記憶の淵に沈みゆくもの

記憶の淵に沈みゆくもの

2004.01.07
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柚木崎は今日から仕事始めである。
いきなり早番で驚いたが、
行ってみるとまだ誰もいなくてさらに驚いた。

職場の鍵を開けていろいろ準備をしていると
外線の電話が鳴った。
出てみると、同じく早番出勤の後輩である。
「新年早々ごめんなさい、熱が出て行けません」
暫く前から下がらないのだという。
体力も相当消耗しているに違いない。

他の同僚たちにメモでその件を伝え、
たまりに溜まっているはずの郵便物などを受け取りに行った。

書類などを取り扱っている部署に行くと、
驚くほどの郵便物などが溜まっていた。
段ボール箱に2箱以上、優にある。
うかつにも台車で来なかった。失敗してしまった。
仕方がないので、持って行けるだけ先に持って行くことにする。
左腕に抱えられるだけ新聞と郵便物、
右腕に書籍の詰まった段ボール箱を一つ。
さすがに書籍が詰まっているものは重たい。
落ちそうになる郵便物を抱え直し抱え直ししながら戻る途中で

新年最初のご挨拶を交わすと、
後輩はおずおずと顔を覗き込んできた。
「あの、おも、そうなの、で……一つ持ちましょうか?」
なぜか言葉がとぎれとぎれである。
大丈夫と笑って答えると、顔を真っ赤にしていきなり頭を下げた。

 年賀状、住所間違えて出したので戻って来ちゃいました!
 封筒に入れて送り直したんですけど、届きました?」
思わず吹いてしまった。
そういえば、昨日届いていた。
片割れと二人で「ぎりぎり間に合ったって言ってあげなきゃね」と
言っていたのをすっかり忘れていたのである。
無事に届いたことを知らせると、
本当に照れたように顔を赤く染めたまま、
もう一度「やっぱり一つ持ちます」と
本が詰まった段ボールに手を伸ばしてくれた。
よほど恥ずかしい思いをしたに違いない。
今度はありがたくお願いすることにした。

先に持ってきた方をより分けている間に、
その後輩が残りを台車で取りに行ってくれた。
置いてきた殆どが後輩の仕事の関連のものだったらしい。
より分けなければいけないものを少し柚木崎に渡してくれると、
残りを全て自分の机に持って行った。

より分けていると、結構な数の年賀状が出てきた。
上司たちに宛てての年賀状なのだが、
中には後輩宛のがあったりして驚いてしまう。
肩書きが全く違う上司がいたりして、これにも驚いた。
いろいろな郵便物があるものである。
今年海外留学に行っている上司からも
ニューイヤーカードが届いていた。
もう少しで戻ります、と書いてある。
もう1年が過ぎるのだな、と漠然と思いながら封を開け、
全員が見られるように掲示しておいた。

今日は一日、居なかった間の仕事に追われる。
さて、そろそろ暖気が終わる頃かな?





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Last updated  2004.01.09 15:06:32
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