海外旅行紀行・戯言日記

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2003.07.21

セザンヌ－フィラデルフィア美術館（画像付）

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テーマ：海外旅行・トレッキング体験記(661)

カテゴリ： Overseas US

フィラデルフィア美術館には、世界的に名を知られた名画が収蔵されています。

ニコラス・プーサンは古典派に属するフランスの画家で、「ビーナスの誕生」は1635年に描かれたものです。
ビーナスは彼女に従う海豚、乙女達、花を振りまく天使に祝福され凱旋しつつ、海を渡って来る壮観な場面を描いています。海神ネプチューンも海馬に跨って彼女に寄り添い誕生を崇めていますし、トリトンもトランペットを吹いて祝福している情景です。
この絵はカテリーナ女帝の時代にロシア宮廷のコレクションとなりましたが、1932年ソ連時代にフィラデルフィア美術館が購入し、現在に至っています。

ウィリアム・ターナーは激動する情景を独特の絵画方法で、表現する優れたイギリスの画家で、「国会炎上」は1835年に描かれたものです。
1834年10月16日、ロンドンの国会議事堂が炎上し、殆ど全体が焼き尽くされました。画家はテームズ川対岸から野次馬と共に観察し手早くスケッチを取りました。彼は翌年油絵を二枚描いたのですが、ウェストミンスター橋は激動効果を高める為に相当デフォルメしたのです。
他の一枚はクリーブランドで所蔵されています。

ポール・セザンヌは後期印象派と現代画家を橋渡しする位置にある画家です。この「大浴女」は1898年から死の前年1905年迄に推敲されながら制作されました。

セザンヌは所謂画壇との接触は避け、19世紀に優れた題材としてのヌードは無視し、風景、静物、肖像画を題材として、孤高の画業を続けました。
このヌードの女性群も、マスとして題材として処理され、背景の樹木の処理も現実にはあり得ない三角形の構図に変換されています。彼は絵画は全て幾何学で処理すべきだというのが持論で、この絵も20世紀の立体派への橋渡しとなった傑作です。

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