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野田首相は12日、民主党代表選の公開討論会の席上、代表再選後の内閣改造・党役員人事と補正予算編成に言及した。これらを布石として、この秋の臨時国会会期中にも衆議院解散に踏み切る意向をほのめかしたものと広く受け止められている。野党側は現在、特例公債法案(赤字国債発行法案)を人質に、審議拒否などで与党を兵糧攻めで日干しにしているところで、民主城の陥落も時間の問題である。兵糧攻めは時間と手間がかかるが、勝利が確実で味方の犠牲がほぼないことなどから、戦国武将がよく用いたことはご存知の通り。現状は、将棋でいえば詰んでいる、囲碁でいえばアタリ、北斗の拳でいえば「お前はすでに死んでいる」である。ただ、この戦術に対し、民主党寄りの一部マスメディアからの、批判のためにする批判が高まることも予想されるが、これはうんざりするほど残暑厳しき折にふさわしいガマン大会であり、チキンゲーム(弱虫ゲーム、度胸比べ)というほかはない。なお、「干す、干される」のは芸能界などでもしばしば見られる現象で、名指しは避けておくが、今も話題になっている芸能人が直ちに何人か思い浮かぶのは皆さまもご同様だろう。これを本気でやられたら、ひとたまりもないですな。野党側の本音は、ドラマの刑事が苦労して逮捕した犯人にいう言葉「あんまり手間かけさせんなよ」あたりであろうか。上から目線ではあるが、事実その通りだから仕方がないわな。早いとこ大将の首を差し出して降伏する(内閣総辞職)なり、玉砕覚悟で最後のいくさに打って出る(解散総選挙)なり、態度をはっきりしてもらいたいものである。そんなこんなで、政局はいよいよ天下分け目の決戦に向けて、臨戦態勢の緊迫した局面を迎えつつある。■ 首相、補正予算・改造に言及 ── 衆院解散念頭か【共同通信配信 13日付 各地方紙・スポーツ紙 掲載】 野田佳彦首相(55)は12日午後、日本記者クラブが主催した民主党代表選の公開討論会で、景気対策を盛り込んだ2012年度補正予算を近く編成する方針を表明した。代表再選後に内閣改造と党役員人事を実施する意向も示した。補正予算と人事刷新により政権浮揚を図る狙いとみられ、衆院解散が念頭にあるとの見方も広がりそうだ。 討論会には、首相に対抗する赤松広隆元農相(64)、原口一博元総務相(53)、鹿野道彦前農相(70)とともに臨んだ。 首相は補正予算に関し、4~6月期の国内総生産(GDP)改定値が下方修正されたことに触れ「注意しなければならない状況になってきた」と指摘。「景気は気を抜くと失速する可能性がある。補正をどこかでやらなければならない」と明言した。具体的に企業立地補助金や中小企業再建支援のグループ補助金を挙げた。 補正予算は日本経済の足かせになっている円高、デフレ対策や中小企業支援、大規模災害に備えた防災、減災事業の追加が柱になる見通し。財源は11年度予算の使い残しである剰余金などに限られており、大規模な財政出動は難しそうだ。 今後の政権運営に関しては「代表に再選された暁には、民主党としての力が政府の中でも党としても遺憾なく発揮できるよう、よりチーム力が増す配置をしっかりやりたい」と強調した。 「近いうち」としている衆院の解散時期については「首相の専権事項の中で判断する」と述べるにとどめた。臨時国会は10月初旬の召集が想定される。召集直後の解散との見方もあるが、首相が補正予算の成立を優先すれば数週間ずれ込む。 社会保障と税の一体改革に関する自民、公明両党との3党合意を3党の党首選後に再確認する考えも示した。 赤松氏は一体改革に関し「消費税増税先行」と批判。低所得者対策として軽減税率の導入を求めた。原口氏は「原発ゼロ」達成年次の前倒しを主張した。鹿野氏は党内融和を訴えた。[共同通信]■ あなたが自民党総裁にふさわしいと思うのは誰ですか?【週刊文春ウェブ メルマガ読者緊急アンケート】
2012.09.13
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自民党の谷垣禎一総裁(67)は10日午前、東京・千代田区平河町の党本部で緊急記者会見を行い、自民党総裁選(14日告示、26日投開票)に出馬しない意向を表明した。これを受けて、石原伸晃幹事長(55)は、11日にも正式に立候補を表明する見通し。これで自民総裁選は、ほぼ同世代の安倍晋三氏(57)、石破茂氏(55)、石原氏の三つ巴の構図となることが確定した。 ひと回り上の町村信孝氏(67)は、いわばダークホース的な存在として虎視眈々と漁夫の利を狙う独自の戦い。林芳正氏(51)は、今回はとりあえず顔見世興行でメジャーデビューのお披露目ができれば上々か。総裁選の当選者は、衆院総選挙を経て次期首相に就任することが濃厚。谷垣氏は、今回の引き際が潔(いさぎよ)いことから、野党トップとして尽力してきたこれまで3年間の功績もあいまって、今後も党内に影響力を残し、重要な閣僚や党役員人事などの役職面で相応の処遇を受けると見られる。良くも悪くも長幼の序を重んじ「敬老精神」が旺盛な自民党の気風の中で、独断専行と見られた谷垣氏が浮いてしまい、森喜朗氏・古賀誠氏、青木幹雄氏など隠然たる影響力を保つ長老連中から見放されたのは誤算であり、われわれから見てもやや意外な事態だったともいえる。告示・立候補の締め切りが迫る中、こうした党内情勢もにらみつつ、石原幹事長が土壇場で反旗を翻したことはやむを得なかった。谷垣氏周辺から洩れている「明智光秀」などの罵詈は、明らかに言いすぎであろう。マスメディアの好餌となり、国民の目に触れることになる。仮にも同じ党の前途ある有力者に対して、そういう醜悪な言葉を軽々しく言うべきではないだろう。ここは自重してもらいたい。谷垣氏は、このまま人気が低迷し党内の支持が得られないまま総裁選に名のりを挙げても、下位で落選する可能性が高い情勢だった。そうなれば現役総裁としての面目は丸つぶれで、政治生命が絶たれる惧れすらあり、今回は身を退くのが相当と判断した。谷垣氏にとって、ある種の究極の選択だったといえる。政治家にとって、出処進退・辞め際の振る舞いは最重要ポイントである。来たるべき衆院総選挙に向けて、谷垣氏では迫力不足との党内の声に素直に応えて隠忍自重し、石原幹事長に道を譲る形で出馬を踏みとどまったことは、きわめて賢明な大人の判断であり、大きな得点となった。高く評価されてしかるべきだろう。谷垣氏は、誠実・実直な人柄で知られ、「平時」であれば十分に実務能力を発揮できる人物であろうが、いかんせん現在は総選挙をにらんだ「大乱」の政局である。人間にはそれぞれ向き不向きというものがある。今はひとまず若い後進に道を譲って撤退し、他日を期してもらいたい。谷垣氏が国家国民のために力を揮う時は来ると思う。一方、民主党代表再選が確実となった野田首相は、やはり寝技・裏技・二枚舌も遣える免許皆伝の野ダヌキであった。谷垣氏を翻弄して今回の出馬断念に追い込んだのもその手練手管の一環だったといえそうだが、ここへきて首相はさらに、大敗必至といわれる解散総選挙の先送りを画策しはじめたともいわれる。首相の焦燥感はある意味当然だろうが、早晩行き詰まることが明らかな国会の状況を見れば、延ばしに延ばしてもせいぜい年内いっぱいが関の山と思われる。どう見ても年越しは無理であろう。・・・野党からすれば、「往生際」のお手並み拝見といったところである。■ 野田首相 解散に踏み切るかどうかは自民総裁選の結果次第の見方 【週刊ポスト 9月21・28日合併号】この記事によれば、民主党を含む「三党合意路線」に一定の距離を置き、維新の会などとの連携を模索する安倍首相・総裁の実現は、野田首相と民主党にとって是が非でも阻止したい最悪のシナリオであることがよく分かる。自公民路線の石原首相・総裁であれば、万々歳というところであろう。しろうとの私ごときが、どちらの路線がいいとか悪いとかをうんぬんするのは控えるべきであろう。ただ、今後の政界再編含みの政局を考えると、次の自民党総裁に誰がなるかによって、事実としてそういったニュアンスの違いがありうるということである。
2012.09.10
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蹉跌した民主党政権の瓦解が時間の問題となった今、当面の政局の焦点は事実上の次期首相を選ぶ自民党総裁選挙に移った。この秋に行われる見通しの衆議院解散・総選挙へ向けて、永田町は激動の兆しを見せはじめている。民主党代表選挙では、有力な対抗馬のない野田佳彦首相の再選が確実となっている。野田内閣はこれ以後「選挙管理内閣」となり、急速にレイムダック(死に体)化する。既報の通り、野田首相は再選されれば臨時国会開会後の10月か11月に衆議院を解散し、民主党は大敗して下野する見通し。野田氏は民主党政権の最後の首相となる。一方の谷垣禎一自民党総裁も、手負いの状態である。今回の三党合意から首相問責決議に至る一連の過程で、野ダヌキ氏の寝技に一矢報いられて深手を追い、解散・総選挙にも持ち込めず、「使えない人」の烙印で早くも過去の人の哀愁も漂いはじめた。ただ、河野洋平氏以来となる「総理になれなかった総裁」で終わるのは大きな屈辱であろうから、出馬・再選の可能性をぎりぎりまで探ると見られる。事実上の次期首相選びといえる自民総裁選で、一応の本命は安倍晋三元首相といえるだろう。かたや対抗馬の石破茂・前政策調査会長(元農水相、防衛相)や、ダークホース的な町村信孝・元内閣官房長官(元外相、文科相)らの三つ巴の戦いが軸となって展開する。石原伸晃幹事長は、今も谷垣総裁を支える大番頭格である手前、谷垣氏が出馬する場合には、党内外の待望論とスジ論を両にらみしての微妙な判断を迫られる。出馬に踏み切った場合には、衆目の一致する最有力候補の一人として赤丸急浮上する。今のところ、総裁選情勢は五里霧中だが、仮に誰が勝利を収めたとしても、経験と実績に富む悠揚迫らぬ重厚篤実な人物揃いであり、その信頼感・安心感は、到底民主党政権の比ではないと断言できるだろう。石破、町村氏が出馬意向 9月26日に自民総裁選【共同通信 31日配信】 谷垣総裁の任期満了に伴う9月の自民党総裁選で、石破前政調会長と町村元外相が31日、出馬意向を固めた。9月8日の国会会期末前後に正式表明する方向。谷垣氏は再選への準備を進める考えを周辺に伝えた。自民党は総務会で9月14日告示、26日投開票を正式決定。安倍元首相も立候補する方向で、総裁選に向けた動きが本格化した。
2012.08.31
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首相、10月解散・11月総選挙を示唆【共同通信配信、12日付各地方紙・スポーツ紙掲載】野田佳彦首相が今月初め、衆院選の時期をめぐり、自民党幹部に「10月解散、11月選挙」と受け取れる発言をしていたことが11日分かった。首相は9月の民主党代表選で新たな代表が選出されると、新代表はその後の衆院選敗北で辞任に追い込まれかねないと指摘。自身が代表に再選された上で、選挙結果の責任を負うのが望ましいとの認識も示した。解散時期については、民主党の前原誠司政調会長も11日、秋に想定される臨時国会での解散に言及。自民党の石原伸晃幹事長も首相の意向として「10月解散」の可能性を指摘した。ただ自民党は今国会中の解散を求めており、時期をめぐり駆け引きが続きそうだ。関係者によると、首相は自民党幹部に電話して消費税増税法案への協力を要請。幹部が「腹を固めれば、野党にもおのずから通じる」と解散確約を求めた。これに対し首相は「次期衆院選はどういう結果になろうと民主党は負ける。負ければ代表は代わらなければならない。代わるのは私でなければならない」と述べ、自ら消費税増税の信を問うため、衆院解散・総選挙に臨む決意を強調。さらに「代表選で新しい代表が選ばれても、その人は1、2カ月で代わらなければならなくなる」と語り、自身の代表選再選を念頭に、1、2カ月後の衆院選敗北による引責辞任を示唆した。発言は8日の谷垣禎一自民党総裁、山口那津男公明党代表との3党首会談で解散時期を消費税増税法案成立後の「近いうち」と約束する前。増税法案の参院での審議が最終局面に入った段階で、自民党側の協力を引き出すために意図的に踏み込んだ可能性もある。同時に、2012年度予算執行に不可欠な公債発行特例法案と、補正予算を成立させ、解散に踏み切りたいとの思惑があったとみられる。[共同]衆議院の解散権を持つ野田首相自らの信憑性の高い意思が明るみに出たことで、これまで疑心暗鬼に陥っていた与野党は、一気に事実上の総選挙・決戦モードに突入する。次回の総選挙では、失政に次ぐ失政で国民の信認を失っている与党・民主党が惨敗し下野するのは確実な情勢となっており、自民党・公明党を中心とする政権が復帰すると見るのが常識的と思われるが、各政党の消長、とりわけ「大阪維新の会」などの第三極政党の獲得議席数次第では、いわゆる大連立を含む大規模な政界再編に発展する可能性もあり、現時点では予断を許さない。いずれにしても、国民からレッドカードを突きつけられることになる民主党は、その後おのずから解体過程を辿ることになりそうだ。同党の一部の右派(野田首相周辺など)については、自民党による事実上の吸収・統合もあり得るかも知れない。鳩山・菅の二代に亘った民主党政権は、内政・外交・安全保障の全分野に亘って、あまりにもでたらめすぎた。自業自得と言わざるを得ないだろう。この前任者2人に比べれば、比較的堅実でまともと見える野田首相にも、これは重すぎる負の遺産だった。私は、個人的にはこの愛嬌ある野ダヌキに割と好感を持っているのだが、哀しいかな、この状況はいかんともしがたい。もはやこれまで、というほかはあるまい。このことは、余人にあらぬ首相自身が、誰よりもよく理解していることだろう。
2012.08.12
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政治家は、正当な論理(言葉)を用いてケンカをする職業であるといえる。そのケンカは、またの名を「権力闘争」という。→ マックス・ヴェーバー「職業としての政治」血の気が多い熱い性格と、氷のように怜悧な理性の両面が政治家に必須な資質である。橋下氏は、広く国民から嘱望されている政治家ではあるが、ややもするとその平衡を崩しかねない危うさが常に付きまとっている。今回の関西電力相手のケンカも、あまりにも間口を広げすぎではないか。大前研一氏の冷静な意見にわが意を得た思いだ。資源のない日本という島国は、加工貿易の付加価値で食っている。小学校で習う事実だ。僕の小学生の子どもたちも、もうすぐ習うはずである。その担い手は、言うまでもなく経済人たちであり、経済界(財界)である。これは、いかなる国家においても同様である。→ ヨーゼフ・シュンペーター 経済界には現実的でプラグマティスティックな勉強家の知性が集まっており、さまざまな言説・思潮に対して相当寛容・謙虚ではあるが、その逆鱗に触れるような根底的かつ力量のある敵対者には決して容赦しない。いかなる手段を用いても、完膚なきまでに叩き潰すであろう。橋本氏の側を見ても、クラウゼヴィッツを持ち出さずとも政治の延長である戦争において、二正面作戦は必ず敗北するのが、万古不易の歴史の教訓である。橋本氏は、原発問題などからは早々に手を引いて、主要な主張のイシューに集中すべきだ。このままでは、遠からず橋本氏は終わる。周辺の人々は一身に代えても、これ以上の橋下市長の暴走を諫めるべきであろう。■ 原発反対「橋下ブラックアウト」で政治生命終わると大前研一氏【小学館 SAPIO5月9・16日号(最新号)】 橋下徹・大阪市長は脱原発を、6月8日に行われる関西電力の株主総会で主張する可能性があるが、この件の危うさを指摘するのは大前研一氏だ。以下、大前氏の解説だ。 ここから先、橋下市長が失速しないために私がアドバイスしたいことは、統治機構の変革と無関係の“余計な喧嘩”をしない、ということだ。余計な喧嘩とは、たとえば関西電力との喧嘩である。 橋下市長は、6月の関電の株主総会で、同社の筆頭株主である大阪市が、全11基の原子力発電所を「可及的速やかに廃止する」など、同社定款の変更を求める8議案を提案する方針だ。さらに大飯原発3・4号機(福井県おおい町)の再稼働を認める際は原発から100km以内の自治体の同意を得るなどの8条件を、関電と国に突き付けている。 だが、実は関電は全原発が停止したまま昨年並みの暑さの夏が来たら、電力供給力がマイナス9%になる。一昨年並みの猛暑が来ると、マイナス19%になってしまう。マイナス9%というのは、単に電力消費量を9%削減すればよいということではない。ブラックアウト(大停電)を避けるためには10%の余力を見ておかねばならないので、19%の削減が必要となる。一昨年並みの猛暑に備えるなら、29%削減しないといけない。 夏のピーク時に電力消費量を19%削減するのは、かなり難しいと思う。ピークロード(電力需要が最大になる時)をずらさなければならないから、関西の企業や店舗は昨夏の首都圏のように休日を変更したり、夜間の営業時間を短縮したりしなければならない。経済は全く気勢が上がらない状況になる。29%削減は、ほぼ不可能と考えたほうがよい。 なぜ10%の余力が必要なのかというと、今、関電はこれまで止めていた古い火力発電所を再稼働して使っているので、それがダウンする可能性がけっこうあるからだ。大阪の場合だと、大きな火力発電所が1つダウンすると電力供給力が5%くらい低下する。その時、電力消費量が95%に達していたら、ブラックアウトが起きてしまう。ひとたびブラックアウトが起きたら、市民生活は大混乱に陥る。病院などでは死者が出るかもしれない。だから、常に10%ぐらいの余力を確保しておかねばならないのだ。 橋下市長が関電いじめを続け、大飯原発3・4号機を再稼働させないままにしたとする。その結果、1回ブラックアウトが起きたら、財界は“橋下ブラックアウト”と呼ぶだろう。それで彼の政治生命は「ジ・エンド」だ。 しかし、私自身が調査・分析し、すでに公表していることだが http://pr.bbt757.com/ 大飯原発3・4号機は福島第一原発と同じような事態になっても、必ず冷却ができる。再稼働しても問題はない。 橋下市長が大阪をピカピカに磨きたいなら、関電の電力供給力に余裕を持たせて大阪の電力を安定的な状況にしておくことは、彼にとっても(もちろん市民にとっても)得なはずである。逆に言えば、関電と喧嘩して大阪が電力不足になって得なことは1つもないのである。 国民が期待しているのは、関電に喧嘩を売る橋下市長ではなく、日本を変えてくれる希望の星としての橋下市長だということを忘れないでもらいたい。[SAPIO 2012年5月9・16日号]
2012.05.10
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早ければこの麦秋(初夏)にも、遅くとも秋口までに行われることが確実視されている第46回衆議院総選挙の序盤(前哨戦)情勢は、現時点では不確定要素がきわめて多いが、各種情報を総合すると、おおむね下記のような予測が大勢と思われる。日程については、ゴールデンウィーク明けに衆議院解散、5月中旬に公示、6月3日(日、大安)執行(投開票)が当面の軸になると取り沙汰されている。このシナリオで行くとすると、すでに4カ月を切っている。天王山の戦いは、もう始まっている。党 派 現時点予測 現有勢力自 民 150~200 118民 主 100~150 292 みんな 25 ~ 35 5公 明 25 21 維 新 15 ~ 25 -国民新(石原新?) 10 4 共 産 10 9 社 民 5 6その他 10総定数 400? 480過半数 201? 241【もちろん、これは現時点でのきわめて大ざっぱな腰溜めの数字であることはご了解いただきたい。が、当たらずといえども遠からずではないかとも思われる。現在論議されている衆議院議員の定数削減については、80減で収拾される前提とした。また、雨後のタケノコ的な小政党(泡沫政党?)については、私には分からないというほかはなく、ほぼスルーさせていただく。】民主党が、壊滅的な打撃となる地すべり(ランドスライド)的惨敗を喫し、自民・公明両党(+みんなの党?)が政権を奪回する「政権再交代」の可能性がきわめて高まっている。無党派層などの浮動票は、保守系新党に流れるか、棄権となる見通し。与党・民主は、鳩山・菅政権の2代に亘った目を覆うばかりの迷走と無策ぶりなどで、コアな支持層を除けば、すでに広汎な国民の信認を失っている。実直な野田現首相のもとでいくぶん民心を取り戻したかにも見えたが、前2代の負の遺産はやはり重すぎ、低空飛行に喘(あえ)ぐばかりで、挽回の見通しは少しも立っていない。「マニフェスト」は総崩れ、鳩山氏の軽薄な失言が招いた沖縄米軍基地移設問題では解決の端緒すら見えていない。選挙戦では、首相の誠実な人柄を全面に打ち出して「泣き落とし戦術」でも取るしか手がないだろうが、「良くて半減」の悪夢の憂き目は避けられない見通し。それどころか、選挙前に小沢グループなどのさらなる揺さぶりや造反、離党・分裂の事態すらあり得るお先真っ暗な状況。すでに党内では若手を中心に厭戦気分・白旗ムードが拡がっていると報じられている。自民は、地元県議・市議などを行動隊長とする「腐っても鯛」の地方組織が賦活されてきており、潮目が変わりつつある。民主がダメなら自民に戻すのが二大政党制の原則であり、当然といえば当然である。前回の「民主の風(風邪?)」で苦杯を飲んだベテラン落選組が続々雪辱を果たし、今後の戦い方次第では単独過半数をも睨む優位な状況。経済界は基本的に自民支持。TPP問題などで、JA(農協)などが民主に叛意を鮮明にしていることも好材料。圧倒的な組織力を誇る公明が民主政権を完全に見限り、両党の友好関係が今後も維持される見通しなのも、鬼に金棒。新首相は、論功行賞を兼ねて順当に谷垣禎一氏で行くことになるのだろうか。個人的には若干頼りない気もするのだが、ま、しょうがないか。・・・この稿では、極力私情は挟まないことにしたい今回の台風の目は、言うまでもなく「みんなの党」だが、大化けするのか、はたまた線香花火で終わるのかは、今のところプロにも予測がつかない模様。当地・栃木では、地元選出の明朗快活な人気者・渡辺喜美代表のカリスマもあって「旧・自民党渡辺派」の磐石な組織がそっくりそのまま「みんな」に移行したが、それでさえ渡辺氏以外の自民の牙城にはなかなか歯が立たないのではないかと見られている。実際の戦いは相当厳しく、風頼みの側面も大きいだろう。いわゆる「アジェンダ」のさらなる浸透を図るなどの戦略・戦術と、タマ(候補者)選び次第というところであろう。ただ、代表や幹部らの長い実績と人徳・人柄ゆえであろうか、古巣・自民主流派との友好的な関係は今なお維持されており、選挙後に激変も予想されるいくつかの事態への現実的な対応の展望が見通せるところは大きな強みといえる。維新は、伝えられている通り、近畿・関西方面を中心に相当な得票・議席獲得が予想されるようだが、その空気感のない関東で見ていると、どの程度の勢いなのか皆目見当が付かないのが正直なところ。橋下徹代表の政治的力量も全く未知数というほかはない。 * 今後も、メディア論調、ネット世論、口コミ評定(ひょうじょう)などを可能な限り渉猟し、国政の「壇ノ浦の合戦」を重大な関心を以って真摯に注視していきたい。
