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ぶりっ子(The pretender)
「ぶりっ子」は、「いい子ぶりっ子」「しったかぶりっ子」の略だといわれる。
多くの場合「知識・教養をひけらかす見栄張りの気取り屋」の意味で否定的に使われる。「気取る」イコール「ぶる」であり「気取り屋」イコール「ぶりっ子」である。
自分を「教養があり、粋で洗練され遊びを知っている、都会的な趣味の持ち主」であるとし、上品ぶって振る舞おうとする人。自分の愛好する趣味や学芸を至上のものと考え専門的な学問や知識を鼻にかける人。他人と違う存在をアピールしたいが気取っているとは思われたくない人達のことである。「振舞う」「鼻にかける」が、「ぶる」である。
ぶりっ子達の、嫉妬(しっと)や意地悪には不快感があるが、ぶりっ子同士の絶妙な皮肉や共感もある。その奥行きの深い面白さにはまってしまう人も多い。
ぶりっ子の専門分野は人によって違い、また複合化していることも多い。
これまでの一般的に言われてきた「マニア」「フリーク」「オタク」などとの違いは、興味の対象が大衆的文化(粗末)ではない「立派」なものという自覚、自己顕示の欲求は強いが社会性において異質でないという自覚、創作活動はほとんど他人まかせなのに自分の知識に対する「社会(他人)」の評価を気にすることなどである。
オタクが社会から差別的にあつかわれていること、同時に社会に溶け込んでいく両面性へのアンチテーゼとも言える。そして、ぶりっ子においては、オタクのようなオタク同士の評価は二の次となる。
ジャンルは「ワインぶりっ子」「エルメスぶりっ子」「デリヘルぶりっ子」「蕎麦ぶりっ子」「エロゲーぶりっ子」「FXぶりっ子」「自転車ぶりっ子」「相撲ぶりっ子」など多岐にわたる。
日本人の好きな雑学は、まとまっていない知識のままだとオタクでカッコ悪いものにうつる。これでは気持ちよく「ぶる」ことができない。
しかしこれらの興味が人数的にまとまると(後述)、専門的な○○道へと進化する。実際はオタク文化の延長でしかないのに、体系化されていく専門雑学知識を学び、知識は正しいか正しくないかの二極の判断のための道具へと向かっていく。(ハードぶりっ子参照)
また、ぶりっ子は大局に関係しない細部にこだわる。差異をより細部へとマニアックに追求することが快感となる。だからフェティシズム(fetishism)とも深く関係する。このような特性は総ぶりっ子時代とも言われる現代日本人の特徴を表している。
多くの日本人がなぜぶりっ子へ向かうのかは、常にアンテナを立てているような社会生活に原因がある。近くの誰かが何かを始めると、隣の誰かも始める。するとそこに競争が生まれる。他者よりも少しでも先へと差異化を求める。やがてメンバーが増え、知識は様式化され、文化へと成熟していく。
ぶりっ子は、その滅多に役に立たない知識が役に立つのを望むのではない。自分が選択した専門性のある競争の中でも、自分は先行した知識の持ち主であるということを何気なくに鼻にかける(ぶる)ことが無常の喜びなのである。
結局、個性的に振舞っているつもりでもぶりっ子の行動は集団化していくことで成り立つ。○○評論家とか○○ソムリエもぶりっ子の亜種である。また、体系的だといっても結局は雑学の範ちゅうなので、ぶってることがみんな同じだったり、ぶってることがみんなバラバラだったりする。ぶりっ子同士が「ぶり」合うのはとてもみにくいので避けねばならない。
そして、差異化を求めると、経済力のあるぶりっ子が優位に立てることが多い。経済力にものを言わせた体験による知識の力は強い。金があればなんでもできるが、金がなければなにもできないというむなしい知識獲得競争あるいは知識お披露目競争になりがちになる。しかしこれはこれで、大きな市場を生み経済効果となった。
そして経済危機の昨今、「ネオぶりっ子」という新しい人種が現れた。
これは、金銭をかけずに獲得した知識と、ウソの経済的体験でもって、見せかけの自分の価値を高める人達である。
言ったことのない場所、食べたことのない料理、飲んだことのないワインなどを知識武装によって体験したことにする(ぶる)。
高額な山、家、自動車、化粧品、宝石、美術品、ブランド品、電化製品、竿などを知識武装によって所有していることにする(ぶる)。
有名、著名、少々やばい人物と知り合いなことにする(ぶる)。
これは、大変困難なことに思われるが、全てを「ぶる」わけではない。効果があがる架空の経験をいくつかでっち上げるに過ぎない。ウソがばれにくい体験を吟味すればよい。ただ、あまりに過大なウソをでっち上げると「証拠」を求められる心配もある。
カリフォルニア大学のハリソン教授(Dr. Harrison Ford)は著書において、この偽造体験の[影響度:パフォーマンス][ばれる確立:リスク]の積を評価の尺度とした(1981年「 Raiders of the Lost Ark 」)。
さらに[影響度:パフォーマンス][ばれる確立:リスク][保険:リカバー]の積に修正した(1982年「 Blade Runner 」)。
いかにしてもリスクはゼロにはならないが、それを背負ってでもぶりっ子を続けていきたいということである。
いずれにせよ、ぶりっ子の初期段階「プレぶりっ子」を含めると、ぶりっ子は全国で三百万人を超えたといわれる(村野総合研究所)。企業も消費者層として無視することはできなくなった。
海外でもぶりっ子はブリックス(Brics)、ブルズ (Bulls) などと呼ばれ、特に、経済発展が著しいぶりっ子大国、ブラジル、ロシア、インド、中国の四カ国をBRICs(ブリックス)と呼ぶ。米国NBAの名門、シカゴ・ブルズ (Chicago Bulls)のチーム名の由来もぶりっ子とされている。
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