールデングラブ賞を受賞した。 試合数が減ったことで、違うリーグの選手との対戦に、より意気込む選手が増えるかもしれない。普段、交わることのない対戦による化学反応で、どんなサプライズ、ビッグプレーが起こるか楽しみだ。希少価値が高くなった交流戦を、ロッテファンはもちろん、それぞれの球団のファンも見逃してはならない。
2015.05.26
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「守り勝つ野球」で快進撃も一気に失速、短期間で首位から最下位へ ようやく、ようやく、ヤクルトが泥沼から抜け出した。17日の巨人戦(東京D)に2―0で勝利し、連敗を9で止めたツバメ軍団。真中満監督は「1つ勝つのは大変だな、と改めて思いましたね」と疲労感をにじませながら、しみじみと話した。4月29日まで首位を走っていたチームが、なぜ2週間あまりの間に最下位にまで転落してしまったのか――。 昨年はリーグトップのチーム打率2割7分9厘をマークするなど、強打を武器にしたチームだった。だが今季はバレンティンが昨秋に左アキレス腱の手術を受けた影響で開幕から出遅れ、ミレッジも4月1日の阪神戦(神宮)前に右肩痛で離脱。昨季最多安打を獲得した山田哲人も調子が上がらず、貧打にあえいでいた。 そんな中でも勝ち星を重ねてこれたのは、課題だった投手陣を整備したからだ。 ロッテからFAで加入した成瀬が先発ローテの一角を担い、米レッズから加わった203センチ右腕・オンドルセクがセットアッパーとして君臨。最後に首位にいた4月29日までのチーム防御率はリーグトップの1・81。開幕戦から14試合連続で3失点以下に抑えるというプロ野球記録も樹立するなど、投手陣を中心に「守り勝つ野球」(真中監督)を実践してきた。 だが開幕から1か月が経った4月下旬になると、その投手陣に疲れの色が見えてくる。序盤から緊迫した試合展開が多く、中継ぎは常にフル回転を求められたため、次第に疲弊。先発陣も徐々に持ち堪えられなくなり、9連敗中のチーム防御率は6点台。その間、打線も平均2・3点と貧打に喘いでいたが、野村克則バッテリーコーチはこの大型連敗を「バッテリーの責任」と言い切る。連敗で原点を再認識、森岡選手会長は「下を向く必要はない」「確かに打線も点は取れていないけど、今年は打線が爆発した試合は少ない。少ない点に抑えて勝つのが、今年のパターンだった。4月にはそれができていたわけだから、(5月15日からの)巨人戦に入る前に、構えやジェスチャーとかも見直して、もう1回意識してやっていこうと中村や西田には話をした。1球1球を積み重ねて、バッテリーが試合を作るんだぞ、と再認識してもらったんだ」 選手も自発的に動いた。同17日の巨人戦前には全体ミーティングの後に、選手だけでのミーティングを開催。音頭を取った森岡選手会長は「下を向く必要はない。原点に戻ろう。この連敗を受け止めて、あの連敗があったからと思えるようなシーズンにしよう」とナインに声を掛けた。 その結果、先発の石山泰稚ら5投手を中村悠平がしっかりリード。巨人の拙攻に助けられた部分も大きいが、2―0というヤクルトらしい戦い方で、3日の広島戦(神宮)以来の勝利を手にした。 若い選手の多いチームは高い代償を払った。それでも9連敗を喫したことで、1つ1つのプレー、1球1球がどれだけ大事なのか、再確認できたはずだ。三木肇作戦担当兼内野守備走塁コーチは「野球の難しさ、1つ勝つのがどれだけ大変なのか、選手だけでなく、僕ら自身もよく分かった。この連敗をどう生かしていくかだと思う」と前を見据えた。教訓を胸に、ヤクルトは真の強さを手に入れることができるか。
2015.05.20
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現在セ・リーグ単独首位を走るDeNA。中畑清体制4年目にして破竹の勢いで勝ち進むチームは、42試合を戦って26勝16敗。貯金「10」は、日本一に輝いた98年以来、17年ぶりの快挙だ。 そんなチームの快進撃を支えているのが、ルーキーながら守護神に任命された22歳右腕・山崎康晃。チームが長年苦しんでいた“ストッパー”という課題を大卒1年目で見事に埋め、ここまでリーグトップの16セーブを記録している。 山崎は、4月22日の阪神戦から5月8日の巨人戦まで登板9試合連続でセーブをマーク。これは、90年に中日の与田剛が記録した8試合連続を上回る、新人のプロ野球連続セーブ新記録だった。 翌日の試合で同点の10回から登板したため、連続記録はそこで途切れたものの、ここまでのセーブ成功率は16/16の100%とこちらも驚異的。本人もヒーローインタビューで公言していた“小さな大魔神”へ、着々と歩みを進めている。 特に評価が高いのが、奪三振能力。凡打であっても犠飛や進塁打、または味方の失策などが絡んで失点を許してしまうと、その1点が命取りになってしまうのがストッパーの宿命。そのため、最も安全にアウトが取れる“三振”を奪う能力に長けている投手というのは、抑えとして重宝される。 ここまでの山崎が奪った三振の数は、22回と1/3で28個。記録している奪三振率(※9イニング投げたと仮定した場合の平均奪三振数)は、11.28。これはリーグのストッパーでは断トツで、唯一の10点台超えとなっている。 またその中でも顕著なのが対左の強さ。奪った28個の三振のうち、実に左打者から奪ったものが22個に上る。 キャンプなどで視察した各球団の007たちは当初、左足を極端に三塁側へと踏み出して投げる独特の“インステップ投法”から、「右打者には厄介」との声が多数上がった。そのため、山崎には左打者をぶつけていくケースが多く、ここまでの対戦は右打者が23人なのに対して左は57人。およそ2.5倍も多く左打者と相対している。 しかし、フタを開けてみると対右の被打率が.217に対し、対左の被打率は.140。左打者のほうが圧倒的に苦戦していることがわかる。 その裏には、ある“魔球”の存在がある。本人が「ツーシーム」と自称する、左打者から逃げるようにして沈んでいくボールだ。 “自称”としたのは、そのボールについては見解が分かれることがしばしばあるため。握りを見ると、挟んで「フォーク」のようにも見えるし、解説者によっては「スプリット」ではないかと述べる人もいる。 本人は「ツーシーム」と公言したが、後にテレビ番組で一般的な「ツーシーム」よりは深めに挟み、ただし「スプリット」よりは浅く握っているということが明かされた。 このボールが左打者相手におもしろいように決まり、これほどまでの奪三振を可能にしているのだ。 恐るべきペースでセーブを重ねていくルーキーは、5月の半ば、チーム42試合の時点で16のセーブを記録。早くも昨年の三上朋也が打ち立てた新人のシーズンセーブ数の球団記録まであと「5」と迫った。 ちなみに、新人のプロ野球記録というのがまたも90年の与田剛で31個。これまで開幕から1カ月半で16個を積み上げてきた山崎にとって、あと「15」という数字は手の届かないものではない。 ただし、セーブをつけるためにはチームの勝利が必要であり、たとえ山崎がどれだけ好調を維持していても、チームが勝てなければその記録への挑戦権を得ることはできないのだ。 好調DeNAはこれからも勝ち進み、山崎に記録への挑戦権を与えることができるか――。 山崎の願いが叶い、新たな記録が誕生した時、横浜17年ぶりの悲願はきっと手の届くところにまで近づいていることだろう。◆ 新人のシーズンセーブ記録1位【31セーブ】 与田剛(中日・1990年)2位【28セーブ】 三瀬幸司(ダイエー・2004年)3位【25セーブ】 永川浩二(広島・2003年)4位【22セーブ】 牧田和久(西武・2011年)5位【21セーブ】 三上朋也(DeNA・2014年)
2015.05.19
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子どもが喜ぶ場外弾 ソフトバンクの2軍はウエスタンリーグで広島とともに首位につけている(5月14日現在)。チーム防御率1.59、チーム打率.253。1軍での出場機会を狙う選手たちが好成績を残し、アピールを続けている。リーグトップタイの5本塁打を放っている猪本もその一人。未完の大砲が、着々と自分の打撃に磨きをかけている。 猪本は08年育成ドラフト4巡目で鎮西高(熊本)から入団したスラッガー。13年11月に支配下登録された。背番号は68。昨季、7月29日に初めて1軍登録され、楽天戦に代打で出場し初打席初安打を記録した。1軍出場はこの1試合のみ。ウエスタンリーグでは17本を放って本塁打王に輝く。昨季まで捕手登録だったが、打撃を活かすためにも今季から本格的に内野手にコンバートした。 工藤公康監督の52歳の誕生日である5月5日、1軍戦では柳田悠岐のサヨナラホームラン、そしてお立ち台での「ハッピーバースデー監督~♪」の熱唱で盛り上がった。しかし、この日はいわゆる“親子”で勝利し、工藤監督の誕生日に花を添えたのだった。 雁の巣で行われた阪神との2軍戦は「若鷹応援スペシャルデー」として開催され、こどもの日ということもあって外野席まで多くの観客が駆けつけた。1対1の同点で迎えた5回、金子圭輔の逆転タイムリー、塚田正義のソロホームランで流れはソフトバンクに。そして飛び出したのが猪本のダメ押し場外弾。レフトがすぐに追うのをあきらめ、打球は消えて行った。本人も「今日のは大きかったですね~」と笑顔を見せる。結局この日は4打点の活躍を見せ、6対1でソフトバンクが勝利を収めた。 試合後の恒例となっている若鷹スピーチでは「ゴールデンウィークの晴天の中、ピクニックにも行かず、水族館にも行かず、雁の巣に応援に来ていただいてありがとうございます!」と最後まで観客を沸かせた。飛距離は柳田に負けない!「タカの健さん」猪本健太郎、ホームランで1軍へ猛アピール期待の若鷹の一人・猪本健太郎に注目したい。登場曲は「唐獅子牡丹」「フルスイング」が代名詞ともなった柳田に引けをとらない飛距離。その魅力は自負している。「ホームランは自分の持ち味です。だって、自分がライト前を3本打ったって誰も覚えてないでしょう? だからホームランを打ち続けていきたいです」 ファームではクリーンアップを任されている。チャンスで結果を出せないこともあり、数字には納得していない様子。「試合に出してもらっている限りは、しっかり結果を出していかないと」と反省も口にする。しかし、その思い切りのいいフルスイングは見失わないでほしいものだ。 最後に、猪本のキャラクターについて付け加えておきたい。失礼な話だが、24歳とは思えない落ち着きように、貫録ある立ち姿。まるで90年代のプロ野球選手のようだ……と言えば、それくらいの年代には伝わりやすいだろうか。故・高倉健さんのファンで、登場曲には「唐獅子牡丹」を選択している。そんな渋い一面を持ちながらも、真っ黒に日焼けした肌から真っ白な歯を見せて無邪気に微笑む顔は、24歳の若手選手にも見える。「日々、野球とぶつかり合っていきます!」 意気込みも「熱男」な猪本の1軍でのホームランが楽しみでならない。
2015.05.18
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さすが連敗ストッパー 連敗ストッパーはやっぱり大谷翔平だった。絶好調・西武を札幌に迎えての3連戦、先に2つ落とし(今季初の4連敗)、ファイターズには後がない。このまま西武や猛追ソフトバンクに置いていかれるのか。 連敗を止めるのはエースの役割だろう。西武7回戦、ゲームの主題はそこに尽きた。大谷はいつまでも特別扱いされる「二刀流スター」なのか。それとも文字通り大黒柱としてチームを支える覚悟があるのか。 右ふくらはぎがつって途中降板した4月20日以来のマウンド(実に中17日)は、野球ファンの注目を集めた。打線爆発の西武相手にどんな姿を見せるのか。栗山英樹監督はどこまでやらせるだろう。やっぱり「金のなる木」は大事に早いイニングで上がらせるのか。 そうしたら9回まで行かせた。すごかったよ。8回1/3投げて1失点、11奪三振。自在にギアを変え、西武打線をねじ伏せた。僕が見た大谷のピッチングではいちばんどっしりして見えた。2週間実戦を離れて、ウエイトトレーニングでみっちり鍛え直したらしい。試合中はスポーツドリンクをこまめに摂り、水分補給につとめた。 以前は「大谷はこんなに球速出して、肩が飛んじゃうんじゃないかなぁ」と心配したものだけど、今は下半身ががっしりして、安心して見ていられる。中村剛也、メヒヤ、森友哉と対戦した2回表はストレートがすべて150キロ超え、3者連続三振という圧倒ぶり。 なかでも見応えがあったのは森との三度の対決だ。一学年違い。当たるのがセンバツ以来という両雄の対決は、プロ野球の新時代を感じさせる「名勝負2.0」の幕開けだ。大谷が意識してる感じがビリビリ伝わる。森も最後、意地のヒットを放って面目を保つ。これから何度、この対決が見られるだろう。野球のある国に生まれてよかった。大谷筆頭に90年代半ば生まれの選手が頭角をあらわす と、迫力満点の投球を見せた大谷だが、ヒーローインタビューでは「全体的にいちばん悔しいマウンドだったかなと思いました」とぜんぜん納得いってないコメントなんだなぁ。完封したかったと顔に書いてある。 実は9回の降板劇には、もうひとり「名勝負もりあげ2.0」なヤングプレーヤーが関与している。高卒ルーキーの淺間大基だ。一死、四球のランナーを1塁に置いた場面で、浅村栄斗のライトライナーに飛び込んでしまい後逸(「死にたかった」という迷コメントを残している)、これで大谷は降板、クローザー・増井浩俊にマウンドを譲る。で、ウイニイングボールは再び、ライト淺間のところへ飛んだ。これもライナー性の大飛球だ。淺間は命がけでこれをキャッチ、どうにか大谷の勝ちを消さずにすんだ。 僕がいいなぁと思ったのはお立ち台で大谷が、殊勲打のハーミッダ、好救援の増井と並んで(ウイニング好捕の)淺間の名を挙げ、感謝を伝えたところだ。淺間の無謀なダイビングは状況判断のミスだったが、大谷はこれをかばい、あくまで先頭打者・秋山翔吾に自分が出した四球を悔やんだ。あぁ、淺間は後輩なんだなぁと思う。学年でいえば大谷の2つ下、森の1つ下。もうアレですよ、90年代半ば生まれの野球ドラマが本格的に始まっているんだ。それを実感させてくれた試合。 僕は淺間や高濱祐仁(ともに横浜高→日本ハム)、宗佑磨(横浜隼人→オリックス)が見たくて、去年は高校野球の神奈川県予選に日参していた。まさか淺間、高濱が揃ってファイターズに来るとはなぁ。だから今年は鎌ヶ谷が楽しみだったんだけど、淺間はもう立派な1軍の戦力になっている。あれだけセンスを持ったバッターはなかなかいないよ。いつかファイターズの3番を打つだろう。
2015.05.16
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現在パ・リーグ首位を走る西武。14日の日本ハム戦では大谷翔平を前に敗れ、連勝は2で止まったものの、積み上げた貯金は「8」。戦前の予想を覆す健闘を見せている。 なにしろ今年も補強面で大きな上積みがなかったチーム。獲得間近かと報道されていた小谷野栄一を逃し、日本球界復帰の中島裕之もオリックスへ。強いて言えば本塁王のエルネスト・メヒアと正捕手・炭谷銀仁朗の“残留”くらいのものであった。 さらに開幕を前にエースの岸孝之が離脱。左腕の菊池雄星も左肘の炎症による調整遅れで開幕は二軍スタート。メヒアも体重オーバーが不安視されるなど、むしろマイナス要素の方が多いというほど。 そんな中で幕を開けた2015年シーズン、西武はいかにして現在のポジションを築き上げたのだろうか。その要因として考えられるものをいくつかピックアップした。 ● 野手の主力が揃っている! 投手では離脱者が目立ったものの、野手は戦力が揃ったことでオーダーがほぼほぼ固定できているのが特徴的。5月3日の試合では主砲・中村剛也に休養が与えられたため、全試合ではなくなったものの、その1試合を除く36試合は全く同じ1番~6番で戦っている。 昨年の同じ時期のスタメンを見てみると、今とのギャップがよく分かる。・5月15日vs日本ハム(中)森本(三)大崎(左)栗山(一)中村(指)メヒア(二)浅村(右)木村(捕)炭谷(遊)永江 ちなみに、ちょうど1年前のこの日がメヒアの来日初出場だった。本職外野の大崎雄太朗が三塁で出場しているあたりからもその苦しさは垣間見ることができる。この時は秋山翔吾が極度の不振に陥って離脱、新外国人のランサムも期待を裏切り、中村も故障明けということもあって1カ月遅れでの開幕などなど、まさしく緊急事態だった。 それが今年は開幕から中村は万全、秋山は絶好調でパのリーディングヒッター争いを独走、そしてこの時期はまだ“金の卵”だった森も大暴れと野手がしっかり揃っていること、そしてその中に良い意味で期待を裏切る選手がいることが現在の好調の大きな要因となっている。 ● 勝ちパターンの確立 チームにとって近年の大きな課題であったリリーフ陣。今年はそれが開幕からピタリとハマっている。8回は3年目の増田達至。ここまで18試合に登板し、リーグ2位の13ホールド。1イニングあたりに何人の走者を出したかを表すWHIPは0.87で、リーグのリリーバーではソフトバンクのサファテ(0.86)に次ぐ2番目の数字を残している。 そして9回は高橋朋己。昨シーズン飛躍を遂げ、侍ジャパン入りを果たした左腕は、開幕から4戦連続セーブのプロ野球記録を樹立するなど今年も健在。リーグで唯一2ケタに乗せる12セーブをマークし、防御率は1.13。守護神不在に苦しんでいたチームを救っている。 この2人以外にも、危なっかしい場面はありながらも13試合で防御率1.65を記録する新助っ人のエスメルリング・バスケスや、岡本篤志、貴重な中継ぎ左腕として活躍する武隈祥太など、ブルペン陣の安定は近年なかった大きな武器になっている。● “アレルギー”の克服 14年は上位3チームを相手にことごとく苦しめられた西武。それが今シーズンは改善の兆しを見せている。 ソフトバンク、オリックス、日本ハムの対戦成績の合計が、14年は27勝41敗4分と実に14もの負け越しを作っていたのに対し、今年はここまでで12勝8敗1分。4つの勝ち越しを作っている。 特に近年は福岡で分が悪く、対ソフトバンクのロードゲームを振り返ってみると、昨年が4勝7敗1分、13年に至っては2勝9敗1分と大きく負け越し、まさに鬼門となっていた。ところが、今シーズン最初の福岡シリーズとなった4月24日~26日の3連戦で2勝1分。福岡での3連戦を負け無しで乗り切ったのは、3試合連続で引き分けた08年8月以来、実に7年ぶりのことだった。 残すは、26日から始まる交流戦。10年には2位になったこともあったが、通算では128勝132敗4分と4つの負け越し。パでは5番目の成績と他チームの躍進が目立つ中ではやや苦手としている。ここも乗り越えた時、7年ぶりの歓喜は大きく近づいていることだろう。 パ・リーグをかき回す“台風の目”――。快進撃を見せる西武に注目だ。
2015.05.15
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4戦連発、10戦連続安打&長打、6試合連続マルチ安打…止まらないSB主砲 ソフトバンク・李大浩のバットが、凄まじい勢いを見せている。9日の楽天戦。2点を追う7回1死一塁だった。楽天の先発・則本昂大が投じた抜けたフォークを逃さなかった。左翼席への同点9号2ラン。この日、6回途中まで完全投球し、わずか2安打しか許していなかった右腕の唯一と言える失投を一振りで仕留めた。 翌10日の同戦。初回2死一、二塁で右前安打を放つと、3回にも中前安打。そして、3点リードで迎えた4回1死一、二塁で、勝負を決定づける左中間への10号3ランをテラス席へかっ飛ばした。3安打3打点。本拠地のお立ち台で「大事なところで打てて良かった。4月に打てなくて、チームにも、ファンにも迷惑をかけた。5月に復活出来て良かった」と喜びを口にした。 助っ人砲のバットを止める術がない。10日の1打席目の右前安打で、4月29日の日本ハム戦(札幌D)から10試合連続安打とし、この10号で4試合連続本塁打、10試合連続長打、そして3安打で6試合連続マルチ安打。最近10試合は41打数20安打で打率4割8分8厘、6本塁打、13打点。ここ5試合では打率5割5分。驚異としか言いようがない。 強烈な上昇カーブを描いている。今季、開幕から李大浩のバットは低調だった。4月4日の西武戦(西武プリンス)から同12日の日本ハム戦(熊本)まで6試合連続無安打があり、ここで打率は1割9厘まで低下した。「こんなに打てないのは、野球人生で初めて」と言うほどの絶不調だった。復調の要因は? 13日は11試合連続長打のプロ野球記録到達の可能性も それが、わずか1か月で打率は3割目前の2割9分5厘に。4月16日のオリックス戦(京セラD)からの20試合で無安打だったのは、28日の日本ハム戦(札幌D)の1試合だけ。何が李大浩を変えたのか。 変化を感じるのは、打撃時の足の上げ方だ。好調な今、早めに始動し、左足をゆったり、そして高く上げている。その状態を長く保ち、スイングへと移っていっている。さながら、一本足打法である。デホ自身も「もっと早く始動しようと練習から意識している。今どれくらい足を上げているかは自分でも分からないけど、勘というか、早く早く、しっかり上げようと意識しているよ」と認める。早く始動して「間」を作ることで、しっかりとボールを呼び込めていることが、好調の一因にある。 35試合での10号到達は、来日後自己最速で「野球をやってきた中で、1番(本塁打の)ペースが早いし、状態はいい」ともいう。 そんな李大浩には、13日のロッテ戦(QVC)で、大記録がかかっている。ソフトバンクの秋山幸二前監督(53)が、ダイエー時代の94年に記録した11試合連続長打のプロ野球記録である。台風6号による天候不良で12日の同戦は中止。仕切り直しの一戦で、昨季まで師事した恩師に肩を並べるか。要注目の試合になる。
2015.05.14
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◇セ・リーグ 巨人2-1広島(2015年5月12日 東京D) 戦力外、故障を乗り越えた背番号91が大仕事だ!巨人は12日、今季から加入した堂上剛裕外野手(29)の活躍で逆転勝ちし、広島の連勝を6で止めた。この日出場選手登録され、「6番・左翼」で今季初出場。2回に移籍初安打を放つと、0―1の7回には広島・前田健太投手(27)から同点の左中間適時二塁打、さらに暴投で決勝のホームを踏んだ。チームは20勝に到達し、首位・DeNAとのゲーム差を2とした。 勝利のハイタッチ。堂上は謙虚な性格そのままに、一人一人に頭を下げながらナインの祝福を受けた。どん底からはい上がった29歳が、新天地での初出場、初スタメンでヒーローとなった。 「感謝の気持ちでいっぱいです。獲っていただいたので、絶対に恩を返すんだ、という気持ちでいい結果になった」 0―1の7回1死一塁。広島の絶対エース・前田健に対し「追い込まれたので、食らい付いていった」とファウルで粘り、最後は外角145キロを左中間へ。同点適時二塁打に東京ドームが大歓声に包まれた。さらに2死一、三塁から前田健のワンバウンドの投球を捕手の会沢がはじくと、三塁から猛然と突っ込み、決勝のホームへ滑り込んだ。 最後に対戦した一昨年は4打数2安打。「得意なイメージはないが、自分の状態がよかった」。2回の第1打席でも中前へ移籍初安打。観戦に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督も「堂上はよかったね。2本目は左中間にうまく打った」と称賛した。 背番号は91。今季の巨人のテーマの一つ「野性味」を感じさせる男だ。キャンプ中の実戦9試合で打率・355、1本塁打、10打点とアピールし支配下に昇格。2月28日、ヤクルトとのオープン戦(東京ドーム)では、初回の守備で右手親指の付け根を痛めながら「離脱するわけにはいかない」とプレーを続け、2度も打席に立った。のちに骨折と判明し、原監督を驚かせた。この日も指揮官は「野球というスポーツは本当に気持ち、魂を奮い立たせる。そういうものを彼に教わった」と称え、「ジャイアンツの選手たちにもいい刺激になったと思います」と続けた。 2軍では右手が使えない時期は、左手一本でティー打撃を繰り返した。さらに「自分の足りないところを補った。調子の波があるので、継続してやれるように」と打撃の確実性を追求。心に刻んだのは内田2軍打撃コーチの「自分を知れ」という言葉だ。右肩が内側に入る悪癖をオープンスタンス気味に構えることで修正。どん底を自らのステップに変えられるところに、強さがある。 試合中は、4万4132人の大歓声を「獲ってくれなかったら、なかった歓声だな」と感慨深げに聞いた。お立ち台ではキャンプ中に食事をともにするなど、チームに溶け込むサポートをしてくれた井端も一緒。「こうしてここに立てて、少し恩返しができた。これからも頑張っていきたい」。故障で離脱していた阿部と坂本は13日から復帰するが、堂上の野性味はチームには欠かせない。 ≪実はマエケンキラー≫中日から移籍した堂上(巨)が初出場で同点打を含む2安打。巨人デビュー戦で殊勲安打込みのマルチ安打は、外国人選手を除けば、08年7月2日ヤクルト戦で鶴岡(現阪神)が先制打を含む2安打して以来7年ぶりだ。また、前田健(広)とは中日時代から11試合目の対戦。通算成績は21打数7安打の打率・333、3打点と難敵を攻略している。 ◆堂上 剛裕(どのうえ・たけひろ)1985年(昭60)5月27日、愛知県生まれの29歳。愛工大名電では4番を務め、2年春、3年春夏と3度甲子園出場。高校通算46本塁打。03年ドラフト6巡目で中日入団。昨オフに戦力外となり、巨人と育成契約。今年2月23日の春季キャンプ中に支配下選手登録された。父・照氏は元中日投手で、弟・直倫は中日内野手。1メートル83、85キロ。右投げ左打ち。
2015.05.13
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◆ 周囲の予想を遥かに上回るスピードで成長を続ける強打者 現在、パ・リーグ首位に立つ西武(5月10日終了時点)。チーム防御率3.08と安定した投手陣のほか、打線も好調。チーム打率.261はソフトバンクと並びリーグトップの数字である。 中でも目を引くのが森友哉だ。昨季、高卒ルーキーとしていきなり6本塁打を記録し球界の話題をさらったが、今季は早くも昨季を上回る7本塁打を記録している。 フルスイングで長打を量産し、12二塁打はリーグトップ、長打率.587は李大浩(ソフトバンク)に次ぐ2位と、あどけなさの残る19歳は周囲の予想をはるかに上回るスピードで成長し続けている。 プロ入り即活躍した高卒野手といえば、西武ファンならずともまず思い浮かべるのが清原和博(元西武ほか)だろう。高卒1年目の清原が記録した31本塁打は、大卒、社会人出身者も含めた新人最多記録であり、野球ファンの間では今なお伝説として語り継がれている。◆ 苦手なソフトバンクと日本ハム投手陣を攻略できるか? その清原と森の成績を比較すると、興味深い結果が出た。1本の本塁打に必要な打席数をはかる本塁打率を見てみたい。1年目の清原は471打席31本塁打で本塁打率は15.19。一方、昨季の森は92打席6本塁打、本塁打率15.33。 森は捕手ゆえに、1年目からレギュラーを奪うにはあまりにハードルが高いポジション。よって、打席数が少なかったがために、本塁打数自体は清原に遠く及ばなかったものの、昨季の森は、清原となんら遜色のないハイペースでホームランを放っていたということである。 同様に、2年目の清原と今季の森を比較してみよう。清原は536打席29本塁打で本塁打率18.48。森はここまで133打席7本塁打で本塁打率19.00。やはり清原にはわずかに及ばないものの、球界の“レジェンド”と堂々と肩を並べる数字だ。 しかし、そんな森にも弱点はある。今季ここまでの球団別対戦成績を見ると、オリックス戦や楽天戦では4割近い打率を残している一方、ソフトバンクが相手だと.227。昨季もソフトバンクは苦手としており、対戦打率は.176だった。 また、首位争いを繰り広げている日本ハムも森は比較的苦手としている。日本ハム戦は、昨季、今季ともに、ソフトバンク戦に次ぐワースト2位の対戦打率である。今週はそのソフトバンク、日本ハムとの対戦カードが組まれている。 将来は間違いなく、いや既にチームの主軸を担っている森だが、上位球団、そしてその上位球団にいる力のある投手を打ち砕いてこそ、“本物の中の本物”になるというもの。 森がどんな打棒を見せてくれるか、今週の試合をじっくりと観戦してみたい。
2015.05.12
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◇パ・リーグ ソフトバンク10-1楽天(2015年5月10日 ヤフオクD) 勢いが止まらない。4回1死一、二塁、ソフトバンク・李大浩(イデホ)が戸村の投じた初球、甘く入った138キロ直球を捉え、左中間最深部のホームランテラスへ3ラン。4試合連続となる10号で日本ハム・中田とリーグトップに並んだ。 5月に入ってから6発目と絶好調。35試合目で2桁到達は、日本では12年の46試合目を上回るスピードで「野球をやっていて今の状態が最高」と舌も滑らかだ。韓国・ロッテ時代の10年には9試合連続本塁打を記録している大砲は「ホームランも出てヒットも出ている今の方がいい」と笑顔だ。工藤監督は「チームの中心にいる選手なので、このまま続けてほしいね」と目を細めた。 打率・221と低迷していた4月までがウソのような猛打だ。好調の理由は打撃フォームの修正。打席で足を高く上げ、ゆったりとタイミングを取るようにしてから調子が急上昇した。試合前の練習でも、足の上げ方に意識を集中している。日本ではこれまで12、13年の24本が最多だが、今季は143試合に換算すると41発という快調なペースでアーチを量産している。 好調の助っ人が引っ張る打線は今季最多15安打で10得点。3カード連続勝ち越しを決めた。李大浩は韓国で06、10年に2度獲得している本塁打王について聞かれて「早い早い。まだ100試合以上残っている」と笑ったが、日本では4年目で初の4戦連発で確かな自信をつかんでいた。
2015.05.11
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DeNAが強い。5月4日からのヤクルト3連戦で3連勝。直前の中日戦と合わせれば今季2度目の5連勝という勢いで、2位・巨人とは1・5ゲーム差(5月6日時点)の首位に立っている。34試合を終えて20勝14敗、貯金6だ。 まだまだ常勝チームとは言い難いようにも思える。4月にも一時は首位に立ちながら、泥沼の7連敗でズルズルと4位まで後退。しかし、その後に5連勝して巻き返したあたりは、逆に不安定なチームにも見える。 しかし昨年までとは明らかに違うと指摘するのは、元阪神コーチでデイリースポーツ野球評論家の岡義朗氏だ。中畑清監督とは同じ昭和28年度生まれで「プロ野球28会」のメンバー。若いころから親交も深く、中畑野球を熟知している。 「去年までなら連敗を止めた後もズルズルと黒星が先行するようなチームだった。今年はしっかりと持ち直す。特に違いが見えるのは、連勝が止まった後。7連敗の後、5連勝で止まっても、そのまま連敗はしなかった。勢いだけで勝っているわけではないことが分かる」 では、強さの秘密はどこにあるのか。実力の突出した選手が何人もいるわけではない。それでも底知れぬ潜在能力を感じさせるチームだ。実力以上の何かが今のチームを支えている。岡氏は「要因の一つは若さ」だという。 「投手では抑えの山崎康。野手では高卒2年目の外野手・関根。この2人が象徴的だ。普通の考え方をする監督であれば、新人に抑えを任せたり、高卒2年目の外野手をレギュラーで使うことはあまりしない。これは中畑監督の勇気、そして選手の資質を見抜く眼力からくるもの。例えば山崎の負けん気の強さは最初から見抜いていた。若い力が台頭すればチームは活性化されるもの。それが今の勢いにつながっている」 もちろん主力の活躍も見逃せない。4番の筒香がリーグトップタイの7本塁打を放つなど活躍。梶谷も高打率を維持している。 「彼らは中畑監督が就任以来、成長を願い、厳しく接してきた選手たち。真のレギュラーに育てようと、時には2軍にも行かせて鍛え上げてきた選手が花開き始めたと言える。筒香とは私もたまに話すことがあるが、以前に比べるとかなり大人になった。いい意味でピリピリ感も出てきている」 中畑監督の就任2年目からデイリースポーツのDeNA担当を務める鈴木創太記者は、指揮官の変化を感じている。 「担当記者と会話するときの明るい雰囲気はずっと変わらない。勝ったときも冗談っぽく浮かれたような発言はするけど、実際は浮かれていないところが去年までとは違う。あと、選手の適正を判断したりする目は周りからも信頼されている。実は山崎康の抑え抜てきも、当初は周囲に反対意見もあった。それでも自分の考えを通して山崎は期待に応えた」 岡氏は進藤ヘッドコーチとの信頼関係にも注目する。 「監督はできるだけヘッドの意見を受け入れようとしている。聞く耳をしっかりと持っている。作戦面でもしっかりとコミュニケーションが取れているようだ」 長いシーズン、このまま順調にいくことは難しい。「そのあたりは監督もヘッドも計算に入れている。故障者が出るかもしれないし、シーズンを通して働いた経験のない若手はバテるかもしれない。それも見越して今から対策を考え始めている」(岡氏)と、そのときのための準備は進められている。 8日からは巨人との3連戦。「借金を背負っているつもりで戦う」と話す中畑監督には、名将の風格すら漂い始めた。
2015.05.09
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DeNAが強い。5月4日からのヤクルト3連戦で3連勝。直前の中日戦と合わせれば今季2度目の5連勝という勢いで、2位・巨人とは1・5ゲーム差(5月6日時点)の首位に立っている。34試合を終えて20勝14敗、貯金6だ。 まだまだ常勝チームとは言い難いようにも思える。4月にも一時は首位に立ちながら、泥沼の7連敗でズルズルと4位まで後退。しかし、その後に5連勝して巻き返したあたりは、逆に不安定なチームにも見える。 しかし昨年までとは明らかに違うと指摘するのは、元阪神コーチでデイリースポーツ野球評論家の岡義朗氏だ。中畑清監督とは同じ昭和28年度生まれで「プロ野球28会」のメンバー。若いころから親交も深く、中畑野球を熟知している。 「去年までなら連敗を止めた後もズルズルと黒星が先行するようなチームだった。今年はしっかりと持ち直す。特に違いが見えるのは、連勝が止まった後。7連敗の後、5連勝で止まっても、そのまま連敗はしなかった。勢いだけで勝っているわけではないことが分かる」 では、強さの秘密はどこにあるのか。実力の突出した選手が何人もいるわけではない。それでも底知れぬ潜在能力を感じさせるチームだ。実力以上の何かが今のチームを支えている。岡氏は「要因の一つは若さ」だという。 「投手では抑えの山崎康。野手では高卒2年目の外野手・関根。この2人が象徴的だ。普通の考え方をする監督であれば、新人に抑えを任せたり、高卒2年目の外野手をレギュラーで使うことはあまりしない。これは中畑監督の勇気、そして選手の資質を見抜く眼力からくるもの。例えば山崎の負けん気の強さは最初から見抜いていた。若い力が台頭すればチームは活性化されるもの。それが今の勢いにつながっている」 もちろん主力の活躍も見逃せない。4番の筒香がリーグトップタイの7本塁打を放つなど活躍。梶谷も高打率を維持している。 「彼らは中畑監督が就任以来、成長を願い、厳しく接してきた選手たち。真のレギュラーに育てようと、時には2軍にも行かせて鍛え上げてきた選手が花開き始めたと言える。筒香とは私もたまに話すことがあるが、以前に比べるとかなり大人になった。いい意味でピリピリ感も出てきている」 中畑監督の就任2年目からデイリースポーツのDeNA担当を務める鈴木創太記者は、指揮官の変化を感じている。 「担当記者と会話するときの明るい雰囲気はずっと変わらない。勝ったときも冗談っぽく浮かれたような発言はするけど、実際は浮かれていないところが去年までとは違う。あと、選手の適正を判断したりする目は周りからも信頼されている。実は山崎康の抑え抜てきも、当初は周囲に反対意見もあった。それでも自分の考えを通して山崎は期待に応えた」 岡氏は進藤ヘッドコーチとの信頼関係にも注目する。 「監督はできるだけヘッドの意見を受け入れようとしている。聞く耳をしっかりと持っている。作戦面でもしっかりとコミュニケーションが取れているようだ」 長いシーズン、このまま順調にいくことは難しい。「そのあたりは監督もヘッドも計算に入れている。故障者が出るかもしれないし、シーズンを通して働いた経験のない若手はバテるかもしれない。それも見越して今から対策を考え始めている」(岡氏)と、そのときのための準備は進められている。 8日からは巨人との3連戦。「借金を背負っているつもりで戦う」と話す中畑監督には、名将の風格すら漂い始めた。
2015.05.09