2012.02.10
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■ 国内は4月以降に野田首相退陣、解散総選挙へギリシャは完全破綻しユーロ崩壊「2012年を占う5つのポイント〔シリーズ特集〕」──嘉悦大学教授 高橋洋一氏【ダイヤモンド・オンライン 19日】なかなか衝撃的な予測といえよう。国内外の政治情勢に関する見解の中でも最も悲観的(ペシミスティック)に近い見立てだろうが、暗闇の中に曙光もあると説く好論文である。具体的には、野田政権の崩壊が引き金になって、本格的な政界再編が起こると見ている。これはわれわれ国民から見てもきわめて望ましい帰趨である。野田首相は、すでにここまでを読み切って自らを捨て石にする腹をくくったという見方が政界周辺で強まっているという。前2代の首相に比べれば遥かに聡明と見えるので、たぶんその通りなのだろうと思う。あの眼帯の隻眼の面相には、今や「独眼龍政宗」の気迫さえ漂っている。ギリシャは破綻するが、枠組みの再構築でギリシャを切り離したユーロはむしろ身軽になって再生する。当のギリシャ自身も、非ユーロの小国として生きていく道が開けるという。平たい言葉でいえば、「ピンチはチャンス」「出口のないトンネルはない」「落ちるところまで落ちれば、また活路も開ける」といった論旨とも受け取れる。一読、視野に入れておくべき内容と思ったので、リンクしてご紹介しておく。
2012.01.20
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年明け早々、野田佳彦首相は本気で腹を固めたようだと、政界筋のもっぱらの評判となっている。何の腹かといえば、「消費税増税」と抱き合い心中する腹である。前二代のハトカン無能総理の負の遺産の軛(くびき)があるとはいえ、老獪な官僚の走狗となり果てた民主党政権は、このまま手をこまねいていれば、口先ばかりで何も出来ない・何もしない・何もいいことがないの三拍子揃ったまま、次の総選挙で城を枕に屍(しかばね)を晒すこととなる。前任者に比べればまずまずまともな思考能力があると思われる野田首相は、これを洞察している模様である。せめて財政再建と社会保障の改革などに道筋を付けてからの討ち死にを決意したのだろう。山川の末に流るる橡殻とちがらも 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ(伝・空也、「空也上人絵詞伝」1782年)消費税増税のメリット・デメリットの当否は今置くとして、いやしくも首相たるものにここまで覚悟を決められると、野党も内心タジタジであり、対応を決めかねているのが内情である。対峙する野党・自民党内でも、消費増税に理解を示す財政規律重視の論調が実は優勢ともいわれるが、当面は様子見がてら、とりあえず反対の旗幟を掲げている現状だ。自民党は、「民主党の選挙マニフェストに書いてなかったことだから反対だ」という、やや牽強付会で薄弱な論拠で批判し反対(与野党協議への不参加)を表明しているが、実のところは国民と党内の世論を睨みつつ、目下のところ観天望気の気象観測段階である。ヨーロッパ諸国の国家財政破綻や経済危機を見るにつけ、国民の間でも10%程度までの消費税の増税はやむなしとの感覚がかねて醸成されてきており、各種世論調査でもこれに理解を示す有権者が過半数を超えている。野党があくまで反対に固執すれば、それが政局的な動きとして、かえって国民の反発を招く惧(おそ)れさえ十分にある状況である。これらの動向を注視しつつ、自民党は民主党から解散総選挙の約束を取り付け、引き換えに賛成に転じる可能性も小さくないと見られ、年明けの政局は、政界最高度の手練手管(てれんてくだ)を駆使したチキンゲーム(意気地なしゲーム・肝試し)が展開され始めているところである。民主党政権になってこの方、これまでの日本政治の常識が通用せず、政局の潮目が読みづらくなったといわれているが、特に今春以降の展開はプロも読めないといわれ、予断を許さない状況がしばらく続くとしか、現時点では言いようがない。■ 今年は解散・総選挙の年 早ければ4月にも「風」が吹く【J-CASTニュース 4日】
2012.01.04
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〔北朝鮮情勢関連ニュース・リンク〕けさ21日付の読売新聞朝刊に転載・掲載された米ウォール・ストリート・ジャーナル20日付の記事「周辺諸国の不安尽きない金正日死去後の北朝鮮経済」は、最も包括的で犀利な分析を提示していて、必読の論文と思った(この記事は、ネット上では有料会員向けで、無料では読めません)。金正日総書記死去で起こる「最悪のシナリオ」とは?【ニコニコニュース オリジナル 20日配信】北朝鮮の若き指導者・金正恩氏、統治能力は未知数【米ウォール・ストリート・ジャーナル 20日】北朝鮮、数百人粛清か 金正恩新体制強化で アムネスティ推計【時事通信 20日】後継体制の鍵を握る金正日妹夫妻を中国が支持する理由【小学館「週刊ポスト」 21日】 金正恩後継「10歳の時から決まっていた」【日本テレビ「スッキリ!!」 20日】
2011.12.21
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野田新内閣が早くもヤバい ── 2ちゃんねる論調〔楽天ソーシャルニュース投稿〕■ 元記事(2ちゃんねるキャッシュ)2ちゃんねる魚拓なので、少々ガラは悪いが、ねらー論客の皆さんは見るべきところをしっかり見ているな~と評価したい。・・・やっぱり野田内閣も「ニダ内閣」だったニダ?「おまいらは数ヵ月後に『管のほうがマシだった』と言い出すだろう」に、思わずウ~ンと考え込んでしまった。・・・その事態は、低くない確率であり得ると思う^^;〔関連リンク〕■ 野田内閣の閣僚名簿を発表(2ちゃんねるキャッシュ) ノ´⌒ヽ,, ,. 、 / ./ γ⌒´ ヽ, ,.〃´ヾ.、 / / // ""⌒⌒\ ) / |l ', i / ⌒ ⌒ ヽ ) r'´ ||--‐r、 ', 民主党政権はあなたがた自身が !゙ (・ )` ´( ・) i..,..ィ'´ l', '.j '. 選んだ政権ではありませんか! | (__人_)r '´ ',.r '´ !| \ \ `ー' l! ....:.:.:.:.:.:ヽ、 ,l \ / ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ / ( ミ | \ ,r'´ i
2011.09.02
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野田佳彦次期首相の横顔 ── 財務官僚寄りとの批判も〔楽天ソーシャルニュース投稿〕 ■ 元記事(ロイター通信)民主党は先ほど29日午後、両院議員総会での代表選で、菅直人代表の後継に野田佳彦財務大臣(54)を選出した。野田氏はあす30日、第95代・62人目の日本国首相に就任する。決まってみれば、なかなか重厚さと安定感を感じさせる人物で、まずまず順当な結果という評価が大勢であろうが、見え隠れする増税志向・財政規律重視など「財務官僚ベッタリ、言いなり」という批判もくすぶっている。民主党内では、金融・財政をはじめとする政策通として知られる。政治思想的には、割と正統的な保守系の考え方であり、「売国的」とまでいわれた菅首相とは全く色合いが違う。・・・少なくとも、目立ちたがり屋なだけでどうしようもなく無能だった菅氏と比べれば、総合的に見てかなりマシではないかと、私は思っております~
2011.08.29
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リビア・カダフィ独裁政権崩壊へ 反政府勢力、首都をほぼ制圧── 大佐次男ら拘束 〔楽天ソーシャルニュース投稿〕■ 元記事(時事通信)日本の菅直人民主党独裁政権に続き、北アフリカ・リビアの狂犬・カダフィ独裁政権がやっと崩壊しつつある。チュニジアに端を発し、北アフリカ・中東諸国に湧き起こった自然発生的な「ジャスミン革命」のうねりの中で、自由と民主主義を求める多数派の民衆の意思が、またひとつ強大な壁を突き破った。〔関連ニュース・リンク〕■ NATO「カダフィ政権は崩壊しつつある」■ オバマ米大統領「終焉を認めよ」 カダフィ大佐に退陣迫る■ 「カダフィ政権の終局は近い」 英政府声明
2011.08.22
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「領土問題で譲って」と書いた産経ソウル支局長に殺害予告〔楽天ソーシャルニュース投稿〕 ■ 元記事(SAPIO) 産経新聞の名物ソウル支局長で論客の黒田勝弘氏が、産経コラムで「日本は『沈没』の危機なんだから、(竹島の)領土問題ではこの際、韓国は日本に譲ってはどうか」と諧謔的・ユーモラス(いわゆる「釣り気味」)なオチをつけたところ、案の定、韓国マスコミでは「クロダ記者がまた妄言」と非難され、ネットや電話などで抗議が殺到。「殺してやる!」「クロダ追放署名運動」などの騒ぎとなった。全く、ユーモアも何もあったものではない、文化水準のいちじるしく低い国民だ。あきれてモノがいえない。「不幸な歴史」の賠償はとっくに済んでいる。こんな国といつまでも付き合っていても、わが方には何のメリットもないと思う。・・・もういいかげん、国交断絶(断交)をした方がいいのではないだろうか? \丶 r⌒ヽ (⌒⌒) r⌒ヽ/, / /, ヽ 、、;(⌒ヾ . (((⌒⌒))) /⌒) ), , 、ヾ (⌒ ファビョ━ l|l l|l ━ン!⌒⌒);;)/, 、\(⌒ゝ;(⌒ヾ ∧_∧ ⌒)/)) ., / ((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒∩#`Д´>'') ,⌒⌒);;;;;)))⌒) (;;;;(⌒(⌒;;;(⌒ ヽ ノ / ))⌒));;;;)-⌒)) ゞ (⌒⌒=─ (,,フ .ノ ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::) ((⌒≡=─. レ' ─=≡⌒)丿;;丿ノ
2011.07.18
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笑えたので、リンクしてご紹介します■ 菅直人に学ぶ「卑怯者会話術」この方、菅首相の口癖をよくつかんでますね~
2011.07.12
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【問題】 自民党政権が50年間達成できず民主党政権が2年で達成できたこととは何?(小学館「SAPIO」7月20日号)・・・上手いっ!ザブトン一挙10枚!!
2011.06.30
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死に体首相が、補正予算・人事とやりたい放題〔楽天ソーシャルニュース投稿〕 ■ 元記事(産経新聞 17日)菅直人首相が土俵際で粘り続け、震災復旧・復興にからめて自らの辞任へのハードルもじわじわと上げ、息を吹き返しつつある。ただ、最近は少しはしゃぎすぎて、「躁状態」気味なのではないかとも見受けられる。一般的に「躁」は、場合によっては「鬱」よりも危険な面があるとも言われている。細川律夫厚生労働相は、17日午前の記者会見で、菅首相について「不信任決議案が大差で否決された後、お元気になられた」と述べた。(産経新聞 17日配信)首相は、自らの手で本年度第2次補正予算案を提出する構えを強め、合わせて東日本大震災の復興担当相の人選にも積極姿勢を見せる。「ポスト菅」を探る民主党内の動きも沈静化してしまい、大連立などの仕掛けが挫折したと見られる野党側も、次の一手が打ち出せないでいる。・・・今にして思うと、結局、あの内閣不信任案の採決直前にしゃしゃり出て来て、状況をグチャグチャに混ぜ返して去った鳩山前首相に、すべての責任があるような気もする。
2011.06.17
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菅首相、周辺に「辞めるつもりない」 退陣時期の確約ないと認識【フジテレビ(FNN) 3日】鳩山氏「首相はペテン師」「不信任案賛成すれば良かった」【産経ニュース 3日】菅首相が内閣不信任決議案の否決を受けて、昨日深夜「俺は辞めるつもりはない」と周辺に嘯(うそぶ)いていたことが明らかとなった。けさ3日朝のフジテレビ(FNN)が伝えた。耳を疑うニュースに、早朝から頭に血が上ってしまった。これを聞いた鳩山前首相は激怒し、菅首相を「ペテン師」呼ばわりまでしたという。まあいつもの鳩山氏らしい、お笑い芸人も遠く及ばぬ度し難い天然ボケぶりには、われわれは苦笑するほかはない。鳩山由紀夫氏がひとたび表に出てくると、必ず話がこじれ、ややこしくなる。首相在任中の迷走ぶりも記憶に新しいところである。学者としてはなかなか優秀という噂も聞くが、こと現実政治の世界においては全く有害無益のお邪魔虫であり、コミュニケーション能力ゼロのエイリアンである。われわれ国民の目につく表舞台から、一刻も早く消え去ってもらいたい人物である。この人を見ていて「疫病神」という言葉を連想するのは僕だけではないようで、ネット上ではそういった表現がほかのサイトにも見られる。一度は政界引退を明言していたはずだが、いつするのかな~と思う。今回の菅内閣不信任問題でも、菅陣営vs反対陣営の正々堂々の大勝負の直前に要らぬお節介をして、展開をグチャグチャにして去った。もう永久に政治の場に出て来ないでもらいたい。・・・とはいうものの、その前首相が混ぜっ返したあとは、もちろん最善には程遠いが、結果として案外まあまあだったといえなくもないのではないか。菅首相は、ひとたび「辞任(退陣)」を口にしたことで、レイムダック(死に体)となった。「レイムダック(びっこの鴨・アヒル)lame duck」とは、哀しい言葉ではある。野生動物が大怪我をすれば、すぐには死なないまでも、キズが悪化したり、天敵にやられたりした時に一たまりもない。近所の野良猫を観察していてもよく分かる。もう半ば、生きながら死んでいるのである。その哀れな姿を、高齢などで辞意を表明したり任期満了間近で影響力を失った政治家などに擬(なぞら)えた、英語の鋭くも残酷な表現である。日本語では相撲用語の「死に体」や野球用語の「消化試合」が当てられる。また、鳩山氏がいかに甘ちゃんだったとはいえ、完全に騙し討ちの奇策となった今回のやり口は、首相が人間として全く信用できない、人間と人間との信義も何もない人物であることを示した。以前から私は、菅首相が実力を伴わない見栄っ張りのスタンドプレーヤーであると指摘してきたが、これはもっとひどい、人が人であるゆえんたる誠意「まこと」が全く欠落している人物であると断じざるを得ない。私もそこそこ長く生きてきて、様々な総理大臣を見てきたが、記憶にある中で歴代最低の総理だと断言できるように思う。恥知らずのひと言である。政権交代への流れは雪崩を打って加速し、もう止まらない。すでに終わりは始まり、最期(メメント・モリ)がいつかになるのかはまだ読めないものの、首相がもくろんでいるという来年までの政権維持など、とてもとても無理であろう。せいぜい盆明けぐらいまでが関の山ではないか。民主党内の菅支持派と小沢系の間には、もはや修復不可能な溝が残り、次期政権を睨んで党内抗争・党分裂含みで終始する。民主党の支持率は下がる一方となる。党首討論での、谷垣禎一・自民党総裁と山口那津夫・公明党代表の火を吐くような気迫も、一方の雄の存在感を示し、決して悪くなかった。野党陣営は、民主党の完全な分断と、自民党主導での政界再編には今回失敗したわけだが、これだけの時限爆弾の火種を民主党内に埋め込むことができただけでも、まあ諒とすべきか。なお、テレビが繰り返し伝える、被災者・被災地住民などの「今こんなこと(政局)をやっている場合ですか?」「ケンカしてないで、力を合わせてやってほしい」という意見については、お気持ちは重々分かるけれども、「では、このまま菅首相でいいんですか?」という言い方に、私は与(くみ)したい。そうした意見は、一部マスメディアの情報操作的な文脈の中では、結局、菅首相と民主党政権を守り、利する言説として利用されるわけである。これはまた、いつの時代にも俗耳に入りやすい、事なかれの守旧派の論理でもある。昨年の大河の坂本龍馬をはじめ、幕末の志士たちの敵は、ひとり徳川幕府や新選組ばかりではなく、こうした「和の精神」という名の事なかれ主義でもあったと想像する。どうしようもない駄馬であることが青天白日のもとに明らかになった以上、仮令(たとい)川の中であっても速やかに乗り換えるべきである。菅首相の存在、菅内閣の存続そのものが「政治空白」にほかならないと私は見ている。政治を動かす際には、多少の軋轢がやむを得ない場合もあるのであって、急がば回れが必要な場合もあるだろう。大震災からの復旧・復興にはまだまだ何年も要することは確実である。ここで政局に多少の時間を割いても、菅民主党政権を終焉させることが、中長期的には国益にかない、国民にとって何倍もいいことであると私は確信する。
2011.06.03
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菅首相の辞任は「そう遠くない、夏の前」 鳩山前首相〔楽天ソーシャルニュース 2日投稿〕■ 菅内閣不信任案を否決、首相退陣時期が焦点【時事通信 2日】自民・公明・たち日三党が衆議院に提出した菅内閣への不信任決議案は、菅直人首相が「東日本大震災や福島第1原発事故の対応にめどがついた段階」での辞任を表明したことで、民主党から大量の造反者が出て党が分裂する事態は回避され、先ほど否決された。 それに先立って菅首相とけさ会談し、辞任表明発言を引き出した鳩山前首相は2日、不信任案が否決されたことを受け、先ほど2日午後国会内で記者団に対し、菅首相の辞任の時期について「そう遠くない。夏というのは長すぎる」「2次補正の成立までということではなく、早期編成のめどがついたときだ。6月中にめどがつく」などと述べ、月内に退陣すべきだとの認識を示した。このぶら下がりインタビューの模様は、NHKと民放のテレビで生中継された。これを文字通り解釈すれば、せいぜいあと1ヵ月ぐらいということだろう。菅首相は、本日レイムダック(死に体)となった。次期政権への模索の流れは、もう誰にも止められない。今回の顛末は、与野党双方が傷つき痛み分けだったという見方もあるが、野党各党や民主党内の反主流派から見れば、菅首相から「そう遠くない時期の辞任」の言質(げんち)を取り付けたことは大きな収穫だったのではないだろうか。
2011.06.02
