キャノンボールは1928年生まれだが、当初は出身のフロリダ近辺で活動しており、ニューヨークにでてきたのは1955年のことだった。この年、ニューヨークのライブに飛び入り参加してから、一気に注目を浴びた。ちょうどチャーリー・パーカーの死と入れ替わるようなタイミングでの登場だったこともあり、同年の夏から次々とレコーディングを行う。そのうちの1枚がこの『キャノンボール・アダレイ・ウィズ・ストリングス(Julian “Cannonball” Adderley and Strings)』であった。キャノンボールの最初のリーダー作はサヴォイに残されている(『プレゼンティング・キャノンボール』)が、その後はエマーシーでの作品発表となった。本盤はエマーシーでの2枚目に当たり、いわばデビュー3枚目で既にウィズ・ストリングスものを披露する機会を得たということになる。ジャズ奏者にとって一度はストリングスものをやって見るのは夢だなどと言われるが、これが事実であるならば、キャノンボールはニューヨークのシーンへの登場と共にあっという間にその夢を叶えてしまったことになる。
2. A Foggy Day 3. The Surrey With the Fringe on Top 4. Two Sleepy People 5. I'll Never Stop Loving You 6. (I'm Afraid) The Masquerade Is Over 7. I've Never Been in Love Before 8. Lonely Dreams 9. Falling in Love With Love 10. Street of Dreams 11. Polka Dots and Moonbeams 12. You Are Too Beautiful
1955年10月27日(9.~12.)、10月28日(1.~8.)
Cannonball Adderley (as) Richard Hayman (arr, cond) Strings Unidentified