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中谷、起爆せよ!! 阪神・和田豊監督(52)が7日、8日からの広島戦(甲子園)で、今季初昇格する5年目の中谷将大外野手(22)をスタメン起用する方針を明かした。チーム打率が12球団ワースト(・231)のなか、ウエスタン・リーグ首位打者(打率・303)の未完の大器を抜てき。若虎のバットで、借金「2」の5位から浮上する! 視線の先には、快音を響かせる“未完の大器”の姿があった。今季初の1軍昇格を果たした中谷だ。打線がなかなかつながらないなか、和田監督が得点力不足解消の起爆剤に、5年目の若虎を指名した。 「(スタメンで)使ってみたいから上げたんやから。チャンスは間違いなくある」 最下位・広島を甲子園に迎え撃つ8日からの3連戦。指揮官はいきなりのスタメン起用を示唆した。 今季は開幕から打順での試行錯誤を繰り返してきた。鳥谷、上本、西岡の1~3番のシャッフルに始まり、福留とマートンの5、6番も入れ替えた。特に、大和、江越、俊介、伊藤隼が務めてきた「7番・中堅」は固定できていない。「福留がよくて、マートンも少しずつ上がってきているから、7番が非常に大事になってくる」と和田監督。“新兵器”として中谷に期待を寄せた。今季、チーム打率・231は12球団ワーストだが、中谷はウエスタン首位打者の打率・303。打線を活性化させるにはうってつけだ。 甲子園での指名練習ではフリー打撃で54スイング中4本のサク越え。パワーだけでなく、右方向にも鋭い打球を飛ばし、虎将は「ファームで数字を残しているだけのバッティングをしているね。プロに入って一番いい状態で上がってきているんじゃないかな」とうなずいた。2軍は休日だったが、古屋2軍監督がわざわざ私服姿で視察。首脳陣からの期待の高さの表れだ。 入団当初から有望視されていた。だが、1軍出場は2012年の6試合のみ。10打数無安打4三振と結果を残せていない。同世代の山田(ヤクルト)や駿太(オリックス)らが次々と1軍で活躍。今季、春季キャンプは1軍で過ごしたものの、開幕1軍入りはルーキーの江越に奪われた。「いい刺激になった」と中谷。悔しさをバネにコツコツと練習に励んできた。和田監督も「バッティングを見ていると、今までより変化があるね」と成長を認めている。 登録抹消された黒田の代役として8日先発する広島・戸田とは好相性だ。ウエスタンで6勝0敗の4年目左腕だが、今季の2軍での対戦は4打数3安打。通算では32打数15安打で打率・469、1本塁打と打ちまくっている。3年ぶりの1軍での試合となるが、お得意様相手に自信を持って打席に入れるはずだ。 「1軍でのチャンスはこれで最後だと思う。そういう気持ちでやる」 決死の覚悟で臨む運命の広島戦。借金2のチームも3連勝すれば、一気に貯金が作れる。眠れる打線を目覚めさせてみせる。
2015.05.08
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ほろ苦い一軍デビュー ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日、QVCマリンでの千葉ロッテ8回戦のマウンドに上がったのは高梨裕稔だった。 ローテーション通りなら大谷翔平が投げるところだが、足の不安のため登板を回避。同一カード3連勝の期待は、入団2年目の右腕に託された。高梨にとってはプロ初登板である。 念願のデビュー戦は、ほろ苦い結果に終わった。 3回1/3を投げて被安打5、与四死球4の4失点。立ち上がり、岡田幸文にいきなり死球をぶつけた高梨は制球に苦しみ、四球を出しては足を絡めたロッテの攻撃に揺さぶられる。カウントを取りに行った甘いボールは、ことごとく打たれるという悪循環に陥った。 日本ハムは序盤の失点を盛り返せず2-7と完敗し、高梨は敗戦投手となった。 敗戦という結果はともかく、この高梨の初登板によって昨年入団した8人全員が一軍デビューを果たした。 プロ入り2年目の5月で全選手がデビューするというのは、日本ハムでなければ考えられない。この球団の若手起用は、とにかく大胆のひと言に尽きる。 積極果敢な起用の根底には、一軍の試合に出なければわからないこと、学べないことがある、という考えがある。学ぶべきものがあるのなら、早めに学んだ方がいい。いい選手は失敗を糧に、ひと回り大きくなる かつて、中日の山本昌にデビュー戦での思い出について尋ねたことがある。1986年10月16日、神宮球場での対ヤクルト26回戦。プロ入り3年目の左腕は1-5とリードされた6回にマウンドに上がり、広沢克己に2ランホームランを叩き込まれた。「初めて一軍に出て驚いたのは、キャッチャーの構えるミットがとにかく小さく見えたってこと。学生時代や二軍の試合はデーゲームばかり。ナイターに慣れていなかったんだ」 これもまた一軍にデビューしなければ、わからないことだ。 同じ野球でも、一軍と二軍は似て非なるものだ。結果を求められる一軍のプレッシャーは、鍛錬の場である二軍の試合とは比較にならない。その一軍のマウンドに高梨は立った。満員のスタンドの熱気、相対する打者が醸し出す威圧感は、いままで経験したことのないものだったはずだ。 2年目の春に巡ってきたチャンス、高梨は実力をほとんど出し切れないままマウンドを降りた。ストライクを取ることに四苦八苦し、打者と駆け引きをする以前に自分との戦いで負けてしまった。これはおそらく、一軍のマウンドに立たなければ経験できないことだったはずだ。 一軍で結果を出すためには……。 いまごろ高梨は、いままでよりも高い次元の悩みに直面しているだろう。それが明日の成長の糧になるのだ。 近い将来、高梨がふたたび一軍で出番を得て、今度はしっかりと結果を出したとする。それは初登板の失敗が生きたということになる。 早く一軍で通用する選手を育てようと思ったら、早めにチャンスを与えるのがいい。それがたとえ失敗に終わったとしても、いい選手は失敗を糧にして、またひと回り大きくなるもの。それが限られた人材を最大限に生かそうとする日本ハムの哲学。2015年組も、やがて次々と出てくることだろう。
2015.05.06
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○ 広島 3x - 2 巨人 ●<6回戦・マツダ> まさかの幕切れだった。 2-2で迎えた9回、広島は一死満塁のチャンスを作り、打席には代打の切り札・小窪哲也。巨人の4人目・マシソンの高めの速球を打ち上げると、打球は投手と捕手の間に。 マシソンが指差し、野手に指示を送るも、これを追った一塁手のフランシスコと三塁手の村田修一がこれをお見合い。2人の間に打球が落ち、慌ててそれを拾ったフランシスコが三塁走者の野間峻祥よりも先に本塁を踏んで球審がアウトの宣告。次の場面に移ろうとした。 ところが、これに広島の石井琢朗三塁コーチが猛抗議。緒方孝市監督もベンチを飛び出して抗議すると、今度は球審がセーフのジャッジ。一塁側ベンチが歓喜に湧いた。 ここで問題となったのが、“インフィールドフライ”の扱い。そもそもインフィールドフライとは、「無死か一死の場面で、走者が一二塁か満塁の状態の時に、フェアゾーンに飛んだフライを内野手が通常の守備を行えば容易に捕球できるであろう時に審判が宣告することによって、打者が即アウトになるプレー」のこと。 野手がフライを捕球する・しないに関わらず、フライが上がっている状態でアウトが宣告され、これによってフライを故意に落球し、複数の走者を併殺にしようとするのを防止するためのルールである。 今回のケースでも、インフィールドフライが宣告された時点で打者の小窪はアウト。その時点で本塁はフォースプレーではなく、タッチプレーの扱いとなる。 しかし、打球を拾った巨人の一塁手・フランシスコはホームを踏んだだけに留まり、その後にホームを駆け抜けた野間にはタッチをしていない。ということは野間はまだ生きた状態の走者であり、サヨナラのホームを踏んだことが認められたのだ。 歓喜に沸く一塁側と、満員のファンで埋まったマツダスタジアムのスタンド。グラウンドには困惑した様子の巨人の選手たちと、抗議する原辰徳監督というなんともいえない幕切れとなったが、判定は覆ることなく、広島のサヨナラ勝ちとなった。 なにはともあれ、これで9回を2失点で投げ抜いた広島の大瀬良大地に白星がついた。開幕から好投を続けながらも運に見放された2年目右腕が、5度目の登板にして待望の今季初勝利を挙げた。
2015.05.05
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心に響くイチローの言葉 現地時間4月29日、メッツ戦でイチローがマーリンズ移籍後初ホームランを放ち、1993年から続いている連続ホームランを23年に伸ばした。 4-3でマーリンズが1点リードしていた場面での勝利を決定づける3ランホームランということもあり、スタンドのファンはスタンディングオーベーションで大熱狂していた。その熱はベンチも同じく、ダイヤモンドを一周しベンチに戻ったイチローにチームメイトがつめかけて祝福した。 25日には日本得点記録を更新し、その栄誉を称えられたばかり。試合を重ねるごとにイチローがチームに溶け込んでいくのが目に見えて感じられる。 29日の試合後インタビューでイチローは静かに熱く語った。「打ったあとチームメイトもファンの人もあんなに喜んでくれたらもう泣きそうやね。特別な時間は自分で作るものではなく、人が作ってくれるもの」 イチローのチームへの想いが込められた言葉だ。 マリナーズからヤンキースに移籍した際に、「若い選手のために」とトレードを申し出たイチローだったが、マーリンズでは、若い選手のために不可欠な存在になりつつある。 イチローが発する言葉には、多くの人が感銘を受けてきたことだろう。過去の名言とも言える言葉をいくつか紹介したい。【日本時間2015年1月29日 マーリンズ入団会見】「新しい場所に行って、新しいユニフォームを着てプレーすることに決まりましたが、『これからも応援宜しくお願いします』とは絶対に言いません。応援していただけるような選手であるために、自分がやらなければならないことを続けていくということをお約束して、それをメッセージとさせていただいてもよろしいでしょうか」【2004年10月1日 当時メジャー記録だったジョージ・シスラーの年間安打数(257本)を更新した際の言葉】「今思うのは、小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だと感じている」【1992年 ドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団し、「プロフェッショナルの定義」について答えた言葉】「どんなに難しいプレーも、当然にやってのける。これがプロであり、僕はそれにともなう努力を人に見せるつもりはありません」この他にも、勇気づけられる名言がいくつもある。「結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる」「初心を忘れないことっていうのは大事ですが、初心でプレイをしていてはいけないんです。成長した自分がそこにいて、その気持ちでプレイしなくてはいけない」「夢は近づくと目標に変わる」「苦悩というものは、前進したいって思いがあってそれを乗り越えられる可能性のある人にしか訪れない。だから苦悩とは、飛躍なんです」 数々の記録をうちたて「生きる伝説」とされているイチローの言葉に心を動かせられずにはいられない。 今後も新たな記録が誕生した際に飛び出すであろうイチローの名言に注目したい。
2015.05.02
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東京六大学野球リーグの東大に、38歳医師が入部したことが30日、分かった。異色のオールドルーキーは伊藤一志投手。高校2年時からの悲願だった東大野球部入りをかなえるため、医師を務めながら、12年に文科三類に合格。休学していたが、勤務していた関東近郊の大学病院を今春退職し、晴れて1年生部員となった。リーグワースト90連敗(2分けを挟む)を更新中の赤門軍団を、「リアル・ドクターK」の右腕が救う。 白衣を脱ぎ、東大のユニホームに袖を通す。この日、東京六大学野球連盟に部員登録を認可された伊藤は、「東大で野球がやりたかった」と23年越しの喜びをかみ締めた。 愛知・東海高2年だった1993年秋。法大戦で16季ぶりの勝ち点を挙げた東大ナインのニュース映像に、心を打たれた。「勉強も苦手で、行きたい大学もなかったけど。強い東大で野球をしたいと思った」。残念ながら、現役では不合格。別の大学に進む道を選んだ。 医大で硬式野球を始め、主に「4番・投手」として6年間プレー。東日本の医大、医学部が集う大会で通算1勝を挙げた。08年に国家試験に合格。31歳で医師になったが、東大野球部の夢をあきらめきれなかった。 多忙な業務の合間に独学を重ね、「文系の方がうかりやすい」と12年に東大文科三類に合格。休学して病院勤務を続けていたが、上司にも背中を押され、今春退職を決意した。「10年後には無理。将来、あのときにやっておけば―と思いたくなかった。今しかない」。高校、大学の先輩になる予備校講師・林修さんの流行語「今でしょ!」を体現し、赤門を叩いた。 入部に年齢制限はなく、かつてプレーした医大は全日本大学野球連盟に属していないため、4年間神宮での試合に出場可能だ。練習に参加した38歳ルーキーは、「これまでは近所のおじさんと軟球でキャッチボールしたり、素振りしたり。トレーニングの量が違うので、足がパンパン」と苦笑い。「先輩から敬語を使われると申し訳ない」と、校内でのリーグ戦告知のビラ配りや、用具の片づけなど1年生の雑用も率先してこなす。約20歳下の同期の間では「カズシ」の愛称も浸透してきた。 「直球の最速は測ったことがない。球種も言えるほどのものはない」と謙遜するが、「しっかり練習して試合に出たい。何年かに1度の波が来れば。赤門旋風が吹くといい」と伊藤。5年間続く90連敗の“病”を、「ドクターK」が退治する。 ◆東大のオールドルーキー 1996年に35歳の高橋将人投手が入部した。慶応志木から慶大卒業後に東大に合格。4年時には年齢と同じ背番号39をつけたが、リーグ戦出場はなし。同期に遠藤良平(元日本ハム投手、現GM補佐)。 ◆プロ野球の最年長デビュー 毎日・湯浅禎夫監督の48歳34日。1950年11月5日の阪急戦で、浜崎真二監督(48歳330日)と先発対決(通算出場はその1試合)。メジャーでは、48年サチェル・ペイジ投手(インディアンス)の42歳。 ◆伊藤 一志(いとう・かずし)1976年8月19日、愛知・稲沢市生まれ。38歳。小学4年で軟式野球に触れる。08年に医大卒業。関東の大学病院勤務を経て、東大文科三類1年。好きなプロ野球選手は落合博満元中日監督、オリックス・金子千尋、レッドソックス・上原浩治。171センチ、73キロ。右投右打。
2015.05.01
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次代を担う可能性を秘める高田知季と牧原大成 ソフトバンクで若き力が育ってきている。次代を担う新たな力となる可能性を見せているのが内野手の高田知季と外野手の牧原大成の2人である。 今季、工藤新体制下で、初の開幕1軍に食い込んだ2人。「工藤チルドレン」とも言うべきこの2人が、4月29日の日本ハム戦(札幌ドーム)を終えて26試合を消化した中で、存在感を発揮してきている。 先にチャンスをもらったのは、昨季のウエスタン・リーグ新記録となる120安打、打率.374で最多安打と首位打者を獲得した牧原だ。開幕第2戦の3月28日・ロッテ戦(ヤフオクD)ではまず中堅の守備固めとして出場機会を得ると、4月5日の西武戦(西武プリンス)では「2番中堅」で初スタメンした。 2度目のスタメン出場となった4月19日のロッテ戦(QVC)では今季初安打を放つなど、5打数3安打と、自身初の猛打賞を達成した。スタメンはまだ4試合。試合終盤の外野の守備固めや代走で起用が中心ではあるが、今のチームで必要な戦力になりつつある。 そして、牧原から遅れること5日。4月2日のオリックス戦(ヤフオクD)で高田にもチャンスが巡ってきた。捕手・鶴岡の代打として今季初出場すると、いきなり左前安打。4月8日の楽天戦(コボスタ)では、不振の今宮を押しのけて「9番・遊撃」で初スタメン。この試合でも第4打席に中前安打を放ち、結果を残した。 貴重な働きをしたのは、4月14のオリックス戦(京セラD)だ。1点ビハインドの8回、鶴岡の代打として打席に立つと、左前安打で出塁。その後、味方打線がつながり、内川の中前2点適時打で同点のホームを踏んだ。勝利と育成の両面を見据える工藤監督、「若手の底上げ」もテーマの1つ この試合までの5試合中4試合で無得点だったソフトバンク。この試合でも0行進が続く重苦しい空気に、先頭打者、しかも代打で風穴を開けた意義は大きかった。4月22日の楽天戦(ヤフオクD)では4打数3安打で、こちらも初の猛打賞を達成している。16試合に出場し、7試合にスタメンで起用。右足首捻挫で離脱している本多の穴を、明石とともに埋めている。 この2人が、今季から指揮官に就任した工藤公康監督(51)が見せている特徴の1つだろう。昨季の日本一で、大幅な戦力の入れ替わりも無かった今季。盤石のレギュラー陣がいる中で、工藤監督は若手の起用にも積極的だ。選手層に厚みを持たせるだけでなく、今後数年にわたる常勝軍団を作るために、勝利と育成の両面を見据えているのだろう。「若い子が実戦でヒットを打ったり、守ったりするのは練習するよりも遥かに力が増すんじゃないかと思う」 工藤監督は奮闘する若手についてこう語っている。 投手陣にも二保旭、飯田優也、武田翔太といった若手が開幕から1軍でプレーしている。「若手の底上げ」は、工藤ホークスの1つのテーマとなっている。
2015.04.30
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「NEXT TANAKA」とメジャーが継続調査中の日本ハム・大谷翔平投手(20)が、来年2月に米国初上陸を果たす。 日本ハムは27日、来春の1次キャンプ(2月1日~中旬)を業務提携先のパドレスのキャンプ地、アリゾナ州ピオリアで行うことを正式発表した。 竹田憲宗球団社長は「新たな環境の変化が刺激となってチームの強化につながり、選手個々の成長を促すと判断し、来春からアリゾナキャンプを組み入れる決断を下しました。打撃練習やピッチングなどを同時に行えるスペースが大幅に増え、従来以上に効率的な準備ができると考えています。韓国球団のほとんどがアリゾナでキャンプを張っており、以前は不足した実戦も今は数多くこなすことができます」と説明した。 パ軍のA・J・プレラーGMも「我々のキャンプ地である、ピオリアスポーツコンプレックスにファイターズをお迎えすることを、心待ちにしています。ファイターズは、非常に洗練されたチーム。意義深く、実り多きキャンプとなるよう、パドレスが全面協力することをお約束します」と日本ハム球団を通じて談話を発表した。 これで注目されるのは近い将来、ヤンキース・田中将大投手(26)をしのぐ総額2億ドル(約238億円)での移籍が今から話題になっている二刀流右腕・大谷だ。獲得に向けた調査を進めるメジャー球団の多くがキャンプを張るアリゾナに、本人がわざわざ来てくれるというのだから、まさに願ってもない展開だろう。 提携球団のパ軍はもちろん、ピオリアの施設を共用するマリナーズ、近隣でキャンプを張るドジャース、アスレチックスなど15球団に、フロリダキャンプ組の15球団も容易にGMら球団幹部クラスが大谷の練習風景や実戦登板、打撃を視察できることになる。 大谷本人は「2年間、名護でやってきて、また違う環境でできる楽しみな部分と、どうなのかなという部分がある。行ってみないと分からないですが気候的には快適かな」とコメント。しかし、現地は大フィーバーが予想されるだけに「快適」とはいかないかもしれない。
2015.04.28