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菅内閣不信任案、2日にも提出へ──自公両党〔楽天ソーシャルニュース 28日投稿〕 ■ 元記事(ロイター)季節外れの台風2号が接近しているが、かたや政界にも超大型台風が近づいている。菅政権打倒を目指す自公両党は、6月1日に予定されている党首討論翌日の2日にも内閣不信任案を提出することで検討に入った。6月の声を聞き次第、政局は激動の局面に入る。民主党内でも、隠然たる勢力を誇る小沢グループをはじめ中間派にも、菅首相では党が持たないとして、これに呼応・同調する動きが顕在化しつつある。首相周辺の安住淳国会対策委員長は、万が一これが可決した場合には、衆議院解散・総選挙で応酬すると牽制したが、これは典型的な政治的ブラフ(ハッタリ)と見られており、政界では一笑に付されている。もしそんなことをすれば、民主党惨敗・消滅へと至る自殺行為であり、野党の思うツボとなる。正気を失わない限り、実際には絶対に出来ないだろう。今のところ、不信任案の可決は予断を許さない情勢だが、可決されれば菅内閣は即総辞職に追い込まれる。また、否決された場合でも一定のボディブロー的な効果はあるものと見られている。・・・思えばすべては、2年前の総選挙でこの党を圧勝させ、300議席を与えてしまった有権者・国民(主権者)の身から出たサビの後始末である。最も反省すべきは、舌先三寸の口車マニフェストに乗せられて軽々しい一票を行使した、われわれ国民にほかならない。
2011.05.28
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原発・海水注入中断で水掛け論、「言った言わない」子供のケンカ〔楽天ソーシャルニュース 23日投稿〕 ■ 元記事(報知) カン・ナオトくんとホソノくん、「マダラメくんが言った~っ!」いじめられっ子のマダラメくんも、今回ばかりは猛反発、「そんなこと、ボク言ってないも~ん!」・・・子供のケンカですな。ああ情けなや~。議事録も取ってない。ICレコーダーひとつない。政府公式見解は、テキトーに「作文」し放題。言った言わないの水掛け論は、斑目氏が発言したとされる「(再臨界の)危険性」という言葉を、対策室側が「可能性」に訂正することで手打ちに。シャンシャンと手を打って、一件落着、めでたしめでたし~♪?・・・放置プレイで置き去りの国民、「こんなの初めて~」
2011.05.23
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谷垣禎一自民党総裁の決断次第で政局変化も〔楽天ソーシャルニュース 17日投稿〕 ■ 元記事(ロイター)外国通信社の契約コラムニストの論説だけに独自の視点がある。私はこの意見に全面的に賛成ではないが、熟読・熟慮に価する記事ではある。すでに「菅降ろし」の一点については政界の大勢は固まっているが、それが「小沢復権」とセットになるのは絶対ダメだというのも、国民世論と政界の総意である。同じ理由で、連休前後の「小沢クーデター」はあえなく失敗した。菅首相は続投の意思を強め、全く辞める気がない模様である。この記事は、そのような情勢である以上、自民党は菅民主党と連立を組んで政権入りするしかないと説く。その上で、自民党がやりたい政策を実現すればいいのではないかという。いわば、「庇(ひさし)を借りて母屋を取る」作戦である。一理ある。政権担当能力で遥かに長けている自民党が、政権を事実上簒奪することは可能であろう。しかし、最高権力者・菅首相が自己保身のパフォーマンスに明け暮れ、全く信望を失っている今、その人と組むことには大義名分がなく、これを潔しとしないという感覚は、現代日本人のみならず、古今東西共通の良識・コモンセンスであろう。すべては、まず菅首相を降ろしてからの話である。政治評論家・三宅久之氏は、後継に野田佳彦財務大臣を推している。消去法的に考えると、一つの考えだと思う。
2011.05.17
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すでに歴史に名を残した菅首相〔楽天ソーシャルニュース 15日投稿〕 ■ 元記事短いが、ものすごく鋭い視点の論文だと思った。「寸鉄人を刺す」とはこういうことを指すのだろう。元記事の著者は、「戦後アメリカに見放されて、あるいはアメリカに楯突いて、なおかつ首相の座に居座ることのできた首相は一人もいない」という。一国民として長年政治を見てきて、残念ながらというべきか、これは事実だと思う。60有余年前、日本は彼我の力量をわきまえない無謀といえる戦争に打って出て、国力の全てを傾注した総力戦を遂行した挙句、アメリカに完膚なきまでに叩きのめされた。ついでに言えば、その他のいかなる国にも負けた覚えはないというのが、われわれ国民の率直な感情であろう。それ以来、この国がアメリカのきわめて強い影響下にあることは、改めて言うまでもない事実である。このことの評価は各人に意見があるだろう、私もどちらかといえば苦々しく感じる方だが、リアルにはそういうことであると認めざるを得ない。そのアメリカが、鳩山政権に続き、とうとう菅政権も見放したという見立ては、全くその通りだと思う。つまり、「民主党政権」が見放された。その帰結は、推して知るべしであろう。
2011.05.15
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韓国民団の固定資産税免除、市に取り消し命令〔楽天ソーシャルニュース 14日投稿〕 ■ 元記事(読売新聞)当然の判決である。が、勇気ある判決でもある。私は、この裁判長をたたえたい。地方自治体などの行政が、組織的な団体の圧力に弱いことは周知の事実であり、そのために執行が捻じ曲げられ、公平性と妥当性を欠く事態は、しばしば報道されているし、社会生活の中でも仄聞している。裁判官が個別の事案を裁くに当たって、公平無私であるべきことは当然だが、実際にはマスメディアなどの世論や世間の「力関係」に左右されることも、かなりよく知られている。神仏や聖人君子ならぬ、生身の人間の弱さではある。この事例は、日本人を構成員とする団体に対する「逆差別」の典型である。誰かが、早急に正すべきだった。こういった事実を体を張って公にしているのは、これまでほとんど週刊誌メディアであった。週刊誌が流す玉石混淆の情報は、しばしば揶揄されたり軽く見られたりしがちだが、こういう点は高く評価されるべきである。それに引き換え、新聞・テレビなど巨大メディアは、からきしだらしがない。私には、在日韓国人の竹馬の友もいて、韓国人に対して特に含むところはないが、「法治・法秩序の普遍性」の観点から見て、このような横紙破りの無法な振る舞いには明確に反対であり、この判決を重ねて高く評価したい。
2011.05.14
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数日間のご無沙汰でした~。このところ「短歌人」原稿締め切りでいっぱいいっぱいだったのは事実だが、それとは別に、「楽天ソーシャルニュース」にハマってしまい、記事書き込みの主戦場が若干そちらにシフトしてしまった面もある。・・・すいません。ニュースや政治談議好きには、汲めども尽きぬ面白さがある。ツイッターと似ていて、字数が限られていて、あんまり長い記事が書けないのも気軽でいい。反応が早くて、記事と投稿者が毎日数字やランキングで評価されるのも楽しいシステムである。ただし、政治的な記事には、おそらく反対勢力からの「減点」や「削除」、いわれのない「違反判定」などがされることも多く、ランキングに影響する。その時はもちろんカチンとくるが、このゲーム感覚も悪くないし、「人類の未来をかけて影の死闘を繰り広げる」とかの映画の主人公になったようなスリリングな気分も味わえる。・・・別に、こんなところで出世したって意味がないやとも思っているしね。興味のある方には、閲覧やログイン・参加をオススメしたい。それでは、私の最新記事を一つ。この記事も20点分ほど、おそらく反対勢力(左翼的分子?)からの嫌がらせと思われる減点がなされた。減点がなければ、おそらく本日のランキング・トップ級の記事だった。誰がやったのかまで、今ではだいたい見当がつく有様である。首相、「ODA削減分は再建後何倍にも増やす」 駐日大使ら前に〔楽天ソーシャルニュース 12日投稿〕本当に言葉が軽い。一国の首相たる者の言葉の重みを全く自覚していない。鳩山前首相と違って、発言に割と具体性があるだけに、より始末が悪いともいえよう。日本の国内経済が危機的状況にある時に、いつまで政府開発援助(ODA)なんてやっているんだという国民の反発は、きのう今日に始まったことではない。何もゼロにしろとまでは言っていない。多少削減してはどうかという、バランス感覚のある穏健な正論である。外相経験者の岡田幹事長が、ODAを維持したい外務省の反発を押し切って決定したという今回の2割削減の方針は、まず妥当なところであろう。外務省、岡田氏主導のODA2割削減に反発大震災後の復旧・復興は長引くであろう。この水準のさらなる削減も検討すべきである。それを軽々しい安請け合いで反故にする。菅直人氏は、そうまでして外国にいい顔がしたいのだろうか?菅首相の目立ちたがりのパフォーマンスで、国が滅ぶとさえ言われている昨今である。この人は懲りもせず、またやっちまったんだな~と、そのKYぶりに口アングリであきれ果てているのは、私だけではあるまい。
2011.05.12
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久方ぶりに、ちょっとコワモテ硬派ネタ。各メディアの報道によれば、鳩山民主党政権(・・・というより、小沢独裁政権?)が今国会に提出・成立を目論んでいた、いわゆる「外国人参政権法案」(永住外国人への地方選挙権付与法案)が、昨日までに暗礁に乗り上げた模様だということだ。これで廃案になる公算が大であり、今後当分の間俎上に載せられることもなくなった。当然のこととはいえ、慶賀に堪えない。外国人選挙権法案、提出見送りも 首相が表明【朝日】日本人一国民として、これだけはどうしても理解できず、受忍限度を遥かに超えていた。僕には在日韓国人の旧友がいて親しくしているが、それとこれとは全く別次元の話である。推進派は正気なのかとさえ疑う。よしんば全てを譲っても、これだけは絶対に譲れない最後の一線というべきイシューであった。多くの心ある皆さんが指摘している通り、これは地方参政権だけに留まる問題ではない。この法案が通れば、「庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる」という諺(ことわざ)を地で行くことになるだろう。必ずや国政も外国勢力の影響下、ひいては支配下に置かれることになるだろう。その恐怖と絶望を、ぜひ想像(イマジン)していただきたい。明らかに 日本国憲法第15条 に違反することはもちろんだが、日本国家・国民の紐帯を破壊することが火を見るより明らかな、きわめて危険で異常な法案であった。背後には、日教組のドンである輿石(こしいし)民主党参議院議員会長の暗躍・策動があったと伝えられている。「法案は明らかに違憲」外国人参政権の理論的支柱が自説を撤回【産経】恐ろしい「永住外国人地方参政権付与」平野官房長官の暴言で明らかに【PJニュース】・・・が、どうやら今は過去形で語り始めてもよさそうである。こんなもん、成立するわけがないだろ~と高を括りつつも、万が一の“事故”もないとは言い切れないし、成り行きをハラハラしながら見守っていたが、やはり賢明な日本国民の良識は総意として作動したようである。この法案成立にきわめて積極的だといわれる小沢一郎氏の実質的な失脚・神話崩壊も功を奏したものと受け止められている。検察当局の労を多としたい。また、政権内部で強硬に反対し続けた国民新党、とりわけ亀井静香代表の勇猛果敢ぶりには満腔からの敬意を表したい。・・・今さらながら、国民新党が連立に入っていて本当に良かったと、天の配剤に感謝感激です~♪亀井氏、外国人参政権法案は「今国会に提出できない」【産経】ほっとした。とにかく良かった。こればっかりは手放しで喜びたい気分になる朗報であった。外国人参政権・官僚の答弁禁止 「小沢法案」はや黄信号【東京新聞 1月27日付朝刊】 民主党の小沢一郎幹事長の肝いり法案の今国会成立に黄信号が点灯している。政治資金問題で東京地検の事情聴取を受け、絶大な影響力に陰りが出ているからだ。典型例が永住外国人に地方参政権を付与する法案。けん引役の小沢氏の動向次第では、慎重派の勢いが増すことも予想される。(関口克己) 同法案をめぐっては国民新党代表の亀井静香金融相が反対を明言している。このため、平野博文官房長官は二十六日の記者会見で「きちっと閣内で合意しないといけない」と述べ、与党三党の党首級による基本政策閣僚委員会で調整を図る考えを示した。 小沢氏は今月十一日の政府・民主党首脳会議で、同法案について「日韓関係を考えると政府が出す方がいい」と述べ、党議拘束のかかる政府提案とするよう要望、鳩山由紀夫首相も了承した。 小沢氏が法案成立に積極的なのは夏の参院選で在日本大韓民国民団(民団)の側面支援を期待するとともに、参政権付与に熱心な公明党と慎重な自民党との間にくさびを打ち込む狙いがあるとみられる。 ただ、小沢氏は二十三日、自らの資金管理団体による土地購入問題で事情聴取を受けた。今後の捜査の進展次第では、小沢氏の党内に対する影響力が弱まり、同法案の慎重派が息を吹き返す可能性も出てきた。 すでに民主党内では「これで法案は難しくなった」(推進派の中堅)、「とてもできる状況ではない」(慎重派のベテラン)との見方が強まった。小沢氏に近い議員も「できなくなったのではないか」と漏らした。 同様に、内閣法制局長官を含む官僚答弁を禁じる国会法改正案も小沢氏をめぐる政局の推移に成否がかかってきた。 そもそも官僚答弁の禁止は、新たに法律で規定しなくても現行法の運用で実現できる。小沢氏の推進力が衰えれば、それだけ法案の実現性が低くなるのは確実だ。[東京新聞 26日配信]ところで、普天間基地問題は、県外移設への圧力が高まる一方だが、いったいどうするつもりなんだろう?あと4ヶ月なんて、あっという間だよね。もうこうなったら、ウルトラCで、佐賀県移設しかないかな~?土地はたっぷり余ってるらしいよはなわ兄弟と松雪泰子の意見を聞いてみたい。・・・江頭2:50も忘れずに~
2010.01.29
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この夏、あわれ野党に転落し、「金襴緞子(きんらんどんす)」から「貧すれば鈍す」の境遇をかこつに至った自民党が、党名変更(改称)を検討していることが明らかになった。どこまで本気なのかは知らないが、久しぶりに微爆笑できた話題ではあった。問題提起をしたのは、天下に隠れもなき論客、前厚生労働大臣の舛添要一氏であるという。・・・う~む、さすがに問題意識が鋭いなあ~。保守層である自民党支持層の国民が保守的であるのは、言うを俟たない同義反復・自己完結的な事実である。ゆえに、こんなことが実現する見込みはほぼ皆無に近いとは思うが、言葉の表現のお稽古、なかなか高度な言語遊戯、思考実験、頭の体操&暇つぶしとしては格好のモチーフかも知れない。浮き世の義理で形だけに過ぎないとはいえ、レッキとした自民党員の端くれである僕は、この話に乗ってみることにする。前置きはともかくとして、とっとと行ってみよう~!日本党日本国民党自由改革党日本国の古来よりの美称「敷島」と「瑞穂の国」を合わせて、敷島瑞穂党・・・これは誤解を招く恐れが大である自由民主党-民主党= すなわち、自由党日本伝統党共産主義(共有財産)に反対し、私有財産を尊重・保護する立場から、日本私産党日本共和党・・・とりあえず、こんなところが思い浮かびますた~皆様も、建設的なご意見があれば、コメントを下さいませ~。政権奪回へ自民が3理念、党名変更も検討課題 【読売新聞】 自民党の政権構想会議が年内にまとめる政権奪回に向けた基本理念の原案が25日、明らかになった。 政府の市場への過剰介入を避けることなど、三つの目標を掲げたほか、検討課題として党名の変更を挙げた。党所属議員の議論を経て、来年1月24日の党大会での承認を目指している。 原案では「国民に『自由民主党』という党名に対する拒否反応がある」と指摘した上で、党名や綱領の変更を検討項目として提案した。党名変更は1993年の細川政権成立で下野した際も議論されたことがあるが、94年に村山政権で与党に復帰したことや、比例選での党名投票で不利になるなどの意見を考慮して、シンボルマークの変更にとどめた経緯がある。 一方、三つの目標として〔1〕資本主義制度を円滑に機能させる〔2〕民主主義を堅持する〔3〕社会の安定を確保する――ことを挙げた。その方策として、経済成長を通じた歳入増による社会保障分野の充実、多様な意見を反映できる選挙制度への改正、地域共同体を利用した国民の「協同連帯」の強化の必要性などを示した。(11月25日14時35分配信 読売新聞)
2009.12.01
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インターネット上の調査サイト「ニコ割アンケート(1)、(2)」の最新集計(11月26日付)によると、鳩山内閣支持率は前月の調査(10月27日実施)より5.2ポイント減の17.7%となり、危険水域といわれる20%を大きく割り込んだ。一方、「支持しない」は9.7ポイント増の49.9%となったという。もちろん、この調査はサンプル抽出の無作為性・客観性・任意性に疑問があり、きわめて正確とはいえないと思うが、10万人を超える参加者の規模から見ても、今や誰もが無視できないものとなったネット世論の動向を、ある程度示していることは否定できないだろう。プロ・アマを問わず、ネット上には厖大な政治・経済関連のウェブサイトやブログ、掲示板での言説が溢れており、僕などが屋上屋を架して付け加えることはほとんどない。・・・が、少なくとも、深刻さを増しつつあるデフレーションや円高など経済への驚くべき無策ぶり、外交・安全保障・防衛での無定見、首相自らをはじめ、政治資金問題での厚顔無恥・無節操ぶりが徐々に明らかになるにつれ、戸惑いと失望感が静かに拡がりを見せはじめているのは事実だと思う。鳩山政権は、すでに見た目以上に八方塞がりで、どこからどう見てもにっちもさっちも行かなくなっているのが実情である。崖っぷち close to the edge である。経済状況については、街の誰もが公然と「鳩山不況」という言葉を使って語りはじめており、これこそ実は「流行語大賞」ノミニーにふさわしいのではないかとすら思える。雇用などをにらんだ緊急経済対策の色彩がある本年度の第2次補正予算編成すら、まだ着手も出来ていない“のろま大将”ぶりだ。その規模も、亀井静香金融・郵政改革担当相が「こんなもんじゃどうにもならない」と吠えたという2.7兆円程度に留まるといわれ、焼け石に水ではないかと見られている。その財源に充てるべく遂行された鳴り物入りの事業仕分け作業だったが、削減の成果は1兆6000~7000億円に留まり、目標の3兆円には遠く及ばなかった。このままでは、不安・不満の声がさらに深刻な怨嗟の声となる日も近いと言えよう。いつまでも「自民党政治の負の遺産」というような責任転嫁の言い訳は通用しないだろう。確かに、鉄面皮の蓮舫議員と、国立女性教育会館の神田道子理事長との丁々発止は、一幕物の芝居としては実に面白かったし、この事業の限りなく中止に近い縮減・フェードアウトについては大賛成するが、この不況は「笑って終われるような話ではないんですよね」なのだ。このまま手を拱いていては、日本経済は「二番底」を迎え、一時的な氷河期どころか「永久凍土」になってしまう。一方、「ブリヂストン・ママ」ことグレート・マザーからの、10年間で10数億円(産経新聞報道、読売新聞では6年間で11億円)のお小遣いという「ハトヤマさんちのユキオくん」の“おぼっちゃまクン”ぶりは、政権の致命傷になる恐れも出てきた。・・・これ、いくら何でも、カッコ悪すぎだろ~自民党など野党陣営は手ぐすねを引いて待ち構えている。また、アメリカ軍・普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では、自民党政権時代に日米両政府間で堅く結ばれた「キャンプ・シュワブ」(沖縄県名護市辺野古・へのこ)への移設の合意を反故にしてまで、「最低でも県外移設、できれば国外移設」とマニフェストにゴシック体で特筆大書し、衆議院選挙戦中もそれ以降も繰り返し言明し、もはや引っ込みが付かなくなっている。僕は、寺島尚彦作詞・作曲の名曲「さとうきび畑」の大ファンである。森山良子の歌唱は本当に見事である。歴史の大波に翻弄され、今も過重な基地プレゼンスの負担に喘ぐ沖縄県民の苦渋は想像に難からず、深く同情申し上げている。もし円満に解決できるものなら、それに越したことはない。・・・が、この問題がそう簡単に解決できる問題なら、すでに自民党政権が何とかしていただろう。北朝鮮という「ならず者」がいる北東アジアで、沖縄に基地を配置することは地政学的にベストであり、当然であるというのが、国際政治・軍事関係の専門家のコンセンサスだと聞く。東アジアの地図を一瞥すれば、我々しろうとの目にもそれは一目瞭然だ。鳩山首相や岡田外相は、その移設先に関する現実的な見通しがあって発言しているのか、はなはだ疑問である。佐賀県? 福岡県?グアム島? 硫黄島?まさか、宮崎県?そのまんま東が、体を張って抵抗するだろう。関西空港(大阪府)!? ・・・ファンタジーじゃないか?やれるもんならやってみれ~!といった話だろう。その解決へのラストダンス、ラストチャンスと思われた、先だってのオバマ大統領との日米首脳会談では、何ら具体論に踏み込むことなく、「トラスト・ミー(私を信じて)」のひと言でお済ませになった。呆れて物が言えない。我々は、にこやかなオバマであるとは限らない。そうは問屋が卸さない。まして、この問題にはそう遠くないタイム・リミットがある。来年1月には、地元・宜野湾市の市長選が行われる。国家・政府・首相マターであるこの重大問題を、地元市民の判断に委ねるなどということは、一国政府の恥さらしであり、面子丸つぶれである。鳩山首相と内閣が、いくら何でもそこまで雨にも負けず風にも負けずの恥知らずだとは思いたくないが、・・・なにしろ宇宙人だから、けっこう分からんぞ~。こちらの年末年始、アメリカ側のクリスマス休暇を考えれば、実質1ヶ月程度の猶予(モラトリアム)期間しか残されていない。首相は、昨27日朝に、首相官邸で仲井真・沖縄県知事と会談したそうである。会談はいくらやってもまあけっこうだが、この問題で首相は、早急にドラスティックな判断を下せるのか。一歩誤れば、沖縄県民をはじめとする国民、そしてアメリカを敵に回すことになるのは必定である。すでに、アメリカ政府は内々に岡田克也外相を事実上(デファクト)の「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物・要注意人物)」に認定したという一部報道もある。非核三原則や朝鮮半島有事の際の米軍行動などでの密約をやたらにほじくり出し、無用にアメリカを刺激したツケである。龍の逆鱗に触れている、虎の尾を踏んでいるといえよう。何を目論んでいるのか、全く理解できない。密約があったのかなかったのかといわれれば、そんなものあったに決まっているだろう。「吟じます。・・・あると思います。」しかし、それを断乎認めないのが、これまでの政府・自民党と外務省の“公式見解”であり、“紳士協定”であり、“大人の事情”というものであった。今回、無謀にも公然と米国を敵に回したことで、岡田氏は首相候補などとして事実上「失脚」したという見方も出ている。肯ける。・・・確かに、アメリカといたずらにギクシャクするような人物に日本のトップが務まるわけがないだろう。さて、鳩山政権だが、最も気の早い予測では、この12月にも政権は危機に直面するという報道が噴出してきた。そこまで急激ではなくとも、来年度予算が成立する前後の2~3月頃までには、何らかの猛火が噴き出すという見方が少なくない。■東洋経済HPその場合、民主党は、というか小沢一郎氏は、首相・党首の首をすげ替え、菅直人氏を次期首相に充(あ)てるハラであるといわれる。菅氏も、すでにそれを十分に意識し、隠忍自重、音無しの構えを見せているのはご覧の通りである。小沢氏はまた、世論が民主党に不利であると判断すれば、来夏の参議院議員選挙は衆議院とのダブル選挙とし、天下分け目の関ヶ原とする腹づもりがあるとも推測されている。ダブル選挙が与党に有利になるのは、間違いのない法則であるとされるからだ。民主党政権が、来夏の参院選でも勝てるのかどうか、はたまた国民の不満を的確に吸い上げて自民党が善戦するのか、表面上の凪(なぎ)のような政局に反して、予断を許さない状況は、なかなかに深化しているように見える今日この頃である。
