記憶の淵に沈みゆくもの

記憶の淵に沈みゆくもの

2007.06.04
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本人たちは騒いでいるつもりはないのかもしれないのだが、
夜中の12時を回っても、大きな声でげらげら笑ったり、
悲鳴に近いような声を上げたりするようなのは、やっぱり煩いと思うのだ。

風呂上り。
片割れは明日、朝早いので寝てしまった。
柚木崎は少々やりたいことがあったので、おきていた。
少し集中してやっていたので、気づかなかったのだが、
突然悲鳴が聞こえて、びくりとしてしまった。
うちの真下である。
なにごとか、と思ってあわててベランダに飛び出した。

ベランダ側から見ると、2階にあたる柚木崎の自宅。
下は駐車場になっている。
その出入り口に、大型バイクを空ぶかしさせているに~ちゃんが一人。
そのに~ちゃんを囲むように、若いね~ちゃんが3人。
・・・どうみても、まだ10代。
こいつらがまるで酒を飲んだ後のように
音程の少々狂った声で話しているのである。
そして、そのバイクのに~ちゃんの気を引きたかったのだろう、
ね~ちゃんがしどけなく服をはだけて迫っている。
悲鳴の主はどうやらこのね~ちゃんと思われ。

うっさいなぁ、迷惑だなぁ。
そう思いながら、なんか手立てはないかと考える。
片割れを起こすのは忍びない。
それに、このまま騒がせておいて片割れが目を覚ますのは不本意だ。
しばし悩んで、タバコを持ってきた。
一本火をつけて、ベランダから乗り出す。
そう、蛍族になったのである。
で、駐車場からの明かりを受けながらタバコを吸い。
胡乱な目つきをわざと作って、真下にいるに~ちゃんとね~ちゃんたちを見下ろした。

やがてガードレールに腰をかけていた若いね~ちゃんの一人が柚木崎に気づく。
隣に座ったね~ちゃんをひじでつつき、羽目の外れた声で笑い出した。
学生たちに散々似たようなことをやられているので、腹も立たない。
が、常識知らずだなぁ、と思いながら、さらに見下してみる。
柚木崎の視線になにか感じるものがあったのだろう、
何かをに~ちゃんに話しかけた。
するとに~ちゃんは、媚を売っていたね~ちゃんにヘルメットを手渡して後ろに乗せ、
バイクをごっつい煩い音をさせて急発進させたのである。
もちろん、乗せられたね~ちゃんは甲高い悲鳴を夜空に響かせて走り出した。
これが夜中の1時半のことである。

そのままさらに見下ろし続けると、
居心地が悪くなったのか、残されたね~ちゃん二人はすごすごと場所を移動し始めた。
時々こちらを見上げては、馬鹿にしたような笑い方をする。
あれがかっこいいとでも思っているのか。
単なる馬鹿なだけなのに。
そう思いながら見送り続ける。
しばらくして戻ってきたバイクは、目の前にパトカーを置いて。
でも、パトカーは何も言わずに走り去り。
・・・警察、なにしてるんだか?
そして、乗せていたね~ちゃんを下ろして、
ね~ちゃんたち3人に「ばいば~い♪」と見送られて
機嫌よくまたうちの真下を煩い音を立てて走り去っていった。

こないだは酔っ払いのに~ちゃんが
ちょうしっぱずれの歌を歌いながら通り過ぎて行ったし。
(曲は「宇宙戦艦ヤマト」だった)
会社の新人さんらしき人たちが、群れをなして若い女の子の気を引こうと
壊れたスピーカーのような音でしゃべっていたり。
なんで日本人はこうなってしまったのだろう、とげんなりしてしまった。
遅くとも、夜の10時を回ったら、民家近くで騒ぐのはどうかと思う。
赤ちゃんがいるお宅なら、もっといらいらしているかもしれない。

いろんなものが壊れてないかい、日本人。
自分を含めて、もう一度見直したい。





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Last updated  2007.06.05 16:14:21
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