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マーリンズのイチロー外野手(41)が25日(日本時間26日)、本拠地でのナショナルズ戦で日米通算1968得点をマークし、王貞治氏(巨人=現ソフトバンク球団会長)が持っていた日本プロ野球記録を更新した。「7番・左翼」で5試合連続のスタメン出場。8回に右前安打で出塁後、味方の本塁打で生還。尊敬する王氏の数字を超えた。「王監督の記録はどの記録でも特別なもの。ただただ光栄です」と神妙に喜びを表した。 胸が熱くなった。9回の守備に就いたイチローに、観衆のスタンディングオベーションが降り注いだ。スクリーンには「1968得点」の日本新記録樹立が映し出された。「ああいうことが起こると思ってないですからね。びっくりしましたけど、それは僕の心に刻まれる瞬間ではありましたね、確実に」。帽子を右手で掲げ、その場でゆっくりと1回転。鳴りやまぬ拍手に応えた。 記録更新は、ゆっくりとした生還だった。8回2死一塁。この日2安打目となる右前安打で出塁。直後にエチャバリアが左越え2号3ランを放ち、日米通算1968回目の本塁を踏んだ。王氏の持つ日本プロ野球記録の1967得点を超えた。王氏は06年のWBCで頂点に立った時の指揮官だ。「他の人の記録に全然興味ないですけど、王監督の記録はどの記録でも特別なもの。ただただ光栄です」。重みをかみしめるように言葉をつないだ。 数字は超えたが、2人の道のりは異なる。王氏は2831試合で1967得点のうち、自ら868本塁打を放って稼いだ。一方、イチローは日米通算3172試合で同230本塁打だ。「(僕は)人にかえしてもらう記録。今日だって立ってるだけですから。王監督は自分でそれを。そう考えても全然、比較にならない」と謙虚に言った。 ただ、周囲の祝福に心は動いた。スターのスタントンはイチローに向かって脱帽。オズナは両手を合わせてお辞儀をし、日本式で敬意を表した。「チームメートがあれだけ知っててくれて、おめでとうと言ってくれて…。気持ちの温かさみたいなのが、何よりうれしい」。周りが喜び、たたえてくれたことが一番の勲章だ。 王氏は記録が並んだ時、「いずれ彼に更新してもらえると思っている」と、イチローに期待していた。「人としての出来が違うってことですよ。それは揺るぎない点で、僕の中に永遠に植え付けられています」。王氏とは例年、帰国した際に食事を共にする。昨冬も実現した。今オフも、杯を交わすだろう。最高の報告を手みやげに、特別な時間を共有する。
2015.04.27
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【ミシガン州デトロイト23日(日本時間24日)発】ヤンキースの田中将大投手(26)が、今季初の中4日でタイガース戦に先発し、6回1/3を3安打1失点、速球のMAXは150キロを記録した。試合開始時の気温が0・6度の極寒、そしてメジャー屈指の強力打線も吹き飛ばす熱投でチームの逆転勝ちを呼んだ。同点でマウンドを降り、3勝目はつかなかったが、エースとして存在感を発揮した。 チームはタイガースに3連勝となったが、試合後の田中の表情は厳しかった。1―1の7回一死後、二塁打と四球で一、二塁と一打勝ち越しピンチを迎えた。絶対に抑えるという気持ちだったが、投球数は94。2番手のウィルソンにマウンドを託すことになった。「もちろん数字だけで見ればね、1失点で…リリーフに助けてもらいましたけど、1失点で終わることができましたし、チームも勝ったので、それが一番ですね」。自分に言い聞かせながらも、悔しさがにじみ出た。これもエースの自覚だ。 内容は見事だった。試合中に雪が降った前日に続き、試合開始直後の気温は0・6度、最高でも3度という極寒のマウンド。「こういう天候ですし、初回の入りはちょっと、自分の状態とかも含めて慎重になった部分はあった」こともあり、初回は先頭のゴースにいきなり左翼線二塁打を許した。キンズラーの二ゴロで一死三塁とされ、3冠王・カブレラとの初対決。しかし、制球が定まらず四球。続くV・マルティネスの左犠飛で先制点を奪われた。 ここでズルズルいかないのが田中だ。メジャー屈指のタイガース打線相手に攻めの投球だ。フォーシーム、ツーシーム、カーブで積極的にストライクを奪い、追い込めば、スライダー、徐々に制球が定まってきた宝刀・スプリット。左打者への内角のボールゾーンからストライクに入るフロントドアも決まった。 2、3回を三者凡退に抑えた4回。二死後にJ・D・マルティネスには左翼越え二塁打されるも、セスペデスには高さを変えたスプリット2球で追い込み、最後もスプリットで空を切らせて3球三振に仕留めた。 田中も「相手がそんな積極的に最初は打ちにきてなかったんで、以降、もっと大胆にストライク取りに行こうかなという感じで投げていけた。それがズルズルいかずに済んだところかなと思います」と振り返った。 5回を三者凡退に抑えた6回、再び上位打線との対決となったが、田中の攻めの投球が冴えた。先頭のゴースはカウント2―1から4球連続フォーシームで押し、最後は外角148キロで空振り三振に打ち取ると、続くキンズラーは粘られたものの9球目、直球で一邪飛。そしてカブレラとの3度目の対決は初球、外角カットボールがやや真ん中に入ったが右飛に打ち取った。 メジャー屈指の打線に対し「いいバッターはいいバッターなんで、神経使って投げましたね」と振り返った。イニングごと、あるいは打者ごとに軸にする球種を変えたように見えた。繊細かつ強気に攻めた田中に軍配が上がった。 駒大苫小牧高、仙台が本拠地の楽天での経験で寒さには慣れているものの「体の動き方も(前回に比べて)やっぱ全然違いますしね。体全体の動き方っていうのはちょっと難しかったかなっていうのがありましたね」と、さすがに影響はあったようだ。投球フォームもややバランスを崩す場面もあった。 登板を重ねるごとにコンディションを上げる田中。米メディアから5失点KOされた開幕戦との比較を求められると「オープニングデーは振り返ることはない。もういいでしょ」とクールに切り返した。立ち止まることも振り返ることもない。高みを目指し前へ進む。
2015.04.25
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ヤンキースの田中将大が現地時間18日(日本時間19日)、レイズ戦に先発し7回を無失点に抑える好投を見せ今季2勝目(1敗)を挙げた。この日の投球について、楽天時代に田中を指導した野村克也氏と星野仙一氏が解説している。 田中がルーキーイヤーの2007年から3年間指導した野村克也氏は19日に放送された『S1』(TBS系)に出演。野村氏は田中のストレートに注目した。 まずは2回に投じたストレートについて「キャッチャーのミットがボンっと上に上がるじゃない。えらく球が走っているように見える」とし、「ストレートのキレがよさそうだね。ミットは嘘をつかない」と太鼓判を押した。 さらに、5回には野村氏から教え込まれたアウトローのストレートでフォーサイスを見逃し三振。野村氏は「彼(田中)がまだ楽天にいる頃に、150キロのど真ん中と、130キロの外角低めと打たれるかと聞いた。今は、真ん中の150キロの球が打たれるよ。130キロの外角の低めの方が打たれない。それがピッチング」と解説している。 6回一死二塁でデヘススに投じた4球目のストレートについても、「真っすぐが相当自信満々だね」と話せば、三振に仕留めた7球目のスライダーには「ナイスボール。コースもいい。キレもいい言うことない」と教え子を褒めちぎった。 2011年からメジャー挑戦前の2013年までの3年間監督を務めた星野氏も、19日に放送された『サンデースポーツ』で、田中の投球の変化について言及。「これまでは、ツーシームやスプリットが多すぎたが、今日はストレートを使っていた」とストレートの割合が増えたと分析した。 また星野氏は田中について「2試合続けてダメなピッチングはまずない投手。そういう意味では今日はまあまあかな」と少し厳しめの評価。それでも、「これからもっと上がってくる」と今後の活躍を期待した。 かつての指揮官たちも注目する田中のピッチング。メジャー2年目を迎え、対戦相手も研究してくる中で、田中は昨季以上の投球を見せることができるのだろうか。
2015.04.20
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◇パ・リーグ ソフトバンク4-2ロッテ(2015年4月17日 QVC) 最終回の守りを、ソフトバンクの中田はベンチから祈るように見守っていた。2点リードで2死満塁。守護神・サファテが角中を二ゴロに打ち取ると、中田はホッとしたようにハイタッチを交わした。 今季3度目の登板で初勝利をマーク。「序盤で苦しい投球をしてしまったけど、そのあと粘れた。一つ勝たないと始まらないので」と静かに喜びをかみしめた。 2回までに4安打で2点を失ったが、3回以降は別人だった。1―0の2回に3連打で1点を追加され、なお無死一、二塁の場面。佐藤投手コーチがマウンドに向かい「いい球いってるから、どんどん行け」とハッパをかけた。「ブルペンでは一番調子が良かった。シンプルな言葉をかけてもらって、いい“間”ができた」と中田。気持ちに余裕が生まれた3回以降は三塁を踏ませず、6回2/3を投げ、2失点と試合をつくった。 決め球フォークがさえ、3者連続を含む8奪三振。6回先頭のデスパイネから奪った空振り三振で、史上141人目の通算1000奪三振を達成した。「意識はしていなかったけど、節目の数字はうれしい」と話した。 ウイニングボールを渡したい相手がいた。昨年12月に大阪・朝日放送の角野友紀アナウンサー(28)と結婚。生涯の伴侶を得てから最初の記念球に「(妻に)あげることになると思います。サポートをしてもらっているので」とのろけた。 昨季11勝を挙げた中田の今季初白星。工藤監督も「やっぱり勝つことが何よりの薬」と目を細めた。7度目の逆転勝利を挙げたチームは再び貯金2。右腕は「一つ一つ大事に投げていきたい」と慢心はなかった。 ▽中田(ソフトバンク)通算1000奪三振 17日のロッテ4回戦(QVC)で6回にデスパイネから空振り三振を奪って達成。プロ野球141人目。初奪三振は中日時代だった05年4月3日の横浜(現DeNA)戦で吉川から。 ▼ソフトバンク・李大浩(イ・デホ)(4回の逆転左前2点適時打を含む今季初の猛打賞)本当に久しぶりに貢献できた。これをきっかけに調子が上がっていけばいい。
2015.04.18
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12日の日本ハム戦で右足を負傷 アクシデントは、4月12日の日本ハム戦で起きた。熊本・藤崎台県営野球場で行われた試合。6回の先頭で打席に立った本多雄一はセーフティーバントを試みた。全力で一塁へと駆けるものの、間一髪でアウト。一塁を踏む際、跳ねるようにベースを踏むと、その直後に苦悶の表情を浮かべた。引きずる右足。自力では歩けず、両脇をコーチ、スタッフに抱えられてベンチに戻る姿は、ただ事ではないことを予感させた。 そのまま、熊本市内の病院へ直行。検査を受けると福岡へ戻り、球団かかりつけの病院で再度、精密検査を受けた。下された診断結果は「右足首の関節捻挫」。全治4週間から6週間と診断され、長期離脱に。13日には出場選手登録を抹消された。 この試合まで、13試合中12試合に二塁手として先発していた本多。打率は1割4分3厘と奮っていなかったものの、守備面や俊足を生かした走塁面など、チームで果たしていた役割は大きかった。それに加えて、今季からは副キャプテンにも就任。キャプテンの内川聖一、選手会長の松田宣浩とともにチームを引っ張る1人として、チームに不可欠な存在。ソフトバンクにとって痛い離脱である。代役を務める明石の可能性 本多の穴は埋まるのか。背番号46が不在となった14日からのオリックス戦(京セラD)での1つのテーマ。その不安を払拭したのが、代役として二塁手に入った明石健志だった。 本多に代わり先発した14日こそ4打数無安打に終わったが、15日は3打数3安打。4打席すべて出塁し、2得点を踏んだ。9番でチャンスメークし、上位打線につなげる役割を果たし、工藤公康監督からは「明石、柳田が今日の勝因」と名前を挙げてその働きを評価された。 昨季も、本多が負傷離脱した際には、その穴をきっちり埋めて日本一に貢献した明石。選手層の厚いソフトバンクだからこそ、控えの座に甘んじてはいるが、他球団であれば、十二分にレギュラーを張れるだけの人材だと高く評価されている。 二塁だけでなく、16日には一塁に入るなど、ユーティリティー性を持つ。守備力は高く、足もある。副主将の本多の離脱は確かに痛いが、明石にとっては定位置取りのチャンスでもある。1か月超に及ぶだろう副主将不在の間は、明石にとってその序列が変わるほどの活躍をしたいところだ。
2015.04.17
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プロの壁は厚い。甲子園を沸かせたスター選手でも、もがき苦しむ。脇本直人外野手は今、2軍の本拠地のあるロッテ浦和球場で、その壁と必死に闘っている。 「全然ヒットは打てませんし、走塁ミスも多い。比較してはいけないですが、先輩を見ていると、その差をすべての面で感じます。毎日、もがいています」 毎日、悩み、落ち込む。それでも立ち上がる。大切にしている色紙がある。それは寮の自室の机の上に目立つように置かれている。3月2日に行われた健大高崎高校の卒業式で担任の男性教師からプレゼントされたものだ。式が終わり、全員がクラスに戻ると「今からオレからの卒業証書を渡す!」と言って、担任教師は生徒一人一人に直筆のメッセージの書かれた色紙を渡した。サプライズだった。脇本の番になった。「厳しい世界だと思うけど、頑張れよ」と握手を求められ、渡された。机に戻ってから、ジッと読み続けた。何度も読み返した。こう書かれていた。 『脇本直人君卒業おめでとう。人生は山あり谷あり。それが普通です。苦難を克服するたびに人は成長するのです。目標を見失うことなく立派な人財を目指して努力してください。努力は決して裏切らない』 □ ■ □ 先生として、一人の大人として尊敬する人だった。高校1年から3年までの3年間にわたって担任を務めてくれた。先生として、一人の大人として、いつも一生懸命に接してくれた。それが脇本にはよく分かった。1年生の時、教室の掃除をさぼった。烈火のごとく、怒られた。「掃除というのはなあ。人間性が出るんだ!こういうところから、しっかりやらないと立派な人間には絶対になれない!」。本気で怒っているのがよく分かった。今でも忘れられないエピソードだ。 「自分たちのことを思って本気で怒ってくれていた。それが僕ら生徒にも伝わってきた。芯のある人という印象。こんな大人になりたいと思いました」 尊敬する先生はプロの世界に飛び込むルーキーに直筆のメッセージを送った。その一言一言が、胸に突き刺さった。すでに2月には春季キャンプを経験し、プロの厳しさ、レベルの高さを痛感して久々に戻ってきた母校での卒業式。心のこもった色紙に涙がこぼれ落ちそうになった。 「うまくはいかないことの方が多いし、怒られることも多い。自分でも、なんで言われたことが出来ないんだろうって落ち込んで、部屋に戻ってくることばかりです」 寮の自室に戻ると、真っ先にこの色紙が目に飛び込んでくる。そこに先生が懐かしい笑顔で立っていて、「頑張れよ」と高校時代のように励ましてくれているように感じる。だから、脇本は夕食を食べ終わるとバットを手に寮の最上階にあるトレーニングルームに向う。疲れている。眠い。そんな葛藤を打ち消しながら、誰もいない部屋の電気をつけると1時間、素振りをするのを日課にしている。 「1軍に上がったらですね。先生を球場に招待したいと思っているんです。先生に『オレ、頑張ってますよ。先生の言葉を支えに、ここまでこれましたよ』と胸を張って言いたいです」 □ ■ □ もう一つ、先生から教えてもらい、苦しい時に思い出している言葉がある。「どんな時も『あおいくま』の気持ちを忘れるなよ」。「あ=焦らない」。「お=怒らない」。「い=威張らない」。「く=腐らない」。「ま=負けない」。頭文字をとって「あおいくま」。先生は事あるごとにこの言葉を生徒たちに口にした。簡単な言葉に言い換えて人生訓を伝えてくれた。人生は辛抱だ。どんな逆境に立たされても、焦ってはいけない。腐ってはいけない。負けてはいけない。怒りに身を任せたい時もあるだろうけど、そこはぐっと歯を食いしばって、前に進むべきだ。逆に何かで成功を収めたとしてもおごり高ぶり、慢心をしてはいけない。脇本はそんな「あおいくま」になりたいと考えている。 もがき苦しみながらも18歳の若者は必死に生きている。苦難を一つ一つ乗り越えながら、毎日、成長をしている。これからも、あの色紙と、教えてもらった言葉の数々に励まされながらの日々は続く。いつかQVCマリンフィールドで再会するその日を夢見て。
2015.04.16
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◆オリックス2―4ソフトバンク(14日・京セラドーム) 二塁ベース上でガッツポーズを繰り返した。内川は「たぶん回ってくるんだろうな、と思っていた。僕が打ちましたけど、打たせてもらった感じ。最後に甘いところに来た」と笑った。1点を追う8回、2死満塁から中前へ逆転の2点タイムリー。敵失がからんで一挙に3点が入った。 チームはこの日までの5試合中、4試合で無得点。この日も8回までチャンスらしいチャンスもなかった。「みんな我慢していた。最後に笑顔になって帰ってもらえて、安堵(あんど)感の方が強い」。今季から主将に就任。同じく副主将に就いた本多が12日の日本ハム戦(熊本)で右足首を捻挫して戦線離脱した。悔しい思いをしている盟友のためにも―。貯金1をもたらした主将のひと振りに、熱い思いがこもっていた。
2015.04.15
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9日の中日戦で597日ぶり勝利、「やっと勝てた」右腕を支えたものとは 1年8か月ぶりに味わう勝利の快感に、目を潤ませた。「ナギサ」コールを浴びた背番号66は「やっと、勝てました……」としみじみと語った。 4月9日の中日戦(神宮球場)。先発したヤクルト・新垣渚投手(34)は、5回8安打2失点に抑え、ソフトバンク時代の2013年8月20日のオリックス戦(ヤフオクドーム)以来、597日ぶりに白星を挙げた。本拠地で移籍後初勝利を飾り、「松坂世代」のベテランが復活の狼煙を上げた。 だが、単に戻ってきたわけではない。劇的に「変身」を遂げていた。この日の最速は145キロ止まり。かつて沖縄水産高時代に150キロ超の直球を投げ、甲子園を沸かせていた剛腕の面影はない。それでも、本人は自身の進退をかけてまで今季に臨んでいる。「年も年ですし、1年1年が勝負。本当に今年は背水の陣。そういう覚悟でやらないと、来年はもうないだろうと思っている」新垣が「ワールドウィング」を訪れた理由 今年1月。新垣は「前から行きたいと思っていた」という鳥取市内のトレーニング施設「ワールドウィング」を訪れた。09年に右肩を故障後、肩甲骨まわりの動きがあまり使えていないと感じていた。また、年を取るに連れ、「股関節など、どうしても硬くなる部分が出てきていた」と34歳になった自身の体の変化を感じ取っていた。 そこで、同施設が推奨する、可動域を広げ、柔軟な動きを獲得するために効果があると言われる初動負荷のトレーニングに取り組んだ。わずか4日間の滞在だったが、2月の春季キャンプに入ると、すぐに成果を実感した。 これまでは投球で左足を着地するときに力んでしまい、「リリースするときに、タイミングが一瞬しかなかった」。だがこのトレーニングにより、リラックスする意識が生まれ、力まずに左足を踏み出せるようになった。「今は左足が着地する時間が長くなった。その分、球を持つ時間が長くなった。今までとは感覚的に全然違う」と球にキレが生まれた。 ただ、この施設に訪れたのには、もう一つの目的があった。49歳を迎えた今も現役を続ける中日の山本昌の存在だ。「長年やり続けているのには理由がある。それを感じ取りたかった」「ここがまた、僕の新たなスタート」 一緒にトレーニングをしたのはわずか2日。それでも、野球に対する考え方や意識を聞き、大いに刺激を受けた。「1年でも多く結果を出して、野球をやり続けたいという思いが強くなった」 今季にかける思いが一層高まった右腕は、自分でも分析を重ねた。オフの間に、13勝を挙げた2006年のソフトバンク時代の映像を何度も見返した。すると、「だいぶ肘の位置が上がっていた」と気づいた。 09年に右肩を故障後、腕が上から出るようになっていた。「元々は横振りで投げていた。肘を下げる練習もしました」。本来のスリークオーターの位置まで肘を下げた。そのことで、課題だった制球も安定。昨年8月16日の中日戦(ナゴヤドーム)でセ・リーグタイ記録の4暴投をマークしてしまったが、この日は1暴投と2四球。劇的に改善した。 10日に出場選手登録を抹消され、再びファームで調整することになった。だが、この試合のような投球を続ければ、次のチャンスは必ず訪れるはずだ。「ここがまた、僕の新たなスタートだと思って頑張りたい」 34歳の心は、まだまだ燃えている。
2015.04.11
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7日開幕の東都大学野球リーグ、拓殖大の“異色ルーキー”岸潤一郎 4月に入り、全国各地で続々と春の大学野球リーグが開幕した。6月の全日本大学野球選手権出場をかけた戦いがスタートする中、7日に始まる東都大学野球リーグでは、異色のルーキーが注目を集めるかもしれない。 岸潤一郎。高校野球ファンなら、すぐにピンと来るであろう拓殖大の1年生は、大学球界では異例の「二刀流」として脚光を浴びようとしている。 岸は高知の名門・明徳義塾で1年夏から4度、甲子園に出場。2年からエースを務め、140キロ台の速球とキレのあるカットボールを軸として、聖地で6勝を積み上げた。甲子園での実績は、安楽智大(現・楽天)などがいた同世代でもトップクラスと言っていい。 しかし、岸の凄さは投げるだけにとどまらなかった。明徳義塾では打っても4番に座り、勝負強い打撃でチームを牽引した。3年夏に高校日本代表の一員として岡本和真(現・巨人)らとともに出場した18Uアジア選手権では、登板のない日に野手としてグラウンドに立ち、準優勝に貢献。秋の国体ではサイクル安打の偉業を果たした。投打ともにプロスカウトの注目浴びた岸、指揮官が明かす構想 高校球界で「エースで4番」は珍しくない。しかし、全国トップレベルの名門校、そして、世代の代表チームと、これだけ高いレベルで両方をこなす選手は珍しいだろう。しかも、高校時代は投打ともにプロのスカウトから注目を集めたほどだった。 そんな岸が再び話題を集めそうなのが、大学球界での「二刀流」だ。 卒業後、明徳義塾の恩師・馬淵史郎監督の母校でもある拓殖大に進学した。東都大学では、同じ神宮を主戦場とする東京六大学とは異なり、指名打者制を採用。投手が打席に立つことは原則的になくなる。 投手か、野手か。岸もどちらか一本に絞ることになると思われていたが、拓殖大・内田俊雄監督の構想は違うようだ。「うちの台所事情を考えると、基本的には投手をやってもらうが、登板のない試合は指名打者での起用も考えていきたい」 過去にはこのようにコメントしたことが報じられている。第1戦は投手、第2戦は指名打者、第3戦で再び投手も? 2勝先勝での勝ち点制となる東都大学野球リーグでは、「第1戦は投手で登板し、第2戦は指名打者で出場。1勝1敗となれば、第3戦で再び投手で登板する」と、日本ハム・大谷翔平のような“二刀流起用”も十分に有り得る。 実際、内田監督は2部リーグ時代に打撃のいい投手を登板日以外で指名打者として起用した実績がある。さらに、前エース・佃勇典(現・JR西日本)が抜け、元々、課題だった投手層はさらに薄くなった。これにより、投打両面での岸に対する期待が膨んでおり、構想を生む要因にもなったようだ。 2013年秋から1部昇格し、初優勝を目指す拓殖大にとって、投げても打っても魅力的な大物ルーキーはこれ以上ない戦力になる。とはいっても、まだ1年生。将来を嘱望される器であり、スタートは慎重な起用になるだろう。 それでも、大学球界にもスケールの大きな二刀流が誕生するのか――。 岸の成長を見守っていくことが、この春からファンの楽しみになるのは間違いない。
2015.04.06
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◇パ・リーグ ソフトバンク7―3西武(2015年4月3日 西武プリンス) まさに熱男(アツオ)だ!ソフトバンクは3日、西武と初対戦し、相手の開幕からの連勝を5で止めた。工藤公康新監督(51)は1点を追う8回、李大浩(イデホ)内野手(32)のセンターゴロとなった判定をめぐり、審判に猛抗議。指揮官としての初抗議の後に、2死満塁から高谷裕亮捕手(33)が走者一掃の右中間二塁打を放ち、逆転勝ちした。怒って笑い、いずれも今季初の連勝、貯金だ。現役時代に在籍した古巣の快進撃を食い止め、日本一連覇に向かう。 殊勲の高谷がベンチに戻ってくると、工藤監督は跳び上がるように抱きついた。あふれんばかりの笑みを見せた。2―3の8回。2死満塁から高谷が走者一掃の右中間二塁打を放ち、逆転した。指揮官は両手で会心のガッツポーズ。さらに、利き腕の左腕で拳を突き上げた。その時、グラウンドに向かって吠えた。 「相手にダメージを与えるいい勝ち方」。そう喜んだが、報道陣に「叫んでいたが」と問われると「そうなんですよ」と少しバツが悪そうだった。その瞬間はテレビに映し出され、ネット上では「ざまあみろ!」と叫んだと話題を集めた。笑う前には怒っていたのだ。 この回1死一塁。李大浩の中堅へのライナーを秋山がスライディングキャッチを試みた。三塁塁審は捕球、一塁塁審は逆の判定をした。最終的に捕球していないとの判定でボールが二塁に転送されたことで、一塁に戻った一塁走者の内川はアウトに。2死一塁から試合を再開すると、工藤監督は初めてグラウンドに飛び出し、審判団に詰め寄った。 2分半の猛抗議。工藤監督によると、審判団は誤りを認めたそうで、「2人の審判が(違う)ジャッジをしたら選手は困ってしまう。“打球の判断を誰がするか明確にしてほしい”とお願いした」と強い口調で言った。審判のあいまいな判定を厳しく追及したわけだ。古巣相手に指揮官として初抗議。それも、現役時代に慣れ親しんだ西武プリンスドームだった。 チームのスローガン「熱男」を体現。指揮官の姿勢を見て、ナインも黙ってはいなかった。2死満塁と好機を広げ、途中からマスクをかぶった高谷が値千金の一打を放った。昨季は安打が1本もなく、今季2打席目の伏兵が「必死に食らいついていった」と気持ちを込めて打った。3月下旬にインフルエンザにかかり、31日に1軍に登録されたばかり。「悔しい思いをしたけど、いい形で結果が出た。何とか貢献できた」と胸を張った。 古巣の開幕からの連勝を5で止め、今季初の連勝、貯金となった。「終盤にああやって(相手の)勝利の方程式の投手を打つのは、1、2点リードじゃ勝てないというイメージを植え付けられる」と工藤監督。西武での現役時代に同僚だった田辺監督との「新指揮官対決」にも勝った。3月6日。ソフトバンク本社の激励会で「ホークスしかできない2連覇を成し遂げるように頑張る」と決意表明した。昨季の日本一軍団が「熱男監督」に引っ張られ、上昇機運に乗ってきた。 ▼ソフトバンク・内川(8回の微妙な判定で一塁走者。打撃は2安打2打点も3試合連続で併殺打)自分で(捕球したと)判断した。 ▼西武・秋山 (8回李大浩の打球を)ダイレクトで捕ってました。2死一塁で走者1人は残るので、(判定には)まあいいかと…。 <現役時代の工藤VS古巣> ▽95年ダイエー(VS西武) FA移籍で4月1日に開幕投手としていきなり対戦。初回に7点の援護をもらいながら、3回2/3を8失点と逆転され降板。打線が再逆転して敗戦は免れた。 ▽00年巨人(VSダイエー) 2度目のFA移籍。日本シリーズ第1戦で対決。愛弟子の城島に一発を浴び7回3失点で降板も勝敗つかず。チームはその後敗れた。 ▽07年横浜(VS巨人) FAの人的補償で移籍し、初登板が4月1日巨人戦。投手の高橋尚に2点二塁打を浴びるなど、3回1/3を7失点で黒星。
2015.04.04
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開幕から今日でちょうど1週間。ローテーションも一周りし、各地でエースが今シーズン2度目のマウンドに登る。 注目カードは、現在無敗の5連勝で首位をひた走る西武と、昨年の王者・ソフトバンクの対戦。西武の開幕5連勝は24年ぶりとなるが、その24年前にバリバリの現役選手として5連勝に貢献していた田辺徳雄と工藤公康が監督として激突するとは誰も想像できなかったことだろう。西武が連勝を伸ばすか、ソフトバンクが王者の意地を見せるのか…。 3日のパ・リーグ試合予定と見どころは以下の通り。◆ 西武(牧田)- ソフトバンク(摂津) <西武プリンス・18時>・昨年の対戦成績西 9 - 14 ソ(引分1)・最近5試合の勝敗西:○○○雨○ ☆開幕から5連勝中!ソ:○●○●○ 24年ぶりの開幕5連勝に沸く所沢に乗り込む昨年のチャンピオンチーム・ソフトバンク。昨日は延長10回に選手会長・松田宣浩の一発でサヨナラ勝ち。工藤新監督に初のカード勝ち越しをプレゼントした。 松田は現在リーグトップの打率.571を誇り、昨日の試合でも4打数2安打を記録しながら打率は下がったというくらいの絶好調ぶり。オリックスとの3連戦では11打数の8安打で2本塁打、7打点の大暴れを見せた。 今日から対戦する西武に対しても、昨年は対戦打率.338(68-23)、5本塁打、16打点とよく打っており、さらなる爆発に期待は膨らむばかりだ。 しかし、その絶好調男に立ちはだかるのが西武先発の牧田和久。11年のプロ入り以降、4年間通算の対戦成績は.143(42-6)と圧倒。鷹のムードメーカーを完全に封じ込めている。一度ノリ出すと手が付けられなくなる男の勢いを初戦で食い止めることができるか、この試合の大きな見どころとなる。◆ ロッテ(涌井)- 楽天(則本) <QVCマリン・18時15分>・昨年の対戦成績ロ 10 - 14 楽・最近5試合の勝敗ロ:●○○●● ※現在2連敗中...楽:○●●雨● ※中止を挟んで3連敗中... 連敗チーム同士の対戦となったこのカード。ロッテは涌井、楽天は則本と共に開幕投手を務めたエースがマウンドに登る。 出だし好調だったロッテは4月に入ってから連敗。特に水曜日の藤岡が5回自責4、昨日の唐川は3回1/3を自責8と先発が試合を作れず、打線の反撃も虚しく敗戦という試合が続いている。前回登板となった開幕戦で6回まで6安打を浴びながら1失点にまとめ、意地を見せた涌井のゲームメイク能力に期待。 一方の楽天は試行錯誤の日々。松井稼頭央の離脱やサンチェスの二軍落ちなどもあり、3連敗の期間すべてでオーダーを変更しながら戦っているが、なかなかしっくりくる形が見つかっていない。果たして今日はどんなオーダーで来るのか、まずはスタメン発表に注目だ。◆ オリックス(ディクソン)- 日本ハム(上沢) <京セラ・18時00分>・昨年の対戦成績オ 12 - 12 日・最近5試合の勝敗オ:●●●○●日:●○●○○ ※現在2連勝中! 開幕から2カード連続勝ち越しと勢いにのる日本ハム。特に目立っているのが打線の好調さだ。 チーム打率の.307と37得点はいずれも12球団トップの数字。打率.450を誇る強打の捕手・近藤健介を筆頭に、帰ってきた田中賢介、ブレイクの気配漂う5年目の谷口雄也など、打撃10傑に4人も輩出している。 今日は各地で開幕投手が2度目の登板を迎える中、4年目の上沢直之が初登板。昨年はプロ初勝利を含む8勝をマークし、そのうち4つをオリックス戦で挙げたという“オリキラー”に大事なカード初戦を託す。 対するオリックスは福岡で初勝利を挙げたものの未だ1勝。上向いてきた打線に対し、投手陣は3試合連続で2ケタ安打を浴びるなど、精彩を欠いている。本拠地開幕戦で昨年までの強さを取り戻すキッカケを掴めるか。【4月3日の試合予定と予告先発】◆ 西武(牧田和久) - ソフトバンク(摂津正)<西武プリンス 18時00分>◆ ロッテ(涌井秀章) - 楽天(則本昂大)<QVCマリン 18時15分>◆ オリックス(ディクソン) - 日本ハム(上沢直之)<京セラ 18時00分>
2015.04.03
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準決勝では浦和学院にリベンジ、敵将が分析する東海大四の“強さ”とは 第87回選抜高校野球大会の決勝戦は1日、甲子園球場で午後0時30分にプレイボールとなる。31日の準決勝では、東海大四(北海道)が大方の予想を覆して浦和学院(埼玉)を撃破。北海道勢では1963年の北海以来52年ぶりとなる決勝進出を果たした。 東海大四は、昨秋の明治神宮大会で0-10の6回コールドと屈辱的な大敗を喫した浦和学院に逆転勝ち。抜群の制球力を駆使し、1失点で完投したエース・大澤志意也のピッチングが光った。 リベンジに成功した裏には、どんな要因があったのか。 敗れた浦和学院・森士監督の言葉にそのヒントがあった。かつての勝者が見せた「隙」と、敗者が貫いた「型」だ。「派手さはないが、自分たちのやれることに徹してくる。コツコツと積み重ね、うちのミスを突く。そんなチームでした」 試合後、東海大四の印象を問われた森監督は悔しさを押し殺すようにしながら、相手を評した。浦和学院には勝者の「隙」があった? 象徴的なシーンが2つあった。1-1で迎えた2回2死満塁。東海大四の1番・冨田勇輝は右方向へのゴロを放った。浦和学院のセカンド・台浩卓の守備範囲、3アウトチェンジ――。誰もがそう思った直後、台は打球をグラブではじいた。痛恨のエラーとなり、決勝点を与えた。 さらに6回の1死2塁では、塩田元が2ストライクに追い込まれ、浦和学院のエース・江口奨理の投じた変化球にバットが空を切った。空振り三振――。またもそう思わせたが、捕手・西野真也は捕球できず。ワイルドピッチで振り逃げを許し、ピンチが1死1、3塁と広がった。その直後、スクイズで東海大四に追加点を与えた。 両者が昨秋の明治神宮大会で対戦した際には、圧倒的ともいえる力の差を見せつけ、浦和学院が圧勝していた。そこに、この試合の流れをつくる伏線があった。森監督は、敗因をこのように分析する。「うちの選手にどこか勝てるんじゃないか、という思いがあったのかなと思う。そこで一瞬の判断力、パフォーマンスが足りなかった。集中力を欠いていた」 洗練された浦和学院らしからぬミスが守備面で続いたのは、昨秋の記憶から導かれる勝者の「隙」があったのかもしれない。決勝は敦賀気比が優位? 勝敗を分けるポイントは 対照的に、東海大四はがっぷり四つでは不利であることを自覚し、5犠打と堅実な試合運びに徹した。6回に振り逃げで好機となった時には、当たっている大澤が打者だったにもかかわらず、迷うことなくセーフティースクイズを選択した。打線の非力さを理解した上で「型」を貫いた証だろう。 その結果、かつての勝者と敗者は入れ替わった。「1球に対する集中力、勝利に対する執念、それは我々より東海大四が上回っていました」 森監督はこのように話し、東海大四を称賛した。 1日の決勝で、東海大四は大阪桐蔭(大阪)を破った敦賀気比(福井)と戦う。同じく初制覇を狙う相手ながら、戦前から優勝候補の一角であり、プロ注目のエース・平沼翔太を擁する。敦賀気比の優位と見られているが、浦和学院戦と同様に、相手の心の「隙」が見えた時にチャンスは生まれる。 ファイナルでも、東海大四が戦法を変える必要はない。これまで通りにコツコツと積み重ね、「隙」を突く「型」を貫くことこそが、北海道勢初の春制覇を掴むために最大の近道になるだろう。
2015.04.01
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期待しているからこそ……指揮官の厳しい言葉 打てば響くのは、バットだけではない。ファンや首脳陣の熱い気持ちに応える「打てば響く心」。これこそが松山竜平の最大の武器である。 2013年にキャリアハイの105安打をマーク、一気にレギュラーポジション定着かと思われた。昨年も打撃が好調だったが、左膝の故障で長期離脱もあり、定位置を奪いきれなかった。 80試合、7本塁打、打率.318。レギュラー奪取まで、あと一歩。そんな気持ちを抱くのは、本人だけではない。緒方孝市新監督は秋季キャンプで彼に厳しい言葉を浴びせた。「打つことは一番目立ってもらわないと。それが彼の生きる道。今のままでは4打席立たせるつもりはない」 練習で集中力を欠いていたことを指摘しての言葉ではある。その根底には松山への強い期待もあったのであろう。 熱い言葉は、彼に響いた。翌日から密度の濃い練習ぶりを見せ、シーズンオフには食事制限なども導入し、体重を約5キロ絞り込んだ。 2月1日のキャンプインには、気合いの丸刈り頭と絞り切った体でチームに合流した。明らかに、目の色が違っていた。 8年目30歳、「今年はレギュラーを獲らないといけない」。松山ははっきりと言い切った。 現役時代は松山と共にプレーしてきた迎祐一郎打撃コーチ補佐は彼の変化を認める。「打撃を求められていることを強く自覚したのは確かです。同時に、一軍で試合に出るためには、守備や走塁も大事。彼の中で、そのあたりの必要性を感じて体も絞ったのだと思います」 伸び盛りの鈴木誠也、俊足の天谷宗一郎、ルーキー野間峻祥ら外野の一角を争うメンバーにはスピード豊かな選手が多い。松山はタイプこそ違うものの、守備・走塁への意識を高めることで、打撃でのアドバンテージを際立たせようとしている。開幕戦で結果を残す 体重こそ減ったが、打球の飛距離は衰えない。「バットを振り込んでスイングスピードを上げて、打球の強さが落ちないようにしたい」。 それに加え、独特のバットの使い方も大きな武器なのだという。「松山はもともと広角に打てて、バットをムチのようにしならせて打つことができます。バットのヘッドの使い方が上手なので、飛距離が落ちません」(迎打撃コーチ補佐)。 大きな体格からパワーでボールを飛ばすイメージを持たれることが多い。しかし、それは正解ではない。巧みなバットコントロールこそが松山の強みなのである。 原点は中学時代にあった。なかなかレギュラーが獲れず、野球を辞めることも考えたとき、少年マンガで高橋由伸(巨人)が、長い竹のバットを振って練習しているシーンを読んだ。 早速、3メートルの竹を用意し、毎日のように振り込んだ。ここから、彼の打力は大いに進化した。 今や、バットコントロールはチームでも屈指のものがある。それに加え、体にキレが増し、気迫も満点である。 秋季キャンプでの指揮官の厳しい言葉を「期待」と捉えた。ここから、背番号44の逆襲は始まった。 3月27日、彼は「5番レフト」で開幕を迎えた。この試合、8回には一時同点となるタイムリーを放ち、存在感を示した。31日の横浜DeNA戦ではタイムリーを含む、5打数3安打。赤いヘルメットを取って大粒の汗をぬぐうと、見事に刈り込まれた頭に、レギュラー奪取の覚悟が垣間見えた。