2009.11.28
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動き出した鳩山民主党新政権のさまざまな政策が波紋を広げているが、読売新聞ウェブサイトの「発言小町」でも、最近「子ども手当(仮称)」についての論議が盛んだ。このサイトは、主婦層など女性からのアクセスやレスポンス(コメント)が多いとされ、その本音が聞けて面白く勉強になるので、ご紹介する。→「子ども手当に所得制限をつけないで」 なお、所得制限を設けることは、言うは易く行うは難く、事務的負担・経費が厖大なものになると聞く。この問題は、僕にも育ち盛りの子供が3人いるので、人ごとではない。特に声高に言いたいってほどでもないが、結論から言うと、このトピック主の意見に賛成だ。民主党政権は、かねてマニフェストで謳った通り、粛々と一律支給を実施すればいいのではないかと思う。余計な制限を設けることは、厳密にいえば公約違反になるとも言えよう。評判の悪い高速道路料金の無料化政策と違い、世論の動向もおおむね好意的といわれる。・・・ただ、財源問題、とりわけ数年後には避けられないと見られる消費税の増税にもからんで、本当にこれが実現できるのかどうかは、また別の問題だけどね~。ところで、全く別の話だが、同じ「発言小町」で23日現在、アクセス・ランキングの堂々トップになっているトピック「身勝手な娘の友人」は、あれよあれよと思う間に、平凡なタイトルからは想像も付かない現在進行形のスリルとサスペンス、衝撃のホラー的な展開になってきており、唖然呆然だ~9月21日 11:33のレスなど、緊迫感に満ちたトピ主の書きこみから見ると、どうやら釣り(ウケ狙いの作り話)の類いではないように思われる。・・・こりゃ~、ちょっとした生き地獄になりつつある。あまりのことに、思わず全部のレスに読み耽ってしまった。あ~目が疲れた・・・これはもう、犯罪の域に迫っているのではあるまいか
2009.09.23
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現在僕は、民主党新人に敗れた地元選出のクールな有力自民党議員の落選を心から悲しみつつも、地元のベテラン民主党議員の熱い人間性のファンでもあり、みんなの党を立ち上げた渡辺喜美派の末席に連なるとも見られているという、政治的にはグッチャラグッチャラな立場になっており、強いていうならば「保守的無党派層」とでも呼ぶしかない感じだろうか?・・・自分でも不分明。あれこれ浮世の義理で、今なお一応現役自民党員である僕にも、けさ律儀に自由民主党総裁選挙投票用紙が送られて来た。さ~て、どの名を書こうかな~?谷垣禎一? 河野太郎?・・・もう一人、誰だっけ?
2009.09.19
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関ヶ原の惨敗と下野で茫然自失、意気上がらないことおびただしい自民党の人事だが、どうやら谷垣禎一(たにがき・さだかず)氏(64)の総裁就任で、ほぼ決まったと見ていいだろう。敗戦処理“党首”の、総理にならない総裁なんて、誰がなっても同じだとも思う反面、そこはそれ、国会論戦などで民主党の政策の矛盾に果敢に切り込み、丁々発止、堂々と渡り合いつつ、自民党の立て直しを図っていく地道な意思を天下に示す重要な機会である。確かに、温厚な気配りの人・谷垣氏なら、四方八方丸く治めつつ、民主党にも堂々とモノが言えるだけの知力・政策力を備えているように思われる。しかも、思えば谷垣派といえば、かつての吉田茂、池田勇人、大平正芳派の流れを汲む「保守本流」である。その後、宮沢喜一氏、加藤紘一氏に受け継がれ、現在谷垣氏に禅譲されている。われわれ日本人が、歴代首相の中で真っ先に思い浮かべる「総理らしい総理」、いうなれば「瞼(まぶた)の総理大臣」のランキング上位3人は、衆目の一致するところ、大平首相、池田首相、吉田首相であると言われている。その3名全てを歴代トップに仰いできた有力派閥である。「お公家集団」とも揶揄される地味さとおとなしさ、上品さと知性、堅実な財政・政策通が揃っていることなどが特徴である。領袖は、年代を追うごとに小粒になっているようにも感じられ、宮沢氏の大政奉還以降、ここ15年間ぐらいは党内でも冷遇されてきた状況だったが、今なお腐っても鯛の趣きはある。今こそ彼らの出番なのかも知れない。小泉・竹中構造改革路線に対して、国民からノーが突きつけられた自民党は、現在、路線上の厳しい見直しと、解党的出直しの生みの苦しみに直面している。考えてみれば、こういう時こそ、谷垣氏の地味で人格円満な個性で、次代の政策の総路線を地道に模索、追求、構築していくのが、自民党にとって次善の選択かも知れない。自民党の新執行部は、遠くない将来本格政権を担う予定の石原伸晃氏(52)、石破茂氏(52)、舛添要一氏(60)らをこの際温存し、彼らには一層の勉強と充電の研鑽を積んでもらうとともに、橋下徹氏、東国原英夫氏などをはじめとする清新な地方の人材の取り込みにも目配りしていかなければならないだろう。こういったことが、自民党関係者と支持層のコンセンサス(総意)になりつつあるように見える。
2009.09.17
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鳩山由紀夫新首相(62)による民主党新内閣の人事は、顔見世興行から見る限り、まずは安全運転の無難な船出になったともっぱらの評判である。首相・内閣にとって、人事と予算編成が最も大きな仕事である。大部分であるといっても過言ではないだろう。閣僚名簿を眺めながら、意外にも一定の安定感を感じ、いくらかホッとしているのは僕だけではないだろう。現在の民主党のほぼベストメンバーであり、サザン・オールスターズ・キャストである。人事面ではまずまず及第点といえるのではないか。そう簡単に官僚の抵抗にズブズブぐずぐず、なし崩しの自滅になることはないようにも思える。またそうなってもらっては困る。自民党には立て直しの時間が必要なのだから。さっそく先ほど、どこかの組の「若頭(わかがしら)」みたいな強気なご面相の前原誠司・新国土交通大臣(47)が口火を切って、マニフェストの目玉だった群馬「八ッ場(やんば)ダム」の建設中止と高速道路の段階的無料化の実施を改めて明言したことで、敵を作ってでも本気でやる気だということが鮮明になった。小沢一郎氏(67)とギクシャクしているといわれる前原氏が、新内閣で最も激務となることが明らかな国交相・沖縄北方担当相に就任したことは、体のいい“前原いじめ”であるという穿った見方もある。地方の意向と真っ向衝突する各地のダムや道路建設中止問題、必ずしも評判がいいとは言えない高速道路の無料化政策、対米外交にも影響する重大問題・沖縄普天間基地の移設、破綻した日本航空(JAL)の処理、北方領土問題などなど、襲い来る難問また難問に寧日なき有様となるだろう。ちなみに、僕は前原誠司という政治家は大好きである。将来的には、必ず日本の政治を委ねたい人である。気力・体力・知力ともに傑出している日本のエースの一人である。雨ニモマケズ風ニモマケズ、宮沢賢治の故郷・岩手の小沢一郎にもマケズ、健康に留意して頑張ってもらいたい。期待している。亀井静香氏(72)の郵政・金融問題担当相への起用も、小泉路線を清算できなかった自民党へのカウンターパンチであり、強烈な意趣返しとなった。論功行賞としても上出来であろう。これで、小泉・竹中構造改革路線も「中止」されることが確定した。また、先ほど川端達夫・文部科学大臣(64)が「アニメの殿堂」の建設計画中止を正式表明した。順当なところであろう。新内閣の閣僚は、ここぞとばかりに競い合って、これまでの自民党・官僚主導政治への“怨み晴らさでおくべきか”政策を打ち出して来そうである。ただ、新官房長官の平野博文氏(60)が、年行ってる割にはいかにも貫禄不足で、やや弱い感じがする。これは「お友達人事」と言われても仕方ないだろう。官房長官といえば、国民および官僚との“インターフェース(接触面)”であり“ウィンドウズ(窓口)”だ。菅直人・副総理兼国家戦略局担当大臣(62)が務めてもおかしくないほどの枢要なポストである。もうちょっと重量級の人物に出来なかったかと思う。初めての記者会見でも、どことなくオドオドしてるように見受けられた。「官僚のレクは受けさせない」とか言ってたが、「レク(レクチャー)」なんていっても爺さん婆さんには分からない。政治家は日本語で喋ってもらいたい。まあ、まだ重責に硬くなっているのだろうが、声が小さい。下っ腹に力を入れて、一語一語を堂々と喋ってもらいたい。感情的な軋轢による小沢一郎氏の私憤で外されかかっていたという藤井裕久・新財務大臣(77)が、何とか鳩山氏のイニシアティヴで突っ込めたのは慶賀に堪えない。余人を以って代えがたい人物である。一方、小沢氏にかねてから「態度がデカイ、生意気だ」と睨まれているという野田佳彦氏(52)とそのグループは、今回大臣人事では干し海老のようにホサれ、「小沢支配」の一端が垣間見えたが、先ほど野田氏の財務副大臣就任が決まり、藤井財務相の懐刀として最前線に送り込まれることになった。小沢氏が凄いことは分り切っているのだから、野田氏も少しは手揉み肩揉みでもして臨んだ方がいのではないか。厚生労働大臣になった長妻昭氏(49)は、「ミスター年金」で売り出した内閣の花であるが、厚生労働行政全般には明らかに経験不足で時期尚早、今回の人事最大のミステイクだと囁く声もあるといわれる。厚生労働官僚と渡り合い、怒鳴りつけてケンカが出来るのは、武闘派で鳴らす仙石由人・行政刷新担当大臣(63)をおいて他にないという。実際、こども手当や保育所の整備、配偶者・扶養控除の廃止をはじめ、医療、介護、セーフティネットの構築など雇用などまで多岐にわたる喫緊の課題が数多く、それら全部への対応は至難の業である。ただ、役人は長妻氏を本気で嫌がっているといわれるので、消えた年金問題の解決と、新たな年金制度の改革のワン・イシューに限って言えば、一定の手腕が期待されよう。まあ元・厚生大臣で「薬害エイズ」問題で名を上げた菅氏がバックにいるので、その辺から“院政”を布かせる手はずかも知れない。なお、福島瑞穂・社民党党首(53)が、消費者・少子化問題担当大臣という、誰がやってもだいたい同じような部署に置かれたのは、日本の未来のために良かった。変な色を出さずに、おとなしくしていてくれさえすればいいと思う。・・・なんだか、思いっきり上から目線な言い草になってしまいまして、すいませ~ん
2009.09.17
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米有力紙ニューヨーク・タイムスに掲載された鳩山由紀夫次期首相の論文が、反米的・反グローバリズムとまで評され、アメリカの日本ロビーには大きな波紋が起こっていると伝えられている。有力経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」のこの記事も、そうしたアメリカ側の驚きと苛立ちを反映して、筆致は皮肉と辛辣を極め、ある種の敵意すら感じられるものになっている。ただ、文章は非常に上手くて面白く、読ませるものになっていると思うので、ここにご紹介する。「ニューヨーク・タイムズ」紙や、イギリス「フィナンシャル・タイムズ」紙も、社説などでほぼ同様の論評をしていると伝えられている。“宇宙人”鳩山氏に対する欧米側の当惑が察せられる。・・・まあ、われわれ多くの日本人も同様だが(笑)日本、無能な者らを放り出すウォール・ストリート・ジャーナル 8月31日付メアリー・キッセル記者いくら(辛抱強い)日本国民といえども、利益誘導型の“お友達”政治や失政、経済の変化への無策ぶりには劇的に匙を投げざるを得なかった。昨日の日本民主党とそのリーダー鳩山由紀夫氏の勝利は、決して些細な出来事ではない。54年近くにわたる自民党の支配を突き崩したものだ。最近では、1993年に同様のことが起こったが、この時は8つの党の寄せ集めに過ぎず、わずか11ヶ月しか力を保持することが出来なかった。対照的に、民主党は十年紀(ディケイド)を超えて党の結束を保ち続け、ついに今回、衆議院の4年の任期いっぱい居座ろうと願っている。鳩山氏はまた、衆議院での圧倒的な多数を勝ち得たことで、過去10年以上で最大の大衆的委任の力を振るうことになる。民主党とその友党の連合軍は、いまや両院をコントロールするに至った。このような政治的激震が最近目撃されたのは、2005年、小泉純一郎首相が経済の改革(リフォーム)の実行、および改革反対(アンチリフォーム)派の排除のための大衆の委任を得ようと、電撃的に打って出た選挙以来である。鳩山氏は、精彩を欠いた三つの自民党政権の後に登場した。彼は、ジョージ・W・ブッシュに対するバラク・オバマのように、「アンチ小泉」である。彼の政治的マントラ(呪文、真言)は「ユーアイ」、すなわち友情と愛情だ。小泉氏は(資本主義的)改革を唱えた。鳩山氏は反資本主義者だ。小泉氏は「競争」を抱きしめた。鳩山氏は「アジアと国連」を抱きしめたいと思っている。小泉氏はアメリカに接近した。鳩山氏は、中国の台頭は不可避であり、日本は過去に蓄積された繁栄の果実を以って、諦めてやっていくべきだと考えている。小泉氏は北京に対して強硬姿勢で臨み、日本が再び成長して強い防衛力を備えることを望んだ。これらは小さな差異ではなく、アジアにおけるアメリカの権益にとって些細なことでもない。鳩山氏のケインズ経済学への崇拝は、世界第2位の経済にとって第二の「失われた10年」を導くかも知れない。彼は、農業での保護主義、労働者の最低賃金の引き上げ、環境保護への責任という名目での高い関税障壁、高齢者・親・失業者へのさらなる直接給付などの政策の擁護者である。彼は、中小零細企業を競争から守りたいと思っている。彼の減税公約は、最小限(ミニマム)だ。彼の予算の無駄遣いカットの目標は、曖昧模糊(ヴェイグ)だ。彼の自由貿易協定(FTA)への関与は、ささやかだ。彼の政権公約の中に「経済成長」という言葉は、皆無だ。鳩山氏の大きな改革理念に、官僚主義(ビューロクラシー)への攻撃がある。これは価値あるゴールであり、有権者への大きな得点になる。しかし彼は、日本政界での合言葉となった「郵政」に触れようともしない。彼は「政治家(ポリティシャン)」が「政策(ポリシー)」を作ることを望んでいる。これは他の通常の民主主義国家では、陳腐なほど当然のことだ。だが、もし肝心の「政策」自体が良くなければ、そんなことが本当に問題だろうか?外交政策においてもまた、民主党は小泉時代からの変化(チェンジ)を特徴としている。鳩山氏は、アジア太平洋地域のアメリカのほかの同盟国と同様、ワシントンとの友好関係が日本の安全保障の礎(いしずえ)だという姿勢を維持している。彼はこの問題について大した選択肢を持っていない。日本は今なお軍事力を十分に「正常化」していないし、もしそれが出来たとしても、東京が中国のひたむきな軍備増強と未熟な政治経済的諸条件に与(くみ)し得ると考えるのは非合理だ。民主党は、自民党と同様、アメリカを必要としている。しかし鳩山氏は、まさに日本がこの同盟関係から距離を置くことを語って、国内で大衆迎合(ポピュリスト)的な得点を稼ごうと腐心している。まず手始めに彼がしようとしているのは、アメリカ主導のアフガニスタン国際駐留部隊への自衛隊の給油をストップさせることだ。もしそうなったとしても、実用的な影響はさほどないだろう。が、これは象徴的な事柄だ。民主党はまた、在日米軍の地位に関する基本的な協定についてのアメリカとの再交渉と、国連とのそれ以上の交渉を望んでいる。これは実戦部隊への影響が最も大きい問題だ。オバマ氏のように、日本の新しい指導者もまた、核兵器のない世界というユートピア的理想を好む。北朝鮮による最近の核実験とミサイル発射によって、こういった思考は純朴(ナイーヴ)に見えるようになった。注目すべきことは、オバマ政府が、北東アジアの枢軸的同盟国で起こっているこの反資本主義・反米主義的変化について、全く無頓着に見えることだ。これは誤りだ。鳩山氏はこれまでにわずかな統治の経験しかないので、日本にとって最良で最も親密な同盟国(アメリカ)からの、若干の“教育的指導(ガイダンス)”を受けるといいだろう。(拙訳)
2009.09.13
