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2006年07月31日
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テーマ: 映画と原作(88)
カテゴリ: 海外文学
『ゲド戦記』 (2006) TALES FROM EARTHSEA

ゲド戦記 原作レビューへ
原作は、『指輪物語』『ナルニア国物語』とならび称される、世界的ファンタジーの傑作「ゲド戦記」。主人公のアレン役には、岡田准一。今年に入って、『花よりもなほ』をはじめ立て続けに主演映画が公開される中、ジブリ作品でも、その存在感をアピールすることになります。ヒロインであるテルー役には、主題歌、挿入歌を歌う手嶌葵。彼女の歌声に惚れ込んだ吾朗監督が抜擢しました。少年アレンと大賢人ゲドの旅を通して、「この時代を、まっとうに生きる」ことの意味を世に問う、スタジオジブリ最新作『ゲド戦記』ご期待ください。(作品資料より)

《公開時コピー》見えぬものこそ。
【ストーリー】
かつて人と竜はひとつだった。

物語の舞台は、多島海世界“アースシー”。西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の世界である東の海に現れた。それと呼応するかのように、世界では、さまざまな異変が起こり始めていた。農民は田畑を捨て、職人は技を忘れモノを作らなくなった。街では、人々はせわしなく動き回っているが目的を失っているように見えた。そして、世界は魔法の言葉を忘れつつあった。世界の均衡(バランス)を崩す者の正体をつきとめる旅に出た大賢人ゲドは、国を捨てた王子アレンと出会う。

感想:

ゲド戦記、しばらく自分の研究テーマでしたが(←おおげさだの)ようやく映画の完成を観れました。

原作と比較してどうの、、っという感想にはしたくないんですけど、どうしても、この映画はそうなってしまうかも。

そしてゲド戦記もジブリも好きなので 批判的なことは言いたくありませんが、ついつい、いろいろ感じてしまいました~。
子供たちは(原作知らず)面白かったと言ってます。



以下ネタバレ↓ いろいろ気になった点

映画での 主要人物

・ゲド   ローク魔法学院の大賢人(魔法の長たちの総長)
・アレン  王子 
・テナー  元 アチュアン墓所の大巫女 アルハ(囚われし者)
・テルー  実の親のから虐待 顔にアザ テナーのやしない子
・クモ   魔法使い ゲドと因縁あり

彼らの関係は、会話の”むかしなじみ” という言葉が何度か出るように、<ゲドとテナー> <ゲドとクモ>には 若い頃の因縁があります。


そのうちの三巻目を映画化したということですが、全体のエピソードが少しずつ加わってます。三巻目だけをスンナリ映像化しただけでは、三巻目のテーマが完結できないのでしょうか。何故 テナーやテルーを登場させたんだろう?確かに三巻目には 女ッ気がまるでないからね~。鑑賞中は例によって、ついつい原作での内容を補足しつつ見てしまいました。 


・ゲド戦記1巻「 影との戦い 」から
<自分の影と戦う>のは、原作ではゲドでした。映画ではアレン。自分の影に脅える青年ですね。何故<影>が生まれたか、<影>とは何か、何で脅えてるのか、映画ではよく分からないです。アレンが何故、父を刺し国を出てきたのやら??。。国に広まった混乱・魔法力の弱体化のひとつの例という事でしょうか。原作では、アレンの目的意識は、はっきりしてます。国を出奔したのではなく、国からの使者として、ローク学院にゲドを訪ね、共に旅に出ることを依頼します。ゲドにイラついたり、誘拐→奴隷→ゲドに救出 のエピソードではもっとシャキッとしてましたがね~。 映画では、2人は旅で偶然出会う。なんか曖昧な出会い方に感じます。

もうひとつの不満は、アースーシー多島界世界での<魔法>のありかた、牧歌的なにぎわい、素朴な人々というのがなかった点です。 冒頭の海での、竜を見上げて驚く船乗りたちは良かった。クモの手下、テナーに薬を貰う陰険そうなオバはんたち、は矮小な感じで嫌でした。町の情景は、さすがに細かく綺麗でした。

