音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年09月01日
XML
テーマ: Jazz(1972)
カテゴリ: ジャズ




 ラリー・ヤング(Larry Young)は、米国出身のオルガン・ジャズ奏者。イスラム教に改宗した際に、名前をハリド・ヤシン・アブドゥル・アジズと改名している。生まれたのは1940年だが、1978年に37歳で肺炎によって亡くなっている。1950年代から音楽活動をしていたが、リーダー作を発表し始めたのは、1960年以降で、その後、亡くなる前年の1977年までに作品を残している。ピアノを演奏することもあったものの、基本的にはハモンド・オルガンを演奏する。

 ジャズ・オルガンと言えば、既にジミー・スミスのアルバムを過去に数枚紹介している(参考記事 (1) (2) (3) )。だが、ラリー・ヤングのオルガンは、ジミー・スミスの繰り広げるソウル寄りのアーシーな演奏とは一線を画す。“オルガンのコルトレーン”などという異名をとることからもわかるように、オルガン奏者でありながらモード・ジャズの世界に足を踏み入れ、音楽的実験や革新を進めていこうという姿勢が強い。実際、ジョン・コルトレーンから受けた影響は大きく、グラント・グリーンと 『トーキン・アバウト』 という、コルトレーンに捧げた曲を含むアルバムも録音している。

 そんな彼の代表作として広く知られているのが本盤『ユニティ(Unity)』である。1965年にブルーノートに吹き込まれた。ジャケットはいかにもブルーノートらしい(というかデザイナーのリード・マイルスらしい)シンプルながら粋な作りで、白地に黒で大きくUNITYの文字に4つの赤丸の二色刷り。このジャケットもこのアルバムを名盤として知らしめるのに一役買っている。

 さて、肝心のこのアルバムの演奏の特徴は二つある。一つは、ラリー・ヤング自身のオルガン演奏である。アドリブによる個々の演奏というよりは、音楽全体の流れや空間的広がりを意識した演奏で、アルバム全体から感じられるスピード感は、おそらくラリー・ヤングが意図した基本コンセプトなのだろう。エルヴィン・ジョーンズのドラミングもところどころやかましいぐらいに激しいプレイを見せているが(例えば2.や5.)、全体のトータルの流れの中で聴けば、なるほどと思える。



 走り出したら止まらない感覚、というのが本盤の形容にはぴったりだと思う。小手先の技術的演奏ではなく、全体としての音の塊で聴かせる音楽。そんなコンセプトが成功したのは、個々の技術の高さだったのかもしれない。6曲ぶっ通しで聴くと疲れないと言えば嘘になる。けれども、疲労感を伴ったとしても、気持ちいいスピード感が味わえる好盤だと思う。



[収録曲]

1. Zoltan
2. Monk’s Dream
3. If
4. The Moontrane
5. Softly as in a Morning Sunrise
6. Beyond All Limits


[パーソネル]

Woody Shaw (tp)
Joe Henderson (ts)

Elvin Jones (ds)

1965年11月10日録音

Blue Note 4221






【楽天ブックスならいつでも送料無料】ユニティ +4 [ ラリー・ヤング ]






  下記ランキング(3サイト)に参加しています。

        ↓           ↓           ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ 人気ブログランキングへ banner01.gif










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016年02月01日 15時01分58秒 コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: