音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2016年08月31日
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円熟のコーエンの魅力がたっぷり詰まったライヴ盤


 レナード・コーエン(Leonard Cohen)は、1934年生まれの詩人でシンガーソングライター。本ブログでは、 デビュー盤 をはじめとして、既に何枚ものアルバムを取り上げている(参考過去記事 (1) (2) (3) (4) )。でも、こちらとしてもまだまだ新作を聴きたい(そして全作ブログで取り上げてみたい)、そんなアーティストだったりする。

 本盤『コーエン・ライヴ(Cohen Live)』はその名の通り、ライヴ実況盤で、1988年(アルバム『アイム・ユア・マン』のツアー)と1993年(アルバム 『ザ・フューチャー』 のツアー)の演奏が収められている。楽曲は当時の新しい曲も交えつつ、その一方ではそれまで歌い継いできた名曲(例えば、デビュー作の13. 「スザンヌ」 「電線の鳥」 )も収録されている。以前、過去記事でアルバム『ザ・フューチャー』のことを“円熟”というタイトルをつけて書いたのだけれど、まさしく50歳代の円熟期のコーエンの魅力が存分に発揮された一枚だと思う。

 実はコーエンのライヴ盤というのは、21世紀に入ってからは増えたけれども、かつては多くはなかった。1994年リリースの本盤も、1967年のデビュー以来、まだ2枚目(最初のライヴ盤は1973年発表)というものだった。近頃では(今年で82歳になるので当然ではあるが)“枯れた”魅力を発揮しているコーエンだが、この当時の彼の、まだ野太さのような部分を含んだヴォーカルは、随所で力強くて滋味に溢れている。

 上述の通り、当時の新曲のみならずそれ以前の名曲がバランスよく収録されている。お勧めは、1. 「哀しみのダンス」 、7. 「ハレルヤ」 といった80年代の名曲。さらには、当時に発表されたナンバーの3. 「エヴリバディ・ノウズ」 、8.「アイム・ユア・マン」。そして、本盤のラストを飾るデビュー盤収録の13.「スザンヌ」。

 という風に以上綴ってはみたものの、少々疑問があるので、最後に一言。『ザ・フューチャー』からの曲が見当たらないのはなぜだろうか。『アイム・ユア・マン』のツアーではなく自作の『ザ・フューチャー』のツアー収録ナンバーとして『アイム・ユア・マン』の曲が入れられているのは、ますます意味が分からない…。つまるところ、コーエンにとっては新作のプロモーション的な収録は全く無用の長物で、中身で勝負ということだったのだと考えればそれまでなのだが、そういうコマーシャリズムに反することを平気でやるのもまた魅力の一つと言えるようにも思う。他方、ライヴということで元のスタジオ録音と詞の違う曲があるが、本盤の歌詞カードではちゃんとその相違が反映されているとのこと。コマーシャリズムに反した曲収録であっても、歌詞の記載にはこだわるというのが、このアーティストの姿勢かと思うと、なお興味深い。


[収録曲]

1. Dance Me to the End of Love
2. Bird on the Wire
3. Everybody Knows

5. There Is a War
6. Sisters of Mercy
7. Hallelujah
8. I'm Your Man
9. Who by Fire?

11. If It Be Your Will
12. Heart with No Companion
13. Suzanne

1994年リリース。




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Last updated  2016年12月29日 21時18分59秒
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