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きのう10日付の読売新聞に、今後数年間の中期的な政局に関する五百旗頭真(いおきべ・まこと)防衛大学校長の展望が載っており、鋭いと感服した。読売を購読していない方のために、要点を一部転載してご紹介する。(前略)これで民主党の長期政権になるとは思わない。小選挙区が中心の制度なので、2大政党によるかなり激しい政権交代が続く。民主党は、今の人材と政策で全力投球して、いくつかの課題を達成する。しかし、2~3年もすると弊害が目立つようになり、ぼろぼろになったところで堂々と選挙で負ける。それまでに自民党はしっかり政策と人材の準備をしておく──。2大政党制にはこれが必要だ。自民党は政権を早く奪い返そうと、スキャンダルを暴き立てるようなことばかりをすべきではない。(中略)心配なのは、外交・安全保障の分野だ。例えば、海上自衛隊によるインド洋での給油は、犠牲者を避けたい日本に天が与えてくれたような活動だ。費用は限られているが、関係国には本当に感謝されている。これを続けていれば、米国も「アフガニスタンに陸上自衛隊を」とは言わない。オバマ大統領は軍事も非軍事も評価できる人なので、鳩山代表が自分なりの世界観を持って「こういう世界をつくるために、こういう協力をしたい」と言えば、「ありがとう。さすがだ」となる。しかし、「給油はやめる。沖縄の米軍普天間飛行場は代替地なしで返せ」では、日米関係はもたない。組閣人事はとても大事だ。「お友達内閣」や「論功行賞内閣」では、あっという間に吹き飛ばされる。力のある中堅・若手を抜擢するべきだ。国民のための政治ができるベストメンバーを組まなければならない。読売新聞10日付朝刊1面・緊急連載コラム「民主に注文」より〔以下くまんパパ〕短文だが、さすがに論客の五百旗頭氏らしいきわめて示唆に富む見解で、はたと膝を打った。鳩山民主党新政権は、特に外交・安全保障・防衛分野などで、五百旗頭氏が懸念する最悪の方向性に突き進む危険性すら孕んでいると、僕も危惧している。政権が「2~3年」で行き詰まるという見立ても、おそらく節度ある穏健な表現であり、リアルには、早ければ1年半~2年ぐらいで問題点が噴出し、にっちもさっちも行かなくなる可能性がある。ただ、天下り・渡り天国、湯水のごとき無駄遣いなど、やりたい放題の官僚主義(ビューロクラシー)の打破と、国民の負託を受けた政治家主導の行政運営の確立という理想には大賛成であり、明治維新以来の大改革であるという民主党の謳い文句も、あながち誇大広告とは思わない。千載一遇の好機であり、今回出来なければ永久に無理だろうと思う。また、これが相当程度達成出来なければ、問題になっている巨大な財源も、おそらくほとんど出ないだろう。新しい国家戦略大臣・副首相に就任する菅直人氏は、短気ゆえに「イラ菅」などと揶揄されながら、けっこうやる時はやる男、結果を出せる男だとも言われる。いよいよ氏の真価が試される正念場を迎えた。小沢一郎氏と菅氏が、政界有数の碁敵(ごがたき)同士であることはよく知られている。僕も囲碁を嗜むせいか、力量ある碁打ちの脳髄は、ある程度信用に足るものがあると思っている。趣味だけで人物を判定するのもどうかとは思うが、囲碁は数手先までを深読みする能力と直観力が開発され、勝負勘と忍耐力が涵養されるゲームである。碁に長ずる才覚は、政治家や事業家に必要な資質とピッタリ重なり合うと思う。戦国武将たちが、例外なく囲碁の達人だったことは好例であろう。小沢氏と菅氏のタッグは、力量を発揮する方向性さえ間違わなければ、という前提条件が付くが、端倪すべからざる(計り知れない)ものがあると思う。たとえ火だるまになってでも、この喫緊の課題である公務員制度改革だけは是非とも成し遂げてもらいたいと強く期待する。・・・なお、ついでにいえば、僕は宇宙人・鳩山新首相にはあんまり期待していない。何を考えているのか、あのタカラジェンヌ出身の奥様ともども、よく分からない(笑)特に、外交・安全保障の方面では余計なことを一切せず、ただただおとなしくしていてくれればいいな~と思っているのが正直なところどす~とりあえず、ご紹介と寸評まで。
2009.09.11
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短歌の方は、間もなく「短歌人」11月号の締め切りが切迫しているのですが、短歌以上に床屋政談が好きなので、もう一発軽くブチかまします~民主党がマニフェスト(政権公約)で打ち出した新規政策と、発表されている茫漠たる(?)財源案は、次の通り(読売新聞2日付朝刊・経済面などによる)。 【政策の主な項目】 来年度 2013年度1人年額31万2千円の 2.7兆円 5.5兆円子供手当て・出産支援 (子供手当ては半額)ガソリン税などの 2.5兆円 2.5兆円暫定税率の廃止高速道路の無料化 段階的実施 1.3兆円農家への戸別所得補償 調査・制度設計 1.0兆円公立高校の実質無償化 0.5兆円 0.5兆円〔合計(その他の新規 7.1兆円 16.8兆円政策を含む)〕 【財源案】 2013年度予算の徹底的な効率化 9.1兆円(その内訳は、独立行政法人への補助金削減などで6.1兆円、公共事業の見直しで1.3兆円、公務員の人件費削減などで1.1兆円など)埋蔵金(特別会計余剰金) 5.0兆円の活用、政府資産の売却租税特別措置の見直し、所得税の配偶者控除・ 2.7兆円扶養控除の廃止 〔合計〕 16.8兆円この収支案のフィージビリティ(実現可能性)について、財政政策のプロフェッショナルたちは「民主党の言う通りに予算が組めたとしても、それは1年目だけ。2年目以降は国債に頼らざるを得なくなる」(財務省幹部の談話・読売新聞2日付)、「民主党が指摘する予算の無駄遣いはそれなりにあるとは思うが、16.8兆円も出るとは思えないので、財源をどうするかが問題となる。多分、とりあえずは赤字国債を発行しないと手当てができないのではないか。実際に政権に参加すれば『やっぱり大変なんだなあ』ということが分かって、これまで自民党も民主党もなかなか手をつけようとしてこなかった消費税の問題について両党の話し合いが進めば、日本にとってはいいことだと思う」(竹中治堅・政策研究大学院大学准教授、読売新聞1日付朝刊)など、言葉遣いこそ丁寧だが、結局は赤字国債と消費税増税頼みであると、一様に懐疑的かつ冷ややかな視線を投げかけているようである。ピッカピカの新政権に対して、僕もなるべく温かい目で見守ろうという気がないではないが、リアルな分析としては、しろうとなりに全く同感である。ウチの場合、育ち盛りの子供が3人もいるので、正直言って「子供手当て」の支給はすごくありがたいのだが(この金額、けっこうデカイよね)、・・・そ~いう問題じゃないだろ~っ行きはよいよい帰りはコワイ。打ち出の小槌はどこにもない。必ず愛は勝つ♪とか、そうは問屋が卸さない。これでいいのだ、とは言い切れないのだ。あとからドンとツケが回って来るのだ。鳩山次期首相は、消費税増税を最低4年間は行なわないと自らの手を封印している。一方、赤字国債を増発すれば、な~んだ、それ見たことか~、与謝野馨・財務大臣の睥睨のもと、それなりに財政規律を遵守してきた自民党よりダメじゃ~んっ! と、天下の笑いものになることは必定。前評判ばかり良くて、本編が大したことない映画を見た時の落胆みたいになる。財源探しは四苦八苦、難行苦行の作業となろう。言うは易く行うはあまりにも難く、この難度たるや、かぐや姫の出した無理難題並みである。・・・その代わり、といっては何だが、もしこれらが7割方でも実現できれば、内政面で見れば民主党は日本の救世主と仰がれるかも知れない。・・・外交・安全保障はまた別問題だけどね。さあ、宇宙人と言われるミスター・ピジョンマウンテン(鳩山)の超常能力で解決できるのか?ど~するど~なる? 満座の視線を浴びて、ハラハラドキドキ綱渡り正念場の民主党政権である。
2009.09.03
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前の記事が規定文字数の1万字に達してしまったので、エントリーを改め、もうちょっと続けることにする。有権者の厳粛で峻厳な選択を受けて発足することになった民主党新政権に、現時点で言えることがさほどあるわけではない。まあ、要するに国民全体が劇的な審判を下して選んだんだから、受け入れるしかないのだろう。われわれ国民は、期待と不安を抱きつつ、しばらくは黙って見守るほかあるまい。ひと言お断わりしておきたいが、多くの皆さんと同様、僕も今回の政権交代劇が起きたこと自体は良かったと思っている。長年に亘った自民党一党支配体制の澱みに風穴が開き、二大政党制の緞帳が切って落とされたことは、歴史的な一歩である。この点は大いに評価し、歓迎する。ただ、これもまた多くの皆さんと同様、民主党の政権担当能力に関しては、かなりの疑義と不安を覚えるのも事実である。例えば、民主党の政策には経済成長の戦略がないという、自民党や保守陣営から発せられている鋭いツッコミは、確かに当たっている面があると思われる。パイを大きくする発想がないのだ。テクニカルな「分配論」(富や所得の再分配論など)と「財源論」は割とかまびすしいが、「発展論」や「進化論」が欠落している。そういった思考回路がほとんどないというか、むしろ長い目で見れば、成長の足を引っ張るようなことばかりしようとしているのが実情ではないだろうか。もしかすると、内心「経済縮小」もやむを得ないと思ってるんじゃないかとさえ疑われる。さっそく、すでに俎上に上げられている群馬のダムをはじめとして、大型公共事業は片っ端から中止・廃止になるのだろう。いわゆる「アニメの殿堂」建設計画については、僕も愚行だと思っているので、早急な廃案に賛成である。だが、その他の道路、治水・ダム、鉄道交通網、各種施設の整備計画なども、不要不急のハコモノ行政の烙印のもとに、軒並み廃止されるのだろうか。これらは、地元自治体・住民の長年の悲願である場合も多い。東国原宮崎県知事の、同県内のライフラインとなる高速道路網の整備の訴えにはリアリティがあると感じられる。また、これらは経済的に巨大な波及効果と輸出主導でない内需の拡大をもたらし、国家百年の計の観点から必要なインフラストラクチャー整備である場合も多い。こういう面を一顧だにせず、どんどん中止させようとしているのが、民主党の基本的な内政の方向性だといえる。言い換えれば、それをガッテン承知の助で民主党政権を選択した国民は、健全な経済成長の放棄を選択し、代わりに直接的な国家による種々の手厚い保護を要求したというのが、今回総選挙の論理的帰結である。確かに、一部の大金持ちを除き、今や少なからぬ国民が、過労死か、ホームレスか、絶望の果てに鬱病か自殺かというような、笑えない「究極の選択」の恐怖を身近に感じている閉塞的で緊迫したご時世である。このような世情を作り出してしまったことについては、現政権側に猛省を求めたいし、事実、月に代わって猛烈なお仕置きが下されたわけである。社会的弱者の保護・救済のためのセーフティネットの確立は当然のことだが、自公政権がこういった点に関して配慮が十分でない印象を与えてきたことは残念ながら事実であり、今回の与党側の大きな敗因の一つである。だが、現在世界経済はゼロサム状態に呻吟しており、例えば非正規雇用労働者などの弱者を救済したり最低賃金を底上げしたりするには、そのつど社会的な痛みを伴うことになる。日本でワークシェアリングが根付かないのは、つまるところ既得権益者、いわば強者である正社員の所得(給料)が減るからにほかならないことは、中学生でも分かる理屈だ。これらを報道する立場の新聞社正社員やテレビ局正社員の驚くべき高給と下請けいじめ、所得階層ピラミッド構造(ヒエラルキー)などは、今や誰でも知っている事実である。まず隗より始めてはどうだろうか?さて、これらの厖大な財源をめぐって、民主党は予算の大幅な組み換え・無駄遣いの廃止などを方策として挙げているが、この点について反対する国民はいないだろう。どうか役人の横暴を抑えて、大いに大鉈を振るってもらいたいものである。だが、4年後にも行程表・タイムテーブルに乗ると見られる消費税の大増税はもとより、大企業の法人税の優遇税制の撤廃(すなわち増税)や富裕層への増税などを、国民世論の動向を睨みながら、ひそかに虎視眈々と目論んでいるというのが本当の本音ではあるまいか。防衛費の削減についても、最近、民主党幹部の誰かが言及したと思う。ついにそこに触れたか。・・・共産党と違って「軍事費」と呼ばないだけ、いくらかマシか。北朝鮮の、日本に照準を合わせた核ミサイルの脅威への備えも、民主党に言わせれば「不要不急」ということなのかも知れない。北朝鮮の暴走については、今なお「6カ国協議を通じて」などと、寝言みたいなことを繰り返しているばかりだ。あなた任せの無為無策というほかはない。鳩山代表・次期首相の「パックス・アメリカーナ(アメリカによる平和)」への挑戦的な言動も合わせて、安全保障・防衛政策への危惧は高まる一方だ。一歩引いて見ると、これらのイデオロギー的な基盤は、全て底の方でリンクしているように思われる。方向性としては、高福祉高負担の「大きな政府」志向にほかならない。政治思想的にざっくり割り切れば、修正資本主義、すなわち一種の社会民主主義的な思考体系の発露といっていいだろう。麻生政権が提示した、夜警国家+中福祉中負担の「中ぐらいの政府」という、歴史的にきわめて妥当な国家イメージから、大きく左旋回することになるのだろう。・・・とはいうものの、繰り返すが、国民が選んだんだから、しょうがないよね。自民党から見れば、しばらくお手並み拝見・充電期間の秋である。
2009.09.01
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いや~、昨夜は目が爛々らんらんとしてしまって、至極涼しい夜だというのに、よく寝付けなかったよ~んきのう投開票が行なわれたニッポン夏の陣・第45回衆議院議員総選挙は、自民城が燦たる落陽のもと死屍累々の惨敗で落城・炎上し、壊滅的な打撃を蒙った。関ヶ原に敗れた西軍・会津上杉家のようなものか。・・・ああ哀れ、直江兼続。麻生自民党総裁(首相)は、直ちに引責辞任の意向を表明した。自民党の次期総裁を選ぶ総裁選挙は、9月28日に実施される。なお、連立相手の公明党も、幹部全員を含め小選挙区で全滅するなどの大打撃を受けた。一方の民主党は、圧勝で天下統一を果たし、衆議院での絶対安定多数を確保した。ただし、参議院では過半数を保有しておらず、他の野党との連立が不可避となる。再来週9月14日(月)からの週に召集される特別国会で、鳩山新政権が誕生する。・・・とはいえ、直前の大方の予測に比べれば、民主党308、自民党119の結果は、意外と自民党側が善戦したなという印象もある。衝撃的なアナウンス効果による、多少の揺り戻しがあったようにも思われる。ほぼ予想されていたこととはいえ、これが現実のものとなって見ると、そのインパクトはやはりスゴかったと言わざるを得ないねこの国に二大政党制が根付いたと思われる一点で、今回の事態を僕は歓迎する。ただし、次回は自民党の逆襲も、当然あり得るわけである。「明日は我が身」のシステムが現出し政界に緊張感が漲ることは、一般的に見ていいことだ。中でも、いわゆるデファクト(グローバル)スタンダードとされるアメリカ型市場原理主義(マーケット・ファンダメンタリズム)を信奉・標榜する「小泉チルドレン」勢は、77名中67名が城を枕に討死にという惨状で、国民が「小泉・竹中構造改革路線」に引導を渡し、終焉を宣告したことが最終的に確認された。与党の敗因の第一は、何といってもアメリカ発の世界同時不況である。これがなかりせば、多少の失政があったとしても、これほどのランドスライド(地滑り)的大敗は喫しなかっただろう。言われるように、小沢一郎氏の選挙戦術の巧みさも認めざるを得ないが、それは二次的・テクニカルな事柄であろう。そういう意味では、麻生首相は運が悪かった。しかも、そのアメリカ式資本主義総本山の蹉跌と、小泉改革路線による格差拡大が、国民の目に二重写しに見えた感は否めない。資本主義社会において経済格差が生じることは、ある意味で当然の現象であるが、それが社会的不公平感となって喧伝され、一定の説得力を持つに至ってしまった。この点でも、自公政権は時の利を得なかった不幸があり、結果責任である政治では自業自得の謗りも免れない。これを敷衍すれば、政治上の路線の問題、延いては思想・経済学の“神学的”な問題でもあり、平易な言葉を用いて、情報公開、および責任を以って国民にそれを説明する言葉を持たなかったのが、核心的な敗因だと思う。さらに自民党は、底辺に喘ぐ非正規雇用労働者の問題に見られるように、早くから指摘されてきた社会的セーフティネットの構築を等閑視していた。これは、いわば資本主義体制の中の、一部修正社会主義フレーバーというか、スパイスの問題というべきであろうか。こういう細部に“政治的配慮・思いやり”は宿る。この辺の微妙な妥協と、ケインズ的・ニューディール政策的なフットワークが欠落していた。しかも為政者は、帝国ホテルのバーでカクテル三昧の優雅な晩餐。これはイメージが悪かった。こういった点は、確かに失政だったと言われても仕方がないように思われる。これらは総体として天の声と言わざるを得ず、自民党は真摯・深刻に受け止めなくてはならないだろう。今にして思えば、あのオッチョコチョイの勘違いヒルズ族・ホリエモンを、勝ち組代表みたいに自民党が持て囃したあたりが、ケチの付き始めだったような気もする。地方住民のマグマのような反感と怨嗟の坩堝を甘く見すぎたツケである。今後、自民党“残党連”は野党として、三白眼がコワイ石破茂、または舛添要一新総裁のもとで、地道な建て直し再建路線で捲土重来を図るしかあるまい。死力を尽くした選挙対策、無党派層の取り込みの研究、力のある新人議員の発掘を早急に要請される。自民党内には、なお前途有為な人材は決して少なくない。復活の潜在能力は十分にあると、僕は確信している。こうなったら、自民党のアイデンティティ(自己同一性)は、この際、外交・安全保障・防衛、そして伝統文化・教育など少数の要点に特化した方がいいのではないかと思うし、現状では、自民党の余力はもはやそのぐらいで精一杯なのではないかと思う。惟おもんみれば、自民党のレゾン・デートル(存在意義)は、もともと伝統的保守主義に措定すべきだったのであり、都市住民の利得に偏った小泉・竹中路線は、すでに論理的に破綻していたのではないかとさえ思われる。それが今回露わになったに過ぎない。今回、台風のごとき疾風怒濤の審判が下った以上、自民党が構造改革路線をトータルに放擲し撤退することはやむを得ないが、一方でそれはもう自民党の任にあらず、とりもなおさず民主党新政権の腕の見せどころでもあるわけだ。国民は冷徹に見守るしかなすすべがない。しかるに、民主党には政党の背骨(バックボーン)たるべき綱領さえない。悪く言えば烏合の衆である。何を目指しているのかほとんど分からない。外交・安全保障分野でも、党内左右両翼で水と油の四分五裂、何となくフワフワそよ風の社会民主主義風の反米主義に流されているだけの無定見ぶりである。鳩山氏の、寝た子を起こすごとき「ニューヨーク・タイムズ」掲載論文は、知日派エスタブリッシュメントの反感を買っていると伝えられ、政権を取ってもいない今から早くも綻びを見せている。小沢氏の、在日米軍軽視発言と合わせ、近い将来、これは必ず重大な躓きの石となると見て間違いないだろう。アメリカを敵に回して無事でいられるほど国際情勢は甘くない。これらに加え、内政・経済政策面でも、自民党は民主党にガンガン有吉弘行バリのツッコミを入れて的確なチェック機能を発揮しつつ、基本的には、その手腕に対しお手並み拝見・高みの見物を決めこむスタンスしかないだろう。ところで、その自民党内では、図らずも世代交代が実現され、旧態依然な勢力が一掃されたのは、むしろラッキーだったのではないかという穿った見方もある。船場吉兆のババ社長の教訓ではないが、いつまでも半分ボケたご老体が一国の舵取りを仕切っている図はどう見ても美しいと言えず、これはある意味で願ってもない展開になったという、半ば居直り的ではあるが、一理ある言説である。「災い転じて福となす」「ピンチはチャンス」「火の鳥の生まれ変わり」理論(?)である。・・・それにつけても、東京5区で落選した佐藤ゆかりたんは、本当にかわいそうだったニャ~、・・・グシュン(・・・けっこう隠れファンなのです~)。さて、ご承知の通り、日本経済は待ったなしの崖っぷちである。熾烈な国際競争の嵐の中で、政権交代ごときにはしゃいでいるいとまは微塵もない。これまでの民主党は、ややもすると実務能力・経験不足への懸念から「ホップ・ステップ・肉離れ」などと揶揄されて来たが、今回与党となって「ホップ・ステップ・マンホール」の蓋を開けることのないように望みたい。民主党がマニフェストで提示した■子供手当て1人月額26,000円、■高校授業料の実質無料化、■高速道路料金の段階的無料化、■年金制度の一元化と最低年金月額7万円、■最低賃金自給1000円、■全農家への“逆ザヤ”個別補償制度などの政権公約は、何が何でも死に物狂いで実現させるのだろう。逆に言うと、この初手から躓つまづいているようでは、お先真っ暗というほかはない。これらに充てる巨額の財源16兆8000億円は、予算の抜本的な組み替えと無駄遣いの禁止等で捻出するとしているが、既得権益を墨守しようとする官僚機構とのバトル・ロワイヤルがこの秋口早々に開始されることになる。その先も“脱官僚(依存)”政治主導・市民主体の政治を標榜しているが、予想される強力な面従腹背的抵抗の中で、何をどこまでやろうとしているのか、出来るのか、国民の不安は根強いものがある。政治ファンの目で常識的に見れば、再来年度予算編成が一段落するまでの1年半ぐらいは何とか頑張れるのだろうが、その先の見通しは皆無だろう。・・・昭和戦争における日本軍かよっ!ただ、よほどの不慮の事態でもない限り、民主党が今回得た308の巨大議席を自ら放棄するわけもないから、当然4年の任期いっぱい近くまで解散を引っ張るハラであろうが、果たして実質的にどこまで持つのかなあ~と、率直に言ってかなり眉唾モノである。政権2年目ぐらいからは、ほとんど全く何も出来ず、ただ静かに立ち腐れていくのを手を拱いて見ているだけになりはしないか。「都市博の中止」以外は何一つ出来なかった、記憶に新しい青島幸夫・大風呂敷東京都政、全く何一つ出来ずフリーズしっぱなしだった無能の骨頂・田中真紀子外務省の惨状が、国政レベルで再現されるのが今から見えるような気もする。ただ、「4年間は消費税を上げない」という言い回しで、事実上4年後の消費税大増税を予告していることは、政権政党としてのリアリズムがあると評価できる。全くリアリティを欠落している日本共産党を除き、どの党にとっても消費税の増税は早晩直面せざるを得ない課題であり、時間の問題に過ぎないことは自明である。なお、民主党に対する国民の最初の中間評価・通信簿は、約1年後の来夏の参院選で下されることになる。そこまでに、少なくとも改革の道筋を示せるかどうかが、重大な鍵となる。民主党は、現在の野党勢を合わせて、衆議院での再可決が可能となる定数の3分の2の320にも王手をかけたといえる。もうちょっと掻き集めれば、独裁政治でも何でもできる強者となった。・・・しないと言ってるけど。ただ、勝ちすぎだという指摘もある。巨大勢力を持て余し、求心力がもともと薄い寄り合い所帯に油断が出て、遠心力が作動するという見方も浮上している。民主党の分裂と、自民党を巻き込んでの政界再編の可能性は、むしろ高まっているというのだ。現執行部に批判的な前原グループの決起もあり得る。また、誰もが鳩山何某なにがしが民主党を実質的に仕切っているとは思っていない。大方の見方は“傀儡マリオネット”にほかならない。小選挙区制を導入し、虎視眈々とこの日を見据えて来た民主党の首領ドン・小沢一郎氏の粘着性大長編シナリオの第1章は、とりあえず満願成就したといっていいだろう。恐るべき男である。その豪腕ぶり、やはり大したヤツだと、率直に認めたい。そもそも、思想的無定見はともかく、資質として男の中の男であることは、言うを俟またない事実である。何よりも、何を考えているのかよく分からない茫洋たるところが美学である。ドン・ヴィトー・コルレオーネである。今回、「小沢チルドレン」、わけても「小沢ガールズ」の猛威は、AKB48の100倍ぐらいの勢いと新型インフルエンザの10倍ぐらいの感染力があった。またしても、驚くべき炯眼と戦いくさ巧者ぶりで天下の人士の舌を巻かせてしまった。・・・ひとり、小沢氏の高笑いだけが響いている、夏から秋へのゆきあいの空であった。
