記憶の淵に沈みゆくもの

記憶の淵に沈みゆくもの

2008.10.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
大事に大事に思ってきた人に、裏切られた。

そのことが今、柚木崎を蝕んでいる。
心も、体も。
ずっと分かっていたけれど、それでもいつか話してくれると待ち続けて、
それでもなお同じコトを繰り返すその人に。
与えられるばかりを期待しないで欲しいと言いたい。
こちらにだって限度はあるのだ。
何もかも。


少なくとも柚木崎は、それを約束だと思う。
ずっとずっと、その「あとで」を待ち続けてきた。
十何年も。
なのに、未だにその「あとで」はやってこず
さらに重ねられた嘘まで。
「話せなかっただけ」ではなく、「敢えて話さなかった」だけの話。
「話さなければバレないだろう」と高を括られただけの話。
その上、「バレなければいいだろう」までやられていたのを、
知ってても良心がとがめて話してくれるはずと、ずっと待っていた。
そんな時を長く長く重ねてきたのに、まだ「待て」という。
なにもかもに。

こうやって、何もかもを時間の向こうに押しやって
「時効」という名の言葉の彼方にしてしまうつもりなのだろうか。
柚木崎に、そうしろと言っているのだろうか。
だとしたら……もう、限界だ。

一緒に辛いことも哀しいことも乗り越えてきたと思っていたのに。

血よりも濃い関係を築いてきたと思っていたのに。
悔しくて腹立たしくて何よりも哀しくて。
涙すら出ない。
否。
もう、涙は流しきってしまった。
頭が痛くなるほど泣いて、もう涙が枯れてしまった。
そんな柚木崎の気持ちなど、知りもしないで。

心が黒く塗りつぶされていく。
そんな自分を暗い淵の奥底から眺めている最近の柚木崎である。





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Last updated  2008.10.21 00:59:32
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