音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年03月01日
XML
テーマ: Jazz(1967)
カテゴリ: ジャズ




 1950年代半ばにジャズ界の有望テナー奏者4人が競演したプレスティッジのセッション盤『テナー・コンクレイヴ(Tenor Conclave)』。 前編 に続き、この後編では少し中身に入った話をしてみたい。

 4人のテナー奏者の聴きわけがちゃんと全部できるのかと言えば、筆者も心もとない部分がある。とはいえ、表題曲1.の冒頭からして四者四様の音を出していることは、初めて聴いた人にもすぐわかることだろう。同じ1人の演奏家が出す音を5分、10分(あるいはそれ以上の時間)と聴き続けるのに比べ、立ち代わり入れ替わりで音が変化するわけで、仮によくわからなくてもそれはそれで楽しめるのではないだろうか。1.「テナー・コンクレイヴ」についてのみ、原盤のライナーに沿って演奏順序を整理しておこう。

 イントロ(8小節=各2小節): モブレー→コルトレーン→シムズ→コーン
 アンサンブル後(8小節=各2小節): 上と同じ順序
 ソロ(各3コーラス): モブレー→シムズ→コーン→コルトレーン(その後、ガーランド2コーラス→チェンバース2コーラス→テイラー1コーラスが続く)
 最期のテーマ前(4バー・チェンジ): 1コーラス目をモブレーとコルトレーン→2コーラス目をコーンとシムズ

 若いミュージシャンたちによるアドリブの腕しらべ的セッションは、プレスティッジならではの企画であった。しっかり準備された録音ではなく、ある意味で行き当たりばったりのこうしたセッションは、ブルーノートの十全に準備された録音とは、(どちらがいいとかではなく)違った魅力がある。もちろん、こうしたバトル的なセッションに明確なリーダーがないと、下手をすれば単なる自己主張のぶつかり合いになりかねない。にもかかわらず、本盤には安定した部分がある。その安定感は、おそらくはリズム・セクションに負う部分が大きいのだろう。ピアノにレッド・ガーランド、ベースにポール・チェンバース、ドラムにアート・テイラーというレギュラーのトリオ(こちらの 過去記事参照

 近頃2分割ですっかり話が長くなってしまいがちなのは反省だが、ともあれ、ヴァチカンのお偉方もしかめっ面で新教皇を選ぶのだろうから、たまにはしかめっ面で“コンクラーヴェ=根比べ”というのも悪くないといったところだろうか(笑)。




[収録曲]

1. Tenor Conclave
2. Just You, Just Me
3. Bob’s Boys
4. How Deep Is The Ocean


[パーソネル・録音]

Hank Mobley, Al Cohn, Zoot Sims, John Coltrane (ts)
Red Garland (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)









Hank Mobley/Al Cohn/John Coltrane/Zoot Sims / Tenor Conclave 輸入盤 【CD】






下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします!
       ↓          ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ ブログランキング・にほんブログ村へ









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013年03月01日 06時30分31秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: