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2019.01.09
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カテゴリ: 観照 & 探訪
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初詣として禅居庵を訪れた後、建仁寺に来ても滅多に足をのばさない八坂通に南門から一旦出て、 建仁寺の「勅使門」 を正面から久々に眺めました。


これは 建仁寺の北門の近くに設置された案内図 です。
勅使門の正面から眺めると、 法水池-三門-仏殿-方丈 が一直線上に並び、三門の開かれた扉から仏殿が見えます。



境内から眺めた勅使門。ここから北門へと境内の通路を通り抜けます。


         方形の法水池の中央に石造反り橋が架かっています。東側に回り込みます。



法水池の東側に南北に真っ直ぐにのびる参道があり、その東側に 「浴室」 があります。



「開山堂」への楼門 です。
参道入口傍に、 「扶桑佛心宗 第一開山 千光祖師榮西禅師入定塔」 と刻された石標が立っています。開山栄西禅師の塔所です。千光国師は栄西禅師の諡号です。

この楼門は三間一戸、重層、入母屋造り、本瓦葺です。明治20年(1887)洛西鳴滝の妙光寺から移したものと伝えられています。門内の中央に開山塔が明治17年(1884)に建てられています。礼堂と相の間、祠堂からなる建物です。明治期の代表作となっている建物といいます。 (資料1)
この開山堂は時折、特別公開されるようです。一度特別公開の折りに拝見しました。

両足院・毘沙門堂 が並び、少し東に奥まった位置に 西来院 が位置します。これらの塔頭は以前にご紹介しています。
その先に、 北門 があります。


北門の西側境内地に庫裡が位置し、庫裡と西側の方丈との間に、この玄関が見えます。
貴賓を受け入れる玄関口でしょう。 「最初禅窟」と墨書した衝立 が置かれていました。

日本史の年表を見ますと、日本における臨済宗を開山する栄西禅師が中国(宋国)から帰朝されたのは鎌倉時代、1190(建久2)年です。 この建仁寺が創建されるのは1202(建仁2)年 です。一方、道元禅師が帰朝され、曹洞宗が始められたのは1227(嘉禄3)年です。
つまり、ここが本山としては最初の禅の修行場ということになります。

1190年に帰朝、1202年まではどうされていたのか? 栄西禅師は、 まず九州で教義弘通 を始め、 1198年には『興禅護国論』を著します 。これは当時の仏教界の一大勢力だった天台宗延暦寺・衆徒の圧迫に対する対抗として立場を明確にされたのでしょう。1198年は、法然上人が『撰択本願念仏集』を著し、浄土宗の立場を明確にされた年でもあります。仏教界が大きく変動しつつある時代だったのです。
栄西禅師は、 1199(正治元)年、鎌倉に下り寿福寺を建立 します。将軍源頼家をはじめ鎌倉武士の信仰を得ていきます。その後、1202年に東山綾小路の河原に佐々木定綱・畠山重忠等の助けを得て、一宇を建立するに至るのです。3年の歳月を費やし、建仁寺が竣工したそうです。 (資料1,2)
尚、当初は延暦寺との関係を顧慮し、叡山の末寺という形をとり、止観院・真言院の二院をおき、天台・真言・禅三宗一致の寺ということからスタートしたそうです。教義弘通のための妥協だったのでしょう。 蘭渓道隆(大覚禅師)の代に至って、禅宗のみの寺に改められた といいます。 (資料1)

方丈は築地塀で囲まれています。方丈の庭に入る 「中門」 です。
方丈の庭側から眺めたこの門は既にご紹介しています。外側の景色をここに補足します。

昨年、京都の文化財特別公開の折りに、建仁寺塔頭・久昌院を訪れています。
久昌院の北側に位置するのがこの 塔頭「堆雲軒」 です。
1346(正平元)年霊洞院の正中西堂禅師が創建した塔頭だそうですが、天文年間に焼亡したとか。1680(延宝8)年、実伝慈篤禅師により再興されたといいます。実伝禅師は上林春松(宇治製茶業の旧家)の子だとか。その関係か、この塔頭には現在五条坂の陶工たちにより「急須塚」が建立されているそうです。 (資料1)