2015.04.01
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2015年シーズンのプロ野球ペナントレースがついに開幕。143試合制となる今季は、まず開幕カード3連戦を通じて12球団各チームの“新戦力バッター”に注目したい。たかが3試合、されど3試合。最も勝利に貢献した新戦力は一体、誰か――。 BBR数値から開幕3試合での新加入野手の活躍を振り返り、チームの補強成功&順応度を測りたい。※BBR(ベースボールレイティング):オンラインゲーム『ドリームベースボール』内で利用されている選手評価指数。独自のアルゴリズムに基づき、実際の試合におけるチームの勝利への貢献度も加味。大型補強のオリックス打線は不発 注目の開幕オーダー。昨季から最も変化があったのは、やはりオリックスだった。大型補強よろしく、「4番・一塁」に中島裕之、「5番・DH」にブランコ、「7番・三塁」に小谷野栄一と、新戦力野手3選手が先発メンバーに名を連ねた。 しかし、埼玉西武と対峙した開幕戦で5安打完封負けを喫すると、続く第2戦でも4安打無得点。第3戦では2回に幸先よく3点を先制しながらも、4対5の逆転負け。まさかの開幕3連敗となった。その中で、中島が12打数3安打の打率2割5分。ブランコは12打数1安打の打率0割8分3厘と大ブレーキとなり、小谷野も10打数1安打の打率1割と低迷した。BBRを見ても、中島53.8、ブランコ51.1、小谷野54.6と、3選手とも50点台にとどまった。この3選手だけが3連敗の原因ではないが、19年ぶりのリーグ優勝という責務を負ってチームに加わった新戦力としては、期待を裏切ったと言われても仕方がない。 昨季のシーズン平均BBRでは、糸井嘉男がチームトップ、かつ12球団トップタイのBBR71.4をたたき出したが、その陰で今オフに東北楽天へ移籍したペーニャがチーム2位のBBR67.4をマークした。新加入組が打線の起爆剤となれなければ、失ったものの大きさを感じることになるかもしれない。注目すべき日本ハムの新加入トリオ 低迷したオリックスの新加入トリオを横目に、開幕から大きな存在感を見せたのが、北海道日本ハムに新たに加わった田中賢介、ハーミッダ、レアードの3人だった。 楽天との開幕3連戦すべてで、2番に田中が入り、5番、6番にはハーミッダ、レアードの新助っ人コンビが座った。すると、27日の開幕戦でハーミッダがチーム初ヒットを含む2安打、レアードがタイムリー1本を含む猛打賞の大活躍。第3戦では田中、ハーミッダがタイムリー、レアードが来日1号弾をマーク。開幕3試合を終え、ハーミッダがチームトップのBBR77.8を記録すれば、レアードは同4位のBBR75.0、田中も同5位のBBR73.7と軒並み好数値をマーク。昨季平均BBR63.4の大引啓次、同63.0のミランダ、同61.2のアブレイユという今オフに抜けた3選手を、印象度だけでなくBBRの数値上も上回る活躍を披露した。 その他、広島のグスマンが開幕3試合で10打数3安打の打率3割をマークするとともに計3四球、2得点1打点と勝利に貢献し、チーム2位のBBR71.1をマーク。楽天の新外国人・ウィ−ラーは、3試合で打率2割ながら開幕戦で来日初アーチを放ってチーム3位のBBR61.1と貢献した。さらに、巨人から横浜DeNAに移籍したロペスは、打率1割8分2厘ながら第2戦で2ランを放ってBBR63.0。東京ヤクルトから巨人に移籍した相川亮二は、29日の第3戦で2安打2打点、BBR66.5と存在感を見せた。ルーキーたちの活躍に注目 今季新たにプロの門をたたいた新人選手たちはどうだろうか。 注目すべきは、DeNAのドラフト3位ルーキー・倉本寿彦だ。27日の開幕・巨人戦に「7番・遊撃」で、球団では71年の野口善男以来44年ぶりとなる新人遊撃手の開幕スタメンを果たすと、第2打席でプロ初ヒットを記録。第2戦では5打数無安打2三振と“洗礼”を浴びたが、第3戦では4打数3安打で“リベンジ”に成功した。しかし、BBRはチーム9番目の55.5どまり。今後、どれだけチームの勝利に直結する働きをできるかが重要になる。 広島のドラフト1位ルーキー・野間峻祥も、27日の開幕・ヤクルト戦でプロデビューを果たした。その日は途中出場で1打席に立ったのみだったが、29日の第3戦では「1番・右翼」でスタメン出場し、プロ初ヒットを含む5打数2安打。開幕3戦を終えて倉本と同じチーム9番目となるBBR52.5を記録。今後へ向けて可能性を抱かせた。 その他、千葉ロッテのドラフト1位・中村奨吾、中日のドラフト6位・井領雅貴、DeNAのドラフト5位・山下幸輝がプロデビューを果たした。中村が代走のみで、井領は代打出場から2打席に立ったが無安打。2試合に出場した山下も打席は一度のみで無安打。BBRは中村51.7、井領38.7、山下34つまずいた面々と意外なトップ 開幕から結果を残した新加入組がいる一方で、前述したオリックスの3人と同様にスタートダッシュにつまずいた面々も多くいる。 特に日本ハムからヤクルトに移籍した大引が、正遊撃手として開幕3試合にスタメン出場したが、打席では計12打数無安打と当たりなし。第3戦ではスクイズに失敗して同点機を逃す場面もあった。当然、BBRもチーム出場13人中11位となる45.1と低迷。本拠地・神宮に戻って心機一転、仕切り直したいところだ。 また、中日の新外国人・ナニータも3試合に出場(第1戦、2戦は代打出場)したが、計5打数1安打でBBR42.2と低迷。その他、1打席のみの出場だったこともあり、広島の新井貴浩がBBR32.8、巨人の金城龍彦がBBR48.3。開幕3試合では“新戦力”の役割は果たすことができなかった。 そんな中、昨年まで福岡ソフトバンクの育成選手で、自由契約の後にテスト生から入団を勝ち取った中日の亀澤恭平が、29日の阪神戦に「2番・二塁」でプロ初スタメン出場を果たすと、5打数4安打3得点と大暴れ。BBR89.1は、開幕3試合を終えた時点で12球団トップの値となった。 単なる安打数、本塁打数だけでなく、四球や進塁打、勝利への貢献度で変動するBBR値。今後もその数字を追いながら、各チームの2015年型打線がどれだけパワーアップしたのかを見ていくのも、面白い。
2015.03.31
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指揮官さえも重圧を感じた特別な一戦 背番号15が広島に帰ってきた。8年ぶりに古巣・広島に復帰した黒田博樹投手が29日、開幕3戦目のヤクルト戦に先発。本拠地マツダスタジアムを真っ赤に染めた3万1540人のファンの前で、凱旋登板を白星で飾った。「広島のマウンドは最高でした。これだけたくさんの声援を受けてマウンドに上がって、そしていい結果が出て、ホッとしています」7回を5安打無失点、ヤクルト打線を封じる 試合後のヒーローインタビュー。日本での勝利の味も、このお立ち台からの風景も、07年9月27日のヤクルト戦以来、実に2740日ぶり。日米通算183個目の白星でも、特別な1勝となったのは違いない。 ドジャース、パドレスなど、20億円強ともされる高額オファーを蹴って、年俸4億円強の古巣に復帰した。男気あふれる広島愛に世間の注目も高まり、その重圧たるや想像に難くない。 それでも黒田は試合後、こう振り返った。「今までプレッシャーのないマウンドは経験したことない。常にプレッシャーを感じて登板しているので」 メジャー挑戦後から「この一球で野球人生が終わっても悔いがないように、という思いで投げている」と繰り返してきた。その言葉通り、注目の一戦でも信条の全力投球、一球入魂は揺るぎなかった。 現役時代に共にプレーしていた緒方孝一市監督は「絶対勝たないといけない試合だった。黒田がどれだけの重圧を背負って投げていたか。自分も含めてわかっていたつもりだったんだが」と漏らした。5回まで援護できず、結果2-1のギリギリの展開とさせてしまった打線や、自身を含めたベンチワークを責めるようだった。そして指揮官さえも、特別な一戦に重圧を感じ、安どのため息を吐いた。 7回を5安打無失点。強打のヤクルト打線をほぼ完璧に封じ込めた。圧巻の96球は、メジャーで培った「KURODA」の進化をまざまざと見せつけるものだった。スプリットはほとんど投げず 軸としたのはツーシーム。96球中、47.9%と半数近くを、打者の手元で沈む動く速球が占めた。手元で芯を外されたヤクルト打線は、面白いようにゴロの山を築き上げた。5三振を除く16個のアウトの内、12個がゴロアウトだった。 右打者には内角で手元に食い込ませ何度も詰まらせ、時に外角のボールゾーンからストライクに入れる「バックドア」で見逃しを奪った。 左打者の内角には、一転「フロントドア」と呼ばれる球になる。内角のボール球と思い腰を引いた左打者をあざ笑うかのように、そこから内角のストライクギリギリへ手元で急変化。外角ギリギリにもビシリと収め、計5三振中3つが見逃しでのものだ。 このツーシームの軌道からもわかる通り、この日の黒田は「横の変化」で勝負していた。ボール6個分、43.2センチのホームベースを、誰よりも幅広く使っていた。 もっとも黒田がメジャーから持ち帰ったのは、ツーシームだけではない。ヤンキースに在籍していた昨季、一番の武器としたのは落ちるスプリットだった。 昨年の全投球に占める球種割合では、ツーシームは39.7%、スプリットは27.4%。それがこの日はスプリットは14球で、14.5%にとどまった。そのほとんどがカウント球で、勝負球に使う場面は限られていた。 黒田はその日の調子で、軸となる球種を変えていく。この日はツーシームだけで押し切った格好で、スプリットを本格的に交えた「縦の変化」は封印していた。 手の内を隠したのか、はたまた試合前のブルペンでツーシームにより手応えを感じていたのか。もしくはファーストストライクから振ってくるヤクルト打線の積極性を逆手に取ったのか。 いずれにせよ、まだ実力の片鱗しかのぞかせていないのは確かだ。「いつまで体が続くかわからないですけど、体が続く限りチームのために投げていきたいと思います」 最後まで黒田らしく殊勝な言葉で奮投を誓ったが、本来持つ奥深さはベールに包んだまま。縦横無尽の活躍をはっきりと予感させた。
2015.03.30
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センバツ5日目、第3試合。 この大会の15試合目にして、ようやく「面白い試合」を見た。 昨年夏の甲子園に続いて夏・春連続出場の二松学舎大付(東京)に勝負を挑んだのは、21世紀枠で82年ぶり2度目の出場の松山東(愛媛)だ。 片や激戦区東京の私立校、片や四国有数の進学校。 いくつもの運動部がひしめき合うグラウンド。内野ノックがやっとのスペースで、1日2時間の練習で鍛えたチームがセンバツにやって来た。 実はこの日、第2試合が終わったら帰ろうかと考えていた。筆者は東京在住なので二松学舎は夏も秋も見ているし、見るに堪えないような試合展開になっては気の毒だし。 そうはいってもせっかくの機会だから、好捕手の匂いを発散する二松学舎・今村大輝選手(2年)の成長ぶりだけ確かめていこうかと序盤を眺めていたら、どうも様子がおかしい。82年間の思いを発散していた松山東応援団。 松山東が3回までを0-0でしのぐと、4回に2点先制。その後も、取り返されると突き放し、追いつかれてもまた突き放し、結局一度もリードを許すことなく5-4で二松学舎を堂々と寄り切ってしまったのだから驚いた。 この試合、前評判の「優劣」はスタンドもよくわかっていたのだろう。松山東の先取点にはネット裏がドッと沸いた。 加えて、三塁側アルプスをいっぱいに埋めた松山東応援団である。1892年創部で82年ぶりのセンバツ。82年前といえば「大正時代」目前である。 溜まりに溜まったマグマが大音響となって、なんとか踏みとどまろうとする二松学舎の選手達を呑み込んでいったように見えた。「球場外にまだ400人ほどのお客さまが入れずにいます。席はできるだけ詰めてお座りください!」 アルプス席から聞こえてくる拡声器の叫びは、ネット裏でもあれだけはっきりと聞こえたのだから、マウンドで奮投する二松学舎の左腕・大江竜聖投手(2年)の耳にもきっと届いていたに違いない。“勝負度胸”が投げているような彼が、マウンドで両手を広げて深呼吸を繰り返すシーンが何度もあった。「最強の相手も困るが、一番弱い相手はもっとイヤ」「最強の相手と当たるのも困りものだが、一番弱いといわれる相手と対戦するのは、もっとイヤなものですよ……」 以前、ある有名な監督さんがこんな“本音”をこぼしてくれたことがある。「対戦相手が弱いといわれる相手で喜んでるのは、何も知らない地元のファンとOB、それに学校の人たちだけ。私は選手達を、まずいましめることから始めるんですよ」 弱い相手と対戦する時、強豪校であればあるほど、球場すべてを相手にして戦わねばならないことを知っているのは、「それ」を実際に体験したことのある大人たちだけである。 かつて舞の海秀平というお相撲さんは、横綱よりも人気があった。 170cmの上背を逆に「利」として活用しながら、技という技を総動員して、最後は自分の倍ほどの巨漢を土俵に沈めてしまう。 関脇ぐらいまでいったのかと思ったら、最高位は小結であった。そのわりに“強いイメージ”があったから、余計に判官贔屓の日本人の胸をいたく揺さぶったのだろう。 勝てそうもない者が、負けそうもない相手をなんとひっくり返してしまうシーンを待ち望む。ある意味とても残酷な心情が、日本人の心の中には潜在している。強者がコケる理由は、「勝ち方」が頭をよぎるから。 私たちはそれを口に出しては決して表さないが、その思いは行動に意外なほどわかりやすい形で表れてしまうことがある。それが今回の場合は、松山東のプレーに対する力強い拍手だった。外野スタンドを見渡すと、二松学舎側のライトポール付近には誰もいないのに、反対のレフトポールのあたりには、観客がビッシリと密集していた。もっとゆったり見られる場所もあるのに、少しでも松山東応援団のアルプスに近づきたいとでもいわんばかりのその様子に、ついつい微笑んでしまったものだ。「実力差が開いていると思われる相手と……」 こういう言い方は回りくどいので、失礼を覚悟で「強いほう」「弱いほう」という表現にさせていただくと、「強いほう」が時としてコケる理由の1つに「勝ち方」というやっかいなものが存在するのは事実だと思う。 ユニホームに汚れひとつなく、綺麗に勝っても1勝。息を切らせ、ドロまみれになってやっと勝っても同じ1勝。頭ではわかっているのに、強いほうに「楽な勝ち方」というヤツが頭にチラついてしまうのは、人間の面白いところであろう。コールドを目論んだ側が、逆にコールド負け。 もうだいぶ前だが、夏の予選でこんな場面を目撃したことがある。 どっからどう考えたって勝つに決まってるだろうという強豪が、初回に四球で出た走者をヒットエンドランで進めようとした。 おそらく、10-0の5回コールド。勝手にそんなイメージを描いて、初回からビッグイニングで一気呵成に。そうした目論見だったのだろう。つまり、相手をナメていた。 その打球がジャストミートのライナーになって、二塁ベースカバーに入った遊撃手の正面に飛んだからたまらない。目の前に駆け込んできた一塁走者を飛んで火に入る夏の虫とタッチアウトにすると、あっという間にダブルプレーだ。 これで完全に「流れ」が相手に移った。 野球の流れには、こんな黄金則がある。「格上のチームが意味のわからない選手の交代や攻め方をすると、試合の流れが相手に移り、展開は必ず荒れる」 その後はもう、何をやっても裏目裏目。人工芝のグランドではありえないイレギュラーが出たり、逆に「強いほう」が5回コールドで粉砕されてしまった。「弱者からのプレッシャー」が強者を襲う。 勝ち方にこだわると、つまりいい格好をしようとすると、野球では必ず流れに逆らうことになる。 送りバントでよい場面で欲張って盗塁、格好つけて一、三塁を作ろうとしてエンドラン。 流れを司っているのは「野球の神様」であるから、流れに逆らうということは神様に逆らうことであり、往々にして神様を怒らせてその作戦は失敗し、結果として番狂わせが起こる。 そんなシーンをこれまで何度も見てきた。もしかしたらそうした強者の側を襲う“雑念”は、誰にも見えない「弱者からのプレッシャー」なのかもしれない。 捨て身になった相手ほど怖いものはない。二松学舎・大江竜聖に16三振を奪われながら、それでも「来た!」と思ったボールには振って振って振りまくり、打線の上位5人だけで打った7本の安打と、下位打線が初球で決めたスクイズの5点で勝ち上がった松山東。 お叱りをいただくことを覚悟でこういう表現をすれば、ほんとのところ夏の予選には、球場に「負けに来る」チームがあるが、甲子園球場に負けるためにやってくるチームは1つもない。 この“当たり前”のことを、背中に鳥肌をたてながら改めて思い知らされたセンバツの春の午後であった。
2015.03.28
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長嶋茂雄・一茂親子、野村克也・克則親子に代表されるように、これまでプロ野球界には多くの親子でプロ野球選手が存在した。そして、現役選手にも様々な形でプロ野球選手の二世がいる。あるキーワードをもとに、主な現役の二世選手を取り上げよう。今、一番話題の選手も父親はプロ野球選手だった 今年のプロ野球界で現在、話題を呼んでいるのはヤンキースから古巣の広島に復帰した黒田博樹だ。彼の父親もプロ野球でプレーしていた。 黒田の父・黒田一博は佐世保商、八幡製鉄を経て1949年に南海ホークスへ入団。「親分」こと山本一人監督の下、1951年からのリーグ3連覇に外野手のレギュラーとして貢献している。その後、高橋ユニオンズ、大映スターズでプレーを続け、1956年に引退。引退後はスポーツ用品店を営みながら、ボーイズリーグの監督を務めた。 息子の博樹は上宮高時代こそ控え投手に甘んじたが、専修大でその才能が開花。広島入団後の活躍はもはや説明無用だろう。父親だけでなく息子2人もプロ野球選手 父親と息子2人もプロ野球選手というケースは父・堂上照、長男・剛裕、次男・直倫親子と父・笠原栄一、長男・将生、次男・大芽親子だ。 堂上照は1970年代後半から1980年代にかけて中日で先発、中継ぎで活躍。引退後は球団職員や合宿所寮長を歴任した。長男・剛裕は2003年にドラフト6位で、次男・直倫は2006年にドラフト1位で、ともに父が在籍した中日に入団。剛裕は、このオフに戦力外通告を受けたが、育成選手として巨人と契約。今春のキャンプ中に支配下登録され背番号が91となった。直倫は背番号1から、昨年まで兄が背負っていた63に降格。レギュラー獲りに燃える。 笠原栄一は1984年にロッテのドラフト1位で入団。背番号は金田正一の34を与えられるなど将来の大器として期待されたが、目立った活躍ができず、1994年にダイエーへ移籍。そこでも芽が出ず、1996年に戦力外を受け引退した。巨人に入団した長男・将生はプロ3年目の2012年に父が果たせなかったプロ初勝利をマーク。翌2013年には4勝を挙げるなど、若手右腕として期待される。昨シーズン後半から2軍のローテーションに入るなど成長の跡を見せる次男・大芽は、プロ3年目の今年、待望の1軍登板を目指す。ルーキーにも二世選手 今年プロ入りしたルーキーにも二世選手がいる。まずはオリックスのドラフト1位・山崎福也。父・章弘は捕手として巨人、日本ハムでプレーし、引退後は日本ハム、中日などのコーチを務めた。次男である福也は日大三高の3年春にセンバツ準優勝、明治大でもエースとして活躍した。オープン戦での好投が実り、開幕1軍、ローテーション入りとなった。好投手が揃うオリックスだが、左腕は少ないだけにチームとしても助かる存在だろう。パ・リーグ新人王候補の呼び声も高い。 もう一人は巨人の育成選手・川相拓也。父は巨人のヘッドコーチで、現役時代はいぶし銀の選手として攻守で活躍した川相昌弘だ。21年前の1994年、10月1日のヤクルト戦でのヒーローインタビューで、当日観戦していた子どもたちの名を叫び、「パパ頑張ったよ!」と言ったことが話題を呼んだ。その時の3人の子どもの一人が、次男の拓也だった。 拓也は桐蔭学園高、桜美林大、桜美林大のコーチを務めた後にアメリカのサマーリーグでプレーした。ユニフォーム姿は父を彷彿とさせ、自主トレ時に行われた新人体力測定では、多くの項目でトップになったという。まずは1日も早い支配下登録を目標に奮闘を続ける。
