記憶の淵に沈みゆくもの

記憶の淵に沈みゆくもの

2004.08.21
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この間から、預かっている水槽の水が気になる。
なんだか臭いを発しているように思えて仕方がないのだ。

実は柚木崎、耳の聞こえがあまりよくない。
テレビがついていて、それを見ている間に
話し掛けられたりすると、聞こえないことが多い。
複数の人に同時に話し掛けられると
それぞれの人の要点だけを聞くという特技を持っているが
正直言って、全部きちんと聞いているかというと、自信がない。
聞こえていない事柄のほうが多いのだ。
ひどいときなど、目の前で話されていても聞こえないことがある。
口が動いてるからなんか話しているのだろうと見当をつけて
申し訳ないけれどもう一度話してくれ、と頼むこともしばしば。

そんなだからだろうか。
嗅覚はかなりいいほうらしい。
わずかなガスの臭いも気づくし、
食べ物が傷んでいても臭いですぐに気づく。
だからかもしれない。
気になって仕方がないのだ。
水槽の水の臭いが。

片割れはどちらかというと鼻が利かないほうだ。
だから、何かにおわないかといっても
首をかしげることが多い。
どこから臭いがきているか、というのを嗅ぎ分けると
ようやくそういえば、という反応を見せる。
今回もやはりそんな感じだ。

見た目はあまり変わっていると思えない水の色に
片割れは気づかなかった模様で。
柚木崎は柚木崎で、水の色がわずかに変わっているように思えて。
半分だけでも入れ替えようと提案した。
大丈夫だよ、と乗り気でない片割れを説得して
前日から用意しておいたカルキ抜きした水を準備する。
水槽からバケツに水を抜き出しはじめて
ようやく片割れが呟いた。
「そういえば、なんかくさい…」

言ったじゃん、と笑うと、
柚木崎ほど鼻が利かない片割れは少しむくれた。
負け惜しみなのか、
こうやって出さなきゃにおわないよ、とまで言う。
どちらにしろ、やはりにおうのだ。
それに、色もやはり変わっているのが判る。
こんな状態の色の水の中では、熱帯魚たちだって可哀想だ。

半分水を抜いて、
これ以上抜いてしまうとやばいという状態になったところで
カルキ抜きした水を入れ始める。
本当は全部交換したいところなのだが
そういうわけにはいかないとのことなので、諦める。
なんだか薄めただけのような気がしてならないのだが…。
それでもずいぶん綺麗になった水。
心なしか、熱帯魚たちも気分がよさそうだ。

結局、カルキ抜きした水は足りず、
強制的に薬品でカルキを抜いた水を足すことになった。
これはあまり好きではない。
売っている以上、魚に害はないのだろうが、
なんとなく好きになれない。
片割れもどうやらそんな様子で、
苦しがってないんだけどあんまり使いたくないといっていた。
多分、大丈夫なんだろう、けど…。

そんな些細なことが気になる。
細かいのだろうか?





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Last updated  2004.08.26 11:13:14
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