さて、建仁寺の北門を抜けると、祇園花見小路は俗世界の混雑ぶりです。新春の観光客で溢れていました。

「祇園甲部歌舞練場」 の前を通り過ぎるとき、久しぶりに遠望するこの建物の傍に、異質なものを垣間見ました。好奇心から表門をくぐり場内に入ってみました。


巨大なカボチャ のオブジェです。 草間彌生作

歌舞練場のこちらの建物 「八坂倶楽部」を会場にして、草間彌生展「永遠の南瓜展」 がフォーエバー現代美術館コレクション展第2章として開催されています。
2018.5.3~2019.2.28の期間 です。ネット検索してみたところ、 作品123点が一挙公開 されているようです。 (資料3)




1871(明治4)年に京都でわが国最初の博覧会が西本願寺で開催されました。
「これを機に,京都府と民間によって創設された京都博覧会社は,明治5年,西本願寺・建仁寺・知恩院を会場として第一回京都博覧会を開催。」 (資料4) ということになり、 この博覧会の付博覧として1872年から「都をどり」が創始されました 。外国人観光客もたくさん訪れたそうです。 (資料1,4)

1873年には、当時花見小路の西側に在った建仁寺塔頭清住院を改造して、第2回都をどりから歌舞練場として使用されたそうです。そして、 1913(大正2)年に、現在の場所に歌舞練場が新築移転 して、現在に至ります。 (資料1,4)
この歌舞練場は現在、耐震工事のために一時休館が続いています 。このまとめのために少し調べていて、このことを知りました。
歌舞練場の玄関は、本館・別館ともに唐破風屋根です。 獅子口には「歌舞練場」の文字 が刻まれています。いままで幾度も「都をどり」を見に来ていますが、意識しませんでした。視点を変えると、新たな発見があるものです。

花見小路の途中で東に祇園の小路を曲折しながら抜けて、八坂神社に立ち寄りました。
参拝客が多いのを承知で、せっかくここまで来たのだから立ち寄って行こうと・・・・。



四条通の東端になる西楼門から本殿に向かったのですが、本殿手前まではまさに満員電車の車内のような状態でした。本殿前の参拝所に向かう人々と参拝を終えて西楼門から出ようとする人々との鬩ぎ合いの状態でした。人の流れに沿って少しずつ進むしかありません。石段部分が大混雑ですが、社殿のある境内域は比較的混み具合は緩やかでした。


                      拝殿の南面に大きな絵馬が置かれていました。

帰りは、八坂神社の正面になる南楼門を抜けて、少し遠回りですが三条に抜けることにしました。

西楼門に対して、正面のこの南楼門は様変わりしてのんびりした感じ!
次回はこの経験を活かして参拝しようと思った次第。
  南の石鳥居です。


この石鳥居から通りを挟んで南西角のこんな風情のある一隅を眺めつつ、東大路通に戻りました。

細部まで行程を考えた初詣ではありません。護王神社と禅居庵・摩利支天は今年の干支からみで行ってみようという思いつきから始まった・・・・・一人歩き。
そこで一応個別の記事としてご紹介しました。

ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
1) 『昭和京都名所圖會 洛東-下』 竹村俊則著 駸々堂
2) 『新選 日本史図表』 監修:坂本賞三・福田豊彦 第一学習社
3) ​ 企画展示 草間彌生永遠の南瓜展 ​ :「フォーエバー現代美術館」
4) ​ 京都の博覧会 ​ 都市史  :「京都市」
5) ​ 祇園甲部歌舞練場 ​ :「都をどり公式ウェブサイト」

補遺
開山栄西禅師 ​  :「建仁寺」
栄西 ​      :「コトバンク」
明菴栄西 ​    :ウィキペディア
蘭渓道隆 ​    :「コトバンク」
蘭渓道隆 ​    :ウィキペディア
堆雲軒[建仁寺](京都市東山区) ​  :「京都風光」
都をどり ​ 公式ウェブサイト
祇園の歩き方 ​  :「祇園商店街振興組合」
八坂神社 ​  ホームページ
草間彌生 ​  :ウィキペディア
【京都 祇園】フォーエバー現代美術館・『草間彌生 永遠の南瓜展』へ。 ​:「高槻+αジャーナル」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

こちらもご覧いただけるとうれしいです。

探訪 京都・東山 建仁寺境内と塔頭 -1 両足院(初夏の特別拝観)
  2017年に6回のシリーズでご紹介しています。
探訪 [再録] 2015年「京の冬の旅」 -3 建仁寺霊源院
探訪 京都・東山 建仁寺塔頭 久昌院
探訪 京都・東山 建仁寺再見・細見 -1 三門・法堂を巡り本坊に

スポット探訪 京都・東山 初詣 建仁寺禅居庵 摩利支尊天




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Last updated  2019.01.12 11:24:51
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