・ゲド戦記2巻「 こわれた腕環 」から

テナーは元<アチュアン墓所>という神殿の大巫女だった。その役割は、幼い頃2~3歳時に運命と言いくるめられて差し出された人身御供。神殿の巫女という名は立派でも、実質はなにも中身のない恐ろしい場所だった。「あなたさまは食らわれし者。心は もはやないのです。」と身辺の者に育てられてきたが、あるとき、伝説の”腕輪”を探しにきたゲドに出会うことにより自我に目覚め 救い出される。ゲドの育った小屋に連れて行かれ、人としての暮らしを始めて体験する。<アチュアン墓所>からの脱出から ゲドとの再会までは20年余があり、テナーはその間 結婚し、妻として母として過ごす。やがて夫は死に、子供たちも独立した頃に ひどい虐待を受けて死にそうだった女の子テナーを引き取る。
わたしはテナーは好きです。 第2巻もとても好きです。 ゲドとの20年ぶりの再会にも勝手に盛り上がってました(笑)。

・ゲド戦記3巻「 さいはての島へ 」から
<生と死><光と闇>のテーマ
映画では、ゲドとアレンのコンビはあまり面白みがないですね。原作でも、別にジョークを飛ばしたりはしないけど。それと、原作での海や竜の魅力が感じられなかったのが残念。 最後の戦いが 普通の島の普通の塔の上で 終わっちゃった。この世とあの世の境、アースーシー世界の果ての果てへの旅がいつ始まるんだ?っと思っていたんですけどね。竜の飛び交うさいはての島には ついにいかずじまいでしたね。


・ゲド戦記第4巻「 帰還 」から
ゲドは3巻での戦いで すっかり魔法の力を無くしてしまう。この世とあの世の境の扉を閉め、竜に乗って帰る。 帰る先がテナーの待つ小屋。テナーの引き取ったテルーと三人で暮らし始める。 かつての大賢人と大巫女と竜の娘の家族なわけだ。
ゲド戦記シリーズで好きなのは ここまで。第5巻「アースーシーの風」と第6巻「外伝」は どうも集中できませんでした。<竜>に比重が移っていったせいかな。しかし、テルーもそうだけど、竜に変身するエピソードは女がつづいてましたね。人間界では 女はきわめて弱い。テルーの生い立ちはそれの最たるものですが。すべてのしがらみも弱さも醜さもすべて捨てて ひたすら自由な空へ、。 

シュナの旅
・もうひとつの原作

この映画の原作「ゲド戦記」ともうひとつ「シュナの旅」という絵物語本が パンフレットに紹介されてました。「シュナの旅」は 宮崎駿が「ゲド戦記」をインスパイアして書いた作品。少年が旅に出て少女に出会って ~~というはなしらしいですね。ナウシカと同時期の作品だそうで、駿氏は、吾郎氏に、「シュナの旅」の絵やストーリーも参考にするようにと示唆したそうです。 
映画でアレンがラストを飾ったのはそっちのモチーフからでしょうか。




『ゲド戦記』は この映画がすべてではく、すべては原作にあり、という感じです。

映画鑑賞後すぐで、感想もよくこなれてませんが、とりあえず見て感じたことは こんなとこでしょうか。 



明日から 田舎に帰省します。

スタジオジブリ
ゲド戦記公式サイト
ゲド戦記 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゲド戦記全六巻
宮崎駿監督の息子が「ゲド戦記」で監督デビュー(eiga.com ニュース&噂)
「ゲド戦記」宮崎駿監督に認められた

新星堂
「ゲド戦記・オリジナルサウンドトラック
「手嶌 葵 | ゲド戦記歌集」
「手嶌 葵 | テルーの唄」
「II~宮崎アニメ作品集」

ファンタジー本 ゲド戦記
第一巻 『影との戦い』原作本感想   A Wizard of Earthsea 1968
第二巻 『こわれた腕環 』原作本感想 The Tombs of Atuan 1971
第三巻 『さいはての島へ』原作本感想 The Farthest Shore 1972
第四巻 『帰還』原作本感想       Tehanu 1990
第五巻『アースシーの風』The Other Wind  2001
第六巻『ゲド戦記外伝』 Tales from Earthsea
「ゲド戦記」日記 映画と原作
「真の名前」が重要な意味を持ち、太古の言葉が魔法の力を発揮する世界「アースシー」。「アースシー」を舞台に、魔法使いゲドの人生のそれぞれのステージを描く、深い哲学的テーマを抱いた傑作ファンタジーです。2001年に最新刊「新しい風-ゲド戦記5」を発表してファンを驚かせたアーシュラ・K・ル=グウィン氏。普遍的なテーマをふくんだこの作品は、時間を経て読み返すとまた違った感動が発見できます。未読の方はもちろん、すでに読まれた方もぜひ再読を。
ゲド戦記 (岩波書店サイト内) / ゲド戦記の映画はなぜ第3巻なのか


ゲド戦記 アースーシー地図






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最終更新日  2008年08月05日 22時55分34秒


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