ゲミュートリッヒな暮らし~Seit 2005
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「うまい!海軍めし」 というレシピ本の中で、「ドライカレー」というレシピがある。旧日本海軍の潜水艦で作られていた料理だ。材料を見て「いかにも潜水艦らしいなー」と思った。肉はコンビーフの缶詰を使用し、りんごやじゃがいもは乾燥させたものを使う。ドライカレーに仕上げるのは、やはり水を節約するからなのだろう。とりあえず本の真似をして作ってみた。まず、玉ねぎとじゃがいもを細かく包丁で切り、フライパンで軽く炒める。火が通ったら小麦粉とカレー粉を混ぜて弱火で炒める。いい感じに香りが出てきたら、少しずつ水を加えてドロドロにする。 細かく切ったりんごとコンビーフを加え、塩コショウ・コンソメなどをお好みで加え、食べるにちょうどいい熱さになるまで火を通す。ドロドロだったカレーも水分が抜けて、ちょうどいいドライカレーになっていく。実際はレシピどおりにいかんかった。レシピでは、らっきょう漬けや紅しょうがまで加えているが、個人的には無いほうがいいと思う。それと、レシピ通りに作ったら明らかに二人分の分量になってしまうし、猛烈にクドい。レシピでは、コンビーフに加えてハム300gも加えるとあるが、とんでもない。ハムは割愛した。しかも材料を炒めるのにヘットを使うとあるが、クドくて気持ち悪いのでサラダ油で代用だ。20代の水兵さんならともかく、中年過ぎたら明らかにメタボ直行である。当時の潜水艦乗組員の任務は過酷過ぎる!伊号潜水艦(大和ミュージアムにて)この猛烈にメタボなドライカレーだが、太平洋戦争中の日本人にとってはご馳走だったに違いない。もっとも、潜水艦乗員の任務は過酷なので、食料品は優先的に割り当てられていたらしい。 そうは言っても、積む場所に制約があるのが潜水艦。生鮮食料品も多く積めないので、缶詰に頼るしかなかったという。艦内で料理できるだけまだマシで、旧型の潜水艦となるとキッチンも無く、缶詰と弁当を食べるしかなかったそうだ。新鮮な食べ物どころか新鮮な空気も吸えず、何週間も缶詰にされた生活・・・しかも敵艦から爆雷でも投げつけられたら最期、あとは「鉄の棺桶」となって深海深く沈んで行くしかない・・・。想像しただけで気が滅入ってくるが、このドライカレーを食べた男達のいったい何割が生きて故郷に帰れたのだろうか。彼らの犠牲があって今の日本がある。コンビニ行ったらカレーライスなどすぐに買ってこれる、今の私たちの幸せぶりを改めて噛み締めておきたい。 自分でつくるうまい!海軍めしということで、いろいろ参考になったこの本。また面白い料理が出来たらネタとしてUPしていきます。それでは最後に・・・敬礼!海上自衛隊の写真集もあります写真集はこちらから・・・
2012.03.24