2009.08.31
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終戦の詔書 全文 現代語訳私は、深く世界の大勢と日本の現状とを熟慮して、非常の措置を以って状況を収拾しようと思い至り、ここに忠実で善良なあなたがた国民に告げる。私は、日本政府に、アメリカ、イギリス、中国、ソヴィエトの四か国に対して、そのポツダム共同宣言を受諾すると通告させた。そもそも、日本国民の安心安全を図り、世界の国々とともに繁栄を楽しむことは、わが先祖が規範として遺したことであり、私は一日たりとも忘れたことがなかったが、先にアメリカ、イギリス二国に対し宣戦した理由も、また真に日本の自立自治と東アジア地域の安定を希求してのことであり、他国の主権を侵害したり領土を侵犯するようなことは、もとより私の意志ではない。しかし、交戦状態はすでに四年を経過し、私の陸海将兵の勇敢な戦闘、私の官僚の精勤、私の一億国民の公共心に基づく尽力は、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦況は必ずしも好転せず、世界の情勢もまたわれわれに不利である。そればかりではなく、敵は新たに残虐な爆弾を使用して多くの罪のない非戦闘員市民を殺傷し、惨害がどこまで及ぶか、まことに計り知れない状況に立ち至った。それでもなお戦争を継続すれば、ついにはわが民族の滅亡を招いてしまうばかりではなく、ひいては人類の文明をも破壊してしまうことになるだろう。もしそのようなことになれば、私はどうやって億兆の我が子たる国民を守り、先祖の霊に謝罪することができるだろうか。これが、私が日本政府をして、ポツダム宣言に応じさせるに至った理由である。私は、日本とともに終始東アジアの植民地解放のために協力してくれた友好国に、謝罪の意を表明せざるを得ない。日本国民で、戦場に死し、あるいは職場で殉職し、不慮の運命に倒れたもの、そしてその遺族に思いを致せば、全身が引き裂かれるほどつらく苦しい。さらに、戦場で負傷し、戦災の被害を被り、家や生業を失ったものの再起については、私は深く憂慮しているところである。思えば、今後日本が受けるであろう苦難は、言うまでもなく並々ならぬものだろう。あなたがた国民の偽りのない苦しい心も、私はよく知っている。しかしながら私は、堪え難きを堪え、忍び難きを忍んで、ここに未来永劫のために平和な世界を開こうと思う。私は、ここに我が国の体制を護持し得て、忠義で善良なあなたがた国民の真心を信頼しつつ、常にあなたがた国民とともにあるだろう。もし、感情の激するままに濫りに事を構え、あるいは同胞が排斥し合って互いに国の針路を誤り、信義を世界に失うようなことは、私の最も戒めるところである。どうか国を挙げて孫子の代まで語り継ぎ、堅く神の国の不滅を信じ、責任は重大で道は遠いことを自覚し、総力を将来の建設に傾け、道義心を篤くし、志(こころざし)と操(みさお)を堅くして、誓って日本文化の精華を輝かせ、世界の動向に遅れないことを期さなくてはならない。あなたがた国民は、どうかよく私の意思を理解せよ。昭和20年(1945)8月14日(拙訳)
2009.08.15
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朕ちん深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑かんがみ、非常の措置を以て時局を収拾せむと欲し、茲ここに忠良なる爾なんぢ臣民に告ぐ。 朕は、帝国政府をして米英支蘇べいえいしそ四国しこくに対し、其その共同宣言を受諾する旨、通告せしめたり。 抑々そもそも、帝国臣民の康寧を図り万邦共栄ばんぽうきょうえいの楽たのしみを偕ともにするは、皇祖皇宗の遺範にして、朕の拳々措おかざる所、曩さきに米英二国に宣戦せる所以ゆゑんも、亦また実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾しょきするに出いでて、他国の主権を排し領土を侵すが如きは固もとより朕が志こころざしにあらず。 然るに交戦已すでに四歳しさいを閲けみし、朕が陸海将兵の勇戦、朕が百僚有司の励精、朕が一億衆庶の奉公、各々おのおの最善を尽せるに拘らず、戦局必ずしも好転せず、世界の大勢、亦我に利あらず。加之しかのみならず敵は新あらたに残虐なる爆弾を使用して頻しきりに無辜むこを殺傷し、惨害の及ぶ所、真に測るべからざるに至る。 而しかも尚、交戦を継続せむか、終つひに我が民族の滅亡を招来するのみならず、延ひいて人類の文明をも破却すべし。斯かくの如ごとくむば、朕何を以てか億兆の赤子せきしを保し、皇祖皇宗の神霊に謝せむや。 是れ、朕が帝国政府をして共同宣言に応ぜしむるに至れる所以なり。 朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し、遺憾の意を表せざるを得ず。 帝国臣民にして戦陣に死し、職域に殉じ、非命に斃たふれたる者、及び其の遺族に想おもひを致せば五内ごだい為に裂く。且かつ、戦傷を負ひ、災禍を蒙かうむり家業を失ひたる者の厚生に至りては、朕の深く軫念しんねんする所なり。 惟おもふに今後、帝国の受くべき苦難は固より尋常にあらず。爾臣民の衷情も、朕善く之を知る。 然れども朕は、時運の趨く所、堪へ難きを堪へ、忍び難きを忍び、以て万世の為に太平を開かむと欲す。 朕は茲に国体を護持し得て、忠良なる爾臣民の赤誠に信倚しんいし、常に爾臣民と共に在り。 若もし夫それ、情の激する所、濫みだりに事端を滋しげくし、或は同胞排擠どうほうはいさい互に時局を濫り為に大道を誤り、信義を世界に失ふが如きは、朕最も之を戒む。 宜しく挙国一家子孫相伝へ、確かたく神州の不滅を信じ、任重くして道遠きを念おもひ、総力を将来の建設に傾け、道義を篤あつくし志操を鞏かたくし、誓ひて国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらむことを期すべし。 爾臣民、其れ克よく朕が意を体せよ。御名御璽昭和二十年八月十四日大臣副署註昭和天皇の御意を体して、内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)氏、漢学者・川田瑞穂(かわだ・みずほ)氏(内閣嘱託)が起草、陽明学者・安岡正篤(やすおか・まさあつ)氏(大東亜省顧問)が加筆修正。大臣副署は、当時の鈴木貫太郎首相以下16名の書名と花押。原文は、全文片仮名、旧字体。段落、句読点、濁点、振り仮名なし。
2009.08.15
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栃木・宇都宮市中心街で、きのう午後2時半ごろ(くまんパパ撮影)衆議院総選挙は、正式にはまだ公示にもなっていないが、すでに事実上の中盤戦たけなわになっていることは、皆さんも肌で感じておられるだろう。お盆をはさむ異例の真夏の選挙戦で、候補者や支持者も大変である。率直にご苦労様と申し上げたい。当地・栃木1区の小選挙区では、これまではずっと、磐石の地盤・看板・カバンを誇る自民党前職の有力議員の金城湯池であったが、今回ばかりは分からないぞと囁かれている。この前職F氏に今期4年間の失点はなく、頑張って仕事をしていたと見られるだけに、これは全く中央政界の迷走の巻き添えである。また、長い間典型的な保守王国だった当地の気風も、最近では都市型メンタリティに変容しつつあると指摘されている。いずれの週刊誌も△▲マークで激戦ぶりを裏付けているが、特に「女性セブン」が、情勢分析で自民党前職に▲を付け、民主党新人に△を付けたのには、思わずおのれの目を疑うと同時に、女性誌ならではの鋭い指摘かも知れないなという思いが脳裏をよぎった。確かに、それほど厳しい戦いになっている。ちなみに、お隣「クソ茨城」(U字工事)の、県都・水戸などを含む1区でも、“絆創膏大臣”で勇名を馳せた赤城徳彦氏が大苦戦中と伝えられる。実は僕は、自民・民主・公明(創価学会)陣営いずれにも、親戚やかなり親しい刎頚の友などがいて、当然いろいろと情報は得ているが、具体的なことは非常に書きづらいし、しろうとの僕がここで未確認情報を書いても詮無いことなので、このぐらいでやめておく。いずれにしても、やはり今回、政権交代の可能性はかなり高いと言わざるを得ないようである。来たるべき民主党を中心とする政権の政策実現能力、ひいては政権担当能力には若干の危惧もあると指摘されている。特に官僚機構との関係で、面従腹背的な総力の抵抗をどこまで突破できるのかには不安も残る。外交・安全保障・防衛などの分野では、特に不安を感じる。・・・が、もう事ここに至っては、一度やらせてみなければ分からない、やらせてみようというのが、どうやら現在の国民のコンセンサスになりつつあると見受けられる。国民の側も、ハラを括ったということだろう。二大政党制の確立という、確かに崇高と思われる理念も、僕たち中年世代は、政治的に物心ついてからでも30年ぐらいだが、“百年河清”を待っていたという気分がある。事あれかしと待ちに待っていたような野次馬根性もある。僕らの上の「全共闘世代」の、かつての無分別な“共産主義革命”を標榜する街頭左翼的言動などが、健全な議会制民主主義の成熟を妨げてきた大きな一因だったとかねがね思っているが、この点はいまさら言ってもしょうがないことではあろう。時代の成熟度ということでもあるよね。英米型二大政党制の確立のため、多少の不安には目をつぶろうか。・・・というか、僕ごときがどう思おうと叫ぼうと、現実に否応なしにその方向へ雪崩を打って突き進んでいる疾風怒濤の風が、今の民主党の勢いのようである、と言ったら言い過ぎだろうか。民主党・岡田幹事長が宇都宮で演説【下野新聞(栃木)8月13日付】 民主党の岡田克也幹事長が12日、宇都宮市を訪れ、衆院選栃木1区立候補予定者の石森久嗣氏の応援演説を行った。 二荒山神社前での演説で岡田幹事長は「消えた年金は自然に消えたのではない。政府がなにもしなかったからだ。医療崩壊も勝手に崩壊したのではなく、政府による人災だ」と自民党の政策を厳しく批判した。 民主党のマニフェストについては「基本は変わっていない。民主党の魂がこもっている。大きな柱は人に援助だ」と主張した。 また、岡田代表は「この4年で自民党がやったことは総理の首を変えただけだ。こんな国はどこにもない。自民党と民主党、どちらが国民に真剣に向き合っているか考えてほしい」と政権交代の必要性を訴えた。[8月12日 18:56配信]
2009.08.13
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きょう2日のソウル市場では、韓国ウォンの対ドル相場が急落し、一時1ドル1590ウォン台と、ほぼ11年ぶりのウォン安水準に下落した。前週末の米国株式相場が大幅安となったのを受け、株式市場で外国人投資家の売りが先行。株価が大幅に下落し、海外マネーの流出が再び拡大するとの警戒感が強まった。【日本経済新聞 NIKKEI NETなどより】■為替ネットナビゲート韓国ウォン/米ドル為替レート・リアルタイム表示一つの心理的障壁と見られていた1500ウォンを突破してから、ますます歯止めが利かなくなったようである。・・・ほんの数年前には、1ドル750ウォン前後の“わが世の春”を謳歌していたこともあったのだから、現在のヒドさ、推して知るべしである。金融危機に端を発した世界的な景気後退の波が、我が国をも苦しめていることは改めて縷説するまでもないが、とりわけお隣の韓国経済は、明らかなスタグフレーションに陥り、危機的状況にあるといっていいだろう。■スタグフレーション:スタグネーション(景気後退、経済活動の停滞)とインフレーション(通貨膨張、物価上昇)が同時に起こること。ハイパーインフレーションなどと並び、経済の状況として一般的に最悪の状態の一つと見られ、恐れられている。インフレーションなら金融引き締め、デフレーション(通貨収縮)なら金融緩和などの明快な政策対応があるが、スタグフレーションは市場における矛盾のダイナミックな調整の激しい嵐であり、これに対しては、事実上有効な金融政策はないとされている。縮小均衡点に達するまで、手を拱(こまね)いて見ているしかないのが実情だ。またそれは、消失点(ヴァニシング・ポイント)でもあり得る。具体的な目安としては、成長率が2期連続でマイナスを記録し、さらに物価が政府の管理目標値(現在、韓国は年間3.0±0.5%)を超えた場合のことを指すとされる。下記の韓国国内報道などを読んでも、この目安を悠々クリアしている模様だ。今回の経済危機は、もちろんアメリカの金融秩序の大混乱が主因だが、さらに昨年の北京オリンピック前後に端を発していた中国沿海部の住宅・不動産バブル崩壊も重なって、負の相乗効果になっているという指摘がある。根は深い。中国のアジア諸国からの最新の輸入高は、対前年比で実に50%程度まで縮小している。一時的にせよ、貿易が半分に縮んでいるといっても過言ではないであろう。これが直撃している。今後、中国政府は、57兆円と伝えられるアメリカ並みの財政出動を行い、その90%はインフラストラクチャー整備に宛てるというから、これはまさに中国版ニューディール政策といえる。これは確かに一定の効果はあるだろうが、隅々まで奏功するには最短でも相当な時間(2~3年?)がかかる話だろう。■日経BIZ PLUS「ウォン急落に続き、実体経済の急速な悪化に直面する韓国」平塚宏和氏論文■MONEYJINE(マネージン)ウォン安に飲み込まれた隣国「韓国経済の現実」ドル、円など基軸通貨に対してウォンを買い支えるべき韓国銀行(中央銀行)の外貨準備高も、2000億ドルを早晩割り込む見通しである。韓国の人口は日本の約3分の1である。日本銀行が約1兆ドルを確保しているのと比べても、いかにもお寒い状況である。枯渇する惧れも出てきた。アメリカは米韓通貨スワップ協定をこの秋まで延長し、日本も同様のスワップに加え、国際通貨基金(IMF)を通じての強力な援助をしているが、韓国の実体経済の悪化は底なしで、短中期的な改善の見通しもなく、率直に言うと、韓国経済の破綻は時間の問題と言わざるを得ない。デフォルト(債務不履行)に陥る惧れも出てきた。今後、日本は〔I〕韓国に対し、公的資金(日本国民の税金)を使って種々のさらなる巨額の援助をするのかどうかという問題に加えて、〔II〕不逞韓国人の不法入国・滞在の問題などに直面せざるを得ない。ひいては、治安のさらなる悪化も懸念される、主権者たる我々国民の高度な政治判断のイシューになってくる。いずれにしても、どう転ぼうとも、日本にとってプラス面は何もないというのが真実ではないだろうか?■法務省入国管理局 本邦における不法残留者数について私個人の見解だが、隣国だからといって、我が国固有の領土である竹島を一方的に不法占拠・実効支配し、我が国を敵視し、日頃から“ないことないこと”ありとあらゆる反日言説を垂れ流しているこの国を助ける義理は全くないと思う。冷たい言い方に聞こえるかも知れないが、見て見ぬふりをして見捨てることこそ、自立しないこの国に対する慈悲である。韓国を助ける余剰資金があるというのなら、日本国内の貧窮するワーキング・プア階層などの救済やセイフティ・ネットの構築に充てるべきだ。これが日本国民の本音の大勢であり、政府はその声に虚心に応えるべきであろう。なお、韓国経済の抱える構造的な諸問題については、こちらの「はてな匿名ダイアリー」に分かりやすくまとめられている。賢者・小室直樹氏の「韓国の悲劇」は昔確かに読んだ覚えがあるが、当時と何ら変わっていない現状に、改めて愕然とさせられる。内情がきわめて深刻であることが伺える。ウォン安進行に賃金下落、国民の生活さらに厳しく【ソウル26日韓国聯合ニュース】生活必需品などを中心に物価高止まりとなっているが、最近ウォン安・ドル高が急速に進み、物価上昇圧力がさらに強まるものと予想されている。雇用面では仕事を分け合うワークシェアリングの広がりが賃金の凍結・削減などにつながっており、給与所得者の暮らし向きはさらに厳しくなりそうだ。 企画財政部と統計庁が26日に明らかにしたところによると、1月の食料品価格の上昇率は前年同月比10.5%で、同月の消費者物価上昇率3.7%の3倍近くに達した。穀物の上昇率が10.3%、肉類は14.1%を記録し、酪農品や油脂類もそれぞれ23.9%、24.1%高騰した。食品価格の上昇を受け、庶民が好む外食の値上がり率も消費者物価上昇率を大きく上回った。参鶏湯が9.2%、キムチチゲ定食が8.0%、豚カルビが8.9%、サムギョプサル(豚ばらの焼肉)が11.6%、かゆが10.0%、ラーメンが12.7%など、前年同月比で10%前後上がった。のり巻きとアイスクリームも上昇率は21.6%と25.0%で、20%を上回っている。 問題は、物価が上がっているにもかかわらず、賃金は据え置きかむしろ下がっているという点だ。政労使による非常対策会議はこのほど全体代表会議を開き、労働界は企業の経営環境に応じ賃金の凍結・返上、または削減を実践、経営者側は経営上の理由による解雇を自制することを決めた。雇用をできるだけ維持する代わりに、給与は据え置きか削減することに同意したもの。 また、30大グループも今後数年間は既存社員の賃金を凍結することにしたと発表した。ワークシェアリングの意味で、特に新入社員の賃金引き下げ幅が大きい。30大グループは大卒新入社員の年俸を最高で28%まで削減すると決め、公営企業も大卒新入社員の年俸を最大30%下げることにしている。 LG経済研究院のシン・ミンヨン研究委員は「物価上昇率が依然として高いなかでウォン下落が進み、経済主体にはまた別の打撃とならざるを得ない。特にワークシェアリングなどの影響で賃金が凍結・削減され、各家庭の消費委縮はさらに深刻になる可能性がある」と話している。
2009.03.02
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【竹島の領有権に関する我が国の一貫した立場】1 竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土です。2 韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠であり、韓国がこのような不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も、法的な正当性を有するものではありません。* 韓国側からは、我が国が竹島を実効的に支配し、領有権を確立した以前に、韓国が同島を実効的に支配していたことを示す明確な根拠は提示されていません。 ■読売新聞■外務省オフィシャルウェブサイト■日本と韓国、竹島問題の基礎知識■島根県総務課・竹島問題研究所
2008.12.31