2015.03.28
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◇セ・リーグ DeNA―巨人(2015年3月27日 東京D) 全打席フルスイングで救世主になる。球団では、大洋時代の71年・野口善男以来44年ぶりに新人遊撃手の開幕スタメン。DeNAのドラフト3位ルーキー・倉本は「テレビで見ていたスーパースターたちが集まる対決に自分がいるのが不思議な感じ。思いっきり振る自分のスイングを貫きたい」と目を輝かせた。 キャンプから堅実な守備と巧打で着々とアピール。オープン戦は15試合で打率・250だったが、「6番・遊撃」を勝ち取った。 神奈川県茅ケ崎市出身で、幼少の頃から横浜(現・DeNA)ファン。巨人は「憧れのチーム」の前に常に立ちはだかる強敵だった。この日の朝、日本新薬在籍時に打撃の助言を受けた恩師で通算567本塁打の門田博光氏に電話。「テレビで見てるで。俺は現役時代に風邪をひいたことがない。体調管理に気をつけろ」と激励され、「門田さんに良いところを見せたい」と声を弾ませた。 就任4年目の中畑監督も、自分を超えるキャラクターの存在を待ち望んでいる。因縁の巨人戦。「なるべくだったらオレが目立たないようにしたい。選手の中で1人でも多く取り上げられるヒーローが出てきてほしい」と期待を込めた。普段は口数が少ない倉本も力強く宣言。「シーズンの中の1試合かもしれないけど、特別な試合だとも思っている。何とか結果を出したい」。即戦力ルーキーが巨人を倒してヒーローになる。 ▼DeNA・久保(自身2度目の開幕投手)あまり大事とか考えていない。自分の投球をするだけ。(巨人の高速クイック対策は)誰がどこに着目するかは自由だと思う。 ◆倉本 寿彦(くらもと・としひこ)1991年(平3)1月7日、神奈川県茅ケ崎市生まれの24歳。横浜高3年時に春夏の甲子園に出場。夏の甲子園では1学年下の筒香(DeNA)とともにベスト4に進出した。創価大では小川(ヤクルト)が同期で、遊撃手として2度のベストナインを受賞。日本新薬では昨年9月にアジア大会日本代表で活躍。14年ドラフト3位で入団。1メートル80、83キロ、右投げ左打ち。
2015.03.27
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◇第87回センバツ高校野球第5日・1回戦 天理7―2糸満(2015年3月25日 甲子園) 快音を残した打球はライナーで左中間最深部に突き刺さった。2点リードで迎えた7回2死三塁。天理4番の坂口は外角低め直球を豪快なフルスイングで仕留めた。勝利を決定づける高校通算29本目。2四球、三邪飛で迎えた第4打席にケタ外れのパワーを見せつけた。 「打った瞬間、いったと思いました。芯でとらえ、フルスイングしたからこそ、あそこまで飛んだんだと思います」 昨夏の奈良大会決勝・智弁学園戦で岡本(巨人)に負けじと左翼場外へ放り込んだ。その岡本は昨春選抜の三重戦で2本塁打を放った。「甲子園では岡本さんも2本打っている。越えることができれば」。強烈な弾道は岡本をほうふつさせる。新怪物の口癖は「チームのためにここ一番で打つ。それが4番」。見事に体現した一発だ。 「オレの通算本塁打数を超えてみろ!お前はまだ天理で2番目の一塁手や!41本を超えたら一番にしてやるから」 近鉄や阪神でプレーし、昨年2月からコーチを務める中村良二氏は坂口にハッパをかけ続けてきた。中村コーチは高校通算41本塁打で86年夏の甲子園は一塁手として全国制覇。85年春、86年夏に1本塁打を記録している。坂口はその映像を動画でチェック。スイングスピードに驚いたが「2本を超えて中村さんに自慢したい」と笑った。 今春選抜のテーマは帽子に記した『和』だ。一発を放っても、9回の2失策を猛省した。「本塁打を打ちましたが、エラーをした。チームのことを考えれば、マイナスです」。チームプレーを重んじるからこそ自己採点は厳しかった。焼き肉なら10人前、寿司なら60貫をたいらげる、右の長距離砲。2回戦の高崎健康福祉大高崎戦もフルスイングで勝利を呼び込む。 ◆坂口 漠弥(さかぐち・ひろや)1997年(平9)4月22日生まれ、大阪府堺市出身。八田荘小1年から「大阪泉北ボーイズ」で野球を始め、投手と捕手。小5から「オール泉州ボーイズ」でプレーし、一塁手。八田荘中では「オール狭山ボーイズ」に所属し、一塁手。天理では1年秋からレギュラーで2年秋から4番。高校通算29本塁打。50メートル走6秒7。遠投85メートル。1メートル87、96キロ。右投げ右打ち。 ≪春27勝は単独10位≫天理が糸満を下して初戦突破。春の甲子園通算27勝(21敗)となり、単独10位に浮上した。1位は中京大中京の55勝。また、天理の橋本武徳監督は30位タイの春夏通算20勝(7敗)に到達した。トップは智弁和歌山・高嶋仁監督の63勝。
2015.03.26
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キャンプ中盤、横浜DeNAのルーキー・倉本寿彦(内野手/右投左打)は「守備練習の動きでまだ慣れてないところもあるんですけど……」と前置きした上で、次のように自信をのぞかせた。ベイスターズナインとファンは「グリエルに何を思う?」「もちろん、みんなうまいですし、『さすがプロ』というのは感じます。でも、練習と経験を積んでいけば、絶対に負けないっていう気持ちはあります」 自らの可能性を疑うことを知らない――ここが倉本の最たる才能だろう。横浜高校時代は3年時に「1番・サード」として春夏連続して甲子園出場を果たした。1学年下には筒香嘉智(現・DeNA)がおり、夏はベスト4まで勝ち上がった。 創価大ではショートを守り、2度のベストナインを獲得。卒業後は社会人野球の日本新薬に進み、昨年の都市対抗野球大会では「3番・ショート」としてベスト4進出に貢献した。そして秋のドラフトでDeNAから3位指名を受け、プロの世界に進んだ。 倉本の球歴を振り返るとエリートの匂いも漂うが、横浜高校に進学した時もスカウトされたわけではなく、中学のチーム関係者を通して”売り込んだ”結果だったし、大学4年の時もプロ志望を出すも指名から漏れた。さらに、日本新薬に進んだ時も”拾われる”形で野球の道がつながった。ただ、どんな状況でも後ろを向くことはなかった。以前、倉本はこう語っていた。「どんな時でも、やることをやっておけばなんとかなるっていう気持ちはあります。高校や大学でドラフト候補と言われている選手を見ても、確かに上手いなとは思うんですが、絶対に負けているとは思わないし、絶対に勝てるって思えるんです」 そんな誰よりも自分の力を信じる男にとって、昨年、大きな出来事があった。それが、日本新薬で臨時コーチを務めていた門田博光との出会いだ。昨年の2月、門田が1週間、チームの練習を見る機会があり、そこで倉本は門田の教えに心酔した。「こんなことを言うのはおこがましいんですけど、門田さんの話を聞いて、すぐにその感覚、理論が自分に合うと思ったんです」 門田は現役時代、南海、オリックス、ダイエーの23年間で歴代3位の通算576本塁打を放った伝説のアーチスト。その一方で、”変わり者”“堅物”といった評判もあり、打撃理論にも独特の考えや表現が混じる。たとえば、こんな感じだ。「プロの世界は、コンマ何秒で勝負せなアカンのに、オープンスタンスにしとったら間に合わん。ボールをよく見たかったら、首を柔らかくしたらええんや」「ワシらみたいな体で外国人と勝負しようと思ったら、足を上げて、体をねじって、反動をつけていかんと無理なんや」「ええバッターというのは、打席の中でダンスするんや」 ちなみに門田が言う「ダンス」とは、テイクバックからトップへの一連の動きを指すもので、体を柔らかく使い、ボールをしっかり呼び込む形を意味している。この門田独特の打撃理論に興味を持つ者は多くいたが、実際に取り入れるとなると躊躇するケースがほとんどだった。 しかし、倉本は違った。昨年から打ち方を一本足打法に変え、バットも「今の選手は箸みたいなものばかり使っとる。あれではボールは飛ばん」と語る門田の考えに添い、940グラムと昨今のプロの世界では重量のあるものを使っている。その結果、高校時代は3年間で3本、大学時代は4年間で5本だった本塁打が、昨年は1年間で7本を記録した。キャンプ前半のフリーバッティングでは、東野峻相手に右中間、バックスクリーンと2本の本塁打を放ち、視察に来ていた他球団のスコアラーが「何で(ドラフト)3位まで残っていたのかという選手。柔らかさと力強さを備えている」「印象と違った。打球は飛ぶし、内角も捌(さば)ける」などと、驚きの声を挙げたという。 門田は倉本に、自らの若かりし頃の姿と重ね合わせることがあるという。天理高校時代、本塁打はゼロ。しかし、「絶対にホームランを打てるようになる」と思い続けられたという。社会人に進み、猛練習に明け暮れると2年目から打球が飛びはじめた。その後、南海(現・ソフトバンク)からドラフト2位指名を受けプロ入り。しかし、そこで満足することなく、プロの世界でも「ボールを飛ばすこと」を追求していった。 本塁打アーチストとしての完成は晩年になるが、「ホームランを打てるバッターになる」と信じつづけた思いが、プロ野球史に名を刻む大打者へと成長させた。その経験があるからこそ、倉本に大きな期待を込める。「ワシの身長は170センチで、彼は180センチ。体つきもいいし、ワシよりワンランク上のパワーを持っている。去年、彼のスイングを見た時、『松井秀喜と一緒やないか!』という一瞬が何度かあった。化ける可能性は十分ある。あとは本人次第」 そして、このキャンプで久しぶりに倉本のバッティングを見たのだが、一本足打法の際に上げる右足は以前よりも高くなっていた。「今までより、もうひとつ体を使わないとプロのボールには対応できないと思って……。自分なりに考えてトレーニングしているうちに、自然と上がるようになったんです。あとはYouTubeの効果です(笑)」 門田の現役時代の打撃フォームの動画を何度も繰り返し見て研究した。結果、足を大きく上げながらボールを呼び込む一瞬の姿に、門田のシルエットが重なるようになってきた。はたして、倉本の打撃はプロの世界で通用するのか。門田はこうエールを送る。「清い水が流れる世界から、足の引っ張り合いもあるドロドロの世界へ入ったわけや。その中でひたすら練習して、満足することなくやり続けられるか。結果が出ても出なくても、ひたすらバットを振って、いつも「なぜ」と思えるか。どうしたらもっと強いスイングができるのか、どうしたらもっとボールを飛ばせるのか、あと半インチバットを長くしたらどうなるのか……。この気持ちを持ち続けることができれば面白くなるんやけどな」 変化球全盛時代の今、門田理論に「?」を投げかける者もいる。しかし倉本は、「打てるショートになることが目標。それに門田さんの理論を証明したい気持ちもあります」ときっぱり。開幕スタメンも現実味を帯びてきた今、いまだ無限の可能性を秘める24歳から目が離せない。
2015.03.25
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OP戦で唯一チーム防御率1点台、12球団随一の選手層の厚さで2年連続日本一狙う プロ野球の開幕が目前に迫ってきた。22日でオープン戦が全て終了。各球団が、臨戦態勢を整え、143試合の長く厳しいペナントを争う戦いが、いよいよ始まる。 昨季の日本一のソフトバンクは、11勝5敗1分け、12球団首位でオープン戦を終えた。唯一、チーム防御率は1点台。チーム打率は2割3分5厘と低調だったが、その強さは今年も健在であることを印象づけた。 その選手層は12球団で随一の厚さ。実績ある選手に加え、キャンプからアピールを続けてきた若手もいる。開幕1軍に名を連ねられるのは28人だけ。その狭き門に割り込むことが出来る若きホープは誰か。投手、野手の2回に分け、その新戦力を探ってみる。 通常、各球団は28人の出場選手登録のうち、投手は13人(先発6+リリーフ7)前後。試合に出場出来るメンバーは25人であるため、27日の開幕戦で出場選手登録をされるのは25人が基本となる。アクシデントに備え、1人多い26人が登録される場合もあるが、その場合は誰か1人がその日の出場メンバーからは外れる。その後、先発投手を登板日ごとに登録していくことになる。 ソフトバンクの開幕ローテは、以下のように予想されている。○ロッテ3連戦(ヤフオクドーム) 27日 摂津正 28日 スタンリッジ 29日 中田賢一○オリックス3連戦(ヤフオクドーム) 31日 大隣憲司 1日 武田翔太 2日 東浜巨ブルペン強化につながる“新戦力”は? ここで中田までの3投手を含めた開幕1軍28人に名を連ねる可能性があるリリーフ陣は、以下の面々である。 森福允彦、森唯斗、柳瀬明宏、嘉弥真新也、サファテ、二保旭、飯田優也、バリオス 森福、森、サファテは、もはや説明不要。昨季、大車輪の働きで、日本一に貢献したリリーフ陣と言えるだろう。柳瀬、嘉弥真も昨季は1軍での登板は豊富な投手である。 そして残りの3人が、昨季のソフトバンク投手陣に無かった、さらにブルペンを強力にさせる“新戦力”である。○二保旭 春季キャンプから工藤監督初め、首脳陣へアピールし、急浮上してきたのが二保だ。育成ドラフトで09年に入団し、12年7月に支配下登録。同年のファームで17試合に登板して11勝0敗、防御率1・44という驚異的な数字を残し、最多勝と最高勝率のタイトルを獲得している。昨季はファームで主に中継ぎで33試合に登板して防御率2・91だった。 宮崎春季キャンプで工藤監督が名前を挙げて実戦チャンスを与えると、安定感ある投球を披露した。オープン戦7試合で10イニングを投げて、防御率0・00。許したヒットもわずか2本と好投を続け、初の開幕1軍切符が確実になっている。飯田もキャンプで急成長した1人、“勝利の方程式”に組み込まれる可能性も○飯田優也 昨季途中に育成契約から支配下契約となった飯田も、キャンプで急成長を遂げた1人。昨季の先発から今季は中継ぎへと配置転換されたが、オープン戦7試合で12奪三振と強烈なインパクトを残した。失点もわずかに1。キャンプ中に五十嵐亮太が、ふくらはぎの張りを訴えて出遅れており、その五十嵐に代わり、勝利の方程式に組み込まれる可能性が高い。○エディソン・バリオス バリオスは、オフに育成契約となったが、開幕前に支配下契約となることが確実。こちらもオープン戦8試合で失点はわずかに1。150キロ前後の真っすぐに加え、変化球でもストライクが取れる制球力が、工藤監督、佐藤投手コーチらに高く評価されている。 この戦力だと左腕が森福、嘉弥真、飯田と3枚おり、バランスも悪くない。リリーフ8枚を登録する可能性もあり、その場合は試合でこのうちの誰か1人ないし、野手1人を出場メンバー25人から外すことになる。いずれにしろ、開幕2カード目には1枚が削られ、7枚となる。その1枚は、開幕から数試合でふるいにかけられるのだ。 出遅れている五十嵐も、既に実戦復帰を果たしており、4月下旬には1軍へと戻る体制を整えられる見通し。開幕1軍をつかんでも、熾烈な競争が常に待ち受けているソフトバンクのブルペン陣。若き力がその競争を勝ち抜いた時、投手王国へと1歩近づくことになる。
2015.03.24
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◆ 数年前、160キロはこの男の代名詞だった。 まだ162キロ右腕の大谷翔平がプロ入りする前、2010年に当時日本人最速の161キロを記録。プロ3年目のそのシーズン、由規は12勝を挙げローテに定着すると、翌11年にはオールスターファン投票のセリーグ先発投手部門で2位前田健太(広島)に7万票以上の大差をつけトップ選出。21歳の由規はヤクルトのみならず日本の次代のエースとして野球ファンの期待を一身に受けていた。 あれから4年。2015年3月22日、イースタンリーグの巨人対ヤクルト戦。ジャイアンツ球場で開催されたデーゲームには背番号11のレプリカユニフォームを身に纏ったヤクルトファンが多数駆け付けた。ヤクルトの先発投手として由規の名前がコールされると1塁側の巨人ファンからも送られる拍手。よく戻ってきたな、そんな拍手と声援だった。 鮮烈なデビューから一転、ここ数年は故障との戦いの日々。11年9月に右肩腱板損傷で戦線離脱。12年には右肩痛に加え左すね剥離骨折で1軍登板なし。13年4月には再び右肩のクリーニング手術を行いシーズンを通してリハビリに費やした。仕事をしたくてもできないもどかしさ。思い通りに動かない右腕。普通ならば最も体が元気なはずの20代前半の若者には、重すぎる現実だ。 高校時代は仙台育英のエースとして甲子園で155キロを計測。中田翔(日本ハム)や唐川侑己(ロッテ)とBIG3と称され、07年ドラフトで5球団が競合した剛腕。あの頃、間違いなく同世代のトップを走っていた由規だが、故障で戦列を離れている数年の間に、同学年の菅野智之(巨人)や野村祐輔(広島)が台頭し、年下の大谷翔平(日本ハム)や藤浪晋太郎(阪神)も鮮烈デビューを飾った。 皮肉にも由規の名前を聞くのは、大谷の最速記録が更新されるニュースの中。ちきしょう怪我さえなければ俺だって…。長いリハビリ生活を経て、昨年6月14日のイースタンチャレンジマッチで792日ぶりの復帰登板。迎える今シーズン、公式戦では11年9月3日巨人戦(神宮)以来となる1軍復帰登板を目指している。 春が近い週末のジャイアンツ球場。25歳になった由規は、巨人2軍の若手選手たちを相手に変化球中心の組み立てで的を絞らせず、4回1失点でマウンドを降りた。唸るような速球で押しまくっていたあの頃とは違う、新スタイルの背番号11。それでも、由規は由規だった。巨人ドラフト1位の大型内野手、18歳の岡本和真を打席に迎えた4球目。外角高めの直球はこの日最速の150キロを計測。かろうじてバットに当ててファールで逃げる岡本にどよめくスタンド。その1球で球場の雰囲気を変えてしまう剛腕。戻るべき神宮のマウンドはすぐそこだ。 帰り際、京王よみうりランド駅のホームでヤクルトファンの男性が嬉しそうにこう言っていた。 「このオフは色々補強したけどさ、最大の補強はやっぱり由規の復活だな」と。
