記憶の淵に沈みゆくもの

記憶の淵に沈みゆくもの

2004.04.29
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3月末に行った旅行の写真を持って行くというので
帰りに持って行き忘れたぬいぐるみを持って
1本置き忘れていった一升瓶(中身は……)も持って行った。
ケーキも途中で買っていったのだが
さすがに到着したのが深夜だったので
食べると言うほど食べられなかったようだ。

目的はただ、写真を持って行くだけ。
プリントアウトしたものも持って行ったのだが、
義母の評判はすこぶる悪い。
顔色がどうやらあまりよく写っていない模様。
プリンターの問題、と行ってもなんだか納得してくれなかったので
近くの店でプリントアウトをお願いしてくることになった。
その間、義父は庭いじり。
これは趣味なので、どこまでも好きなだけやらせておくのがよい。
義母は家の中で掃除をしたり、洗濯をしたり。
新聞にクロスワードパズルがあるのを見つけて目が輝いた。
こういうのが好きだ、という話は前から聞いている。
帰ってきたら一緒にやろう、と言われ、
まずは写真のプリントアウトに出かけた。

店に到着すると、たかだか3枚ほどの印刷なのだが
40分かかると言われる。
結構かかる、と思いながら、
店の中を探索したり、写真を批評したり。
そうやって時間をつぶしてようやくできあがった。
やっぱりプロの使っている機械は違う。
思わず片割れと頭を寄せて呻ってしまった。
持ち帰ると義母にも評判がいい。
今度から、こうすることにしよう。

義母と頭を寄せ合ってクロスワードパズルを解いていると
義父が「疲れた」と戻ってきた。
日差しも強いので、水分を補給しないといられないのだろう。
義母に我が儘を言って、
飲みたいものを持ってこさせる当たりがおもしろい。
この夫婦は本当に仲がいいのだな、と実感する。
昼食を食べに行ってもそうだ。
美味しい、となると、お互いに交換している。
こっちがおいしい、いや、こっちの方が美味しいと
妙な形で喧嘩になることもあるが、
基本的にお互いを思いやってのことだから
観ていてもほほえましかったりするのだ。

つらつらと義母と話をしながらクロスワードパズルを埋め
片割れと義父が昼寝している間に
こっそりと二人でぽんかんを食べ、
内緒の話をこそこそこそ。
最近、だいぶ慣れてきてくれたな、と思う。
中には義姉のことなども含めた話があったりするので
危険な地雷を踏みそうになることもあるのだが
基本的にはなんとか買わせる程度の話が多い。
時々「それは違う」と思いながらも
表面には出さないで話をする。
こういう時間も必要なのだと思っているからだ。

そんなこんなをしていたら、なぜか義兄と義姉が来た。
柚木崎達が帰る前に来ようと思った、というが、
なにを話すわけでもなし。
手みやげもなにもなく、
自分たちの食べるおやつと自分たちの趣味のものだけを持っている。
さっさと座り込まれて「コーヒー」と言われると
なんだかムッとしてしまうが、
表面に出さずに珈琲を淹れる。
義姉が何気なく寄ってきて、嫌みの棘を投げつけていく。
早く帰ろう。
そう思ってしまった。

夕飯をごちそうになって帰宅することに。
義母がずっと食べさせたい、と話していてくれた鰻の店へ。
払うと言ったのだが、義母に却下されてしまった。
その時に出した義兄の金額にあごが落ちる。
あとで片割れと少し話し合おう。うん。

義母や義父とは随分仲良くなったのだが、
相変わらず義兄・義姉とはうまくやれない。
話すのも難しいから何とも言えない、といえるが
そんなことでめげていてはいけないのだろうな、と
どこか強迫観念に駆られている柚木崎である。





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Last updated  2004.05.06 17:01:37
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