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2006年03月03日
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テーマ: 映画と原作(88)
カテゴリ: 海外文学
ゲド戦記II こわれた腕環  『こわれた腕環 ゲド戦記II』The Tombs of Atuan (原作1971年 邦訳1976年)

青年、ゲド、迷宮で少女に会う ~ 目覚め ~

アースシー世界では,島々の間に争いが絶えない。力みなぎるゲドは,平和をもたらす不思議な腕環を求めて旅し,暗黒の地下で迷宮を守る巫女の少女と出会う。

魔法使いのゲドが〈影〉と戦ってから数年後、アースシーの世界では、島々の間に紛争が絶えない。ゲドは世の中を平和にする力をもつという<腕環>を求めて、アチュアンの墓所へゆく。墓所を守る大巫女アルハは、運命を受け入れた生活に満足して生きてきたが、ゲドの語る外界の様子を聞いて、自分の生き方に疑問を抱き始める…。




『こわれた腕環 』 The Tombs of Atuan ●第2巻は 少女の目覚めの物語

一人前の魔法使いとなった青年(20代後半~30代)ゲドの姿が、少女テナー(15歳頃)の視点から描かれています。ゲドの物語としても読めるが、主人公はテナー。二巻目だけで独立した話として読めます。

「あなたさまは食らわれし者。中身(魂)は、名なき神々にささげられました。もうなんにもないのでございます」

テナーは幼くして、恐るべき闇の存在に支配されたアチュアンの墓所の大巫女アルハとなる。アルハとは「喰らわれし者」の意味。老巫女から繰り返し言われ、闇の守り手として育ったテナーは、真の名前も忘れてしまった。人間として生まれながら、中身(魂)がない空っぽということはどうだろう。。テナーの魂は本当に無くなっているのか。ある日、墓所の暗闇でアルハはあわい光と出会う。伝説の<腕環>を探しに来たゲドとの出会いだった。


●童話性

単純に言えば、ゲドが王子様?、アルハはお姫様というわけ。「眠れる森の美女」とか「ラプンチェル」の童話のように、女の子の目覚めには王子様は欠かせませんね。ただ、物語は白い馬に乗ったゲドが颯爽と登場して、というのではないですが。テナーが人間性を取り戻していく過程には、ファンタジーで童話性を帯びた比喩がいろいろあるようです。


●アルハかテナーか

「決めるんだ。テナー。どちらかに決めなくちゃいけないんだ。(中略)アルハになるか、テナーになるのか。両方同時にはなれないんだ。」

アルハ = ◇悪の象徴 ◇墓所内での権力者 ◇約束された永遠の命 ◇馴染みの場所




選択の時ってありますよね。 5歳の時から、いびつな世界に閉じ込められて育てられたのに、その感覚は割とノーマルなテナー。5歳までの体験と、持って生まれた伸びやかさのおかげでしょうか。大魔法使いゲドには似合いの女性ではありませんか。けれど、ふたりはそのままめでたしめでたし、、となるわけではありません。長い空白期間があります。この巻を読んだあと、二人の再会の巻「帰還」が無性に読みたくなりました。




「あんたはたしかに邪なるものの器だった。だが器はあけられた。ことは終って邪なるものはその自らの墓に埋められたんだ。(中略)あんたはあかりをその身に抱くように生れてきたんだ」

ファンタジー本 ゲド戦記
第一巻 『影との戦い』原作本感想   A Wizard of Earthsea 1968
第二巻 『こわれた腕環 』原作本感想 The Tombs of Atuan 1971
第三巻 『さいはての島へ』原作本感想 The Farthest Shore 1972
第四巻 『帰還』原作本感想       Tehanu 1990
第五巻『アースシーの風』The Other Wind  2001
第六巻『ゲド戦記外伝』 Tales from Earthsea
「ゲド戦記」日記 映画と原作
ゲド戦記映画鑑賞感想
「真の名前」が重要な意味を持ち、太古の言葉が魔法の力を発揮する世界「アースシー」。「アースシー」を舞台に、魔法使いゲドの人生のそれぞれのステージを描く、深い哲学的テーマを抱いた傑作ファンタジーです。2001年に最新刊「新しい風-ゲド戦記5」を発表してファンを驚かせたアーシュラ・K・ル=グウィン氏。普遍的なテーマをふくんだこの作品は、時間を経て読み返すとまた違った感動が発見できます。未読の方はもちろん、すでに読まれた方もぜひ再読を。
ゲド戦記 (岩波書店サイト内) / ゲド戦記の映画はなぜ第3巻なのか






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最終更新日  2008年08月05日 23時08分07秒


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