Gゼミ塾長日記

Gゼミ塾長日記

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2013.03.16
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カテゴリ: 塾や生徒の様子

ある中3生(男の子)の話です 

その子は中3の春に入塾

学力は入塾時に平均程度(偏差値50) 

そのときの志望校は、ちょっと努力すれば行ける程度の高校でした 

しかし、「 本当に行きたい高校はそこなの?」

これからグーンと学力が伸びたとしても、そこの高校を受けるの?

そう尋ねると

いやあ、できることなら〇〇高校(トップ校)に行きたいですよ 」 

本音は違っていたのです

いいか、本当に行きたい高校を目指せ。最終的にどうなるかなんて、誰も分からない。本当に行きたい高校をはなっからあきらめたら、、これから妥協妥協の人生になるぞ 」 

こう話したものの、彼は「はあ」と半信半疑な様子 

お前の力なら十分に狙えるようになるよ。自分のことを自分で信じないで誰が信じるの?自分を信じてやってみようぜ、協力するからさ。 」 

そんな会話を交わしたのがちょうど1年前

彼が中3生になったばかりの頃でした 

その子は、もともと努力家だったのでしょう

半信半疑の状態ながらも、コツコツと努力を重ねてくれました

ただ、学校のテストと違って、実力は簡単には伸びません 

夏が終わり、秋が過ぎ、受験期に入っても

本当に行きたい高校のレベルにはなかなか届かない

コツコツやっていれば、学力がグーンと伸びる時期がやってくる。そこまで我慢できるかが勝負。あきらめずに続けることが大切。

授業を通して、ずっと伝え続けました

しかし、1月になりいよいよ志望校決定まで間近になったときに

先生、やっぱり下げます

その子が僕にそう言ってきました

そうか、いいよ。お前の人生だから、お前が決めた高校を受験すればいい。

ただ、本当に後悔はしないか、よく考えたな?

はい、後悔しません。大丈夫です。

と答えていましたが、どうも腑に落ちない

声のトーン、表情、しぐさ… どうも 本音ではないような感じがしたのです

これは、腹を割って話したほうがいいと思い

1対1で話すことに

すると、その子が弱気になっている理由が分かりました

・中学校の先生に昔「お前なんて行ける高校はないよ」そう言われた

・言われたときに非常に悔しく、屈辱だった

・だから、「俺にも行けるんだよ」ということを示すためにも 落ちることだけは嫌だ、絶対に受かりたい

・受かるためなら、志望校をワンランク落としてもいい

理由はこういうことでした

でも、中3になってから勉強頑張ってきたよな。夏休みも年末年始も、1日10時間以上頑張った。ここまでやったのは、その先生を見返したいという思いだよな。だったら、その先生のおかげで頑張れたんじゃないのか?」

もう、そのときの屈辱は忘れていいんじゃないか?これからは自分の想いを一番に考えていいんじゃないか?自分がこれからどうしていきたいか。どういう道を進んでいきたいのか。それを最優先に考えてみたらどうだ? もう、矢印を過去ではなくて、未来に向けみてもいいんじゃないか?

そんな内容の話をしたと記憶しています

その上で、しっかりと志望校を選ぶように伝えました

私立になると、お金のことも出てきますから

お家の人を交えてしっかりと話すようにと

それで出した答えならば、それが最良の選択だろうと

翌日、報告に来てくれたその子は、憑き物が落ちたような顔をしていました

先生、〇〇高校に挑戦します

本当にいいのか?後悔はしないんだな?

はい、そこが自分が一番行きたい高校ですから

前とは明らかに表情が違う、何か吹っ切れたすがすがしい表情

それが、受験10日前の出来事

そして、受験当日

はっきり言うと、会心の出来ではありませんでした

計算では合否ラインギリギリの点数 

しかし、本人は落ち込む様子はまったくなく

これが僕の力です。挑戦したことに、まったく後悔はしていません。 」 

笑顔でそう話してくれました

そして先日の合格発表

見事、合格 

報告に来てくれたとき

彼はまだ現実と思えないような顔をしていました

本当に受かったんですかね?

うれしさと困惑が入り混じったような表情

その表情を僕は忘れることはないでしょう

努力で自分の進む道を切り開いた

過去の呪縛に縛られた自分を直視し、逃げずに向かっていった

この生徒は受験を通して、人として大きく成長してくれたと思います

塾に入ってきたときとは、まるで別人になりましたから

そして、受験が終わって数日後

彼が提出してくれたアンケート

アンケート.jpg

そして、その子のお母様が書いていただいたアンケート 

アンケートお母様.jpg

ありがたいお言葉をたくさんいただきました

涙が出るくらいうれしい言葉です 

ただ、人生を変えたのは僕らじゃありません

彼が自分の決断力と努力で変えたんです

僕らは背中をちょっと後押ししてあげただけですから

きっとこの子はこの経験を糧に

新しいステージでも輝いてくれることでしょう

「〇〇人合格」と書かれた、無機質な数字の裏には

その人数分だけのドラマがあります

どれもこれも、筋書きのないドラマ 

そこに関わっていけることが、塾講師の最高の喜びであり

最もやりがいがあることなのだと

改めて強く感じました






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最終更新日  2013.03.16 17:25:45
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