記憶の淵に沈みゆくもの

記憶の淵に沈みゆくもの

2007.05.26
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何せ就職活動などずいぶんと久しぶりなので
前日は「遠足に行く前の子ども」よろしく、あまり眠ることができず。
実際の遠足前でもこんなことはなかったのに、と自分で笑ってしまった。

ここのところ暑い日が続いているので、
着ていくものも悩んだのだが、結局は「就職活動なので」と黒のスーツに。
土曜日だから一緒についていく、と着替えた片割れに
「なんでこんなに暑いのに黒なの~?!」といわれてしまった。
紺でもあればよかったのだが、あいにくなかったもので。
「しかもスーツ~~~~!!!」
・・・就職活動にTシャツジーンズで行くわけにもいくまい?
「あつくるし~よ~!!」
・・・・・・着ている柚木崎も暑い。

着込んだとたんに暑さにげんなりしながら
必要なものを入れたかばんを持って、最終チェック。
ハローワークの紹介状、入っている。
筆記用具。ペンケースごと入れたし。
履歴書。あ、日付日付。
ついでに質問事項をピックアップしておいたメモ帳も入れて。
財布、SUICA、小銭いれ、ハンカチ、ティッシュ。
おし、入っている。
んでは行きますか、と自宅を出た。

今回、面接で行く会社は、保険もしっかりしているし、給料もいい。
ただ、休みがどうなるのかがいまいちよくわからない会社。
そのあたりを突っ込んで聞く予定で、
頭の中でシミュレーションを行いながら新宿に到着。
ここで片割れが妙なことをひとつ発見。
「ねぇねぇ、面接会場、勤務地でって書いてなかった?」
おんやぁ? と思って、プリントアウトしてきた会社詳細を見てみる。
・・・確かに。
「この時点で、まず偽りの記載だよね?」
これも突っ込みどころとしておこう。

実際に本社についたのは、約束の時間10分前。
「お待ちしておりましたぁ」と出てきてくれたのは
呼び出してくださいといわれた人ではない、別の人。
どうなってんだこれは? と思いながら、こちらにと言われるままついて行くと
パーテーションで区切られた区画に案内された。
その一番奥に呼ばれたので、おとなしく入ると、
「面接は5時半からになります。
 それまでこちらで少々試験をしていただきます」

・・・試験!!!
そりゃそうだよなぁ、と思い、下座を探して座って待つこと数分。
3枚の紙を持って、先ほどの女性がやってきた。
「こちらです。それでは面接前に呼びに来ますので、それまでに」
わかりました、と受け取って頭を下げた。

また座りなおして紙を見ると、1枚はアンケート用紙と書いてある。
多分これを一番最初に書いたほうがいいのだろう、と脇によける。
ほかの2枚は本当に「中途採用入社試験」と書かれている。
内容を見て、小さく笑いが漏れた。
異口同音、四字熟語、丁寧語の使い方、算数とも数学ともいえるもの、
そしてどうみても「数独」の問題が1問。
最後にこんなときどうする? と具体的な筆記問題。
それにしても、数独はないだろう・・・???
アンケート用紙に記入しながら、ひとつ妙なことに気づいた。
なぜ実家の住所電話番号を書かねばならないのだろう?
あとで聞こう、と思って、結局聞き忘れた事項である。

アンケートを全部書き終わり、試験問題もあらかた終了したところで
先ほど案内してくれた女性がもう一度顔をのぞかせた。
「それでは面接会場にご案内いたします」
はい、と全部荷物をまとめてもって立ち上がると、
二つ離れたブースでも、同じように一人が立ち上がった。
おんやぁ? と思う。
思いながらついて行くと、案内された部屋にはもう一人待っていた。
3人の合同面接である。
まあ、そんなもんか、と思いながら椅子に座る。
やや遅れて入ってきた面接官の男性は、あわただしく座ると自己紹介をし、
まずアンケートとハローワークの紹介状、履歴書の提出を求めてきた。
さっさと出して渡すと、次に1枚の紙を手渡してきた。
こちらが把握しているより、少しだけ詳細な会社のことが書かれている。
まずこれを上から順に説明します、と言われて素直に聞いていて、妙な点に気づいた。
署名する場所がある。
ということは、これは返却するものなのだ。

ううう、と奇妙なものを抱えながら説明を聞いていたら、
こちらのことを少々聞く質問コーナーがあり、
その後、何かあったら質問をどうぞ、と言われた。
ほかの二人を見ると、困った顔をしているばかり。
ないのか~、と思いながら、片手を挙げて発言を求め、質問をさせていただいた。
しかし。
明確な答えは何一つ出てこず。
その上、ハローワークで言われていた給料と、ぜんぜん違う給料であることも判明して。
表面上はにこやかにしていた柚木崎だが、
『これは合格の通知が来てもお断りさせてもらおう・・・』と思ってしまった。
面接官に「あなたの質問はとてもいいですよ、うん」と言われたが
それに答えられない会社なのであれば、いい質問も何もないだろう。

面接を終えて、試験問題を提出して。
帰路に着いた柚木崎たち3人。
最初に会ったときから思っていたのだが、
部屋で待っていた同じ面接者に見覚えがあるような気が・・・???
と思っていたら、あちらもどうやらそのようで。
帰り際、エレベーター待ちのときに「先生」と呼ばれた。
・・・・・・うちの学生だったのか(笑)

片割れとも合流し、ほかの二人と「またどこかでお目にかかれたら」と挨拶をして分かれた。
「どうだった~?」と聞かれたので、
詳細に面接の話をしたところ、片割れも思案顔になってしまった。
「・・・・・やめたほうが、いいかも、ね?」
・・・まずは結果が出てからだよ、ワトソン君。





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Last updated  2007.05.29 14:56:45
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