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おはようございます。
古典部シリーズ以外は、文庫になっているものはこれで終わりでしょうか。
「春期限定いちごタルト事件」
(米澤穂信先生・年 創元推理文庫)
小鳩くんと小山内さんの小市民シリーズ・第一弾。
ようやく読みました^^。
第2弾、第3弾から先に読んでいたので、だいたいキャラクターを掴んでいた・・・つもりだったのですが、
導入部分ということで・・・なるほど、
この少々説明しづらい二人のキャラクター・二人の関係が、
こういう風に登場していたんですね・・・!
お・・・おもしろいな、これ;;
やっぱり、米澤先生の作品の中では、軍を抜いてキャラクターに寄ったシリーズだなぁ・・・と思います。
そしてじわじわ来る!
小山内さんの描写がやっぱり見どころでした。
小鳩くんの一人称でずっと語られるストーリーは、どうでもいい物事を謎にすり替えて(病的なほど)いきながら進みますが、
最終的に・・・とにかく彼女を魅力的に言い表しちゃうんですよ;
一見では、小さい、ふるふるした小動物のような印象と、
その裏に隠された「行動力抜群の復讐魔」というミステリアスな本性。
可愛くない・・・本当に;関わりたくないです。こんな娘。
まぁ・・・小鳩くんも小鳩くんであんなんですし;
自分たちが分かっているから、「小市民」なんて目指しているんですけど。
小鳩くんにも小山内さんにも
共感が出来るわけではないのですが・・・
このシニカルな子たちが、じわじわと落ちてくるんですよ;
いちごタルトの印象は、トロピカルパフェと似てました。
お話筋の感じとか。
栗きんとんだけ、かなり違う作品でしたが。
でも、小市民を目指しているうちに、
こう・・・焦ってがむしゃらに走らなければならない場面が出て来るという、
面白さですね。
これは共通してました。
それが、小鳩くんにとって小山内さん関連ばかりです。
気づいたらがむしゃらで。
小鳩くんは・・・私的には何にも共感できない子なんですが、このテンション筋にだけはついていけちゃう;
でもやっぱり彼になっているわけではなくて、横で観てる感覚です。
焦ってるのを観ると・・・可愛く見えてくるんですよ。
そんな感じです。
小山内さんは見えてこないけど。
うん・・・なんか上手いこと感想が書けません;
正直なところ、最初は「微妙だなこのシリーズ」と思っていた節はあったのですが、
気づいたら・・・あれ?結構好き・・・?みたいな;
気づいたら・・・いいじゃんコレ。みたいな;;
そんなじわじわシリーズです。
春・夏・秋と・・・どんどん関わる事件が 重くシリアスになってきているのも気になるところ。
冬期限定
気長に待たせていただきます。
by姉
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