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20世紀以降、つねにグローバル経済の前衛(ヴァンガード)として振る舞ってきた超大国アメリカが、このたび大失態の自爆の形で脆くも崩れ去ったことは、短中期的に全世界に深刻な影響と懸念をもたらさずには置かないだろう。今、何が起こっているのか、無い知恵をしぼって僕なりに考えてみたい。省みれば、アメリカの相対的な力と地位の低下は、戦後一貫して進行してきたと考えられる。その典型的なメルクマールは、戦争遂行能力である。第二次世界大戦では、ナチス・ドイツおよび大日本帝国という2大強敵を相手に回して、イギリス・ソ連などの助太刀もあったが、最悪の場合挟み撃ちの危険もある2正面作戦を敢行し、ノルマンディ上陸作戦や硫黄島など個々の戦闘では苦戦もあったが、最終的には完膚なきまでに相手を叩き潰す圧勝だった。僕たちが、その叩き潰された方の辛酸を知っていることは言うまでもない。国が滅んでしまった。戦後になってやっと封切られた、戦前の“総天然色”アメリカ映画「風と共に去りぬ」や「白雪姫」などを見て、ああ、こんな凄い映画を作る国と戦争して勝てるわけがなかったと、日本の全ての男たちは思った、・・・と、あらゆる映画史の本に書いてある。アメリカに全ての希望があった、とさえ思われた時期である。ちなみに、海軍首脳部のエリートたちは、すでに戦前に外地で「風と共に去りぬ」を見ており、この戦争に勝ち目がないことを知っていたと伝えられる。それならそうと、ど~してもっと早く言わないのっって、今さらあとの祭りか。その後、ほとんど引き続き行なわれた朝鮮戦争では、金日成(キム・イルソン)の共産主義による朝鮮統一の野望で戦端が開かれ、受けて立ったアメリカは、当時のソ連および共産主義中国の後ろ盾による代理戦争の中で、相当いいところまで攻め込んだが、結局は水入りのドローが精一杯だった。その結果による北朝鮮の存在と38度線は、今も人類のお荷物となって、ご存知の通り日々新た、我々を悩ませているのである。ベトナムでは、やはり同じようにソ連のバックアップがある代理戦争だったとはいえ、今度は泥沼の敗退。現在も、イラク一国を相手に四苦八苦中である。このように、徐々に、しかし顕著に国力は落ちて来ていたのだが、今回の事態は、ついにそれらのごまかしが利かなくなって、経済のメカニズムの中で、それが劇的に表現されたものということも出来よう。顔面蒼白、蒼ざめた馬を見よ、である。アメリカはこれまで、破壊と創造の重厚長大型製造業からサービス業立国への転換(ITもその一つといえる)に世界で最も早く成功し、さらにこれらを“原始蓄積”の原資として、「金融立国」へのシフトを強めていた矢先の大事故であった。ご承知の通り、ハイリスク・ハイリターンのサブプライム(低所得層向け)ローンの証券化、およびリスク分散化としての他の証券との複雑な抱き合わせ販売などという、頭脳アクロバット的なマネーゲームで、世界の貨幣(マネー)を一身に掻き集めてきた。どこまで本当か知らないが、これらの金融派生商品開発の最前線は、ITやバイオテクノロジーの最先端部分と同様、MIT(マサチューセッツ工科大)卒あたりのIQ200なんて連中が、統計学などを駆使しつつ当たっているという噂も聞く。こちとら十人並みの脳味噌の凡人に詳しく説明しろと言われても、はなから無理な注文である。アメリカの金融機関従事者は、全労働者の5%程度であるという。それが、近年ではマネー総量の実に40%を動かして来たという。意図はどうあれ、マネーゲーム、うたかたのバブルだったと言わざるを得ないだろう。このうち何ポイント、何10ポイントが消失したのか、専門家でもない僕には分からないが、相当なことになってしまっている危惧も多分にある。いやしくも一国のマクロ経済に関する指標で、何10ポイントの減少なんていうのは、人間にたとえていえば、大量出血の瀕死の重体のようなものだと言っていいだろう。大量輸血(公的資本の注入)と止血(不良資産の処理)しか、根本的な治療方はない。アメリカって国は本当に変な国で、こういうベスト&ブライテストな秀才連中が、いろんな分野で時々大きな誤謬をやらかして来た。苛烈な資本主義社会の中で、自分を見失ってしまう(自己疎外を惹起する)のか、自分に酔ってしまう(ナルシシズムが作動する)のかは不明だが、結果として経済という巨大な怪物レヴィアタン(リヴァイアサン)の餌食になってきたのが、これまでのSTORYのあらすじであった。サブプライムローン一つ取ってみても、世界のどこの金融機関にどのぐらいばらまかれ滞留しているのか、ほとんどトレース不可能だという。食品業界で叫ばれているトレーサビリティ(追跡可能性)のかけらもない。当然、銀行同士の疑心暗鬼による“流動性の流失”が起こっている。経済の血液である、貨幣(マネー)が流れていないのだ。しかしまあ、この点は、各国協調しての必死の公的資金の資本注入オペレーションを待つほかはないし、ある程度の効果は見込めるであろう。問題は、すでに第2ステージに移りつつある。実体経済というステージである。特にアメリカ、ついでヨーロッパのリアルな経済だ。「信用収縮」という言葉がよく使われているが、これはやや品格がありすぎる表現ではあるまいか。「信用崩壊」ぐらいにいう方が、事実に即しているのではないか。そのぐらいのインパクトである。他方では、“ドル本位制”の崩壊とも言われている。外需(輸出)頼みの日本経済にとっても、考えれば考えるほどお先真っ暗という感じがする。これからたぶん数年間は、実体経済の縮小均衡への過程である。言い換えれば、縮小再生産の収束点の追求である。これと就かず離れず、自己の論理で上下する株式市場は、本日も再び大暴落し、乱高下を繰り返している。今日の下落は、直接にはアメリカの小売り統計の悪化による実体経済への市場の懸念が原因であるが、背景には、特にアメリカ政府の対処方針に今ひとつ具体性と徹底性が見えないことへの、市場の激しい苛立ちと、強迫に近いような督促が表現されている。そういう意味では、権力は市場にある。まあ、デイトレーダーなどの投資家でもなければ、日々の株式市況に一喜一憂するには及ばないと思うが、これがひとまず沈静化を見るだけでも今年一杯、本格的な均衡点に達するまでには数年かかるだろうと囁かれている。ただ、この数年間を油断なく、何とか持ちこたることが出来れば、その先には、あわれ零落し老いさらばえ疲弊したアメリカの姿と、相対的に威信を増した日本とヨーロッパ(EU)の巨姿が浮かび上がるのも事実であり、歴史と言うものの残酷な一面をも浮かび上がらせるであろう。日本の信用秩序は比較的健全である。今、モーニング娘。の歌詞と別の意味で、世界がうらやんでいる。「貯蓄から投資へ」のスローガンが掛け声倒れで、実際は個人の金融資産がそれほど証券・株式に注ぎ込まれていなかったというシニカルな事実が、日本を救っているともいえる。ただ、輸出産業は大きな痛手をこうむる。トヨタ、ソニー、社名を変更したばかりのパナソニックなどの業績が本当に心配される。財政出動の必要性は問答無用であろう。今は緊急事態である。財源は、赤字国債発行に踏み込むことも、むろん好ましくはないことだが、タイムテーブルに乗ってくるのは避けられまい。さらに事態の深刻化によっては、「ケインズ経済学」の出番となるかも知れない。1929年の世界恐慌からアメリカが脱出できたのは、掟破りのケインズ的「ニューディール政策」が功を奏したからであることは、よく知られている。これは簡単に言えば、資本主義の枠の中で、一時的・部分的に共産主義的政策を導入する手法と言ってもよかろう。フーバー政権の自由放任から、ルーズベルトの全面関与政策への変革だった。うまくすれば、的確で大規模な集中的公共投資による、雇用の創出と景気の刺激、そしてインフラストラクチャーの整備という、一石三鳥が期待できる。具体的に、ただちに思い浮かぶのはIT(情報技術)関連であろう。ITに集中的に投資し、社会のデジタル化をさらに推進する。ITは、確かに最尖端部分においてヴァーチャル(仮想的)な側面はあるが、レッキとした実体経済の一部門のサービス業である。というより、むしろこれからの実体経済のインフラであり、ハイウェイであり、牽引車であるといって間違いないだろう。今どき、70歳以下でパソコンもケータイも使えないなんて大威張りで言ってるのは、中尾彬あたりが言う分には、芸能人のダンディズムとかで笑って見過ごせるかも知れないが、一般的には単なるディジタル・ディヴァイドの局外者(アウトサイダー)に過ぎない。本人の努力が足りないといわれても仕方があるまい。こういう人がいったん切り捨てられるように見えるかも知れないが、国に金がないのだから、どこかの分野に偏るのはやむを得ない。今や、貨幣のユビキタス(遍在)は無理なのだ。景気が回復するとともに、「金は天下の回り物」効果に期待できるだろう。資本主義の宿命だから、仕方ない。もう一つ思いつくとすれば、「東京オリンピックの招致」か。巨大な波及効果が期待できる。しかしこれは競争相手も多く、実現するのかどうかも疑問である。現時点では、やや雲をつかむような話である。当分我々は、日本人の十八番のお家芸たる“地道で清貧な”生き方をするほかはあるまい。・・・さらに視点を変えれば、今回の顛末は、「権力」が「市場」から「政治」へ歴史的に「移動」または「回帰」する過程になり得るという趣旨の説もあり、一読してぶっ飛んだ~(読売新聞10月13日付朝刊1面、佐々木毅・学習院大学教授、前東大学長談話)。・・・さすが、世間ってところにはアタマのいい人がいるもんだ~と、平身低頭。視野が広すぎ~っ、思考が根源的すぎ~っ!なうほど、言われて見れば、政治は曲がりなりにもそれぞれの国民が制御している。今回のように、しばしば完全にコントロールを失う経済の暴風雨の中に、揺れる木の葉のごとく身を委ねるよりは、政治のリーダーシップというシップ(船^^;)に身を委ねる方が、確かにずっとマシなことかも知れない。プラトン政治学の泰斗・佐々木氏も、肯定的・積極的な文脈で書いている。この快刀乱麻の論理の展開に、おそれ入谷の鬼子母神ですた~。
2008.10.16
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C・R・モリス なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか副島隆彦 恐慌前夜松藤民輔 マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術神の見えざる手 God's Invisible Hand が動いた。ソドムとゴモラは滅んだ。バベルの塔は崩れ去った。アメリカは終焉した。沙上の楼閣は蜃気楼と消え、砂の器は砂へと還る。ご主人は危篤です。すぐご家族を呼んでください。経済学は“神秘学”だと、経済学の教科書の1ページ目に書いてある(ジョン・ケネス・ガルブレイス「現代経済学」)。神秘が扉を開けた。えらいことになってしまった。これから始まる死屍累々。マクロスコーピック・カタストロフへ。世界は、その暴風雨と洪水の余波をまともに受けることになる。ノアの方舟に乗れるのは誰?世界の漂流に茫然自失、色即是空、南無阿弥陀仏。アメリカ国民のお馬鹿な近視眼と、下院議員らの間抜けな右顧左眄が傷口を拡げた。アメリカと世界は、多臓器不全の瀕死の重体である。大量の下血が止まらない。どう首をひねってみても、公的資金(元は血税)の資本への直接注入という、大量の輸血しまくりオペレーションしか手の施しようがないであろう。国際的にはこの土日、この国においてはこの三連休に、人類の未来が懸かっている。全ては、月曜日から遅くとも火曜日に明らかとなるだろう。強風の中で、命綱も安全ネットもないこの人類の綱渡り、一歩足を踏み外せば相当なことになる。阿鼻叫喚の巷になる。そういえば、僕も経済学を学んだ端くれだった。人より多少は景色が見えているのかも知れぬ。手塚治虫「火の鳥・未来編」のロックみたいな気分で見ている。虫の息だった各国共産党が息を吹き返すのかなあ。インターナショナル声高らかに。日本共産党も、最近ミョ~に元気だし。逆に、自民党にも神風が吹いたといえる。解散風は、暴風と共に去りぬ。風は風を以って制す。政権交代なんかして、健康に不安がある党首の未熟な政党に任せたりしているゆとりは消滅した。国民は、麻生太郎と一蓮托生。麻生でダメなら、もうダメだ。・・・あ、ところで、すいませんが、韓国の皆さんを助けている余裕なんて全然ありませんから。日本人って、みんな優しくて、人の情けは持ってます~。決して鬼ではありません。・・・が、下手すれば自分の首が飛ぶというのに、ヒゲの心配してど~すんのって感じ~。♪ 傷ついた友達さえ 置き去りに出来るソルジャー(松任谷由実「ボイジャー」)いつも、ないことないこと悪口雑言言いたい放題のくせに、こういう時だけすり寄らないでちょうだいね~、ストーカー、シッシッ。いいから、もう来ないで。とりあえず、日本固有の領土である竹島を返してね。全ての話はそれからですから。1929年の世界恐慌後の30年代のアメリカの失業率は、思い出すだにおぞましき25%前後。若い世代だけを見れば、この倍以上か。メメント・モリ(死を銘記せよ)。いざ、男たちは、みな尋常に死を覚悟しよう。今、ここに生きている実体経済は、何があっても残るんだから、妻子には、心配するなと微笑みながら、あとを頼むと男伊達。止めてくれるなおっかさん。そのぐらいの覚悟じゃないと、生き残れない。おのおのがた、日本男児なら、今こそ辞世の和歌を準備しよう。例えば、豊臣秀吉の辞世の歌は、名歌といえる「露と落ち露と消えにし我が身かな難波(なにわ)のことも夢のまた夢」である。こういうのを詠んでおこう。ふと気がついて見れば、デファクト・スタンダードという事実上のアメリカナイゼーションは、世界の隅々、津々浦々まで支配していた。もう、地上のどこにも逃げ場はなかった。今思えば、予感はあった。たとえば、小泉氏はスタコラサッサと逃げた。相変わらず、勘が鋭い人だった。ただ今回の事態は、時期はともかく、サブプライムローンの焦げ付き問題がつとに報じられていたせいか、ずいぶん前から強く警鐘がなされていたし、予測されてもいたと思う。日本の株式市場の比較的な底堅さは、その辺にも根拠付けられていたのかも知れない。事前に予測できたのが、野口悠紀雄東大教授やNHKの変わった名前の解説委員(・・・ちょっと今、名前を度忘れした)など、ほんの2~3人だったバブル崩壊の時とは様相がまるで違う。けさの読売新聞朝刊の「編集手帳」によると、破綻した大和生命のあの立派な本社ビルは、かの有名な明治の「鹿鳴館」の跡地に立っているという。すごく象徴的だね~。つわものどもが夢の跡~。ヘッジファンドだレバレッジだデリバティヴだと、神の領域に属するマーケットという神秘をもてあそんで浮かれていた新世紀ノーティーズの馬鹿騒ぎが、一瞬の雷で灰燼に帰すとは。でも、最期がこれほどドラマチックだったなんて、まことに神は恐るべきかな。世界とは神の見えざる手に委ね盲目的な意志の総体 (拙作)* アダム・スミス「国富論」/ショーペンハウアー「意志と表象としての世界」/ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」より。【参考リンク】 日経ネット日本経済新聞10月10日付号外(PDFファイル)経済学者 小幡績(おばた・せき)慶応大学准教授ブログ
2008.10.11
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昭和天皇 御聖断 2 全文昭和20年(1945)8月14日午前10時50分より開催された特別御前会議における昭和天皇のご発言(いわゆる「最後の御聖断」)の全文は、次の通り。反対論の趣旨はよく聞いたが、私の考えは、この間言ったことに変わりはない。私は、国内の事情と世界の現状を十分考えて、これ以上戦争を継続することは無理と考える。国体問題についていろいろ危惧もあるということであるが、先方の回答文(註:ポツダム宣言)は悪意をもって書かれたものとは思えないし、要は国民全体の信念と覚悟の問題であると思うから、この際先方の回答を、そのまま受諾してよろしいと考える。陸海軍の将兵にとって、武装解除や保障占領ということは堪え難いことであることもよく分かる。国民が玉砕して君国に殉ぜんとする心持もよく分かるが、しかし、私自身はいかになろうとも、私は国民の生命を助けたいと思う。この上戦争を続けては、結局わが国が全く焦土となり、国民にこれ以上苦痛を嘗めさせることは、私として忍びない。この際和平の手段に出ても、もとより先方のやり方に全幅の信頼を置き難いことは当然であるが、日本が全く無くなるという結果に比べて、少しでも種子が残りさえすれば、さらにまた復興という光明も考えられる。私は、明治天皇の三国干渉の時の苦しいお心持を偲び、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、将来の回復に期待したいと思う。これからは、日本は平和な国として再建するのであるが、これは難しいことであり、また時も長くかかることと思うが、国民が心を合わせ、協力一致して努力すれば、必ず出来ると思う。私も国民とともに努力する。今日まで戦場に在って、戦死し、あるいは内地にいて非命に倒れたものやその家族のことを思えば、悲嘆に堪えないし、戦傷を負い、戦災を蒙り、家業を失ったものの今後の生活については、私は心配に堪えない。この際、私の出来ることは何でもする。国民は今何も知らないでいるのだから、定めて動揺することと思うが、私が国民に呼びかけることがよければ、いつでもマイクの前に立つ。陸海軍将兵は特に動揺も大きく、陸海軍大臣は、その心持を宥めるのに相当困難を感ずるであろうが、必要があれば、私はどこへでも出かけて親しく説き諭してもよい。内閣では、至急に終戦に関する詔書を用意してほしい。昭和20年8月14日正午 皇居吹上御苑情報局総裁・下村宏氏が、左近司、太田、米内各大臣の手記を参考にしつつ、鈴木貫太郎首相にも確認して記述。半藤一利「日本のいちばん長い日」より 日本のいちばん長い日*情報局総裁は、全ての新聞や現在のNHKをはじめ、マスメディア関連全てを指揮統括する強大な権限を持っていた。なお、まだ民間放送(民放)はなかった。
2008.08.14
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昭和天皇 御聖断 1昭和20年(1945)8月9日深夜~10日未明の御前会議における昭和天皇のご発言(いわゆる「御聖断」)は次の通り。これ以上戦争を続けることは、わが民族を滅亡させるのみならず、世界人類を一層不幸に陥れるものである。自分としては無辜の国民をこれ以上苦しめることは忍びないから、速やかに戦争を終結せしめたい。開戦以来、軍の言うところと実際の間にはしばしば食い違いがあった。現に軍は本土決戦などと言うけれども、九十九里浜の防備さえ出来ていないではないか。もちろん忠勇なる軍隊の武装解除など、忍び難いものがある。しかし、今は忍び難きを忍ばねばならぬ時と思う。昭和20年8月10日午前2時30分 皇居御文庫附属地下防空壕半藤一利「日本のいちばん長い日」より 日本のいちばん長い日
2008.08.14
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このブログサイトは、本来は地味でマイナーな趣味のブログなんですけどね、なんかこの頃、お蔭さまでアクセス数が伸びておりまして、毎日延べ200人ぐらいコンスタントに来ていただいてます~。僕としてはけっこう驚いております~まことにありがとうございます。励みになります~。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。でも、なんでだろ~?・・・別にそれほど大したことも書いてないと思うんですけどね~・・・割と自由に、好き勝手なことをホザイているのがいいんでしょうかね~?・・・うれしいような、ちょっとコワイようなさて、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国(英国、UK)のチャールズ皇太子と、チベット亡命政府のダライ・ラマ14世が、22日ロンドンで会見したことは、きわめて高く評価される。これは、中国に対する国際社会の総意を正々堂々と代弁するものであり、実質的な意義とともに、象徴的な意味があるだろう。さすがは英国。英知の国と言うべきかな~先ごろの福田康夫首相と日本政府の、中国に対する腰抜けな対応とは、月とスッポン、雲泥の差があると言って間違いない。「毒入り餃子事件」は、いったいどうなっているのかね~。このままウヤムヤかいっ!?中国側に非があることは、100%間違いないと思われるけどな~。ところで、チャールズ皇太子は、これまでにも「マクドナルド(のハンバーガー)は、健康上・栄養学的に好ましくないので、つぶしてしまえ」と取れる趣旨の発言をしたり、たびたび確乎とした信念に基づく発言をしており、私はけっこう大した人物だと思っている。異論はあろうが、ぼくはこの意見に賛成である。安易きわまるファスト・フードの代表格である。個人的には、「譲れる一線」を超えていると思っている。エスニック(民族文化)的文脈における食文化的見地から言っても、マクドナルドは、出来れば地球上から消えてほしいものの一つである。それも、マーケット・メカニズムの中で自然淘汰(ナチュラル・セレクション)され、消滅するのが望ましい。「スロー・ライフ」「スロー・フード」の思潮の中で、現在このように思っている人は、決して少なくないと判断するので一言した。さて、チャールズ皇太子は、偉大なるエリザベスII世ママが健在だし、嫁ダイアナはあんなことになってしまうしで、何となく頼りないマザコン男みたいに見られがちだが、決してそんなことはないと思う。今年の大河ドラマ「篤姫」の徳川家定公も、ただのウツケ者ではないみたいだが、英皇太子はなおのことであろうイギリスBBCの往年の人気番組「モンティ・パイソン」より、よっぽどウィットがあると思うチャールズ英皇太子とダライ・ラマが会談 【読売新聞】【ロンドン=森千春】チャールズ英皇太子は22日、ロンドンで訪英中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談した。会談内容は公表されていないが、チベット情勢に国際社会の注目が集まる中での会談は、皇太子がダライ・ラマへの共感を明確に示したものだ。会談は、皇太子の邸宅「クラレンスハウス」で行われ、ダライ・ラマは庭で記念植樹を行った。両者は、1991年に知り合って以来、会談を重ねてきた。皇太子は2004年、ダライ・ラマの講演録に寄せた文章で、「長年、苦難と迫害を受けてきたチベットの人々を英知と愛情で励ましてきた」と、ダライ・ラマを高く評価した。[ 2008年5月23日10時41分配信 ]