2015.03.23
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「とにかく、ジャイアンツを倒す、倒したいという気持ちがハンパじゃない。気持ちというか、もう執念だね。多分、ビックリすると思うよ」 日本球界復帰2年目を迎える左腕、DeNAの高橋尚成(39)のセリフである。オフに、巨人時代の後輩でもある東野峻(28)が戦力外になったオリックスから加入。チームの雰囲気などを気にする後輩に、高橋尚が真っ先に伝えたのが、中畑清監督(61)の「打倒巨人」に対する異常なまでのこだわりだった。「高橋尚、林昌範に今季は東野、岡島秀樹、ロペスが加わった。実に元巨人勢が5人という布陣です。就任4年目で契約最終年の中畑監督に、何とか巨人を倒して優勝するという悲願を遂げてもらうため、少しでも力になればと高田GM以下のフロント陣が巨人を知る人材を集めた結果です。特にロペスは、昨シーズン中から中畑監督が望んだ補強。巨人が横やりを入れてきたグリエルも、年俸3億5000万円プラス弟のグリエル・ジュニアの獲得というキューバとグリエル側の条件を丸のみしてまで残留にこぎ着けた。キャンプで、半ば強引に巨人次期監督候補の松井秀喜を沖縄に呼んだのもそう。昨年、セで唯一、巨人に13勝11敗と勝ち越したこともあって、改めてフロントも“打倒巨人”の方針を鮮明にした。『今年は選手の顔つきも違うんだよ』と指揮官もご満悦です」(放送局関係者) 周囲に「監督4年目にしてやっと、『優勝』を口にできるくらいの手応えを感じている」と言っている中畑監督は、同時に「優勝できなければユニホームを脱ぐ」と覚悟も決めている。就任以来、「3位Aクラスに入らなければクビ」と言いながらも前言を翻してきたが、さすがにもうそれが通用しないのは本人が最も分かっているのだろう。■古巣・巨人への並々ならぬ対抗心 指揮官は本紙評論家の山崎裕之氏にこう断言している。「4番は筒香を固定、彼と心中です。結果が出なければ辞めます」 昨季22本塁打を放った6年目の筒香嘉智(23)と、9年目の梶谷隆幸(26)で3、4番の中軸を形成。懸案だった遊撃レギュラーにはドラフト3位の新人・倉本寿彦(24=日本新薬)を抜擢することも決断した。V逸なら退任という覚悟が、いい意味での開き直りとなれば、一貫性のなかった采配、選手起用に太い芯が通る。「そもそも中畑が古巣のへの対抗心を丸出しにしているのは、巨人というより監督の原に対する対抗心だ。2人は現役時代からのライバルで、犬猿とまではいわないが仲は良くなかった。巨人の監督として結果を残し、WBCでも世界一になった原とは対照的に、中畑は監督代行として日本代表を率いたアテネ五輪で銅メダルに終わり、巨人はもちろん他球団からも監督の声がかからなかった。中畑に原の話を振ると、『あれだけの戦力を持たせてもらったら』とか『彼もそれなりに経験を積んで』などと、言葉の端々に本音が見え隠れする。原も今季が契約最終年。原が率いる巨人を倒して優勝するチャンスは今年が最後になるかもしれない。中畑が昨年以上に巨人戦に目の色を変えて、捨て身で向かっていくのは間違いない」(巨人OB) 中畑監督は以前、本紙のインタビューに「巨人への対抗心? 妬み! ハッキリ言って妬み! あの戦力なら誰が監督でも勝てる? それ言っちゃうとタッちゃん(原監督)がかわいそう。もう妬み! ハハハ」と笑いながらも答えている。 開幕カードで激突する両球団。昨18日の最初で最後のオープン戦では、さっそく中畑監督が原監督に痛打を食らわせてみせた。4点を先制されたDeNAは三回に巨人をクビになった4番のロペスが3ランを放って反撃開始。七回の井手の3ランで逆転した。投手陣は四回以降、巨人打線を3安打無失点。2番手の東野にオープン戦初白星のオマケまでついたのだから、中畑監督はしてやったりだったろう。「ロペスがいけるという雰囲気をつくってくれた。(古巣相手で)相当な意識があったと思う」とニンマリした指揮官は「うちには良いで~(井手)とかいい選手がいっぱいいるから」といつにも増してご機嫌だった。 今季もその戦力から、セは巨人を中心に優勝争いが展開されるとの見方が大半とはいえ、故障者が続出するなど決して万全ではない。終わってみれば2位阪神に7ゲーム差をつけた昨季の優勝だって、21の貯金のうち中日戦と交流戦でつくったそれぞれ8ずつの勝ち越しがものをいった。 昨年のCSで4タテを食らわせた阪神、黒田の復帰で意気上がる広島が巨人のライバルになるといわれているが、最も侮れないのは「妬みの集大成」を迎える中畑DeNAになりそうだ。
2015.03.20
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右肘の靭帯修復手術(通称:トミー・ジョン手術)を受けることが決まったレンジャーズのダルビッシュ有投手が16日(現地時間)、自身のブログを更新。17日に手術を受けることをことを報告するとともに、現在の心境をつづった。 「明日右肘内側側副靭帯移植手術を行ってきます」と報告したダルビッシュ。手術後、復帰までには1年以上を要する。 「思い起こせば小、中、高と痛みに弱く身体を痛めやすい体質でした」と振り返ったダルビッシュは、プロ入り以降も多投してきたことをつづり、自身のプレーだけでなく精神面をも支えてくれた右腕に対し「ファンの方々に見せてきた色々な姿も全てこの右腕があったからこそでした」と感謝。「その右肘の靭帯と共に生きるのも今夜が最後です」としみじみとつづったが、「寂しいですが、残念ではありません。こんなとこまで連れて来てくれたのですからもう本当に感謝しかありません。それと同時に自分の中では何か一つの終わりを感じています。手術が終われば何かが終わり、また新たなものが始まると思います」と前向きな気持をつづった。 また、手術を受けたとしても復帰出来ない可能性があることにも言及。しかし、「ただ強がりではなく不安も怖さもありません」とキッパリ。20歳の頃に心に誓ったという「いつ終わってもいいようにどんな事にも妥協だけはしないでおこう。」との言葉を守り続けてきたというダルビッシュは、「なので今までの野球人生に悔いはないのです。もちろんファンの皆さんの前に戻りたい気持ちはあるので、色々な事を試しながら最大限の努力はします。ですが今の正直な心境は落ち着いていて、前を向いてしかいないと言うことです」と現在の心境を明かした。 手術に向け、「その”結果”がどうであれ”結果”に向かうリハビリと言う”過程”においては絶対妥協はしませんし、タダでは手術はしません。これは”ダルビッシュ有の始まり”か”ダルビッシュ有の終わり”かはまだ判別がつきません。ただ愛する”野球界の発展”に繋がる事は確実だと考えています」との思いをつづったダルビッシュ。「今まで応援してくださった方々、本当にありがとうございました。明日の手術頑張ってきます」と覚悟をつづった。
2015.03.17
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工藤監督「僕の悩みが多くなる一方」とうれしい悲鳴 先発の座を巡り、投手陣が火花を散らしている。昨季の日本一、ソフトバンクのローテ競争。実績ある選手がその座を守るのか、はたまた、若手の台頭があるのか。宮崎キャンプを通じて、その争いの現状を分析してみたい。 24日のロッテとの練習試合では、先発した武田翔太が4回を投げて2安打1失点、2番手で登板した山田大樹は3回を3安打1失点。25日には韓国・斗山との練習試合。ここでは2番手の巽真悟が3回を3安打無失点だった。 圧巻だったのは、斗山戦で、巽の後を受けて3番手でマウンドに上がった飯田優也。4回から登板すると、打者10人を無安打無失点とほぼ完璧な内容。3イニング目となった7回は、空振り三振、空振り三振で2アウトを取ると、3人目の打者は、2ストライクから内角ぎりぎりいっぱいの真っすぐで見逃し三振。3回を投げて、6つの三振を奪った。「僕の悩みが多くなる一方。でも、うれしい悩みは、多いほうがいいですよね」 工藤公康監督(51)もうれしい悲鳴を上げる。21日に行われたオリックスとのオープン戦で“開幕投手”に指名された東浜も、4回で5安打を浴びたが、粘って無失点。本拠地ヤフオクドームでの今季初戦となる27日の韓国・サムスン戦での先発チャンスをもらった。相次ぐ若手投手陣の奮闘に、ローテの座の行方は混沌としている。 連覇を狙う工藤ホークスの台所はいかなる陣容になるのか。キャンプで見えた、その行方を占ってみる。 開幕ローテ当確といえる「第1グループ」は5人。4年連続の開幕投手に決定したと一斉に報じられた摂津正、そして、昨季チームトップの11勝をマークした中田賢一とスタンリッジ、シーズン終盤とポストシーズンに大車輪の活躍で日本一を呼んだ大隣憲司、メッツから9年ぶりに日本球界に復帰した松坂大輔。この右腕4人、左腕1人は、順調ならば、開幕ローテに入るだろう。火花散らすソフトバンク投手陣 どうなる? 混沌とする先発ローテ争い工藤公康監督もうれしい悲鳴【写真:編集部】残り1か月競争はさらに熾烈に、当確組が順当にローテを形成するのか、それとも…… となると、残る枠は1つ。その有力な候補となる「第2グループ」には、武田翔太と新助っ投のバンデンハークの名前が挙がる。 大きなカーブを武器に、日本シリーズで阪神打線を手玉にとった武田は、首脳陣が大きな期待を寄せる1人。オープン戦で結果を残し続ければ、その枠に滑り込む可能性は高い。昨季、韓国で最優秀防御率と最多奪三振の2冠に輝いたバンデンハークは、キャンプ序盤から他球団の007も警戒するなど、高い能力の片鱗を見せていた。だが、実戦初登板となった18日の紅白戦での登板で左内転筋を痛め、一気にペースダウン。次登板は不透明で、一歩後退したと言わざるを得ない。 上記のグループを突き上げ、ローテに割って入ろうとする第3グループが、東浜、飯田、山田、巽といった若手投手陣たち。そして、B組で調整している帆足和幸、寺原隼人といったベテラン勢も、虎視眈々とチャンスをうかがっている。 佐藤義則投手コーチは、オープン戦でしばらくは先発陣に、7から8イニングを任せる方針でいる。第1グループの投手と第2、3グループの投手が、1試合にそれぞれ登板していく計画だ。楽天戦(28日、3月1日・ヤフオクD)には摂津と中田が、阪神戦(3日・丸亀、4日・甲子園)では大隣、松坂が投げる予定になっている。 同コーチは理想形として、ローテに左腕2人を入れたい考えも持っている。となると、貴重な先発型左腕の飯田、山田にはチャンスだといえる。当確組が順当にローテを形成するのか、第2、第3グループがチャンスをつかむのか。オープン戦が本格的にスタートするこれからの約1か月。競争は熾烈なものになる。
2015.02.28
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2000年、巨人の長嶋茂雄監督(当時)が「背番号3」の復活をアピールしたように、春季キャンプは新背番号のお披露目の舞台でもある。新入団選手や移籍組以外で、今季、背番号が変わった男たちがそれぞれ背負うモノを探ってみたい。◎背番号が1ケタになった、期待される男たち 2ケタの番号から1ケタ台の背番号に若くなるのは、球団の期待の現れだ。昨季のパ・リーグ盗塁王の西川遥輝(日本ハム)は「26」から「8」に変更。日本ハムの「背番号8」といえば、昨季引退した金子誠の代名詞。今後は金子同様に、チームリーダーとしての役割も求められる。「背番号は軽くなりましたが、その分だけ責任は重くなった」と西川も自覚している。 ソフトバンクでは、昨季のリーグ最多安打の中村晃が「60」から「7」に、柳田悠岐が「44」から「9」に変更している。特にソフトバンクにとっての「背番号9」といえば、現・野球日本代表「侍ジャパン」トップチーム監督の小久保裕紀がホークス時代にずっと背負っていた番号だ。柳田をチームの顔にしようという意図がうかがえる。 セ・リーグでは巨人のセペダが「23」から「5」へ変更。そしてもう1人、異例ともいえる変更となったのが高橋周平(中日)。昨年、「31」から「9」に変わったばかりなのに、今季からは「3」に。1ケタ台から1ケタ台の変更を遂げている。中日の「背番号3」といえば、“ミスタードラゴンズ”立浪和義の代名詞。今季が入団4年目となる高橋周平にとって、新ミスタードラゴンズになれるかどうか、正念場となるシーズンになる。◎背番号が重くなった、後がない男たち 2008年のドラフト1位、DeNAの松本啓二朗は昨季までの「6」から「61」に変更。毎年、レギュラー候補と期待されながらも、なかなか定着できず、最後には便利屋的な起用法で終わるのがパターンとなっている。このオフは背番号だけでなく、結婚もしてまさに心機一転で迎える新シーズン、このまま便利屋で終わるわけにはいかない。 同様に、昨季まで「背番号1」を背負い、期待されながらも定位置確保に至らないのが中日の堂上直倫。今季からは、昨季までの兄・剛裕(今季から巨人育成選手)が付けていた「63」に変わる。この変更は自分から申し出たといい、兄の魂も受け継いで、勝負の年を戦う。 昨季途中にソフトバンクから移籍したヤクルトの新垣渚は「45」から「66」に変更。昨季は移籍後3試合で0勝2敗、防御率7.88、特に先発2試合目でセ・リーグタイ記録となる1試合4暴投を記録するなど、いいところがなかっただけに、もう見限られたのか、と見る向きもある。ただ、「背番号66」といえば、ダイエー・ソフトバンク時代に苦楽をともにした斉藤和己の番号だ。最後まで復活を目指した男の気持ちも乗せて、もう一度輝く姿を見せて欲しい。 この他にも、ケガなどの理由で育成枠に変更になって背番号が変わり、心機一転を期す選手も多い。番号の重さに呑まれることなく、軽やかなプレーを見せてくれることを期待したい。
2015.02.24
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「平成の名勝負」が9年ぶりに再現された。ソフトバンクの松坂がフリー打撃に登板し、松中と対戦。22球で安打性の当たりを4本に抑えた。【写真】松中相手に打撃投手を務め笑顔で話をする松坂 「やっぱり力が入りますね。楽しかったです」。松中は西武時代の宿敵。04年に3冠王を獲得するなど全盛期だった強打者に自己ワーストの12本塁打を浴びた。「自分では意識していた」。球種が事前に伝わる中、直球で押し込んだ。松中も「アドレナリン出た」と右中間フェンス直撃の一打を放った。だが柵越えは1本もなく「今の実力。(松坂は)いい球がきていた」と振り返った。 「死球騒動」も起きた。チェンジアップが抜けて右足のスパイクの金具を直撃。尻もちをついた松中は対戦後、ベンチで「(死球が足に)当たって骨折したらオレ、引退だったぞ」と言い寄った。これには苦笑いの松坂。だが報道陣の数えた安打性「4本」が「松坂寄り」と「6本」を主張した松中の「物言い」に対し「そんなにないと言っておいてください。だいぶ、自分へのハードル低いな」と軽くいなした。「(次回は)試合で投げられると思います」と松坂。早ければ、孫正義オーナーが視察する27日の韓国・サムスンとの練習試合(ヤフオクドーム)で実戦初登板する。
2015.02.21
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9年ぶりの日本球界復帰を果たしたソフトバンク・松坂大輔投手(34)=前メッツ=をめぐる論争が騒がしい。宮崎キャンプ序盤に新任の佐藤義則投手コーチ(60)が手取り足取りで投球フォーム矯正に乗り出すと、「松坂をさらし者にしている」「プライドを傷つけるやり方」と批判の火の手が燃え上がり、一方で球界の大物OBからは「8-2で(活躍は)難しい」と厳しい声があがった。実際、平成の怪物の復活は成るのか。“渦中”の佐藤コーチを直撃した。 (宮脇広久) ■批判の中で貫く信念 14日に打撃投手+ブルペンで計101球。15日にもブルペンで121球を投げ込むなど、調整のピッチを上げている松坂。16日は一転、投内連係、体幹トレ、ストレッチなどで軽く汗を流すと、工藤監督から「さっさと帰れ」と促され、苦笑を浮かべながら早々と球場を後にした。 今キャンプでは復活を目指す松坂の姿を、ファンや報道陣が追いかけている。西武新人時代の1999年に巻き起こった“怪物フィーバー”を彷彿させる状況の中、まるで新人に対するように手取り足取り指導する佐藤コーチのやり方に批判の声が上がっている。 それでも渦中の人、佐藤コーチは「誰が見たって投げ方はよくない。本人も直したいとは思っていたが、どうしたらいいのかわからないというので、客観的にアドバイスを送っている」と揺るがない。 日米通算164勝を誇る松坂は、右ひじを手術した2011年以降の4年間は計10勝と落ち込んだ。今キャンプ初日のキャッチボールなどは素人目に見ても右ひじが下がり、ぎこちないフォームだった。それだけに批判の矢面に立つことを覚悟で矯正に尽力しているのだ。 ■剛速球戻るのか 佐藤コーチは「持ち前の速球さえ戻れば群を抜く投手。最近は技巧派という印象だったものな」とみる。18歳だったプロ1年目で155キロを計測した剛速球をどこまで取り戻せるか。手術をへた34歳の右腕に可能性は残されているのか。 「まだわからないよ。今は『良いフォームで投げること』をテーマにやっている。体が開き、腕に頼り過ぎるフォームになっている。それができなければ(復活は)ない」と言い切る。巷では4年連続2ケタ勝利の摂津らとの開幕投手争いが話題だが、松坂の現状はそれを語るレベルに達していないのだ。 宮崎キャンプは26日まで。その間の紅白戦登板の予定はない。27日に韓国サムスンとの練習試合、28日と3月1日に楽天とのオープン戦がヤフオクドームで組まれており、この3連戦中が実戦初登板となる見込みだ。その時、フォームはどう変貌を遂げているか。 ■伯楽と理論家の衝突はない? 佐藤コーチは現役時代、阪急・オリックス一筋21年で通算165勝137敗48セーブ。引退後はコーチとしてオリックス、阪神、日本ハム、楽天、ソフトバンクと渡り歩いた。「北海道から福岡まで、日本一周しちゃったよ」とおどける。 阪神では井川(現オリックス)らを育て03年のリーグ優勝に貢献。日本ハムでダルビッシュ(現レンジャーズ)、楽天で田中(現ヤンキース)を超一流の域に育て上げ、名伯楽の呼び声が高い。今季加入したソフトバンクでは、松坂の再生だけでなく若手投手の育成も期待される。 「おれも周りから『人材豊富』と聞いているが、例えば東浜(13年ドラフト1位入団で3年目)らはなぜ結果が伸び悩んでいるのか。原因をさぐりながらじっくり観察している段階」 だが、チームには過去の指導者経験はゼロだが投手出身で現役時代から理論家で鳴らす工藤新監督がいる。意見が衝突することはないのか。 「何でぶつかるの。お互いに良いことを言っているなら認め合えばいいんじゃない」と佐藤コーチ。2人の理論が融合すれば鬼に金棒ではある。
2015.02.19
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