2008.05.24
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きのうは憲法記念日で、各地で記念行事が開催された。・・なんか、うんざりさせられる日ではあるね~頑迷ともいえる現行憲法護持派(護憲派)は、今は昔の懐かしの“全共闘集会”ゆかりの日比谷公会堂で、「5・3憲法集会」(日本共産党系の「新婦人も参加する同実行委員会主催」)を催した。日本共産党・志位和夫委員長、社会民主党・福島瑞穂党首、韓国左派活動家イデオローグの李俊揆(イ・ジュンキュ)さんらをはじめ、左翼勢力を中心とする政党関係者・市民団体らが参列した。関係組織の総動員令にもかかわらず、主催者側の大幅水増しお手盛りご祝儀相場の発表でさえ、たったの4300人しか集まらなかったと報じられている。彼らの勢力の衰退ぶりを如実に示す、ショボイ政治的自慰行為であった。私は、言うまでもなく、現在の「日本国憲法」については、明らかに現代という時代と国際情勢にそぐわなくなっている「9条」を筆頭に、全面的に見直し改正すべきだと考えている。ただしもちろん、人類の叡智である基本的人権にかかわる条文は最大限尊重・堅持すべきである。考えの骨子・コンセプトはごく簡明だ。人間も国家も、きちんと自己防衛力を備えた上で、戦争をしないのが理想である。また、必要十分な確乎たる防衛力こそが抑止力となり、戦争の災禍から我が国を守ることになる。こんなことは、改めて力説するまでもない国際常識もいいところであり、反論する余地も見出せないのではないか。「永世中立」のスイスでさえ、「国民皆兵・総武装」とワンパックである。ただ、ご承知の通り、現在の国民世論の動向や現下の政治情勢では、それが具体的なタイムテーブルに乗る現実的な可能性が全くないことは明らかである。政治にかかわる事柄は、タイミングが命である。大古典「孫子」にも、そう書いてある。その点では、「間(ま)が命」の芸能と変わりがない。我々穏健な保守主義勢力の敬愛すべきエースだった、安倍ちゃんの挫折は本当に痛かった~しかしまあ、健康問題では仕方がないやね・・・そのうち、きちんと落とし前は付けるから。今、何を言っても虚しいし、時間と労力の無駄であるので、少なくとも当分は、この問題については沈黙する。・・・今、この文章を読み返してみたら、ちょっとコワモテと言うか、ちょっと舌鋒が鋭すぎるかも知れないが、言うべきことは断乎言うべきだと思っているので、・・・ま、いいかなお、いつもゴチャゴチャとワケの分からぬ左翼的論調を撒き散らしている、アルファ(超人気)ブログ「世に倦む日日」氏が、ついに地金を出した。「憲法護持のために、中国・韓国の人々と共同戦線を張ろう」と明言している。うそ~っ!?!なぜ、日本の憲法の問題に、外国人を引き入れなくちゃならないわけ~?また、この辺りの文章が、昔懐かしい、40年前ぐらいの全共闘過激派のアジ演説そのもの。ノスタルジーさえ感じさせる問わず語りに、反日左翼の正体をモロに現わしたな~ってところである。・・・ここまで短絡的な男だとは思わなかったけれども
2008.05.04
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こうして見ていると、北京にオリンピックを持ってきたこと自体、西側のどこかに凄い知恵者がいたんだろうな~と確信させられる。間違いなく底意(そこい)があって、しかもそれは見事に功を奏しつつある。世界初の近代革命を遂行し人権宣言を高らかに掲げた、誇り高きフランス人とパリ市民を敵に回すなど、天然ボケにもほどがあり、中国人のあまりにもドツボにはまった“お約束”なコメディアン&ヒール(悪役)ぶりに、微苦笑を禁じえない今日この頃であるマキアヴェリズム(深慮遠謀)は、ヨーロッパが本家本元だし赤子の手をひねるようなもの、とは言い過ぎか久しぶりに、マキアヴェリの主著「君主論」を読み返したくなった。・・・あんたはやっぱり偉かった東アジアにおけるアンシャン・レジーム(旧体制)の残滓が撒き散らすあらゆる問題と、一糸乱れぬ不気味なイメージが、パンドラの箱のように噴出し、もはや誰にも止められない。中国経済は、多くの問題を抱えつつも、不幸にも(?)今のところ大局的には好調のようで、中国も余裕かまして強気でいられるわけだろうが、共産主義イデオロギーとの矛盾は、コントロール不能寸前のところまで激化している。チベット人を袋叩きにし、弾圧・虐殺する「中国13億人民の抑えきれない弱いものいじめパワー」は、ちょっとした契機と理論的転回があれば、直ちに彼らの支配者に向けられるだろう。今回の一連の騒動によるダメージは、次第に確実に、じわじわとボディブローのように、中国共産党とその指導下にある(!)政府に効いて来つつある。・・・終わりは始まった。
2008.04.29
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中国共産党政権は、平和な独立国家だったチベットを一方的に侵略し、不法に占領した上、執拗な植民地支配を続けている。チベット民衆の正当な異議申し立てを、圧倒的な軍事力・警察力・政治力などの暴力装置を動員して蹂躙し、生き地獄のような武力弾圧を加えている。チベット民衆を小馬鹿にし、あざ笑いながら、ほしいままに陵辱し、野犬や虫けらのように無差別に虐殺している。かつて自分たちの無能な政府のおかげで欧米列強の草刈り場となり、植民地として辛酸を嘗めた自国の歴史はここぞとばかりに声高に喧伝する一方で、中国共産党は自国民をマルクス・レーニン・毛沢東共産主義思想で洗脳しつつ、自分たちはさらに遥かにひどいことを少数者マイノリティのチベット人に行なっている。全く普遍性のない二重基準ダブル・スタンダードであり、野蛮と無恥蒙昧の極みである。これはまぎれもなく弱いものいじめであり、人殺しであり、人間たる条件の最低水準をも踏み外した鬼畜の所業である。「中華」とは本来、「世界の中心の華やかな文明」の謂いであろうが、現在では「華麗なる自己中心主義エゴセントリズム」の意味になった。中国共産党によって支配されている中華人民共和国は、全く徳義も道理もない独裁恐怖政治の「ならず者国家」である。かつて自他ともに認める「仁義礼智」儒教道徳の本家本元であったおもかげは、もうどこにもない。・・・いや、そんなもの、あの国にはもともと、机上の空理空論であり、巧言令色・粉飾美文のユートピアどこにもないくにであったのだろうと、薄々僕らは知ってしまっているけどね。こうした一連の出来事は、歴史の一ページが繰られている過程にほかならない。同時代コンテンポラリーに生きているものは、意外に真実を見落としがちである。巨視的マクロスコーピックに見れば、地球上から共産主義という災禍が永久とこしえに放逐される歴史的必然的な段階の端緒である。平たく言えば、中国共産党の終わりの始まりである。・・・ところが、ネット上では、あろうことか滅び行く共産主義中国をかばい、その立場を代弁するかのような言説も散見される。そうしたブログの代表格、我々穏健な保守主義者の“神様”ともいえる司馬遼太郎さんの著書のタイトルを図々しくもパクって左翼的な言説を撒き散らしている、「世に倦む日日」というアルファブログ(超人気ブログ)にコメントをしたら、2分ほどで直ちに削除された。なんとも実に暇な奴なのである。おそらく、往年の“左翼の闘士”の成れの果てあたりであろう。若い警察官の皆さんにゲバ棒を振るい、平気で爆弾を使って社会秩序を破壊し、バールで仲間を殺しまくった内ゲバの残党である。呆れ果てて、モノも言えない。20世紀最大の邪悪な新興宗教であり、悪魔の思想であったマルクス共産主義は、もうとっくの昔に終わっている。もうそろそろ、悪夢の共同幻想から目を覚まし、隠居して盆栽でもいじっていてはどうだろうか
2008.04.22
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中国側は、チベットが中国の不可分の領土であると一方的に宣言しているが、これは全く根拠のない詭弁に過ぎない。事実は、1950年代に、古い歴史を持つ独立国のチベットを、毛沢東政権下の共産主義中国が一方的に侵略し、その宗教と文化を、「宗教は阿片(麻薬)である」というマルクス・レーニン主義の教条(ドグマ)に基づき、観光資源としての“絵はがき”的側面を除き、徹底的に骨抜きにしてきたのが実情である。中国当局は、今回のデモの参加者を「国家反逆罪」とかなんとかの罪名で逮捕していると伝えられているが、チャンチャラおかしいことである。一方的に他国を侵略し不法に占領しておいて、盗人猛々しいとはこのことである。ダライ・ラマ14世は、賢明にもチベットの「独立」を要求しておらず、「高度な自治」を掲げて中国政府との対話を要求しているに留めているが、中国側はそれすらも「二枚舌」であるとして理不尽に拒否し、ダライ・ラマの亡命政府への敵視政策を続けている。また、百歩譲って中国政府の言うとおり、ダライ・ラマ側の真の意図が「独立」であったとしても、それはそれで全く正当なことであり、その主張は十分に尊重されるべきだ。「独立」と「(限りなく独立に近い)高度な自治」を合わせれば、おそらく100%に近いチベット人の総意(コンセンサス)であることは自明だと思われる。住民の意思がこういうところにあるならば、圧制者および国際社会はそれを認めるのが当然である。民族の独立と自治、自由(民族自決主義)は、歴史の審判に耐え得た人類普遍の公理である。漢民族の中国は、新疆ウィグル自治区のイスラム民族、東北部の朝鮮族、南方諸民族などとの間にも同種の問題を抱え、やや問題の性格は違うが、台湾との間にも厳しい軍事的緊張関係があり、全て強大な軍事力や警察力による恫喝で押さえ込んでいるのが実情だ。中国政府には、全く道義がなく、仁徳がない。しかも情報操作・統制により、自国民には全く問題の本質を伝えていない。日本でも、親中派として知られるA新聞やテレビAは、中国政府側の噴飯物の言い分を一方的に垂れ流しており、いったいどこの国の新聞・テレビかと思うぐらいだ。さて、間近に迫った北京オリンピックだが、チベット人のその後の人権状況など中国政府の出方にもよるが、場合によってはボイコットもやむを得ないのではないだろうか。むろん、これは極力避けるべき事態であり、最後の手段であるとの留保条件は付けるが。僕はスポーツは見るのもやるのも大好きで、オリンピックも楽しみにしている。これが台無しになるのは非常に残念ではあるし、この日を目指して必死の努力をしている選手にはまことに気の毒ではあるが、開催国民(人民)に世界の怒りを示し、自国の何が問題なのかを知らしめるのに、オリンピックのボイコットという手段がずば抜けて効果的であることは歴史が証明している。ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議しての、50か国のモスクワ五輪へのボイコット・不参加が、その後のソ連崩壊の遠因になったという学者もいる。「スポーツと政治は切り離して考えるべきだ」という意見もあり、なるほど理想論としては一理あるとは思うが、結果として、今回で言えば中国を利することになるという点は看過できない。その効果を十分に意識した上での言説も紛れ込んでいると見る。僕個人としては、ナイーヴ(純朴)、無邪気に過ぎる意見ではないかと思う。THE BOICOTT TO BEIJING OLYMPICS IS UNAVOIDABLEThis is only quite groundless sophistry though being one-sidedly declared by China that Tibet is a territory of the inseparability of China. In the fact, it is a fact for communist China under the Mao Zedong political power to invade Tibet of the independent country with an old history one-sidedly in 1950's, and to exclude "Picture postcard" side as resources for tourism based on the arbitrary decision of Marx and Leninism "The religion is opium (drug)", and to have eviscerated the religion and the culture thoroughly. It is very amusing though it is told that Chinese authorities are arresting the participant of this demonstration "National treason" or something. Another country is one-sidedly invaded, it occupies unlawfully, and "thief hard hard" is this. "Independence" of Tibet is not wisely demanded, and China assumes, even it is "Telling a lie", refuses unjustly, and is continuing the hostile policy to Dalai Lama XIV's defection government to Dalai Lama though restricts to the demand of the conversation with a Chinese government "Advanced autonomy"'s hanging. Moreover, it be quite right even if the intention of the truth on the Dalai Lama side is "Independence" such as transfer and saying of a Chinese government should it, and the insistence be esteemed enough. It seems that it is evident that it is a consensus of Tibet people near 100% perhaps if "Independence" and "(It is near unlimited and become independent) advanced autonomy" are matched. It is natural that the oppressor and the international society admit it if resident's intention is in such a place. Nation's independence, autonomy, and freedom (national self-determination principle) are axioms of a universal human race who was able to endure the verdict of history. It is in the severe tense relation between Taiwan, and holding down by the great military power and the entire police power are the facts though China of Han has the same kind of problem between an Islam race in the Xinjiang Wigl autonomy district and a Korean family and the south various races, etc. in the Northeast part, and the nature of the problem is a little different. Chinese government have no morality at all. Moreover, the home country people are not told the root of the problem at all by the information control and management. The complaint of a Chinese government drips one-sidedly, is thrown, and I think it whether is an integral newspaper and a television of the country, "A Shimbun" newspaper, and "Television A" known as a pro-Beijing faction also in Japan. Well, the boycott might be also unavoidable according to circumstances though it depends on the attitude of a Chinese government like the human rights situation etc. afterwards of the Tibet people though it is Beijing Olympics that approached closely. Of course, though the under reserve such as situations that should be avoided as much as possible, and the dernier resorts this is put. I love to see sports and to do, and am looking forward to the Olympics. I am truly sorry for the player who very regrettably, and is making a best effort this spoilt aiming at this day. However, the history has proven the means of boycott of the Olympics to be effective by far though the anger of the world is shown to the host nation people, and what of the home country the problem is made to be known. There is a scholar that the boycott and the nonparticipation to the Moscow Olympics of 50 countries against which it protests against the Afghanistan invasion of the Soviet Union became remote causes of break-up of the Soviet Union afterwards, too. The Soviet Union and China for instance as the result are disregarded and the point is disregarded ..profit.. ..becoming empty.. though there is an opinion "It is necessary to think about sports and politics by separating", too and it is likely to have a point indeed as an ideal theory. I think that it is an opinion that passes naive and innocently as piece person of me. Author : Kumanpapa (Daddy Bear) Japanese amateur poet
2008.03.20
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